大任町の建設発生土、虚偽報告と新たな疑惑

今年1月、福岡県民新聞では 大任町(永原譲二町長)のゴミ焼却場等建設で発生した土砂が 添田町の処分場(管理者 永原譲太郎氏)に、県に報告した以上の量を搬入している疑いがあると報じた。
昨年、大任町の住民が、町の工事の建設発生土が分かる資料の情報公開を求めたところ、開示を拒否され疑念が深まったという内容だった。

ところが3月になって、永原町長が情報公開を進める方針を発表、改めて情報公開を求めたところ、平成30年度~令和3年度までの建設発生土の資料が開示されることになった。

関係者がその資料を精査、その結果、永原譲太郎氏が福岡県に提出していた「土砂埋立て等報告書」に虚偽記載があることが判明した。
今回は、その顛末と新たな疑惑について報じるが、その前に 1月の記事を下記に再掲するのでご一読願いたい。

以下 今年1月の記事。




昨年8月に「大任町から出た違反盛土の全容」という記事を書いた。
大任町の隣、添田町の土砂処分場に計画を6mも上回る高さに積み上げられた盛土が下流域の住民を脅かしているという内容で、週刊Fridayも報じたほどである。

Friday記事は → こちら



大任町では衛生処理関連の大型施設や関連する道路整備工事が集中して行なわれ大量の建設発生土が出て、それを永原譲太郎氏が許可を受けた添田町の処分場に搬入していたと思われる。



その後、県が永原氏に土砂の撤去命令を出し、状況が改善されたというところまで報じたところである。

しかし、これで終わらせていいものだろうか。
大任町発注工事の建設発生土の全てが永原町長の家族の土地に捨てられたとなれば、かなりの利益を得ていることが考えられ、政治倫理上の問題が出てくる。
昨年9月7日、大任町の住民が勇気を出して、「平成31年以降の町発注工事の建設発生土の処分場所、量(㎡)、期間が分かる書類」の情報開示請求を行った。

本来2週間で出てくるはずだが2週間延期、いろいろと理由をつけて再提出、そして期限延長を経て、12月28日になってようやく通知が送られてきたという。

2ヵ月半経って出てきたと思ったら不開示決定、理由は例によって「公にすることにより、人の生命、健康、生活、財産、又は社会的地位の保護、犯罪の予防…云々」、つまり、出すことで反社からの被害を未然に防ぐというお決まりの言い訳である。

請求内容をご覧頂くと分かる通り、「業者名不要」と書いてあり、誰が捨てたかは問われておらず、業者が反社に狙われるということは有り得ない。
いつ どこに どれだけの量を捨てたかが知りたいだけだ。

これでは、永原町長が発注した建設工事の発生土の全てが子どもの処分場に捨てられ、家族でぼろ儲けしていると思われても仕方がない。



建設発生土の受け入れをしている事業者は、半年に1回、搬入量・搬入割合・今後の搬入可能量の書類を提出することが県条例で義務付けられている。
当然、添田町の処分場で受け入れている永原譲太郎氏も提出していたので、平成24年以降の報告書を情報開示請求で取り寄せた。

それをまとめたのが下記の表である。
令和3年10月18日の報告では、2851㎥搬入して 搬入割合が 99.64%とほぼ限界に達していたが、同4年4月18日の報告の際、これまで搬入した土砂量に 締固め率 0.85を乗じた数値に変更し、搬入割合が 91.51%に減少している。
「これまでは土砂搬出したときの量で計算していたが、搬入後踏み固めているので実際の体積は0.85倍である」というのが業者の言い分で、県もそれを認めており それについて異論はない。



しかし、これまでの報告書の数値に虚偽の疑いがあると関係者は指摘する。
というのも、平成29年10月23日に汚泥再生センターの契約議案が可決して以降、建設現場の造成工事や付帯する道路工事が一気に行われ 大量の土砂が出て、同処分場に搬入されているはずだが、その後の土砂の搬入量が極端に少なくなっているからだ。
また、令和2年11月16日に最終処分場、同3年3月17日にごみ処理施設の契約議案が可決しており、その後も大量の土砂が搬出されていると思われる。



まさに急激に土砂が積み上がり、添田町民を不安に陥れた時期と重なる。
20日の記事で紹介した情報開示請求「平成31年以降の町発注工事の建設発生土の処分場所、量(㎡)、期間が分かる書類」というのは、報告書に記載した「期間中の搬入量」が正しいかどうかを確認するためのものだった。
その書類を開示しないというのだからますます怪しい。

