ごみ処理施設…。動き始めた生き物たち

春の陽気で土の中から蟲たちが動き出す季節だが、間もなく飯塚市・嘉麻市・桂川町・小竹町で構成される「ふくおか県央広域施設組合」の新清掃工場整備の実施方針が公表される予定で、動き出す生き物もいるようだ。

同組合は、新清掃工場をDBO方式(公共が資金調達を負担し、設計・建設、運営を民間に委託する方式)で整備を予定している。
可燃ごみ処理施設とリサイクル施設整備で総事業費が370億円を超えるビッグプロジェクト、令和12年度の稼働開始を目指している。

息のかかったプラントメーカーに受注させたい、消耗品でひと儲けなど、触覚の利く政治屋さんは既に動き始めている。

長老議員に厳しい意見書

鞍手郡小竹町では、令和4年12月に24年ぶりとなる町長選挙が行われ、無所属新人でNPO法人役員の井上頼子氏が元町議ら2人を破って初当選を果たした。
しかしこの1年、町長に対し、複数の町議による品位のない言動が続いてきたという。

一つ例を挙げると、昨年9月議会の補正予算審査特別委員会で、和田賢二郎議員(83)が「町長さん、口ちゃ便利なもんですね、嘘が平気で言えますか」と侮辱と取れる発言を行った。
その場で委員長が謝罪するよう促したが、「私は嘘を言うてない、本当にそう思ってますから」と開き直った。

令和5年9月19日 補正予算審査特別委員会



 

このやり取りはYoutubeの小竹町議会チャンネルで公開されていたが、さすがに目に余ると感じた一般町民が、昨年12月、議長宛に政治倫理上の問題として調査を行うよう請求を行っていた。
その後、第三者による政治倫理審査会が開催され、当事者に聞き取りを行い、取りまとめた意見書が 今月提出された。

意見書によると、和田議員は「人を傷つけたのなら、これは私の発言が悪いと思います」と反省の意を示しながらも、「議長、副議長から何の注意もない。それは皆さんが私を支援してくれていると私流に解釈する」と発言を正当化、更には「(町長が)いかに嘘をついているか、例えば9月議会、5回ですよ。訂正して謝罪をしている」など、町長が議会において虚偽発言を繰り返したとの供述を行ったという。

審査会の結論は、
「(和田賢二郎議員の)発言は、品位と名誉を損なう言動として政治倫理条例に抵触するものと判断せざるを得ず、かつ、今後も同様の発言を行うおそれは否定できない」、
議会の場における侮辱、または名誉毀損行為を議会全体が容認する如き雰囲気、あるいは 議員が町職員に対しいかなる発言をしても許されるとの議会の認識を示すものとすれば、町民の議会に対する信頼を大きく失墜させるものであり相当問題
と締めくくっている。

素晴らしい審査会の意見書、春日市の政治倫理審査会とは大違いだ。
あとは、和田議員が同様の発言を繰り返さないか。
和田議員以外でこれまで同様の発言を行ってきた議員らが、今後言動を慎むかどうか。
そして、彼らがこうした言動を繰り返した場合に、議長や委員長がしっかりコントロールできるかである。

人口約7000人、高齢化率 42%と少子高齢化が進む小竹町だが、町民の間からは議員が個人的な問題を議会に持ち込み、町政を停滞させているとの指摘がある。
30年後、50年後を見据えた政策提案が期待されるが、ベテラン議員らにそれができるか注目が集まっている。

適正な議員報酬と供託のすゝめ

小竹町の町長選と町議選の結果が出た。
高齢化率42.1%(令和4年4月1日)と県内で3番目に高い町で、課題が山積しているところ、新しい町長と議会、共に力を合わせてまちづくりに取り組んで頂きたい。

今回町議選の立候補者の年齢が目を引いた。
議員定数12に対し14人が立候補、そのうち65歳以上の高齢者が9人(後期高齢者4人)、一番若い人で59歳である。

その原因は、「高齢者が多いから」というより「議員報酬」の低さにあると言える。
小竹町の議員報酬は月額 22万5000円、ちなみに地方公務員の平均給与月額は 37万4000円、これをはるかに下回っている。
年金生活者や専業主婦、余裕のある自営業者なら 何とかやっていけそうだが、さすがにこの額で議員の仕事に専念するのは無理がある。

