ワクチンの”闇”、文春・現代も舵を切った

ワクチン接種後の副反応被害について、大手マスコミやテレビ局は ワクチン接種勧奨という政府方針に従い取り上げて来なかったが、週刊誌では唯一週刊女性セブンが、テレビ局では名古屋市のCBCテレビと神戸市のサンテレビが報じてきた。

昨年12月12日の記事で週刊新潮が報じ始めたことを書いたが、今月になって週刊文春と週刊現代が同様の記事を掲載してきた。

週刊誌の次はテレビ局も取り上げ始めるだろう。
これまで ワクチン接種の旗振り役だった政治家や専門家が どう対応していくか注目される。

ちなみに、最新号の文春と新潮の見出しは以下の通り。

週刊文春
ワクチンの“闇”<取材総力>
ワクチン打つと死者が増える?/厚労省の職員は10%しか打っていない?/健康被害は日本政府補償だから薬害を隠蔽?/ワクチンの血栓リスクを米当局が認めた?/世界的権威が小誌に明かした「打たなくていい人」とは?/新変異XBB.1.5にワクチンは効くのか?/マスクは必要なのか?/「5類」移行 最大のハードルとは?

週刊新潮
「5類」でも「コロナワクチン推進」という思考停止
▼【取扱注意】の政府内部文書入手! 〈WHOの接種方針が……〉に滲む「迷い」と「ためらい」 ▼ 専門家が警鐘!接種後「解熱剤服用でも40度超え」は要注意 ▼ 第一線の心臓血管外科医が論文で訴えた臨床現場の異変とは!? ▼ ワクチンで自然免疫抑制デメリットはいつまで続くのか

ワクチン後遺症患者からのSOS

最初に申し上げておくが、今回のテーマについては現状に問題があると捉え、6月中旬に県医師会と県に 詳細な報告と共に改善策の提案をさせて頂いた。
対応して頂ければ 取り立てて書くことはないと考えていたが、何も変わっていないことが判ったので、現状を広く知って頂くため 記事にした。

新型コロナウイルスに感染し発症後の後遺症についての報道は多いが、ワクチン接種後の副反応が疑われる症状に長期間苦しんでいる人(ここでは「ワクチン後遺症患者」と呼ぶ)は、なかなかスポットが当たることがない。

6月初旬、福岡市在住の40代の女性Aさんから SOSの電話があった。
ワクチン接種後、副反応が疑われる症状に苦しみ 医療機関を受診しようとしたが、どこに行っても応じてくれなかったというのだ。
早速 Aさんにお会いしてこれまでの経緯を伺った後、取材する中でワクチン後遺症患者に対する医療体制に盲点があることが判った。

 

全医療機関で診療中断

医療従事者であるAさんは、昨年5月から職域接種が実施され、義務と思って接種を受けてきた。
1月24日に3回目を接種して 1ヵ月くらい経ってから、耳鳴りが始まり、次第に 視力低下・痒み・頭痛・筋肉痛・めまい・動悸などの症状が出るようになった。
5月に入り症状が急激に悪化、24日には立てなくなるほどに。
これまでは健康そのもので、思い当たることと言えばワクチン接種くらい。

そこで、ワクチン後遺症に対応できる医療機関を紹介してもらおうと最寄りの保健所に電話をかけた。
そこからの経緯は下図の通りだ。



Aさんは ワクチン後遺症専門の医療機関を紹介してほしかっただけなのに、結果として、行政、かかりつけ医、近所のクリニック、救急の総合病院、どこも繋いでくれなかった。
めまいと激しい頭痛の中、藁をもすがる思いで訪ねた複数の医療機関で、「ワクチン接種」という言葉を発した途端、カルテを書く手が止まり口裏を合わせたかのように体よく追い返され絶望したという。

 

ワクチン後遺症患者を拒否する理由

福岡県は、ワクチン後遺症に対応できる 6つの専門医療機関を指定しているが公表していない。
このため、ワクチン後遺症の疑いのある人は、まず かかりつけ医を受診して、かかりつけ医が必要と判断したら 専門の医療機関に紹介状を書くという流れになっている。

つまり、かかりつけ医がスタートとなる。
実際には、かかりつけ医を決めている人ばかりではないので、行政の考え方では 「かかりつけ医 = 近所のクリニック」ということらしい。

Aさんは、自身がかかりつけ医と思うクリニックがあったので 受診したが、そこで紹介状を書いてくれず 専門の医療機関に辿り着けなかった。
なぜこのようなことが起きるのか。

筆者が信頼している開業医の先生から、「医者の本音」というものを聞くことができた。

「開業医が自分のかかりつけの患者さんにワクチンを接種して、万が一副反応が疑われる症状が出たとしたら、それは責任を持って対応します。
しかし、職域接種や接種会場で打った人が 『副反応の疑いがあります』と言って来られても 手元に問診票もなければ既往歴もありませんので 責任を持って診療できません。
それに加え、医者と看護師だけで回している小さなクリニックでは、紹介状を書くにも時間と手間を要するだけ、悪く言えば他の医者の尻拭いをさせられている感があります。
もっと言えば、患者が将来 国を訴えた時、巻き込まれるかもしれない、それを避けたいという考えもあります。」

つまり、国・都道府県・医師会が、ワクチン副反応患者に対応する体制を構築したつもりでも、現場のかかりつけ医とは考え方が一致していないのである。
苦しんでいるAさんが必要な医療にたどり着けなかったのは、起こるべくして起こったと言える。

