近畿財務局元職員の手記

公文書改竄で自殺した近畿財務局職員の「手記」が公表され、世間に衝撃を与えているが、手記の中で最も気になったことは、「佐川理財局長の指示により、野党議員からの様々な追及を避けるために原則として資料はできるだけ開示しないこと、開示するタイミングもできるだけ後送りとするよう指示があったと聞いている。」という部分。

このスタンスは、その後の加計学園や桜を見る会の問題で野党が追及しても遅々として進まない状況と全く同じで、財務省だけではなく全ての省庁において言えることだ。

これが総理の指示なのか、官僚の忖度なのか分からぬが、故意に政府が国会審議を引き延ばしていたことを裏付けている。

また、「野党に資料を提出する前には、国会対応のために、必ず与党(自民党)に事前に説明した上で、与党の了承を得た後に提出するというルールより対応されていました。」という件(くだり)、行政が一部の政党だけを優遇するということが許されるのか。
三権分立の原則はもはや成り立たなくなっているのではなかろうか。

手記を読んで、長期政権の中で我が国の形が大きく歪んできていると感じた。

 

新聞記者のスクープ

最近は、政治家ネタのスクープは、新聞社から出てくることは殆どなくなり、週刊誌の後追いばかりが目立っている。

働き方改革などの影響から現場の記者の取材力が落ちているのも一つの要因と思われるが、大手新聞社のトップと内閣や官邸首脳との距離感が以前と比べて近くなっており、記者が汗をかいて集めたネタを掴んでも忖度が働き没になることも多くなったようだ。

そのため、週刊誌へのスクープ情報の提供をビジネスにしている新聞記者もいると聞かれる。



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安倍官邸VS.NHK

通常国会が28日に召集されたが、1月に入って厚労省の勤労統計不正が発覚し、永田町には春一番の解散風が吹き始め、国会では野党の攻勢が強まるだろう。
そんな状況の中、昨年末に1冊の本が、文藝春秋から定価1,500円で発売され、数日後には増刷された広告が目に入った。その題名は「安倍官邸VS.NHK」で、サブタイトルに「森友事件をスクープした私が辞めた理由」となっているだけに、早速、購入し目次を見ただけで面白いと判断できた。
著者は宮崎県出身の相澤冬樹氏で、ラ・サール高校を経て東大法学部を卒業し、退社する昨年8月までNHKに勤務、現在は大阪日日新聞に論説委員や記者として勤務している。
森友事件が表面化するまで、「斟酌」と言う文字は知っていたが、恥ずかしながら「忖度」と言う文字は、マスコミが報じて始めて知った。この本で更に、安倍総理と昭恵夫人の名前、「忖度」の文字は記憶の中に深く刻まれたのは言うまでもない。



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統計にも忖度

為替は安定し株価も上昇していると、数値を示しながらマスコミは、アベノミクスは成功していると、ちょうちん記事を掲げていたが、日本政府が発表している数字は、半数近くが誰かの一言で忖度が働き、偽装されているのが判明しつつある。
問題が発覚してから国会は閉会中だが、厚生労働委員会で閉会中審査が行われて、報告書の内容について審議されているものの、監察委員の構成や調査の内容が、余りにも出鱈目で国家公務員の、資質を疑いたくなった。
泥棒に泥棒を捕まえろと言っても、捕まらないのが当然で似た様な事を、根本匠厚労相が委員会で答弁しているが、僅か3日で調査のやり直しとは情けない。



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安倍内閣の象徴

戦前は大本営発表の戦況報告を信じ、敗戦への道を進んだ多くの国民は、戦後その事実を知った怒りを、復興へのエネルギーに変えた事が成功し、今日の日本があると言っても、過言ではあるまい。
戦後70年を過ぎると戦前を知る人も少なくなり、戦前の財閥が安倍総理のお友達に代わり、安倍内閣の暴走が「忖度」の言葉を流行させ、官庁では真実の上に嘘の上塗りが施され、その際たるものが、「障害者の雇用水増し」の数字ではなかろうか。
民間企業には障害者の雇用数字を押し付け、雇用率の未達成企業には罰金を課せ、役所では糖尿病の職員まで、障害者に編入して帳尻を合わせるなど、今回露見した役所の嘘は、安倍内閣の象徴に思えてきた。