虚偽報告は条例違反となり罰則が定められており、政治倫理上の問題に止まらない。
疑いを払拭するには永原町長が情報を開示をすればいいだけ、簡単なことだ。






以上が過去記事で、ここからが今回の内容となる。

大任町(永原譲二町長)が公開した「建設発生土処分地報告書」には、報告した建設会社名、事業名、工事名、現場の箇所、工期、そして、建設発生土量と運搬距離が記されている。
「上記建設発生土を引き受けました。」と受入地確認をしているのは、有限会社譲(代表者 宮田芳光氏)、株主は同処分地の管理者である永原譲太郎氏だ。

公開された資料(下図)を元に、関係者が平成30年4月19日から令和3年10月18日までの建設発生土処分地報告書 128枚を集計したところ、管理者の永原氏が県に報告していた量と大きな乖離があることが判った。





永原氏 が県に報告していた、平成31年4月18日から 令和3年10月18日までの搬入量合計は 3万8958㎥、ところが ㈲ 譲が 同処分場に受け入れていた建設発生土の合計は 25万6540㎥、なんと約 6.5倍も 多かった。
つまり、譲の報告通りなら 永原氏が県に虚偽の報告をしていたことになる。
県条例では、虚偽の報告をした者には 20万円以下の罰金刑が科せられると規定されており、県は事態を重く見て永原氏へのヒアリングなど調査を行ったという。



その結果、県は悪質ではないと判断した模様で、永原氏は「顛末書(下図)」を提出することにより不問に付されている。
情報公開で入手した顛末書の写しでは、永原氏が搬出した合計量が黒塗りで確認できないが、「報告書には (搬出して)再利用した量が含まれていなかった。虚偽の報告を行う意図はなかった」と弁明、県は「刑事告発するレベルではない」と判断したもようだ。

ただ、永原氏が同一の処分場において、2年連続で顛末書を提出(1回目は 許可されていない場所に土砂を捨てたり 計画高を6mも超過、2回目は虚偽の報告)という杜撰な管理を行っているのは事実である。

そして、何より 政治倫理上の問題がある。
田川郡東部環境衛生施設組合(永原譲二組合長)が、大任町(永原譲二町長)を経由して発注した公共工事で出た建設発生土が、永原譲二氏のファミリーが管理する処分場に搬入され、この4年間で最低でも3億円以上の収入を得ていると見られている。

福岡地区であれば、こうしたあからさまなスキームは有り得ない。
公共工事でファミリーが大儲け、これを知りながら指摘もしない田川郡東部環境衛生施設組合議会の議員の皆さん、大丈夫ですか?



土砂処分場の管理者である永原譲太郎氏が、県に提出していた「土砂埋め立て等状況報告書」の虚偽記載疑惑は、同氏の顛末書提出で解消された。
しかし、地元では 新たな疑惑が生じている。

それは、大任町が発注している田川郡東部環境衛生施設組合関連施設の土木工事の建設費が、過大に見積もられているというものだ。
大任町が公開した「建設発生土処分地報告書」には、建設発生土量と共に運搬距離が記されているが、注目はその運搬距離だ。

ゴミ焼却施設の造成工事が行われている場所から 添田町の土砂処分場までは 片道約11km、どんなに遠回りしても15km圏内である。
ところが、汚泥再生処理センター外構整備工事、ゴミ処理施設造成工事、東部縦幹2号線道路新設工事の多くが、なぜか22.5kmと同一距離で報告されていた。



そのうち、東部縦幹2号線道路新設工事だけを抽出したのが下図である。
令和元年2工区から始まり令和2年34工区まであるが、運搬距離が 6.0kmから 22.5kmとかなり異なっている。
町の担当者は、「地元から苦情が出たので、令和2年6月以降、遠回りするルートに変えた結果 22.5kmになった」と説明した。

しかし、令和3年2月からは 10.0kmと距離が短くなっている。
その点について尋ねたところ、 「自分は設計していないので分からない」と回答、「忙しいので」と電話を切られ その後も折り返しはなかった。
設計・積算を行ったのは設計会社かもしれないが、それを認めたのは町であり、分からないではすまない。
疑問は膨らむばかりだ。

関係者は次のように話す。
距離が伸びれば 土砂の処分費用が積み上げり、工事費も上がる。
町が設計業者と組んで、工事費の上積みに関与した可能性もゼロではない。
距離をごまかしたとなれば、発生土量についても 多めに見積もっているかもしれない。
発生土量が増えると、建設業者と土砂処分場の両者は その分 利益が増え、Win Winである。

