「今回はうちの番」、西田建設に指名停止6ヵ月

弊社記事「同姓の別人に談合呼び掛けか(2022年12月21日)」で既報の嘉麻市談合疑惑であるが、ここにきて処分が行われるなど動きがあった。

記事ではN建設と書いたが、「今回はうちの番」と人違いで電話したのは 西田建設(嘉麻市平1226-1 代表者 西田寛信氏 ​)、同社は建築業を目的に現代表が昭和46年創業、平成元年に法人化を行った老舗企業である。
令和3年に行われた義務教育学校整備事業「碓井中学校区」の業者選考では 村本建設・西田建設・楠山設計のJVで受注し現在施工中だが、代表の営業意欲は旺盛で今回の入札も積極的に取りにいった様だ。

12月21日予定の入札について談合情報が入ったため 26日に開札が延期されたところ、情報通り西田建設が最低制限価格に最も近い金額を提示し落札予定者となっていたことから、手続きが保留となっていた。
その後、市は参加した8者全てに聞き取りを行い、その中で西田建設が「今回はうちの番」と電話で話したことを認めた一方、その他の業者から談合に応じたという証言は得られなかったという。

このため、保留していた入札結果について、西田建設を失格、2番目に最低制限価格に近かったガーデンホーム㈱(嘉麻市鴨生30−46 代表者 石橋純二氏)を落札者とした。

また、市は西田建設に対し 「市発注工事の入札執行に関し行った不正又は不誠実な行為」があったとして、令和5年1月10日から7月9日までの6ヵ月間、指名停止処分にすることを決めた。

市は今回の聞き取りの資料等を 警察と公正取引委員会に提供しており、今後しかるべき捜査が行われるだろう。
嘉麻市では、官製談合の疑いで百条委員会が開催されるなど、建設業界はあまりいい印象がないが、真面目に取り組んでいる業者にとっては 迷惑な話だ。

同姓の別人に談合呼び掛けか

いつもホットな話題を提供してくれる嘉麻市で、入札談合情報が入り 本日予定していた条件付き一般競争入札が延期されたことが判った。
対象は市発注の「市立うすい人権啓発センターあかつき」の改修工事(予定価格1910万円)。

きっかけは「N建設」N社長から「T技研」T社長への電話、入札公告(11月28日)後すぐ携帯に電話が入り、「今回はうちの番です」と言われたという。
T技研はN建設と業種が異なり 何のことか分からず一旦電話を切ったが、その後もう一度念押しのための電話が掛かってきた。

T社長によると、N社長は 同業種の「T工務店」T社長と勘違いして 自分に電話してきたのではないかということだ。

これは談合話ではないかと思った「T技研」のT社長、すぐ嘉麻市役所に出向き この件を責任者に伝えたのだが、その後も入札が延期になるという話は聞こえて来なかった。
そこでT社長、知人を通じ全国紙の新聞記者にこの話を伝えてもらい、記者が市役所に問い合わせをしたことで、昨日になって市が慌てて入札延期を判断した様だ。
事実なら、業者の通報には耳を貸さないが マスコミなら聞くという役所の姿勢も問われそうだ。

市は今後 業者等から事情聴取をするとのことだが、報道を見た市民からは「これだけ注目されていながら懲りない面々」と 呆れ声が上がっている。

ごみ処理施設

数年前までは公共工事発注を巡っては、入札の前に落札業者を決めるなど、事前協議の話し合いが行なわれ、談合専門の業界担当と呼ばれる営業社員が、大手や地場を問わず土木建設会社には居たものだ。
ところが地方自治体の首長などが、贈収賄で逮捕されることが相次ぎ、諸悪の根源は「談合」と決め付けられ、業界担当と呼ばれていた社員は社内から消え、発注側も入札の方法を複雑にして、公共工事から談合の言葉が聞かれなくなった。
「喉元過ぎれば・・・」の例えがあるように、リニアの入札において大林組などが摘発されるなど、スーパーゼネコンの間では復活しているようで、現在は代表の辞任で止まっているが、更に発展する可能性も噂として流れている。
しかし、ごみ処理施設などの大型工事においては、受注する前に地元対策などが必要で、その話し合いの席が官民癒着の場に早変わりし、その延長で談合に発展する可能性が高く、既に官製談合の情報が大分を発信地に飛び交い始め、発注側も消火作業に懸命だ。

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続報~談合・指名停止~空港消防設備点検業務

国土交通省発注で羽田空港などの消防設備が、正常に作動するか調べる業務入札で、第一防災㈱(大阪府守口市)の代表取締役と支店長が、入札に参加したほかの9社と談合、公契約関係競売等妨害容疑で警視庁捜査二課に逮捕されたため、国土交通省および全国の地方整備局は、第一防災㈱を平成27年9月8日から平成28年6月7日までの9ヶ月間指名停止措置を下していた。
残り9社の担当者も、警視庁が8月6日談合罪で略式起訴したため、国土交通省および各地方整備局は以下の措置を行った。

