いなくなった名物記者

大学生の頃、アパート1階の窓際のベッドで横になっていた時、いきなり窓が開いて阪神の江夏投手みたいな顔のおじさんが上から覗き込んできた。
「おー、読〇新聞だけど 野球のチケット やるから 契約してくんねーか」と言われ、 びびって契約させられてしまった。
昔は販売店の営業担当者が野球のチケットを持って個別訪問していたが、最近はそれも禁止され、新規開拓をする担当者を見かけなくなった。

近年 新聞の発行部数が落ち込み 広告収入も減る中、各社はネットの購読者を増やす戦略を立てるも 伸び悩み、不動産活用で収入を補っているところが多い。
そこに追い打ちを掛けるように、働き方改革で 新聞記者の労働時間が厳しく管理されるようになった。
取材時間が短くなったことで かつての夜討ち朝駆けも制限され、代わりに発表もの主体の記事が多くなり面白みがなくなってきた。

世の中 相変わらず 金儲けを企む輩が跋扈しネタは転がっている。
時間を気にせず執念深く追いかけていれば、必ず いい記事が書けることは分かっている。
それが読者を増やすことにつながるのだが、労基局に駆け込む記者もいるという話も聞かれ、新聞社も身動きが取れなくなっている。
今や新聞が 週刊誌発の記事を引用する時代、ひと癖ふた癖ある名物記者たちが「特ダネ」を競っていた時代が懐かしい。

女性役員がいないマスコミ

83歳の森喜朗氏が 東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長職を辞することになったが、後任選びで もうひと悶着ありそうだ。

時代が急激に変わり、過去に許されてきたパワハラ・セクハラ気味の「軽口」を社会が拒絶するようになり、肩身の狭い思いをしている昭和世代が 相当数おられることだろう。
筆者の周囲にも 軌道修正ができない先輩が少なくない。
年齢を重ね 人生を振り返る時期にきてから、それは通用しないと切って捨てられるのは 余りに酷な話だ。

確かに過去の森会長の発言は、ことごとく後味が悪かったし、今回の発言も そこだけ聞いてみると 批判されておかしくはない内容だ。
だが今回は、JOCの役員に指導的立場の女性の割合を40%まで増やせなかったことに対して 擁護するという、ある意味 気遣い中から出た言葉だったという。

マスコミはこぞって批判に回ったが、そういう各社の経営に関わる役員(監査・執行役員を除く)で女性の割合はいかほどか。
今回森氏を追い詰めた急先鋒の朝日新聞社、その役員が8人中 女性は0人というのには驚いた。
他の新聞社、テレビ局の役員一覧も見る限り、殆どが男性だ。

森氏は女性蔑視の意図はないと釈明するが、マスコミ各社は女性の役員が少ないことに関して、どんな言い訳をするだろうか。

朝日、読売、毎日、西日本、日経 ~ 取捨選択

民間の調査期間に20年間勤務した後、中央区警固で事務所を開設、情報に携わって25年が経過したが、その間、朝日、読売、毎日、西日本、日経の各紙に毎朝目を通すのが日課となっていた。

しかし年をとると、すべての新聞を読むことはかなりのエネルギーを要することから、数年前に、体力を維持するためにも、読むべき新聞、読まなくてもいい新聞に分けざるを得なくなった。

西日本新聞は地元の記事が多く、話題性を考えるとはずすことは出来ず、日経新聞も企業トップと話すことが多いため読まねばならない。

そこで朝日新聞、読売新聞、毎日新聞から取捨選択することにした。

朝日新聞と読売新聞は、過去の栄光に記者が胡坐をかいているように思えたため、この2紙の購読中止を決めたのだが、今考えても、その判断は間違っていなかったと思う。

特に最近の読売新聞は、安倍内閣からリークされた前川前事務次官の個人攻撃や、東京本社社会部長名の言い訳文章、「読売新聞熟読コメント」、そして共謀罪成立直後の「編集手帳」など、違和感を覚える記事が多く、過去の読売新聞からは考えられなかった内容だ。

