暴力団も驚く元市議のやり口

市議選で当選するため、飲食店の店主に協力を求め ライバルの現職市議を刑事告訴させた元市議が話題になっている。

暴力団も驚くそのやり口は、背中に彫り物を背負った議員がいた時代を彷彿とさせるものだ。




1年前の小さな事件

事件というには 余りにも小さな出来事、だが警察が告訴状を受理し書類送検しているので 敢えて事件と呼ぶ。
地元の人々が1年前に起きた この事件を知ったのは、某新聞社の記事。
「1年前、市議のA氏が店に数人で断りなく侵入し、同行者に会食していた客の写真を撮らせるなどして店の業務を妨害した。A氏は書類送検された。」
それまでは、当のA市議本人はもとより、現場で会食していた者ですら 忘れていた小さな事件だった。

記事を文面通り読んで、「ずいぶん酷い議員がいる」と受け止めた人が多いだろう。
しかし、1年前の事件、そして 選挙が近いということもあり 気になったので 取材してみた。

会食中に写真を撮られたという人物に話を聞いた。

「あの日は A市議が突然 家族で店内に入って来て、自分たちに話しかけてきた。家族の一人が 写真を撮り始めたので 確かにいい気分はしなかった。しかし現場にいたのは ものの30秒、貸し切りと分かるとすぐ店を出て行った。警察が取り合うような問題とは思えない」と話してくれた。

また、記事の「数人で断りなく侵入」という表現だが、鍵はかかっていなかったという。
仮に貸し切りだったとしても施錠されていなければ、店内に入って「食べれますか?」くらいは尋ねるもの、それを「侵入」と呼ぶのだろうか。

新聞記事と取材した感じでは ニュアンスがだいぶ異なる。
だが、警察が書類送検をしたのは事実だ。
刑事告訴をしたのは飲食店の店主、店主は業務を妨害されたと主張したのだろう。

ではなぜ、1年前の出来事を今頃になって刑事告訴したのだろうか。

 

元市議が刑事告訴を画策

その答えを紐解いていくと、激戦が予想される市議選を念頭に、元市議のXがタイミングを見計らって動いたことが判った。
浪人中で市議復帰を目指すX、そして現職のA市議は無所属だが同じ政党の党員、しかも犬猿の仲。
更に、二人とも それぞれ政党の推薦願いを地域支部に提出したばかりで、言わばライバル関係にある。

一般的に政党推薦があると票の上積みが期待できるため、党推薦を希望する候補者が多いが、推薦が複数になると政党票が分散するため、少ないほどいいという事情がある。

「Aを刑事告訴し警察が受理して書類送検されればマスコミも取り上げる、そうなれば、有権者の味方も変わるし県連は推薦しない」
Xにはこうした思惑があって、材料探しをしたと思われる。
そこで、温めておいた1年前の出来事を取り出し、店主に刑事告訴するよう協力を求め、店主が応じたという流れだ。

結果として警察が告訴状を受理、店主はもちろん、現場で会食していた者、A市議と家族は事業聴取を受け、1ヵ月後に書類送検され新聞各社が報じるところとなった。
A市議は「党に迷惑はかけられない」と推薦願いを取り下げたという。
まさにXが描いた絵の通りになった。

 

刑事告訴は自分の意志ではない

もう一つ疑問がある。

通常、余程の実害がない限り、商売人が客を刑事告訴することは考えられない。
しかも相手は市議、支持者や後援者が多数いて、表沙汰になると商売への影響は小さくない。
それでもなぜ刑事告訴するに至ったのか。

そこで直接 店主に話を聞いた。
「何も分からないので 全部 Xさんに聞いて下さい」を繰り返すばかりだったが、会話のやり取り中で 次のことが判った。
  • 自分の意志ではなく、Xに告訴状を出すよう頼まれて告訴状を出した
  • Xは「全部俺がやる」と言って、弁護士と相談していた
  • 店主は告訴状の内容を読んでおらず、提出日も知らない
最後に店主は、「話にならないので 告訴を取り下げる話をしている」と述べた。
その言葉から、店主の苦しい胸のうちを窺い知ることができる。
恐らく 依頼を断りきれなかったことを 後悔しているのではなかろうか。