報酬の原資は住民の税金、いくらぐらいが適当か様々な意見があるだろう。
議員の仕事は「公務」と「自主活動」に分かれるが、定期・不定期の「公務」に拘束されるのは1年のうち5分の1くらいだろうか。
それ以外の「自主活動」の時間は自由で、 昼夜質問の準備や住民のために走り回る議員もいれば、兼業に専念する議員もいるので一概に判断するのは難しい。
また議員は4年に1度は選挙があり、小さい自治体でも 100~500万円、最低でも 50万円程度はその費用に消えていくことも考慮しなければならない。



ところで、須恵町の12月議会において、議員報酬を 現行の26万4000円から28万9000円と 25000円増額する議案が上がっている。
町長による提案理由を紹介したい。

地方議員は、公人であり住民の福祉の増進を第一に考えるべきですが、一方生活を営む個人であり、地方議員を職業としてとらえた場合、少なくとも任期の4年に一度は、生活環境が大きく変わる可能性があること、また議員として社会保障制度など一般の職業と比較してリスクが高いことが考えられます。
また、住民の代表者として、年齢や性別は問わず多種多様な方々が立候補する中で、より優秀な人材を確保し、議会力向上を図るためには、議員活動に専念して生活できる環境を整備することが、必要であると考えています。

信じられないかもしれないが、議案書を読めない(読もうとしない)議員や、質問をしない(できない)議員がいるのも事実である。
本当に優秀な人材に立候補してもらうためには、議員に専念できるだけの報酬、最低でも地方公務員の平均給与並みを補償する必要があろう。

こうして しばしば地方議会で議員報酬を増額する議案が出てくるが、特に昨今の物価上昇で住民生活が厳しくなりつつある中、なかなか賛成しにくいのでは。
議員定数の削減とセットなら住民の理解も得られやすいが、最後は議員の判断に委ねられる。
いずれにしても、首長が報酬審議会に諮問して「増額が妥当」という答申が出たのであれば、堂々と賛成して良いのではなかろうか

もちろん、議案に反対する議員の判断も尊重したい。
但し、賛成多数で可決した場合、反対に手を挙げておいて その後 増額分を受け取ることがあってはならない。
仮に受け取ると 「パフォーマンスだった」と有権者から批判を浴びるのは必至だ。

そこで、受け取らないという選択がある。
議員報酬は自治体に返納すると 公選法上の寄附行為に当たるので、それを避けるために、不要とする報酬分を法務局に供託するという方法だ。
毎月法務局に増額分を供託し、議員である限り続け、いよいよ引退した時点で自治体が使えるようにする、全てオープンにしておけば批判は浴びないだろう。

小竹町の町議選立候補者の年齢と議員報酬を見て、あれこれ考えてみた。

許されぬ課長発言

生中継された宮若市議会の全員協議会において、課長が市長の発言を否定する説明を行ったことが 問題になっている。

宮若市は昨年12月、有吉哲信前市長のときに、豪雨対策として小竹町が進めている水門工事に対し「中止を求める仮処分」の申し立てを行っていたが、3月の選挙で初当選を果たした塩川秀敏市長は6月16日、法廷闘争を避け仮処分を取り下げることを決めた。

元県議らしい塩川市長の英断であるが、そもそも 勝訴の見込みはなかったことや、宮若市側にも落ち度があり、申し立てに内外から疑問の声が出ていた。

全員協議会では、市長が「取り下げの判断は間違っていない」と強調したのに対し、担当の土木課長が「審尋(※)では重要なことを協議する予定だった」と 市長答弁を否定した。


今年3月の市長選は 市を二分する激しい戦いとなったが、未だしこりは残ったままで政争は水面下で続いており、今回の課長発言も 仕組まれた政治絡みと見る向きもある。

課長発言が職務上、市側の浸水被害を未然に防ぎたいという純粋な思いから発せられたとしても、市長は 自身の責任において総合的に判断していることを忘れてはならない。
分かりやすく言えば、公務員は判断が間違っても辞めなくてもよいが、市長は選挙で落とされたり、場合によってはリコールで首になることもある。

法令に反している場合は別だが、公式の場において、組織トップの発言を 部下が否定することは絶対に許されず、厳しい処分を下すべきだろう。



※ 審尋… 裁判所で口頭弁論の形式によらずに、当事者その他の者に個々的に、書面または口頭で陳述させること