近すぎて発展しない町~粕屋町~続々編

今でこそ粕屋町と志免町は人口が増加しているが、日本の人口が昨年の国勢調査で初めて減少に転じたことを考えると、これらの町が減少に転じることも遠い将来ではない。

だが残念ながら、粕屋町の担当者は未だその点を考える余裕はないようで、危機感は見受けられず、当然人口減に対する施策は聞くことは出来なかった。
町を預る行政マンは、特に町の将来像を具体的に提示する立場にあればあるほど、人口減に対する対策は対案として持ち合わせることが重要ではないのか。

やはり人口の増減に関るのは職住が時間的に接近していることで、道路や鉄道が良く整備されていることが重要であり、6つの駅を町内に持っている粕屋町がこれを証明しているといえるだろう。
しかしそれだけでは限界があるのはいうまでも無いことで、さらなる施策を立てることが求められる。


今はすっかり立ち消えになってしまったが、過去には福岡市営地下鉄を粕屋町のJR長者原駅までの延伸する構想があった。
これに変わる形として、元粕屋町議が話してくれた構想は、福岡空港から博多の杜スポーツ公園、志免町、イオン福岡を経由して、区画整理が完了したJR酒殿駅でJR香椎線に接続し、宇美町まで電車が走るというものだ。

志免町や粕屋町、須恵町、そして一番恩恵を受けることになるはずの宇美町の行政マンは、それぞれの町をどう変えていくのか、どのくらいの投資額が必要なのかなど、コストと効果を対比させた将来のマスタープランを立ててみてはどうだろう。


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近すぎて発展しない町~粕屋~続編

粕屋町が独自で取材したところによると、東京では粕屋町の名前が転勤族の間では翌知られているようだが、これは博多駅から近いということが大きく影響していることを裏付けている。

ところで、昨年10月1日現在での粕屋町の人口は4万5371人だったが、10年後、つまり平成37年の人口は5万2000人を想定、新たに粕屋町内に転入してくる人たちを受け入れるための住宅用地として、JR香椎線の酒殿駅前の区画整理事業を計画している。
地権者60数名からなる「酒殿駅南土地区画整備組合設立準備会」を立ち上げ、平成29年度内に組合を発足、同35年までの完成を目指しているのだ。

この酒殿駅南区画整理事業は面積11ヘクタールで、250世帯、1000人が住む住宅地が生まれる予定で、目の前にはイオンモール福岡があり、注目を集めることは間違いないが、問題はこの地区に移り住む人の大半が粕屋町内からの移動になるのでは、と見られていることだ。
つまり新規の町民ではなさそうなのだ。

前回話を聞いた元粕屋町議の企業経営者によれば、粕屋町で生活し始めた若い夫婦は、子供が出来ると、福岡市に引っ越してしまうと嘆いていたが、酒殿駅南区画整理事業でもっとも重要なことは、どうすれば福岡市からの流入者を増やすことが出来るかと考え、それを整理事業の中で具体化させていくことだ。

酒殿駅前は田圃が広がっている。
道路を広く取られ、良く区画整理された街並みに、100人の人々が生活するようになれば、筑前三大池の1つ、駕与丁公園があり、イオンモール福岡がすぐ近くにあり、また保育園が充実している粕屋町だけに、酒殿地区は生まれ変わるはず。


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