武井氏当選、課題解決に期待

12日投開票された飯塚市長選挙は、前市教育長の武井政一氏(62)が三つ巴戦を制し初当選を果たした。
自民が推薦し組織戦を展開、麻生太郎副総裁の「公明党ガン発言」の影響が危惧されたが、2位の候補を約7000票差で振り切った。



前市長の片峯氏と同様、前教育長からの転身となり、教育施策については期待がかかる。
但し、人口減少と高齢化対策、地域コミュニティの活性化など、専門外の分野で課題は山積で、目に見える結果が求められている。

そして、入札改革である。
現在 地場建設業界の不満が積もっている。
既報の通り、平成29年の市議会で 道祖満市議が公共工事の入札に総合評価方式導入を求め、それに市が応じた結果、坂平末雄市議が関連する特定の企業グループが有利になった。
その後4年間で 飯塚市と消防組合が発注し 地場企業に支払われた工事総額 約62億円のうち、同グループが3分の2を得たとされている。

また、昨年発覚した 新体育館移動式観覧席の官製談合疑惑や、市発注の大型工事において実績のないインテリア会社が一次下請となり差配している いかがわしい事案も発生している。
更に、今年になってからも 官製談合の疑いがある管工事の入札があった。

まずは、飯塚市にそぐわない総合評価方式の撤廃に着手すること、そして コンプライアンスの徹底と クリーンで透明な入札が行われるよう、人事を含めた抜本的な改革が必要だ。

筑豊の10万人都市の行く末は、武井新市長の手腕にかかっている。

最後に投票率と得票数について。
投票率は、2006年の合併後 過去最低となる 37.52%だった。
また、当選した武井氏の得票数も過去最低の 1万8377票、有権者の2割の支持も得ていないことになり、決して安心できる数字ではない。
今後は一部の声だけではなく、市議会や 広く各種業界・団体の声を拾いながら 前に進めていかれることを期待したい。

未来を決める市長選挙

片峯誠前市長の死去にともなう飯塚市長選挙が5日告示され、3人の候補者が舌戦を繰り広げている。

党副総裁の麻生太郎氏を後ろ盾にした前教育長の武井政一氏(62)は 自民党県連の推薦も受けている。
10名余の市議が支援、出陣式も盛大に行われ、やや優勢と見る向きが多い。
ただ、通常の選挙より 一部県議に熱が入っていないとの話も聞かれる。

武井氏を首差で追う対抗は市職員OBの倉智敦氏(65)だ。
道祖満市議ら立憲民主党の議員らが支持するも、武井候補支持を表明している同党県連顧問の吉村敏男元県議と足並みが揃っておらず 党内不和との憶測を呼んでいる。
また、「今すべき事を、今行います。」で知られる坂平末雄市議が、「今応援を行っている」というのも小さな話題となっている。

2人を追いかける上野伸五氏(58)は、組織票はないが 同僚市議の応援もあって名前も次第に浸透、沿道の子どもたちからは選挙カーに「Go Go シンゴ」と掛け声が。
偏りがあると言われる入札制度の見直しや 学校給食費等の無料化拡大、地元高卒生の職員採用推進など 分かりやすい公約が好意的に受け止められている様だ。

麻生太郎氏が発した「公明党はガン」発言の影響が気になる公明票であるが、党は既に自主投票を決定、公明党の市議4人も応援先がばらけており一枚岩ではない。
また、「政治とカネ」の問題に厳しいはずの学会の幹部が、疑惑まみれの市議が応援する候補を支援しているとの情報もあり、学会員からは戸惑いの声が上がっている。

武井候補が逃げ切るか、倉智候補が差し切るのか、それとも上野候補が後方一気逆転あるか 注目の選挙だ。
期日前投票の出足が鈍いという話も聞かれるが、飯塚市の未来を左右する大切な選挙、ぜひとも投票所に足を運んで頂きたい。



意味不明、立憲民主党が分裂選挙

片峯誠市長の死去に伴う 飯塚市の市長選(11月5日告示、12日投開票)は、現在までに 元市部長の倉智敦氏(64)、前市教育長の武井政一氏(62)、元市議会議長の上野伸五氏(57)の3人が出馬を表明している。

