福岡へ一極集中

昨年の国勢調査で若い人が増えている福岡市は、人口が153万人を超えて神戸市を抜いて5位に浮上、都心部ではファミリータイプの分譲マンションや、ワンルームタイプの賃貸マンションが、雨後のタケノコのように建設されている。
このため福岡地区の地場ゼネコンでは、現場を持たない責任者が見当たらないほどで、建築費を安くしようと施主が交渉を長引かせると、ゼネコン側が人手不足を理由に受注を断るケースも出ており、建築価格はジワジワと上がり始めているようだ。
ところが同じ政令都市ながら、人口の減少に歯止めがかからない北九州市は、民間工事が冷え切っているため、北九州地区の建設業者は相次いで福岡に進出しており、現場によっては聞いたことのない企業が増えてきた。
一方、九州各地には数多くの老舗企業や商店があるものの、現時点では辛うじて売り上げを維持し、老舗の看板を守っていたとしても、人口減少が著しい地方では、10年後に売り上げを確保するのは難しくなっていることだろう。
過去の良かったころの蓄えで、現在は地元金融機関の信用を保っているとしても、先を見通している地方の経営者は、ジリ貧になる前に、福岡に進出するチャンスを得るために、いろいろな方策を模索している。
たとえば、数年前に破綻した福岡の老舗菓子舗である鶏卵素麺の松屋は、鹿児島の薩摩蒸氣屋がスポンサーになって買収、同時に自らも博多駅の阪急に出店し成功した。
そうした中、コンサルタント業界では、地方の弁護士が中心となって、司法書士や行政書士、社労士などと共同で事務所を設立し、福岡に進出して支店を設置、今月から活発な営業活動を展開し始めたという話も聞く。


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