竣工式前に雨漏り

弊社記事「恥をかいたゼネコン・みやま市 (2022年8月29日)」で既報の みやま市総合市民センター(通称 MIYAMAX)であるが、台風14号の影響で雨漏りしたことが 20日の市議会全員協議会で報告された。

同センターは、老朽化したみやま市瀬高公民館を建て替えるとして平成28年から基本計画作成に着手、同29年に プロポーザル方式で ㈱日本設計(東京都)が設計業者に選考され、令和2年5月の入札で、中堅ゼネコンの三井住友建設㈱(東京都)と ㈱河建(みやま市)の共同企業体が建築本体工事の事業者に決定、今年7月に工事が完了していた。

10月1日開館予定で 9月25日に竣工式(開館記念式典)を控えているが、市は台風14号による避難場所として 先行して開放することを決め、18日から19日にかけて約30世帯が避難していた。
雨漏り箇所はホールのステージ近く、市の職員がバケツや布を敷いて対応したという。

7月の完了検査後、降雨の影響によるインターロッキングブロック(敷石)や透水舗装の施工に問題があると全員協議会で指摘され、業者が補修等の対応にあたってきたが、ここにきて言い訳のできないミスが露見した格好だ。

施工業者は全員協議会の場で 市議会に謝罪、抜本的な修復を急ぐ方針を示したが、企業イメージの低下は避けられないだろう。

福岡大学・改革は事務局から

以前から建設業界では、福岡大学の仕事はコネがないと受注は出来ないと言われていた。

私学助成金が入っている以上、いくら私企業とは言え業者の選定過程は透明化すべきと思われるが、これまでも事務局と業者の癒着が疑われても仕方がない結果が、いくつも散見されていたのも事実。

まず、事業費60億円とされていた「若葉高校の校舎移転」の設計業者の選定であるが、当初は5社の指名でプロポーザル方式の技術提案で決定する予定であったところ、山村事務局長の提案で、㈱日本設計を追加することになった。

6社で技術提案を行った結果、日本設計は点数が2位であったが、若葉高校の校長から「第一希望は日本設計の提案」という意見があり、逆転で日本設計が受注することになった様だ。
あまりにも不自然な選定結果に、参加した業者からは「福大の業者選考は信用できない」と不満の声が出ているようだ。

次に、事業費210億円の「福岡大学病院新本館」であるが、こちらは随意契約で、しかも設計と施工を一元化するデザインビルド方式で、日本設計に発注された。

デザインビルド方式は設計業者が施工業者を決めることになり、メリット・デメリットは多々あるが、一つ言えるのは受注した設計業者にとっては金額面で有利ということだ。

60億円の若葉高校移転の業者選定が6社のプロポーザル方式であるのに、210億円の大学病院新本館が随意契約というのは理解できない。

日本設計は、同業他社と競争もせず難なく210億円の仕事を請け負ったことになる。

山口学長の娘夫婦が日本設計の社員ということが判っていたため、評議員会の席で、李下に冠を正してしまった学長に対して、事実関係を質す声があったが業者選定への関わりは否定したようだ。

選定過程を見ると、事務局が主導して特定の業者を選定していることが明らかになった。

これ以外の建築案件も随意契約が殆どであるが、公金を扱う役所では贈収賄の温床となりやすいため、通常は競争入札で業者を選定する。

改革のメスを入れるなら、先ずはブラックボックス化している事務局からではなかろうか。



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