現時点では疑惑の域は出ないが、これが事実なら不利益を被るのは、発注者である田川郡東部環境衛生施設組合、ひいては田川地区の住民だ。
今後、組合や関係市町村においては、組合が支払う工事の各工区ごとの設計・積算の根拠書類、各工区を担当した設計会社の選定方法など、大任町に情報を公開させ説明を求める必要があるだろう。



ー 了 ー

政治と介護施設の深い関係 ⑬

介護サービスに従事しておられる方は 日々の業務に真剣に取り組んでおられる。
問題は 介護事業を政治に利用する政治屋、そして それに協力する経営者、中には政治屋自身が介護事業の経営者のケースもある。

地方議員やその家族が社会福祉法人の理事長を務めているケースは多い。
そこでは、特別養護老人ホームほか、デイ・サービス、訪問看護ほか様々な介護サービスを行うほか、法人によっては 障害者福祉まで手を広げているケースも。

そこで雇用されている人、サービス利用者、そして その家族まで含めると相当数に上る。
これだけで、選挙の際、他の候補者に比べ アドバンテージがあるかお分かりだろう。
だからこそ、介護を政治に利用していると誤解されないよう、議員活動と介護事業との線引きを明確にするべきではなかろうか。



永原町長の凄いところは、福岡県介護保険広域連合のトップになり事実上の許認可権を掌握し、政治利用の仕組みを確立させたことと言われている。
広域連合に加入している33自治体では、永原連合長(町長)が判を押さなければ、新たに介護サービスを始めることはできない。

今でこそ永原町長と歩調を合わせている佐々木県議であるが、関係者によると、県議なりたての頃は反永原だったが、両親が介護施設を経営しているため どうしても敵に回せなくなった事情があるようだ。
そこで止まってくれていれば良かったがそうはいかなかった。

既報の通り、永原町長の肝煎りで発足した任意団体「田川地区介護サービス事業所協議会」の会長に佐々木県議の母親が就き、昨年12月には 会長名で「次期選挙で 二場公人市長と佐々木允県議を推薦する」旨の文書を会員に送付している。

更に、田川市長選の最中、佐々木県議の兄が経営する有料老人ホームの不在者投票の当日、現職の二場公人候補が訪ねて来て挨拶を行った上、法定ビラではなく後援会チラシを配布するという、2重の選挙違反を行っていた。
選挙違反を承知で訪ねてきた二場氏が一番悪いが、それを許した施設の経営者も同罪と言えるだろう。

結局、佐々木県議の家族が 介護事業を政治利用していたことに他ならない。
親分からの指示があったかどうかはともかく、それぞれの責任で行っており同乗の余地はない。
ここまで来ると、母親が経営する施設でも同様の不正はなかったかとか、不在者投票が法令を遵守して行なわれているかなど様々な疑問が湧いてくる。

佐々木県議のケースは、議員活動と介護事業との線引きを明確にしていない わかりやすい一例である。

ー 続 く ー


陸田議長が経営する介護施設に掲示された看板

政治と介護施設の深い関係 ⑫

これまで 福岡県介護保険広域連合の資料を元に、田川地区の自治体の認定率が高いこと、1人当りの給付費が多いことなどを書いてきた。

ただ、政治と介護施設の深い関係 ⑩ (2023年7月24)の記事における「介護認定が他自治体と比較して緩い」という表現について、関係者の方からメールで次のようなご意見を頂いた。

現在、田川地区で介護保険の認定調査を行っているのは、介護保険施設所属のケアマネジャーではなく 全て福岡県介護保険広域連合の認定調査員である。
永原連合長の部下あることに変わりはないが忖度するという事は全くない、また、認定までの手続きの中で 個人を特定して永原氏の意向が反映されることは決してない。

表現には気を付けないといけないと改めて反省させられた。
現場の職員の皆さんは日々真剣に業務に励み、介護サービス利用者のために汗して働いておられ、誤解を招く表現があったかもしれない。
数字だけを並べるにとどめ、こちらのコメントは控えるべきだった。

今回は、広域連合の資料より、事業所(地域密着型サービス)、及び 特養を含む施設サービスの内訳を紹介したい。
まず、事業所(地域密着型サービス)数の合計を 第1号被保険者数で除した割合の平均は0.13%であるが、大任町が 0.49%で1位、10位以内に 糸田町を除く田川地区の7自治体がランクインしている。

