桶屋俊二氏

~突然の訃報~
 4年前に福岡市西中洲のスナックで、隣り合わせに座ったのが縁で名刺を交換した桶屋俊二氏は、大阪からの転勤族で初出勤日の歓迎会の二次会に、遊び人の前任者に連れられて来たようだった。
現在は町名として残ってないが、現在の三井ビルの裏手に当たる旧桶屋町が筆者の本籍で、また筆者・俊一に対し、俊二氏は17才も年下だったことから、兄弟同然の付き合いが始まった。
俊二氏は大阪に家族を残しての単身赴任で、住吉のマンションに住んでいたため、帰り道からは少し遠回りだったが、よく俊二氏を送って帰ったものだ。
俊二氏は福岡の街に慣れるにつれて、近所の居酒屋で知り合ったソフトボールチームにも入り、また健康維持の一つとしてウォーキングから山登り、さらにはフルマラソンまで到達した。またインドアでは焼酎をたしなみながら、出先で撮影した写真をこまめにブログに掲載、気が向けばギターをつま弾くこともあり、昔の博チョン族とは様変わりの優雅な独身生活を、謳歌していたように思う。
箱崎宮の田村宮司とも親しくなって、放生会の幕出しにも名を連ねるようになり、遊びと親睦を兼ねたグループの世話役も引き受けるなど、短い期間で顔と名前を売り込む手腕は、さすがに大阪市込みの浪速商人だった。
交通事故などとは異なり、54歳の旅立ちはあまりにも早すぎる年齢で、いまさら引き戻すことも出来ない。
後から追い付くから一足先に行って、ゴルフの段取りが済み次第、ビールを飲みながら待っていてほしい。
安らかに眠り給えと祈るのが精一杯の気持ちだ。 続きを読む