鉄筋が値上げだって!? ~ 生コンも上がるんだぞ!

鋼材価格の標準となっている、東京製鐵の11月20日付け12月分価格表によれば、直径10ミリの異形棒鋼、いわゆる鉄筋、サイズD10は、トン当たり6万6000円で、13ミリから25ミリの、D13からD25が6万5000円となっている。

キロ当たりに直すと、D10が66円で、D13からD25が65円ということ。

どちらのサイズかもらしたが、聞くところによると、福岡ではまだキロ当たり59円で販売されているようだが、久留米地区では鋼材商社がゼネコンに対し、これからはキロ69円の値段に上げますと伝えているという。

久留米地区は福岡地区よりも工事量が少ないはずで、鉄筋を値上げするといわれても、ゼネコンが素直に飲むかどうか、下手すると予算をオーバーしかねず、「ちと待て」、ということになるだろう。

一昨年から昨年にかけて、中国のあちこちの港湾で野ざらしになっていた大量の鋼材は、中国政府の一帯一路政策で消費されており、東南アジア地区ではさらなる鋼材需要が発生し、鋼材需要が高まるとして、国内の鋼材電炉メーカーは強気に出ているようだ。

当然、福岡地区の鋼材商社も値上げを要請することになるだろうが、来年早々からは生コンの値段も上がる予定で、そのほかの建材や人件費も値上げの動きが出てくるだろう。

建築確認申請を見ると、ビジネスホテルや分譲および賃貸マンションの件数が多い福岡地区だが、デベロッパーとゼネコンの建築費のせめぎあいで、着工遅れが出てくるようだと、さて来年の景気がどう動いてくるか・・・わからなくなりそうだ。

鉄筋用棒鋼~えらく安くなっているらしい

需要があるのかどうか不明だが、新築分譲マンション開発が活発な久留米市内で、或る地場鋼材業者が納めるだろうと誰もが当然視していた工事現場に、思いもかけない上場鋼材業者が納品したようで、これに怒った地場業者、別のゼネコンが見積もった現場では、前回下をくぐられた上場業者の出した値段をさらに下回る価格で、仕事をもっていったという。
ところがこの現場というか、この上場企業が見積もる価格は、ほとんどは利益が出るか出ないかの値段というのがもっぱらの噂だけに、さらにその下をかいくぐって出した金額ならば、どのくらい赤字を被ったのだろうかという話に発展している。
大阪の合同製鉄は、粕屋郡のトーカイを完全子会社化し、同時に系列企業である九州製鋼の株式を一部譲渡するなど、鉄筋用棒鋼メーカーとして力を蓄え、電炉業界再編の中核を担いたいようだが、肝心の鉄筋価格が低下すれば、計画の見直しも出てくる可能性がある。
大昔、新日鐵がまだ八幡にあった頃まで、「鐡は国家なり」が通用していたが、鉄鋼業界も再編の真っ最中で、来年はどうなるかわからない。


 

鋼材価格値下げ~建築コスト下がる?

毎月15日から20日にかけて、電炉メーカートップの東京製鐵は翌月の鋼材販売価格表を公表しているが、これによれば9月価格に比べて10月価格は、トン当たり7000円前後低下した。
例えば、H形鋼細巾100×50は9月で8万5000円だったが、10月には7万8000円、また角形鋼管は8万6000円から7万6000円となった。
鉄筋の下がり具合はまだ大きく、異形棒鋼D10、つまり直径10ミリの鉄筋は6万3000円から5万円に、トン当たり1万3000円安くなった勘定。
関係者によれば、秋口のこの時期に価格が下がるということは、年明けもこの水準はほぼ変わらないだろうと判断しているようだ。


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