また、施設サービス数の合計を第1号被保険者数で除した割合の平均は4.19%、大任町が1位で13.71%、10位以内に 糸田町(3位)、赤村(4位)、福智町(5位)が入っている。
弊社記事、政治と介護施設の深い関係 ⑥⑦⑧⑨で これらの自治体の特養の数が全国平均・県平均よりかなり多いことを書いたが、それを裏づけるものだ。

大任町は、認定率、不能欠損の割合、事業所の割合、施設サービスの割合で 1位を獲得、4冠達成である。

- 続 く -

政治と介護施設の深い関係 ⑪

福岡県介護保険広域連合の事業報告書についての解説の続き。

まず、給付状況。
令和4年度に広域連合から33市町村に支出した介護給付費と、それを第1号被保険者数(65歳以上)で除した 1人当りの金額の一覧で、1人当りの金額が多いほど介護サービスが充実していることを意味する。

1人当りの給付費の平均は 22万6358円、多い順に 1位 東峰村、2位 赤村となっているが、これについては医療機関が少ない過疎の村という地域性もあり、介護サービスがあれば 頼りがちになるという。
医療機関が少ない分だけ公的医療費の支出も少ないので、介護給付費だけで単純に比較できないという識者の意見もある。


ただ、1人当りの給付費の多い順の10位以内に 田川地区6自治体がランクインしており、他の地域と比較して田川地区の介護サービスが手厚いというのは事実だろう。

次に収納状況。
表右側のブルーの列は、介護保険料の普通徴収(口座振替または納付書で納める方法)の令和4年度分の収納率を 収納率の低い方から順位を付けたもので、自治体としては不名誉なことと言える。

興味深いのが、不能欠損額を第1号被保険者数(65歳以上)で除した 1人当りの金額だ。
不能欠損とは、自治体がが滞納分の徴収金が徴収できなくなったとして調停金額を消滅させること、分かりやすく言うと、自治体が請求を止め 滞納者は支払いを免除される。

令和4年度分でざっくりと試算したところ、33自治体平均で 年間1人当りの介護保険料 が 6万0916円で 不能欠損額は 437円、大任町の場合 年間7万0076円で不能欠損額が1037円だった。
大任町は 介護保険の認定率と1人当りの不能欠損額が1位、つまり 33自治体の中で 認定が最も緩く取り立ても甘い自治体ということになる。



- 続 く -

政治と介護施設の深い関係 ⑩

今月初旬、県内33自治体が加入する福岡県介護保険広域連合(連合長 永原譲二大任町長)の会合で、事業状況報告書(令和4年度末)が配布された。
同報告書を読み解くと、いかに田川地区の介護サービスが過剰かが分かる。

犯罪に近いレベルという識者の声もあり、40歳以上の高額な介護保険料を真面目に支払っている田川地区の皆さんには、この事実をぜひ知って頂きたい。
弊社記事 → 自治体ごとに違う介護保険料
合わせて、33自治体の地方議員や職員の皆さん、県税を投入している県議や県職員の皆さんにも問題を共有したい。

同報告書には、市町村別に、認定状況・給付状況・収納状況・事業所数について 詳細なデータが記載されている。
各自治体で人口や高齢化率が異なり分かりにくい部分もあるので、弊社で判りやすいよう、① サービスの数量を第1号被保険者数(介護保険の対象となる65歳以上人口)で除して比較できるようにし、② その数量ごとに順位を付けた。 

まず、要介護(要支援)の認定率から説明する。
認定率は、各自治体ごとに第1号認定者数(要介護の認定を受けた方の人数)を第1号被保険者数(介護保険の対象となる65歳以上人口)を除して表したもので、広域連合33自治体の平均認定率は 18.18%、全国の平均が令和4年度で 18.6%とされている。

33自治体のうち、認定率が高い方から10位以内に 田川地区8自治体の全てがランクイン、中でも大任町が 26.11%で1位だった。
高齢化率が高いところと必ずしもリンクしている訳ではなく、東峰村は高齢化率が46.8%と最も高いにも拘わらず、認定率は18.24%で平均並み、ちなみに大任町の高齢化率は37.5%だった。

認定率が高いというのは、「介護認定」が 他自治体と比較して緩いと理解することができる。
介護サービスを受ける方の家族にとっては、要介護度の重い方に認定されれば個人負担が少なくて済むので、介護認定調査は緩い程ありがたいが、一方で 緩いと介護報酬が増え、40歳以上が支払う介護保険料に跳ね返ってくるので、認定調査も厳格な基準で行われているはずだ。