 

 

 

迷惑を顧みない、しぶとい政治屋

店主は刑事告訴の取り下げを考えていると述べた。

だが、取り下げない場合は起訴されて裁判所が有罪判決を下す可能性だってある。
罪名は威力業務妨害罪、「執拗な迷惑電話」「インターネット上での爆破予告や殺害予告」「必要以上のクレーム」などに適用される、威力を用いて他人の業務を妨害する罪(刑法第234条)で、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられるという。

検察も有罪にできる確証がなければ起訴しないはずだが、仮に起訴されても A市議は裁判で徹底的に争うだろう。

問題は、選挙という自己都合に 全く関係のない飲食店を巻き込んだ Xである。
客という立場を利用して 店主に刑事告訴への協力を求めた。
店主が断り切れず応じると、「全部俺がやる」と言って、店主の名前で告訴状を弁護士と相談して作文し、警察に提出している。
店主は Xがいつ告訴状を提出したかも聞かされていない。

こうした他人の迷惑を顧みない人物に 政治を行う資格があるのか甚だ疑問である。
前述の通り、Xは 選挙に向け政党に推薦願いを出しているというが、政党は何も知らず推薦することになるだろう。

往々にして、権謀術数に長けたこの手の政治屋は選挙ではしぶとく滑り込み、今後も暴力団顔負けのやり口を続けていくことだろう。

久留米市議の不祥事

久留米市の現役二世市議会議員が、強制わいせつの疑いで書類送検されたことをマスコミが報じていた。

この市議は父親が現職で亡くなり、弔い合戦の同情票で当選したが、日ごろの品行の悪さが影響して次の選挙で落選、4年後の選挙で復活当選した現在2期目の現職市議で、昨年7月引き起こした不祥事だ。

さらにこの市議は今年結婚したばかりで、花嫁は久留米市でも有名なお寺の娘さんとのこと、披露宴を挙げた直後の問題発生だけに、新婦もさぞかし驚いていることだろうと思っていたら、似たもの夫婦とはよく言ったものだ。

現地で取材したところ、この嫁も結婚する前に不倫しており、その相手は200億円のIT長者で、最近芸能人と結婚したばかりの、資産家が浮上してきたので驚くばかり。

この後は週刊誌が取材し、相手が相手だけに久留米市も脚光を浴びて、一躍有名になるかもしれないが、寺の檀家が騒ぐことだろう。

厚生労働省~ブラック企業を公表

厚生労働省は、この半年間で労働基準関連法案に違反し、書類送検された全国の企業334社を監督署別に、5月10日ホームページで公表した。(詳細はコチラ

違反ごとの内訳は、高所作業で墜落防止措置を講じなかったなどの安全対策を怠ったケースが最も多く209件、電通に代表される長時間労働、いわゆるブラック企業と称されるような違反企業が60件、このほかには賃金未払いや労働者派遣法違反などがある。

福岡労働局が公表した19件は、県内自治体の指名停止処分などで見ていた社名であり、特段ビックリするような企業名は無かったが、1社だけ、アレ?という社名が目に入った。

㈱スリービーだ。
記事をご覧の方々には、㈱スリービーという名前よりも、焼肉店「福岡叙々苑」のほうが通りはいいだろう。
ただし、東京の高級焼肉店である「叙々苑」とは関係なかったようだ。

一時期は焼肉店や弁当店を5店舗を展開していたものの、設備投資過多と競合で資金繰りが圧迫され、仕入業者や工事会社との間で支払いを巡っていくつもの係争事件が発生、平成27年11月9日までに事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任していた。

ところが、今回公表されたリストでは、「労働者14人に2ヶ月分賃金および労働者6人に1ヶ月分賃金を支払わなかったもの」として、平成29年3月21日書類送検されたことになっている。

1年半前に破産手続きする以前の、未払賃金で書類送検されたのだろうか。
それとも、新しく活動し始めた事業で、未払賃金が表面化したということだろうか。
まさか、旧㈱スリービーとはまったく縁もゆかりもない方が、新しく㈱スリービーの名前を使って事業を興されたということは・・・、有り得ないだろう。