◆指名停止措置業者
① ㈱エノモト防災工業   千葉県期木更津市長須賀627-2
② ㈱ニッショウ        東京都江東区猿江2-8-2
③ ㈱清水商会        千葉県千葉市中央区松ヶ丘町635
④ ㈱千代田防災       東京都東村山市多摩湖町1-24-1
⑤ ㈱東洋実業        北海道札幌市中央区北六条西22-2-7
⑥ 旭防災設備㈱       東京都世田谷区代田3-13-12
⑦ 三津浜工業㈱       東京都大田区東蒲田2-19-12
⑧ 富士防災設備㈱     東京都文京区後楽2-20-15
⑨ 防災技術センター㈱   千葉県千葉市中央区若草1-20-10

◆指名停止期間
③④⑥       平成27年9月24日~平成28年5月23日 (8ヶ月)
①②⑤⑦⑧⑨  平成27年9月24日~平成28年1月23日 (4ヶ月)

◆九州地方整備局管内で登録されている業者は、
㈱ニッショウ、㈱清水商会、㈱東洋実業、旭防災設備㈱ の4社で、
指名停止期間も上記。

 

国土交通省~指名停止措置~第一防災㈱

国土交通省が発注した羽田空港などの、消防設備が正常に作動するか調べる業務入札で、第一防災㈱(大阪府守口市)の代表取締役などが、入札に参加したほかの9社と談合、公契約関係競売等妨害容疑で警視庁捜査二課に逮捕されたことから、国土交通省および全国の地方整備局は、指名停止措置を下した。
なお、残りの9社の担当者も警視庁は書類送検しているため、国土交通省は近々処分を下すことになるだろう。

指名停止措置
社名:第一防災㈱
住所:大阪府守口市大日東町12-5
期間:平成27年9月8日~平成28年6月7日  9ヶ月

参考
第一防災㈱の平成26年8月期業績は以下の通り
売上高  8億2011万円、経常利益7520万円
純資産  2億8385万円、自己資本比率68%
支払利息39万円から推察すると、借入金は3000万円内外

 

空港ビル~400億円の工事に異変

公共、民間を問わず大型工事には談合が付きもので、かつてはゼネコンの業界担当者が群がり、談合の腕を競ったものだが、最近は営業のルールを知らない社員が増え、何でも有りの激しい営業合戦が繰り広げられている。
かつては入札の前に談合が行われ、それまではあらゆる汚い手を使って営業するが、チャンピオンが決まり入札が行われると、負け組は潔く諦め次の獲物を求めて走り出したものだ。
福岡空港ビルは国交省の縄張り内で、数年前まで自民党の重鎮で実力者だった、福岡県筑後地区選出の古賀誠氏の独断場であったが、最近は現役を引退し勢力が弱まったのか、現在進行している空港ビルの建設では、入札後も未練たらしく清水建設が営業を続けている。
入札では大成建設が落札した情報を聞くが、清水建設は大成建設が設計事務所を交えて作成し提出したVE案の資料を入手し、施主と更に交渉している情報を聞く。
今回は新築部分だけでなく改装部分も含まれており、確か改装部分の元施工は大成建設だったはずだ。
一寸先は闇と言われる政治の世界だけに、政界も若手が力をつけ新旧の交代が進んでいるようだが、その若手を担いだ上での清水建設であれば、先見の明がある素晴らしい営業力となるのだろうが、これで契約に到るまでさらに一波乱起きそうな雲行きになって来た。


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筑豊の三人義兄弟

昔は周囲に親類縁者がたくさんいて、血族の結束力を武器にした商売などもあったが、逆に「遠くの親類より近くの他人」という言葉があるように、共通の信条や信義を礎にした、血のつながらない義理の兄弟が生まれることもあり、今から数十年前、筑豊で3人の男が義兄弟の契りを結んだ。
年長者は政治の道を選び、また次男と目される男は事業の道を進んで筑豊を代表する土木建設業者となり、三男は筑豊を縄張りとするヤクザ組織を作り上げた。
3人はお互いに協力し、強力なネットワークを北部九州に構築し隆盛を極めたが、諸悪の根源は談合と言われ始めたことで、土木建設業界から談合が姿を消し、さらに福岡県警も暴力団の取り締まりに厳しい姿勢で臨んでいることから、組織の弱体化は避けられない状況になってきた。
3人の義兄弟にはそれぞれ後継者がいるものの、時代の流れには逆らえず、組織を維持するのが精一杯で、政治の世界も警察の目が厳しくなり、先の選挙での違法行為に関して、水面下で内定が始まった噂も聞かれ、摘発される可能性も出て来た。


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談合復活疑惑

談合と言う言葉は、日本国内では既に死語になったと思っていたら、地方では未だに生きているようで、筑後地方から風の便りで噂が伝わってきたから面白い。

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