昔が懐かしい ・・・ 中洲 

大手企業の出先が多い博多は支店経済で、単身赴任者は札幌の「さっちょん」とともに、博多の「はかちょん」が双璧で、鬼の居ぬ間のせんたくで、中洲の夜を楽しんだ人も多いはずだ。
10数年前に店を閉じ、ママも亡くなった「クラブ薊」は、夜の商工会議所とも呼ばれるほど財界人が集い、浮名を流した人も多く、勤めていた女性たちにはプライドと情があった。
また中洲には「薊」を筆頭に、「金馬車」「上海」「白い森」「レッドシューズ」などの高級クラブが軒を連ね、店が終わればナイトクラブもあり、夜遅くまで口説いて振られてまた口説き、その駆け引きを楽しんだ人たちも多いことだろう。
その当時、男と女はあくまでも個人の関係で、自由恋愛を楽しんでいたものだが、最近はその男と女の接点に店が介在してくるようで、特に或る有名な店のママが顔を出してくるといわれ、これが嫌でそのママのクラブには行かなくなった、という人たちの噂をたびたび耳にするようになった。
この店のホステスの中には、ママが紹介した客がよほど嫌だったのか、この客をストカーだと警察に通報、診断書を添えて店と客を訴えたという噂もあり、美人局で脅された話はときどき耳にすることがあるものの、裁判になった話は初めて聞いた。
個人対個人の場合は弁護士に相談して、示談で問題を処理したというケースはあるが、クラブの女性を口説いて、慰謝料を請求されたなどの話は前代未聞で、裁判で店の名が明らかにされると、客が敬遠して寄り付かなくなることは必定だろう。
身を守るために中州スズメの噂も、時には聞いておくことが自分のためになる。


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客引きで逮捕~新条例違反

福岡県は6月1日から福岡市、北九州市、久留米市、飯塚市、大牟田市の県内5市の繁華街において、客引き行為など通行人の迷惑になるような行為禁止条例を施行、早くも違反した3人が逮捕されたようだ。
福岡県内には他県と違い暴力団の団体が多く存在し、特に指定を受けた県内5市には暴力団本部があり、福岡県警は暴力団の資金源を断つのが目的だけに、壊滅作戦の一環として取締りの厳しさがうかがえる。
今回の条例では客引きや客待ちも違反対象になっており、繁華街におけるクラブやキャバクラ、スナックなどの営業方法も変化すのは当然だ。
話は変わるが、銀座のクラブママが7年間に亘り続けて来た、枕営業は商売の一環だと判断した東京地裁判決で、今後は売い上げを維持するために、同伴出勤の枕営業が盛んになる事が予想される。
客とホステスの自由恋愛が認められたとして、同伴する客の中には公然とホステスにセックスを要求し、今後何らかのトラブルが増えそうな可能性が出て来た。
また客とホステスの間にクラブママが介在すれば、自由恋愛が管理売春になる可能性もあり、刑事事件に発展することもある。
「美人局」「特攻隊」などが、復活し始めてもいるようで、面白くなった反面、危なくなったのも事実で用心する事だ。 続きを読む

客引き禁止!~6月1日から施行

福岡市や北九州市、飯塚市、久留米市、大牟田市の繁華街で、客引きや客待ちなどの行為を禁止する福岡県迷惑行為防止条例が、6月1日から施行される。
今から50年ほど前、スタンドバーなどの営業は午後11時までと決まり、警察が厳しく取り締まった事があった。
しかし食事を出す食堂は例外で11時を過ぎても営業が出来、中央区清川にあった「日の出食堂」は、食事のついでにアルコールを飲むことが出来るため、非常に繁盛していた記憶がある。
だから少し離れたスタンドバーではこのスタイルをパクって、お握りと赤だしに漬物セットを客に出し、あくまでもこの店は食事をするところで、アルコールはついでなんですよという言い訳で、深夜まで営業し儲けた店も出て来た。
それがスナックの名前で流行し、その後セット料金が生まれて今日に至っているが、最近はセット料のないバーが、再び息を吹き返し、飲んだだけの安い料金で営業する店が増えてきた。
今回の条例改正で客引きなどが禁止されれば、夜の繁華街で働く男性の仕事が減ることになるが、こうした面々はひじょうに逞しく、抜け穴も良く知っており、次はどんな手で来るだろうかと、非常に興味を持って見ている。
ところで最近の判例によると、今や死語となりつつある「枕営業」や「美人局」、「特攻隊」などの言葉が、裁判所で飛び交っているようだが、所詮は世間からずれた裁判官、単語そのものの意味は頭で理解が出来ても、言葉同士の相関や繋がっていく機微は、当たり前だがお分かりになっていないようだ。 続きを読む