短期決戦で各陣営が準備を進めているところ、武井氏の討議資料を入手した。
麻生副総理とのツーショットや、自民党の江藤県議と高橋県議の顔写真が掲載されていて、地元政財界が支持していることが窺える。
気になったのが、その中に元県議で九州の自立を考える会 副会長の吉村敏男氏の写真、吉村氏は現在立憲民主党県連の顧問を務め、あまりいい評判を聞かないだけに 武井氏の支持者からはマイナスイメージを心配する声が上がっている。

その一方、同じ立憲民主党の道祖満市議が 倉智氏を支援しているという。
道祖市議自らが倉智氏を引っ張り出したと言われているが、立憲県連の方には道祖氏から報告はされていないらしい。
党人としては不可解な動きであり、立憲内部からも疑問の声が上がっている様だ。
尚、議長ポストを500万円で買おうとした市議が倉智氏支持に回っているという噂もあり、道祖氏の思惑に憶測が広がっている。

本来、政党同士で争う市長選挙、立憲県連顧問と市議が別々の候補を支持する珍しい「野党分裂」となっている。
結局政党は二の次ということだろうか。



片峯誠飯塚市長が死去

昨日 飯塚市の片峯誠市長の訃報が届いた。
弊社の社長もたびたび取材で市長に面会していたが、市長というより慕われている学校の先生という印象が強かったという。

コロナ禍の2020年夏、緊急事態宣言に伴う来園者激減で苦境に陥った同市八木山の民間動物園「ピクニカ共和国」の窮状を知った弊社社長が、片峯市長に直談判をしたところ、早速 自らの足で同園を訪れて現状をお尋ねになったという。

その後 議会で、自粛生活を強いられ遊ぶ機会や学ぶ機会を奪われた子どもたちへの市独自の支援事業「こどもたちに笑顔をワクワク体験事業」の一環として、市内に39ある保育所、保育園、認定こども園、幼稚園すべてに「移動動物園」招致にかかる補助金の支出を提案、全員賛成で可決し事業化が決まった。
ピクニカ共和国の山本社長は、当時を振り返り「本当によくして頂きました。本当に残念です」と話した。

各方面からあまりにも早過ぎる死を惜しむ声が上がっている。
片峯市長のご冥福をお祈り申し上げます。

飯塚市新庁舎とステンドグラス

飯塚市は麻生副総理の出身地で、炭鉱華やかりし頃は栄耀栄華を極めた時もあり、老舗の料理屋などで食事をすると、器や掛け軸などの調度品で、当時を垣間見ることが出来る、愛好家にとっては捨て難い街である。

前市長が庁舎の老朽化を理由に新庁舎建設を計画、完成間近に市長自らの不祥事で辞任したため、先日行なわれた選挙では前教育長の片峯誠氏が新市長に選ばれた。

連休を利用しての引越しの真っ最中で申し訳なかったのだが、5月2日に完成した新しい市庁舎を訪れたところ、玄関正面ドアにはステンドグラスが飾ってあった。

作者は地元飯塚の出身で、5年前に文化勲章を受章した、東京藝術大学元教授の野見山暁治氏、原画も玄関正面奥の壁に掛けてある。

一度は飯塚市役所を訪れ、見事な作品をみて目の保養をする、価値は十分にある。

飯塚市長選挙~予想

前市長が平日昼間に賭けマージャンという前代未聞の理由で辞職したため、2月19日公示、26日投開票の予定で、市長選挙が行なわれる。

現在、出馬を表明しているのは、元飯塚市議会議員の小幡俊之氏(59)、前飯塚市教育長の片峯誠氏(60)、弁護士の小宮学氏(61)の3名で、いずれも無所属新人。

現時点で準備が着々と進んでいるのは、既に選挙事務所を構え、後援会組織が動き始めている片峯誠氏で、先月の成人式でも前市長の代理を務めたこともあり、名前が浸透してリードしているようだ。

一方、先の北九州市議会議員選挙で10名の候補者を擁立し、全員が当選した日本共産党が応援している小宮学氏も侮りがたく、激しい選挙戦が予想されている。

3名の立候補予定者はほぼ同世代で甲乙つけがたいが、独自の教育方針で現場を指導し、飯塚市の多くの若者を育ててきた、片峯誠氏の実績を評価する声も多く、一歩抜け出しているのは間違いないようだ。