福岡のタクシー業界

若手の人材不足はいろいろな業界で取りざたされているが、タクシー業界は若手どころか壮年者も集まらず、車両のフル稼働にはほど遠い状態で、車庫には遊んでいる車が常時何台かあるようだ。
タクシードライバーが集まらない原因はごく単純に、1ヶ月で稼ぐコミッション収入が家族を養える金額に到達していないことに尽きる。
平成14年2月にタクシーの総量規制が撤廃され、認可制から届出制になりタクシー台数が急増、これでドライバー不足に拍車がかかる一方、客の奪い合いで1台当りの収入は大きく減退した。
だが運賃を値上げすれば、客離れで売上を下げることになる。
そこで出てきたのが「タクシー特定地域特措法」での減車で、福岡地区は13%。
福岡市協会の現有台数4644台(個人タクシーは除く)だから、13%減車すると4100台になる。
これによる減車は、エリア内のすべてのタクシー会社に同一比率で適用されるため、経営への影響を考慮して、今のうちに廃業を考える業者も出てきており、長住タクシーや西ビルタクシー、そして西日本タクシーが既に身売りし、さらに数社が売却を予定しているといわれている。
一方で、ある業界の関係者は、福岡管内のタクシー会社が同一比率で減車した台数を協会で一時的に預かり、業界の環境が回復したときに、預り台数をそのまま再割当するのはどうだろかと話していたが、考慮する価値はありそうだ。

続きを読む