アフリカから合同結婚式へ

殺人容疑で送検された山上徹也容疑者の動機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への恨みがあったということで、メディアが注目し過去の霊感商法や献金などによる被害がクローズアップされ、批判の的になっている。

ただ、山上容疑者が捜査をかく乱するために、過去の母親の宗教話を持ち出した可能性も否定できない。
捜査が始まってから、容疑者の取り調べの内容がだだ漏れしてくるのも不自然で、容疑者が関西の右翼団体に所属していたという話も聞かれ、冷静に見ていく必要があるだろう。

ところで、私は統一教会について詳しくないが、近所の一軒家に住むアフリカから来た女性信者のAさんを知っている。
Aさんは、統一教会の合同結婚式で アフリカ某国から十数年前に来日、福岡市に住む男性と結ばれるも、その男性は数年前に亡くなったという。
ご主人が残してくれた家に今は一人暮らし、時々話すが 思いやりに溢れ 笑顔を絶やさない人である。

一方で、宗教法人はこうした敬虔な信者からの浄財によって支えられ、組織の維持拡大のため いかにその額を増やすか様々な知恵を絞っている。
それが、免罪符のようなものであったり、何かご利益のある商品を買わせることだったりする。
奇想天外な合同結婚式もその一つで、参加者から莫大な手数料が支払われたのは間違いないだろう。

はるか異教の地で暮らすAさん、自分に置き換えてみて、アフリカで一人暮らしをしていると考えると何と心細いことか。
傍からは、 宗教法人に上手く利用されただけにしか見えないが、それは余計なことだろう。
恐らく教会からは 運命を受け入れ、「今」に満足するよう教えられていると想像している。