怪しげな高額手形 ~ 50億円! ~ 新たな展開!

先日の12月7日、「怪しげな手形~50億円!~いよいよ結審」と題して報告した、50億円の約束手形金をめぐる裁判で新たな事態が生じ、12月18日の予定だった、判決言渡が延期された。

同日午前10時、福岡地裁第303号法廷に、今まで姿を見せたことが無かった原告、鍋島商事代表者の日隈助一氏が弁護士を帯同せず、原告席に一人座った。

今回の約束手形金請求裁判は合議審で、3名の裁判官が出廷しており、中央の裁判長が原告の確認を行なったあと、原告の弁論が行なわれた。

原告によれば、
「9番目で最後の手形裏書人である自分よりも、1つ前に裏書した博多駅前の企業の女性経営者、彼女もこの裁判の被告の一人で、彼女が持っていたM氏からの債権、12億5000万円を自分が譲渡された」
「したがって、残りの裏書人7名には、残額37億5000万円の支払いを求める」

これにより、改めて平成30年2月27日、判決が言い渡されることになった。

ただ、原告は証言の中で、仮に地裁で敗訴しても、高裁はもちろん、最高裁まで争うと明言していたが、さてどうなるのだろう。

なお、博多駅前の女性経営者は、今から8年前に、フジサンケイビジネス編著で、日本工業新聞社と産経新聞出版が発刊した、「きらめく女性経営者32人~これからの時代を創る女性リーダー」に掲載されたことがある人物ようだ。

今どこにおられるのであろうか、ぜひお会いして、話を聞いてみたいものだ。

怪しげな高額手形と、その裏書人たち

かつて信用調査といえば、手形割引業者との情報交換は欠かせなかったが、近年は手形そのものの発行数が激減しているため、商売にならないとして廃業する割引業者が増えており、問い合わせも少なくなった。

そうした中、久しぶりに高額手形の問い合わせがあった。
額面7億8500万円の手形で裏書人が10名。
この10名の裏書人の大部分は、どう考えてもこうした訳のわからない手形に、裏書するような人物や企業ではなく、おまけに貼ってあったのが僅か1000円の印紙だったこと。
手形振出日は平成22年12月5日で、支払期日が平成28年7月25日。
どこからどう見ても、偽造手形そのもの、という雰囲気。

ところで裏書人10名は、福岡市内に多くの不動産を所有する会社や、北九州を代表する600億円の売上規模を誇るスーパー、同じく北九州の飲食チェーン店創業者、また東京本社の上場飲食チェーン店、南九州の漁協理事長などで誰もが知っている企業。
おまけに第八裏書人までは、皆さん既に亡くなられておられる方々ばかり。
最後の第十裏書人の住所を確認したが、地図上には無かった。

また、手形振出人を確認するため住所を尋ねたが、表示されている住所そのものが無い。
当然だが、電話は不通。

おそらく、この手形は流通していなかっただろう。
何らかの「見せ手形」だったのだろうと推察されるが、どういう使われ方をしたのか今のところ不明。

追加取材の真っ最中ですので、判明次第、順次報告してまいります。


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