この状況は福岡に限らず 全国共通のようだが、いち早く解決に向けて取り組んだ自治体がある。


名古屋市の取組み

いち早く取り組んだ自治体、それは名古屋市だ。
今年2月、同市は「なごや新型コロナウイルスワクチン長期的な副反応相談窓口」を設置し、副反応が疑われる症状の人に対しての 独自の体制を構築していた。

他自治体との違いは、まず初期対応の窓口として「長期的な副反応相談窓口」に特化した専用ダイヤルを設け、副反応の知識を持った看護師が対応していることだ。
他自治体では「ワクチン専用ダイヤル」として、ワクチン全般について薬剤師が対応している。
もう一つ重要なことが、かかりつけ医ではなく「協力医療機関」を紹介することだ。
医師会が 予め診療をしてくれる医療機関を募集し、自ら応募している医療機関なので ワクチン接種の話をしても診療がストップすることはない。



相談窓口は3月25日にスタート、看護師5人体制で対応、10月21日までに 1668件の相談があり、うち 869件を市内86の協力医療機関に繋いだという。
名古屋市の担当者に相談窓口を開設した経緯を電話で尋ねたところ、やはり 副反応が疑われる人が かかりつけ医の段階でストップし、専門の医療機関を受診できないという報告が上がっていたからということだった。

名古屋市では CBCテレビという地方局が昨年来、ワクチン副反応で苦しむ患者についてシリーズで伝えており、マスコミの力も影響したと思われる。
現在までに全国の複数の地方自治体から 取り組みについて問い合わせが来ているという。


CBCニュース【CBCテレビ公式】 大石が深掘り解説 より


動かなかった県医師会

今年3月24日付で、厚労省から都道府県宛に 「遷延する症状を訴える方に対応する診療体制の構築について 」という通知が出され、ワクチン副反応が疑われる症状の方に対する対応の再構築が要請されている。
要するに、全国で副反応が疑われる人への対応が不十分な例が見られるので、対応を見直せという内容である。
しかし、福岡県では昨年来の接種スタート以来、体制は変わっていない。

弊社では、こうした点を踏まえ、6月に福岡県医師会と福岡県に出向き、Aさんの事例の報告と名古屋市の体制などを紹介する提案を行った。
その後 県からは何の連絡もなかったので、今月に入り対応について尋ねたところ、「県医師会と協議をしたが、医師会にこうした事例が上がって来ていないので体制の変更はしなかった」とのことだった。

事例が上がって来ていない・・・。それは当然だろう。
「ワクチンの副反応が疑われると分かった途端、カルテを書くのを止めて 体よく患者を帰しました」
医師会の会員のクリニックから このような不都合な報告が上がるわけがない。

今年1月に、県医師会長の松田峻一良氏が74歳でお亡くなりになられたが、もしご存命だったら違う対応をされていたかもしれない。
県医師会が主体的に動いてくれなければ 体制の再構築はできない。
福岡県としても、県医師会がそう言っている以上、強く要望することができなかったと思われる。


副反応被害者に寄り添う体制を

現在、Aさんは ウェブサイトで偶然見つけた 医師会に加入していないクリニックに通院中だ。
ワクチン副反応に理解のある医師で、治療方針を立て週に1度のペースで治療を受けている。
通院して4ヵ月程経ち、一部改善が見られたものの 喉の痛みをはじめ 様々な症状が続いているという。
「5月は頭痛と めまいと 動悸の症状の中、たらい回しにされ 絶望した。自分と同じ苦しみを 他の人にしてほしくない」と話す。

結果としてAさんは、かかりつけ医経由で県が指定している副反応の専門医療機関に辿り着けなかった。
もし その医療機関で受診できていれば、Aクリニックとは また別の治療が受けられたかもしれない。
仮に今Aさんが、たらい回しにされた医療機関を再度受診したとしても 同じ結果にり、県指定の専門医療機関で診てもらえないということになる。

筆者は県のコロナ対策室に何とかならないか尋ねたが、決まったことなのでどうしようもできないという立場だった。

厚労省が問題を認識し通知を出し、名古屋市では体制の再構築を行った。
なぜ福岡県ではできないか。
これは、県の姿勢もそうだが、県医師会側の問題である。


県医師会と福岡県におかれては、医師会会員に実態の調査をし、名古屋市の取組みを参考に副反応被害者に寄り添える体制を構築することをお願いしたい、それしか言いようがない。

ー 了 ー

写真はイメージです

 

台湾からマスクが届く

5月16日、台北駐福岡経済文化弁事処(陳忠正所長)から、福岡県医師会にマスク1万枚と体温計150本、九州大学病院にマスク1万枚とアイガード500個が届けられ、贈呈式が行われた。

福岡県内でコロナウイルスの感染が広がっていた約1ヵ月前、医療現場ではマスクや消毒液が不足し、鬼木誠衆院議員(福岡2区)らが奔走するのを見た陳所長から、台湾よりマスクを寄贈したい旨の申し出があったという。

政治家個人が受け取ったものを配るのは法律上できないので、公的な機関に直接寄付してもらうよう陳所長に提案、今回計10万枚のマスクが日本に到着し、実現に至った。

5月18日には県庁にもう1万枚が届けられ、保育や介護の現場に届けられるという。