許されぬ課長発言

生中継された宮若市議会の全員協議会において、課長が市長の発言を否定する説明を行ったことが 問題になっている。

宮若市は昨年12月、有吉哲信前市長のときに、豪雨対策として小竹町が進めている水門工事に対し「中止を求める仮処分」の申し立てを行っていたが、3月の選挙で初当選を果たした塩川秀敏市長は6月16日、法廷闘争を避け仮処分を取り下げることを決めた。

元県議らしい塩川市長の英断であるが、そもそも 勝訴の見込みはなかったことや、宮若市側にも落ち度があり、申し立てに内外から疑問の声が出ていた。

全員協議会では、市長が「取り下げの判断は間違っていない」と強調したのに対し、担当の土木課長が「審尋(※)では重要なことを協議する予定だった」と 市長答弁を否定した。


今年3月の市長選は 市を二分する激しい戦いとなったが、未だしこりは残ったままで政争は水面下で続いており、今回の課長発言も 仕組まれた政治絡みと見る向きもある。

課長発言が職務上、市側の浸水被害を未然に防ぎたいという純粋な思いから発せられたとしても、市長は 自身の責任において総合的に判断していることを忘れてはならない。
分かりやすく言えば、公務員は判断が間違っても辞めなくてもよいが、市長は選挙で落とされたり、場合によってはリコールで首になることもある。

法令に反している場合は別だが、公式の場において、組織トップの発言を 部下が否定することは絶対に許されず、厳しい処分を下すべきだろう。



※ 審尋… 裁判所で口頭弁論の形式によらずに、当事者その他の者に個々的に、書面または口頭で陳述させること