九大篠栗農場跡地~食品企業進出決定~後日談・後編

九大から篠栗町に払い下げられた2万4000坪の農場跡地は、かつて炭鉱のボタを捨てていた場所だっただけに、ボタを処理しなければならない。だが町当局は、大手ゼネコン系のコンサルタントを交え造成に関して検討しているにもかかわらず、工事は企業育成を旗印に地元企業に発注する計画のようだ。

2万4000坪をいくつかのブロックに分割、それぞれを地元企業に発注するのだというが、5ブロックに分けたとしても、篠栗町内にそれほどの施工能力を持っている土木工事業者があっただろうか。

また後の補償のことも考えれば、地元企業では荷が重過ぎるのではないか。

さらに造成工事費用だけでなく、インフラ整備にも多額の費用がかかることが予想されることから、もっとじっくり時間かけて計画を練ったほうが良いのでは、と思うのだが。

ところが、篠栗町としては来期からでも予算を付け早期の着工を目指す考えのようで、関係者は何で急ぐのか、急ぐ理由が他にあるのでは、と危具する声があるのも事実

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九大篠栗農場跡地~食品企業進出決定~後日談・前編

先週13日に報じた篠栗農場跡地への食品企業進出、残念ながら篠栗町にとって、良いことばかりではなかったようだ。

予定地はベンタナヒルズ篠栗の北隣り、西鉄ストア篠栗物流センターやニトリ九州物流センターと道路を挟んだ西側の一帯で、広さは約2万4000坪。

九大から買った金額は1億5000万円で、坪単価約6200円と破格値、しかも国道201号線に隣接しており、町としては安い買い物をしたと思っていたが、残念ながらそうはいかなかったようだ。

ここは九大が演習林として利用していたのだが、どうやら旧炭鉱のボタが捨てられていた土地だったようで、これが本当ならば、非常に厄介なことになる。

ボタが生のままであれば、産業廃棄物として処理する必要があり、投棄量にもよるが、撤去費用がどの程度になるか、今のところ不明なのだ。

ところで、関係者によれば、この土地を企業に提案できる価格はせいぜい坪12万円が相場だろうといわれている。

ところが篠栗町は、現状でも造成後に坪14万円で売却する予定を立てているため、この時点で既に2万円の差が生じ、ボタの撤去費用次第ではさらに単価を上げる必要が出てくることから、企業が進出に二の足を踏むことも想定しなければならなくなった。

工業団地を造成し企業進出を図っているのは篠栗町だけではない。

福岡市が造成したアイランドシティを見ても理解できるように、インフラを整備し、減税も目一杯行い、それでも企業誘致に四苦八苦している自治体が多いことを考えると、今の時代に土地を売って利益を出す、という考え方には疑問符が付くような気がするのだが・・・。

どうなのだろう。


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