介護認定調査は一般的に、自治体職員(認定調査員)か自治体が委託した指定居宅介護支援事業者または介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型医療施設、介護医療院)に所属するケアマネージャーが行う。

介護事業に詳しい関係者は「大任町の人口は5000人、みんなの顔が見え、それは有権者でもあります。認定調査をする町職員は永原町長の部下、ケアマネージャーも永原町長の家族が経営する施設に所属していれば、そりゃ選挙のことを考えると緩くなって当然です」と話す。

他にも要因はあるかもしれないが、複数の市議や県議が介護サービス事業に関わっている田川市も 22.53%と高いので、全く無関係とは言えないだろう。



ー 続 く ー

政治と介護施設の深い関係 ⑨

福智町で 60床の特養の新設が許されたのは、今年4月に設立された「社会福祉法人 政芳会」である。
同法人は福智町伊方で建設業を営む㈱スズキのオーナーが設立したものだが、理事に田川市議会の今村寿人市議、評議員に大任町の永原町長の娘婿で ㈲ 譲の代表者、宮田芳政氏の名前があった。

このコンビは 田川市の「社会福祉法人 里ごころ」の役員・評議員の名簿にも見られる。
更に「里ごころ」の監事には 永原町長の長男で ㈱鷹羽建設代表の永原譲太郎氏が名前を連ねている。
このことから、政芳会は 永原町長のグループと見て間違いないだろう。

ちなみに、「里ごころ」は今村市議が理事で永原譲太郎氏が監事、一方、大任町の社会福祉法人「よろこび」は永原譲太郎氏が理事長で今村市議が監事に就いている。
監事は「理事の職務の執行や法人の業務及び財産の状況について、独立性をもって監査できる常設機関」であるはずだが、隣町の社会福祉法人の理事がお互いに監事を務めて監査ができるのだろうか。



実は、政芳会を設立した鈴木氏は、9年前から特別養護老人ホームの新設を要望し、町を通じ介護保険者である広域連合(永原連合長)に意向を伝えていたが 同意されなかったという。
最も介護報酬の高い特養新設のハードルは高い上、福智町の特養の定員は多いので、広域連合が同意しないのはある意味当然だろう。

しかし地元では、平成31年4月の田川市長選挙をきっかけに 一転 認められたとの話が まことしやかに囁かれている。
もともと 鈴木氏は反永原・二場の元田川市議だった高瀬春美氏と関係が近かった。
市長選に高瀬氏が出馬、現職の二場市長との一騎打ちとなったが、当時二場氏側にかなりの危機感があった。
「『二場市長を支持すれば特養の設置を認める』という人参がぶら下げられ、鈴木氏が食いついて 高瀬氏との関係を断ち切り、そこからトントン拍子に話が進んだというのだ。
これが事実ならとんでもない話である。

選挙の翌年の令和2年3月、60床の特養の新設要望が 鈴木氏から町経由で広域連合に提出され、広域連合が同意し福岡県に上げている。
保険者である広域連合が同意したことで県も認め、同3年3月に策定した「第9次高齢者保健福祉計画」の中に、田川地区(福智町)に特養60床を整備することが盛り込まれた。

県の計画に載ったことを受け、同年10月に福智町が特養の事業者を公募、応募者は鈴木氏のグループのみ、町が審査した結果、同グループに決定し、町は意見書を添えて県に提出、県が設置を許可した。

前回の記事で書いた通り、福智町が特養を60床増やす理由は 無理筋なだけに、噂が本当の様な気がしてならない。

ー 続 く ー

政治と介護施設の深い関係 ⑧

福智町における現在の特養は下表の通りである。
同町は平成18年に 金田町・方城町・赤池町が合併した自治体で、高齢者人口に対する割合が5.0%と 田川地区では大任町・赤村・糸田町に次ぐ高い割合になっている。



ちなみに、平成29年2月1日に 特養「ユニットケア慶寿園」が30人定員を増やしているが、平成27年3月に策定された福智町高齢者福祉計画によると、「町には特養が340床あるが町外利用者が228床を占め満床状態で飽和状態」ということが理由として挙げられている。
これが理由になるのだろうか。



計画通り、平成29年2月1日に30床増床して これで間に合ったはずだが、福岡県のホームページを閲覧していて、令和6年3月予定で 60床の特別養護老人ホームが新設されることが分かった。