サラリーマン記者

日本のというよりも、世界の広告業界を代表する電通で若い女性が自殺、労働基準監督署が動き出し、ネット上でもマスコミ紙面でも色々な意見が出ておりかびすましいが、大手メディアといえども一歩間違ってブラック企業の烙印を押されると、社員の確保も難しくなることもあり、各社対応に追われている。

日本のマスコミ業界を永年にわたって牽引してきた朝日新聞も、残業を含む長時間労働が社内で話題となり、記者だけでなく経理などの内勤社員も実際の勤務状況と、給与体系の見直しが進められている。

かつて花形だった特ダネを追いかける新聞記者は既に過去の遺物と化しているようで、サラリーマン記者が書く、当たり障りのない記事が掲載され、その割りに広告だけが目立つ朝日新聞を、購読者が読むとは思えないのだが・・・。

新聞購読料~値上げ? 後編

こうした販売店の窮状を打開するために、新聞業界トップを自認している読売新聞は、購読料の値上げを計画、朝日新聞に打診したものの、断られたとの話が伝わってきた。
販売店の救済を旗印に、読売新聞は単独での値上げを、秋にも実行する予定だが、大手新聞社の中にはこれに追随して値上げする新聞社も出てくるようだ。
新聞の宅配は日本独特のものだが、今回の値上げを契機に新聞の販売方法が変わる可能性もあり、新聞社の生き残りも難しくなってくるだろう。
それにしても新聞各社の販売組織は、苦しい経営が続き、崩壊寸前の状態だ。

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上記写真は日活映画写真より。

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新聞購読料~値上げ? 前編

ピーク時は1000万部の購読者を豪語していた読売新聞は、若者の活字離れと何かとクレームの多い押し紙の自粛で、発行部数は800万部まで落ちているようで、当然ながら朝日、毎日も購読者の減少に歯止めが掛からず、苦しい経営が続いている。
これを受けて、購読者開拓の根幹である新聞販売店の中には、体力のあるうちに廃業に踏み切るところもあるが、抱えている購読者が減少し経営の苦しい販売店では、押し紙を跳ね返す力もなく、押し紙代金を自腹で支払わねばならず、蓄えが目減りして蟻地獄のような日々を送っている販売店も少なくない。

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上記は日活映画写真より。
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不況続く新聞業界~ニューヨーク・タイムズも!

国内が戦後の復興に燃えていたときは、新聞大手のトップを走る読売新聞は、1000万の購読者を持つ新聞と、オーナーが豪語した時代もあったが、最近は社の発表によると800万強と、発表しているようだ。
他の大手は推して知るべしで、良識の新聞とされていた朝日新聞は取材方法や、誤報が重なり購読者が減少、春の人事異動も決算の関係で遅れて発表された模様。
洋の東西を問わず、ネットの普及で広告料収入が激減した新聞業界には逆風が吹いており、米国のニューヨーク・タイムズもご他聞に漏れず、本社ビルの売却で合理化を図ったが、経営状況は好転せず苦しい経営が続いているようだ。
日本の朝日新聞も経営の見直しに着手した模様で、水面下で社員の賃金見直しに、水面下で密かに着手した情報も聞かれ、「あの朝日新聞が」と驚いていたら、今度は海の向こうからニューヨーク・タイムズも希望退職者を募っている、ニュースが飛び込んできたからビックリ仰天である。
おまけにこのニューヨーク・タイムズは、数年前から編集部の人員をほぼ隔年で100名前後削減してきたが、今回の希望退職者募集は編集部だけでなく、複数のビジネス部門も含まれ、また規模を明言していないところが、新聞業界の陥っている苦境を現している。
両社とも歴史が物語るように、長年の蓄積から経営の根幹は揺るがぬものの、異業種への進出を計画するなど、生き残り作戦に苦労しているようだ。


