~アルキニストゆうの道~ 第5回 英彦山と山岳信仰

山頂に近くなってきて平地に「産霊神社(むすびじんじゃ)」が見えました。
御祭神は「高皇産霊神(たかみむすびのかみ)」。
「高皇産霊神」には6人の子どもがいました。
そのうちの1人の娘が、天照大神の息子「天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)」と結婚し「天火明命(あめのほあかり)」「饒速日命(にぎはやひのみこと)」「邇邇芸命(ににぎのみこと)」らを産みました。
そして英彦山の伝承には、「高皇産霊神」が義理の息子の「天忍穂耳命」に譲ったと伝えられています。

産霊神社を右手に石段を登ると、視界が開け空が広がります。
荒涼とした風景が広がるもどこか厳かな空気が感じられました。
そして英彦山神宮の上宮(上津宮)に到着します。
現在は「天忍穂耳命」を祀っています。

表参道には英彦山神宮の中心となる宮がありました。
山中には他にも末社や坊舎跡などが多く見られます。さらに九州北部には「大行事社」と呼ばれる48社の英彦山の末社群もあります。
日本の何百、何千の歴史が英彦山につまっています。

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~アルキニストゆうの道~ 第4回 英彦山と山岳信仰

奉幣殿(ほうへいでん)から「上宮参道鳥居」をくぐり、上宮を目指します。
初めの石段を登り終えると下宮があります。
「下津宮」とも言い「速須佐ノ男命(はやすさのおのみこと)」・「神武天皇」・「大国主命(おおくにぬしのみこと)」を祀っています。
さらに5分程で「一の 休憩所」に到着。昔の山伏たちもここを少しずつ登っていったことを考えると感慨深いです。
そこからズイズイ登っていくと中宮に到着です。こちらも「中津宮」とも呼ばれ看板にも書かれています。
御祭神は豊前国宇佐島から遷座したと伝えられ、宗像の三女神である田心姫神(たごりひめかみ)湍津姫神(たぎつひめかみ)市杵島姫神(いちきしまひめかみ)を祀っています。
中宮があるここは山の5号目にあたり、山頂までは残り半分ほどとなります。

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~アルキニストゆうの道~ 第3回 英彦山と山岳信仰

参道を登りきると、奉幣殿(ほうへいでん)に到着します。
天平12(740)年建立といわれていますが、現在のものは江戸時代初めの元和2(1616)年に、細川忠興(当時の小倉藩主)によって再建。明治40年に国の重要文化財に指定されました。境内にある神札授与所にはベンチがあり、休憩することができます。トイレは、授与所の裏にあるスロープカー駅にあります。
三重につくられた社務所の屋根は、厳かな雰囲気。社務所前にある神池にはコイやニジマスが泳いでおり、この水は上部の「天ノ水分神(あめのみくまりのかみ)」から流れています。天ノ水分神は、流水を疎通、分配することを掌る神として崇められています。この神水は英彦山への修験者が必ず水筒に入れて飲用とお守りとして用いたものでした。最近では、不老長寿の御神水として知られています。水源は岩の間から流れる「円通の滝」よりきている霊水です。
奉幣殿の右に建つのが「上宮参道鳥居」。ここから上宮を目指して約2時間弱ほどで登っていきます。

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