なぜ 更に60床増やす必要があるのか。
その根拠は 令和3年3月策定の 第1次福智町地域福祉総合計画に書かれていた。
計画(下図)には、利用者数は平成30年度の147人から減少し 計画期間の3年間は136人から増えないという見込みを記した表と、「町には370床あり入所率95%、町内の利用者は136人で残りの217人は他市町村の住民、安定した住まいの確保の観点から整備を進める」という説明がある。

この説明は矛盾する。
計画期間内の見込みは136人から増えないので、60床も増やす理由にならない。
また、町内に370床あるが町内の利用者が136人なので増やすという理屈は、平成27年度の福智町高齢者福祉計画の説明と同じ、これがまかり通るなら 次もその次も増床することができる。
作るなら むしろ他の市町村ではなかろうか。

次回は 新たな特養を運営する社会福祉法人について見ていく。
理事や評議員には見覚えのある名前が。

ー 続 く ー

川崎町議会が永原組合長に挑戦状

目に見える様にツキから見放されいる大任町の永原譲二町長に、追い打ちをかけるような悪い知らせが お隣の川崎町から飛び込んできた。
6月9日の町議会において、田川郡東部環境衛生施設組合(組合長 永原町長)に対し情報公開を求める決議案が「全会一致」で可決、田川地区に激震が走っている。

8市町村で構成される同組合は、約400億円を投じて建設している衛生関連施設について 予算を拠出している自治体に十分な説明をして来なかったが、これまで 各首長や議員も声を押し殺してきた。
実力者に盾突くと どんな仕打ちをされるか分からない恐怖、まさに学校の虐めと同じ構図と 関係者は話す。

そうした中、これでは良くないという田川市議4人が昨年4月、勇気を出して情報公開についての勉強会を開催したところ、 案の定 組合から猛攻撃が始まった。
同7月には 組合長及び全市町村長の連名で抗議文が送られ、今年2月には組合議会が異例の百条委員会を設置、挙句の果てに 証人尋問に応じなかったという理由で福岡地検に告発までされている。

しかし、潮目が変わった。
4月の田川市長選で、この4人うちの1人の村上卓哉氏が 永原町長の義弟である二場公人氏に4000票もの大差で勝利、そして今月6日の町村会会長選で 永原町長がまさかの敗戦を喫したのである。

今回の川崎町議会の決議は、全会一致というところに価値がある。
町全体として異議を唱えたことになり、組合は無視することができない。
田川市議会などでも追随する動きが出ており、今後 同様の決議案に賛成しない議員らも踏み絵を踏まされることになるだろう。

ますます目が離せなくなってきた。




田川郡東部環境衛生施設組合に対し情報の公開を求める発議

令和5年6月7日

 報道への回答では、機会あるごとに財政状況や進捗状況、 事業費用、 事業推進状況を説明しているとされている汚泥再生処理センター、ごみ焼却場、リサイクルセンター、最終処分場の詳細が、住民に知らされることなく数百億円の公費を投じて進行していることに際し、関係市町村住民の知る権利に基づき情報の公開を求める。

趣旨説明
上記一連の工事積算根拠、 施工体制、 予算の根拠となった参考見積り、審査員、審査内容、入札結果など他の自治体同様に開示し、知る権利を保障したうえで検証できるものにすべきである。
開かれた行政運営の要である情報公開制度は1982年発足以来、全国に広まり1999年に国でも法整備され、公正で民主的な政策を行政自ら情報提供していくものです。

現在の関係市町村では、マスコミに対し状況報告は行っているが当該の契約文書などを保有していないとの回答であり、前提となる根拠に乏しい。
以上のことから、 法律第四十二号第一章一条から第二章五条に基づき田川郡東部環境衛生施設組合に対し、情報の公開を求めるものであります。



決議文全文

 

118億円の工事に競争なし、1者入札続く

田川市・川崎町・糸田町・福智町にお住まいの方に朗報。
新しい浄水場の工事業者が決まり、もうすぐ美味しい水を飲めるようになる。
但し、水道料金が安くなるかどうかは分からない。

1市3町で構成される田川広域水道企業団(企業長 二場公人田川市長)で、現在建設中の白鳥浄水場(仮称)外電気設備設置工事の入札が行われ、東芝インフラシステムズ・リクデンJVが 21億7000万円(税抜)で落札、入札に参加したのは1者のみだった。
なお、リクデンは現職田川市議の陸田孝則氏の親族が代表を務める会社、この件については別途報じたい。



