野球賭博の更なる拡大

数日前に西中洲の裏通りを歩いていたところ、物陰から突然声をかけてきたのは、知り合いの新聞記者であった。
3月とは言え夜は寒く防寒コートに身を包み、聞けば張り込み中で周囲にもそれらしき数人がたむろしており、記者が無言で指差した先には、「うに屋 将」の看板がライトの中に浮きあがっていた。
有名人でも来ているのかと問うと、野球賭博で球界を追われた福岡出身の笠原将生氏が、父親名義ではあるが、店をオープンしたので取材のために張り込んでいるとの答えで、仕事の邪魔になっては悪いと判断、その場を後にして、目的地のスナックに向かった。
しかしなぜ今頃、巨人を契約解除になった笠原将生氏を、追いかける必要があったのか疑問だったが、翌日の新聞に「巨人から4人目の賭博関与者が出たため、球団幹部が役員を辞任したとあり、根の深さを感じた。
球団には調査する権限はあっても限界があるのは当然で、新たに流れる噂には、マスコミのように取材力も無いため踏み込めず、今後は他球団を含めさらに拡大する可能性が高まってきた。
今は巨人だけが渦中の球団だが、日本野球機構、略称NPBを牽引してきたと自負している、親会社である読売新聞の問題でもあり、今後は何らかの社会的制裁も受けることになるだろう。
関係者は問題の拡大を恐れ隠蔽したいのだろうが、思い切った大手術が必要との声も徐々に増えてきている。


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野球賭博

 2020年の東京オリンピックで、まだ正式決定ではないが、野球が競技種目に残って関係者が胸をなで下ろした矢先、巨人の選手が野球賭博に関与した事件が発覚し、ファンは事態の拡大を恐れている。
事件の概要はマスコミが報じているので、内容について書くつもりはないが、登場する自称・税理士法人勤務の男性は、ただ単純に借金を返してもらう感覚で、ジャイアンツ球場に行ったようだ。
だが賭けの内容から判断すると、つまり対象となる両チームに対するハンディ付けなどは、確実に暴力団が絡んだプロの仕事であり、素人くささは微塵もない。
巨人の球団トップは、日本野球機構・NPB対して、支配下選手への事情聴取を行うとしているが、どこの誰が、自から野球賭博をやりましたなどと、素直に応えるだろう。
仮にあったとしても、告白すれば現在の地位も収入も全て失うことぐらいはわかっている。
年配者は黒い霧事件で事の重大さを十分に認識しているが、その事件を知らない若者が、軽い気持ちで賭博に関わったとしても、不思議でないほど時間が経ち、忘れられているのだろうか。 続きを読む

プロ野球クジ~黒い霧事件

 2020年の東京オリンピック、パラリンピック開催が決まった途端、あれほど騒がれていた地震や津波の話が東京から消え、専門の先生方も喋らなくなった。
一方、スポーツの世界大会開催は喜ばしいことだが、今度建設される新国立競技場の費用が余りにも巨額になることで、競技者たちからも反対の声が出始めている。
費用負担を巡って国や東京都の綱引きが始まり、加えて資金の捻出方法の一つに、プロ野球クジを創設する話が浮上しているが、西鉄ライオンズ時代の黒い霧事件を思い出して欲しい。
幼い子供たちはプロ野球の選手に憧れ、少年野球や高校野球に純真な気持ちで、情熱を燃やして日夜努力している。
プロ野球はキャンプを経て春に開幕し、リーグチャンピオンを目指し、さらにセパ両リーグの覇者が日本シリーズで日本一を目指して頑張るから面白い。
その過程における試合や結果が出る最後の試合まで、賭博の対象になれば闇の金が動き、健全なスポーツの世界に八百長が持ち込まれるのは時間の問題だ。
素晴らしい才能がありながら球界から永久追放され、慣れぬ仕事をしながら耐える生活を送った、選手の事を忘れてはならない。
暴力団が主催者になれば別だが、八百長試合が出てくるのは必然で、既に立案する議員に裏の金が動いているとの噂も聞く。 続きを読む