 

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閉会中審査 ~ さらなる支持率の低下へ

毎日新聞が22日と23日に行なった世論調査で、安倍内閣の支持率は前回の調査から大幅にダウンして、26%まで落ち込み、慌しい雰囲気になってきた。

普段はNHKの国会中継などは見ない人も何かを期待して、昨日の閉会中審査の実況中継を見られた方も多かったのではないだろうか。

50%を大きく越える内閣支持率を背景に、安倍総理は強気で国会を運営してきたが、急激な支持率低下で、国会の閉会中審査を急遽受け入れざるを得なかったが、安倍総理の回答はとても国民が納得できるような説明ではなく、支持率低下に拍車を掛ける内容でしかなかったように思う。

幼少の頃、「うそつきは泥棒のはじまり」と教えられたものだが、昨日の答弁はすべて、「うそは方便」どころか、強弁であり詭弁。

安倍総理の「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」というコメントを、「忖度」というプロテクターで幾重にも包み、さながら、「総理はそんなこと一言も言ってないからね」、「だれもそんなことは聞いていないはずだよ」、「総理が言うわけ無いじゃないですか」、などと言い立てているような、極めて愚かな回答ばかりだった。

明日もおそらく、質問と答えはかみ合わないだろうし、支持率はさらに下落するだろう。

山本幸三地方創生大臣 兼 忖度大臣

自民党所属で失言男の異名を持つ、大西英男衆議院議員が暴言で槍玉に上がっているが、これに劣らないのが福岡10区選出、地方創生大臣の山本幸三議員で、国家戦略特区を所管して諮問会議に出席しているおり、ボツボツ失言が出てくるのではと、多くのマスコミ関係者や国民は期待している。

山本幸三議員は東大でだけに、物事の組み立ては非常に素晴らしい才能の持ち主で、いち早く上の意向を読み取る能力も抜群で、現在の地方創生大臣の職においても、遺憾なく発揮されているようだ。

やっと大臣になれたのも安倍総理大臣のお陰で、次は財務大臣を狙っているだけに、総理の意向を汲み取った大臣発言で、加計学園の獣医学部新設は愛媛県今治市で、数ヶ月前までは計画通りに順調に進んでいたが、ここに来て雲行きが少し、おかしくなって来ている。

山本幸三大臣の発言を追及する気は無いが、地元も望んでいる財務大臣の椅子は遠退き、代わりに同氏には「忖度大臣」の冠が付いたようだ。

モリにしますか、カケにしますか ~ そば?・・・安倍総理!

あちらこちらから連日のように、煙や火の粉が上がろうとしている「忖度」問題で、首相官邸の菅官房長官は詭弁を弄して安倍総理を擁護しているが、クロをシロと断定する強靭な神経に、普通の人はただただ敬服するばかりだ。

ところで、世相を反映した風刺漫画は数多くあり、よく見かけるが、23日の西日本新聞に掲載された、佐藤正明氏の風刺漫画は面白かった。

さすがにプロ。

遠のく解散

ミサイルが飛び交う緊迫した世界情勢の中で、日本の国会はチンケな森友学園問題で、野党の先生方は安倍内閣を攻撃してるにもかかわらず、既に腰は引けており、解散に追い込むことは難しそうだ。

むしろ今年の流行語大賞の筆頭候補に挙がっている、「忖度(そんたく)」なるワードを巧みに使い、早々と幕引きを図りたいのが安倍総理だが、昭恵夫人の個人情報がダダ漏れで、マスコミに次から次に報道されており、家庭崩壊記事が流れ始めたほどだ。

森友学園問題で総理および夫人が関与していたとしたら、総理を辞任すると自らが発言していただけに、与野党ともに先生方は総理を追い込めないだろうが、マスコミが徹底的に報道すれば、安倍総理自ら進退問題に判断を下すだろう。

「人の口にとは立てられず」とはよく言ったもので、安倍昭恵夫人のさまざまな噂や行動があからさまになり大きくなれば、ことの重大さに気付くことになり、その延長線上に新内閣の誕生が見えてくるようだ。