白鳥浄水場に係る大型工事の入札については今年3件あったが、全て1者入札、ほぼ満額に近い額で落札されており 合計金額は 118億円に上る。

おさらいすると、2月に建設工事を50億7000万円で落札した飛島建設は、二場企業長の義兄の永原譲二町長のお膝元、1億円のトイレで有名な道の駅「おおとう桜街道」を施工した業者、今回の工事の下請に永原町長の家族の会社がしっかり入っている。
過去記事「注目が集まり始めた田川市」
飛島の一部の社員が退職後、大任町で雇用され固い絆で結ばれていることも有名な話だ。

10月に機械設備設置工事を44億6000万円で落札した水道機工は、大任町で既に竣工した汚泥再生処理センター及び 現在建設中の最終処分場をプロポーザルで受注、田川地区では勝負強い会社だ。



参考までに、田川地区1市6町1村で構成される 田川郡東部環境衛生施設組合(永原譲二組合長)が大任町(永原譲二町長)に委託し整備が進んでいる 衛生関連施設についてもご覧頂きたい。
大任町議会で示された契約議案の金額で、3施設の契約金額の合計が約335億円、いずれも1者のみのプロポーザルで随意契約となっている。

田川地区は、金額が数十億円規模の工事でも1者入札・1者プロポーザルが当たり前、争いのないユートピアなのである。

官製談合情報

田川広域水道企業団(企業長:二場公人氏)では10月31日、白鳥浄水場(仮称)機械設備設置工事の入札が行われたが、官製談合の情報がSNSで出回っている。

怪文書の類ではあるが、当入札については 弊社記事「注目が集まり始めた田川市(2022年7月28日)」で報じた入札の関連工事で、落札会社が弊社予想と一致しているので 敢えて取り上げておきたい。

11月5日現在、入札結果は公表されていないため、応札した業者数や落札した会社名、落札金額は不明、企業団事務局は「決裁中なので来週以降に公表」としている。

情報によると、落札すると見られているのは S機工、同社と副市長がこの会社が優位になる様な条件(実績・資格)で縛りを入れており、受注後は地元の紐付き業者への架空上乗せ金額で発注することを裏で約束しているという。
どこの副市長かは不明だが、発信元は「10億円以上のバラマキが〇〇建設経由で行った」など 内部事情に詳しい方の様だ。

S機工と言えば、隣町の親分と これまでも密接な関わりを持つ会社、また 筑豊地区の某自治体で浄水施設などの管理運転業務を行っていた際、別の地域で官製談合を行った事実が認められたとして 24ヵ月間の指名停止となった過去がある。
業界に詳しい関係者は、S機工ならやりかねないと話す。

今後 入札結果が公表され、本当にS機工が落札していたなら この情報の信ぴょう性が増してくるだろう。
つまり、田川地区の皆さんの血税が 一部の者に流れていくことになる。

福智町から福岡女子初、Vリーグ昇格

田川地区から明るいニュースが飛び込んできた。
田川郡福智町をホームを本拠地とする女子バレーボールチーム「カノアラウレアーズ福岡」がVリーグ(V.LEAGUE)のS3ライセンスを取得し、来秋開幕するVリーグに参戦することが内定した。

チームの前身は2018年に発足した「福岡春日シーキャッツ」、春日市を拠点に、昼間は仕事をしながら夜間や休日に練習をしVリーグ参入を目指していたが、コロナ禍の影響による協賛金の減少により活動休止を余儀なくされたという。
昨年4月、チーム名を「自由(ハワイ語)」を意味する「カノア福岡」に変更、同時に選手の入れ替わりがあった後、同8月には 福智町と「フレンドリータウン協定」を締結した。

2021-22シーズンでは、第12回全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会西部決勝リーグで、4戦全勝で優勝を果たしている。
そして、今年3月には 福智町と「ホームタウン協定」を締結、チーム名に「幸福(ハワイ語)」という意味の「ラウレア」を追加し、「カノアラウレアーズ福岡」とした。

現在チームから 3人が「地域おこし協力隊」として、同町の中学校の部活動指導や小学校の授業補助を行っている。
こうした競技実績や地域密着の取り組みなどが評価され、このほど晴れてVリーグへの新規加盟が認められた。

そして、更に力強い援軍が現れた。
福智町出身でプロフットサルチーム「ボルグバレット北九州」GMの中村恭輔氏が、本格的に球団運営に関わることになり、チームや同町からの情報発信等についても期待できそうだ。

V1目指し 頑張れ!

→ カノアラウレアーズ福岡公式サイト

まるで暴〇団、擁護するのは どの議員?