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新聞社の改革

世界の新聞は店頭販売が主流だが、日本は玄関先まで配達するシステムが発達し、これにより発行部数1000部などと豪語する新聞社も現れたが、この宅配システムが今となっては新聞社の足枷となっている。
かなり以前から、新聞の夕刊は年寄りしか購読しない風潮が広まり、昨今のネットの普及で新聞離れが拡大、夕刊購読者は加速度的に減少している。
夕刊の購読者は朝刊の20%前後といわれ、配達効率は悪く、人員の確保が難しくなった現在、販売店にとって夕刊配達は、頭痛の種になっている。
そのため、特に夕刊購読者が少ない九州の佐賀、大分では夕刊を廃止して、朝夕刊の統合版を発行していたが、今度は山梨県でも夕刊を廃止し、さらなる経営の合理化を進め、夕刊廃止地区を次第に全国に拡大する方針のようだ。
既にマスコミ界トップだった給与面も、残業時間の調整や有給休暇の消化など、社員の勤務体系改革にも着手しており、今年は朝日新聞社にとって、大きな変革の年になりそうで、社員も不安と期待を胸に、情報の収集を行っている様だ。


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朝日新聞?

民間調査機関を転勤拒否で退社し、独立してから20数年が経過するが、独立当初から朝日新聞を購読していた。
このほか、読売、毎日、日経、西日本新聞の、合わせて5紙に目を通すのが朝の日課だったが、誤報問題が表面化する以前に購読中止を販売店に申し入れたところ、何の抵抗もなくスンナリと受け入れてくれ、現在でも朝日新聞は購読していない。
その後販売店から再購読の営業活動もなく、福岡市中央区警固の販売店は、誤報問題で配達部数が著しく減り、経営継続が難しくなったのか、今では毎日新聞の販売店が、朝日新聞の販売店を兼ね、配達しているようだ。
このほかにも、福岡市内では歴史ある朝日新聞の販売店が、無理な押し紙を受け入れた結果、経営が苦しくなり廃業に追い込まれ、朝日新聞の本体が社員を派遣し、販売店事業を継続しているとの話も聞く。
朝日新聞を長年にわたり支えて来た販売店の廃業は、新聞社本体の営業基盤の根幹を揺るがす問題であるにもかかわらず、社の上層部は深刻に受け止めていないのか、社内では相変わらず足の引っ張り合いが続いており、気配を察知することに敏感な記者たちの中には、仕事に身が入らなくなる記者が増え、上司も見て見ぬふりをしているようだ。
逆に部下の首を時の権力に差し出す上司もいるようで、愛想を尽かして逃げ出すために、退職金が割り増しされるリストラの実施を、今か今かと真剣に窺っている記者たちも増えているような気がする。

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新聞社の再編

~ある老舗販売店が廃業を決意~
 無冠の帝王と言われマスコミに君臨していた新聞社も、何時からか購読料に広告収入が加わり、収入に占める広告料の比率は高くなる一方であったが、テレビに追い抜かれ、最近ではネットにも抜かれて下降の一途だ。
新聞の広告収入は発行部数に大きく左右されるため、昨年から紙面の記事で問題が起きていた朝日新聞社は、新しい代表に代えて、とりあえず終止符を打った。
朝日や毎日、読売、日経などの全国紙に加えて、西日本新聞などのブロック紙、そして県紙と呼ばれる地方紙があるものの、その発行部衆は年々かなりの部数が減少している。
しかし広告との兼ね合いがあり、一部では発行部数の水増しで、各新聞販売店に「押し紙」と称して、購読数を維持しているのが現状だ。
新聞販売店は、毎日配送される押し紙の処理も頭の痛い問題だが、押し紙分の購読料を負担することで、販売店の収支は悪化して赤字決算となり、年老いた販売店主の老後を不安に陥れているため、廃業する新聞販売店が福岡でも昨年からいくつか出て来た。
特に朝日新聞においては、問題記事の発生で数多くのクレームが寄せられただけではなく、購読中止が相次いで歯止めがかからず、また2万人を超えたと言われる集団訴訟に、経営意欲を削がれた販売店も増えている。
新聞社を超えた販売店同士の業務提携や経営統合が進む一方で、新聞社自体も出先の支局などの維持経費を削減するため現場の統廃合が進められているが、この両方を手っ取り早く進められるのは2つの新聞社が一緒になることで、朝日と日経の合併が囁かれている。 続きを読む