眼鏡のまちとして知られる福井県鯖江市で、新設される ごみ焼却施設の入札に不正の疑いがあるとして、百条委員会が設置されると報じられた。

同ごみ焼却施設は総事業費250億円、入札に参加したのは1企業体のみ、委員会設置議案に賛成した議員からは「入札までに市や事業者などの間に 不正な工作があった疑いがある」「入札に市議が関与したのはおかしい」といった意見が出たという。
委員会では今後証人喚問などの調査が行われる予定。

鯖江市の議会は正常に機能している様で 実に羨ましい。
さて、福岡県の話。

田川地区8市町村が参加する田川地区広域環境衛生施設組合(組合長 永原譲二大任町長)が、衛生関連施設の建設を 大任町内で進めている。
「し尿処理施設(令和3年から稼働)」「ごみ焼却施設(建設中)」「最終処分場(建設中)」の3施設とそれに付随する道路整備、地元対策費などで総事業費 400億円以上(詳細不明)、組合が大任町に委託し 町の単独発注となっている。

3施設については、提案型の業者選考に応募した事業者はそれぞれ1企業体のみ、受注した企業名と契約金額は議会に説明済みだが、それ以外の事業費の内訳等は不明だ。
議員やマスコミが情報公開請求をしても、永原町長の判断で拒み続けている。



これに対し、組合の負担金を支払う8市町村の議員らが、5月に情報公開についての勉強会を開催、ところが、永原組合長(町長)と副組合長を兼ねる7市町村の首長が連名で、勉強会を呼びかけた議員に謝罪を要求する抗議文を送りつけてきた。
首長の中には 知らないところで名前を使われたという話もあるが、実際のところ 勢いに身を任せるしかない模様だ。

まさに議員の言論を封殺する行為、これについては 9月15日のRKBニュースでも取り上げられているので必見だ。
RKBニュース 「ごみ処理施設」の議論はタブー? 福岡・大任町長の不可解 議題にした田川市議「議員バッジ外せ、とどう喝された」

4年前、田川市議が委員会でごみ焼却施設の質問をしたことに対し、永原町長が「責任を取って議員バッジを外して責任取るしかない」と議員辞職を迫った時の録音データが紹介されている。
「気に入らない発言があったから落とし前をつけろ」という物言いは まるで暴力団、この方が これまでも、こうした手法で世の中を渡ってきたと思われても仕方がない。

田川地区8市町村の有権者は、情報公開を求める議員と、それでも永原組合長を擁護する議員に分かれることを認識する必要がある。
莫大な税金の使い道に関心のない議員がいるとするなら、次の選挙で審判を下すべきだ。

注目が集まり始めた田川市

昨年来、様々な話題をマスコミに提供し全国に名を轟かせた大任町だったが、隣接する田川市からも注目を集めそうな情報が出てきた。

田川市・川崎町・糸田町・福智町の1市3町で構成される田川広域水道企業団(企業長 二場公人田川市長)では、今年2月、浄水場及び調整池の建設(土木・建築)工事の入札を予定価格51億2516万円(税抜)で実施、一般競争入札にも拘わらず参加したのは1社のみ、飛島建設㈱が 50億7000万円(落札率98.9%)で見事に落札した。

入札結果表はこちら

コロナ禍で 民間の建設投資が落ち込む中、50億円の公共工事に1社のみというのは不自然という声も聞こえてくるが、それ以上に興味深い事実が判明している。
それは、昨年11月に企業団が購入した調整池の予定地の一部が、㈲譲(大任町)が所有する土地だったことだ。

譲と聞いてピンときた方も多いだろう。
先日 添田町の違法な盛り土について FRIDAYが報じたばかりだが、その土砂を搬入している業者である。

FRIDAY 30mの巨大盛り土が出現 台風シーズンを前に近隣住民から悲鳴!

企業団によると、貯水池の場所は複数の候補地から選ばれたわけではなく、地形的に「ここ」しかなかったという。
土地の売買価格は非公表だが、そういう理由なら納得するしかない。

ただ、水道企業団の企業長は田川市の二場市長、その義兄が大任町の永原町長、永原町長の娘婿が 譲の代表取締役という関係、形式上、二場企業長は甥っ子の会社から土地を購入したということになる。

ついでに言うと、飛島建設の工事に 永原町長の長男が代表を務める㈱鷹羽建設(大任町)と譲が下請に入っていることも判っており(下図)、田川地区の同業者の間では、その営業力の高さが話題になっている様だ。