カテゴリーアーカイブ: 福岡の政治経済

交付金申請に偽造書類 ① ~ 告発から始まった ~

平成22年に1市2町が合併して誕生した糸島市であるが、合併前から続いてきた農業関連の交付金の不正受給が表面化し、市が対応に苦慮しているという。
農地、農道、水路の維持・管理には 相当の労力と資金が必要だが、我が国全体で農業従事者の高齢化や過疎化が進む中、国は交付金の支払いなどで対策に取り組んできた。

農水省に「多面的機能支払交付金」と呼ばれる交付金がある。
地域の組合組織に対し、農地法面の草刈り、水路の泥上げ、農道の路面の維持管理、水路・農道・溜池の軽微な補修、農業施設の長寿命化等の支援に充てる交付金だ。


糸島市内には 80の組合組織があり、平成19年度から 総額で 21億8700万円以上が交付されてきたという。




この交付金は、農水省→福岡県、福岡県→糸島市、糸島市→各組合組織に交付という流れで支給されるが、令和元年12月、ある市民から九州農政局(熊本市)に告発があった。
市内のT行政区の組合組織「T環境保全組合(以下T組合)」は、平成19年の設立以来、13年間毎年250万円の交付金を受給してきたが、日当が支払われていないなど 不正の疑いがある」という内容である。

それを受け、九州農政局(熊本市)が同2年2月、T組合に調査に入り、平成26年度~30年度の5年分の書類の確認等を行った。

ー 続 く ー

国道3号広川八女バイパス中心杭打ち式

福岡県南部に新設予定の「国道3号広川八女バイパス」で、本格的な測量が始まるのを前に10日、中心杭打ち式が開催された。

新年度予算として測量費等に 3億円が計上されており、今後 事業予定地や周辺の測量や地質調査を基に具体的な設計案が作成され、用地買収を行い工事着手となる。

事業パンフレットは こちら


国道3号広川八女バイパス整備促進期成会、古賀誠特別顧問の主催者挨拶


幼稚園児と共に杭打ちのセレモニー


古賀誠特別顧問と藤丸敏衆院議員


会場の外で バイパス反対を訴える市民

離党者増加、組織の立て直しを

令和4年夏の参院選で国政政党となった参政党は、これまでアンタッチャブルだった問題に切り込む質疑や質問主意書など、その政治姿勢は一部保守層から高く評価されている。

昨年4月の統一地方選では全国に231人を擁立し100議席を獲得、党勢を拡大していると思われていた。
しかし、ここに来て離党者が増え ひと頃の勢いに翳りが見えている。

福岡県では、福岡市博多区、久留米市、福津市、みやこ町、水巻町、苅田町に計6人の地方議員がいたが、久留米市議と福津市議が既に離党、水巻町議も離党する意向を示している。
特に久留米市の長野さとし市議と福津市の山本ゆうへい市議は 立候補前は無名の人物、献身的な党員らの支えにより当選を果たしていながらの離党である。

かつて橋下徹氏率いる「日本維新の会」のスタートアップの時もそうだった。
勢いのある新党には、簡単に「政治家になって人の上に立てる」と勘違いする馬鹿者が集まって来る。

それに加え、人選する組織の方も経験がない。
① 多少頭が回り、② 弁が立ち、③ ルックスはまあまあ、そうした人物が候補に選ばれ、間違って当選してしまうと、感謝の気持ちなど忘れ自分の実力で当選したと錯覚するのである。

政党公認で当選して1年も経たないうちに離党するというのは、政党と有権者を裏切る行為だ。
こうした厚顔無恥な人物が議員活動を続け、市民の血税から報酬を得るというのは道理が合わない。議員辞職するべきである。

さて、これらの市議の問題とは別に、参政党のトップや執行部の問題もSNS上で多数発信されている。
その多くが、一度は参政党に身を置いた人々からのものである。
確かに、神谷氏は事務局長と参議院議員と党代表を兼務しており紛れもなくオーバーワーク、権力が集中し独裁状態という批判も出ている。

参政党支持者には、これまで政治に関心がなかった純粋な人々が多い。
昨年末頃までは 情報が錯そうし、様子見する党員が多かったが、最近は離党者が増えていると言われている。

神谷氏の国家の危機を憂い成果を焦る気持ちも分からないではない。
しかし、組織が壊れてしまえば思いを成し遂げることは不可能だ。
何が間違っていたか真摯に向き合い、もう一度離れていった人々の声に耳を傾け、組織を時間をかけて立て直すことが肝要だろう。

 


当選後、離党した2人の市議

100億円負担、県議会では議論なし

2月3日、国道3号北九州~鳥栖間で唯一の2車線区間だった岡垣バイパスが4車線化され、開通した。
昭和54年に4車線道路として都市計画決定されてから50年、多くの人が願いがようやく叶った。

さて、同じ3号線でも、県南では望まれていないバイパスが新設されようとしている。
総事業費300億円とされているが、県議会の先生方もそのことをよく分かっていない。
唐突にバイパスの話が出てきたのが平成30年、令和2年には事業化決定という異例の速さだ。

弊社では、タカハシという土地ブローカーの土地を通るようにルートが引かれている利権道路ということを、証拠を示しながら繰り返し報じてきた。
国や県、八女市や広川町の職員は弊社の記事を読んではいるが、事実関係を調査することもなく、都合の悪いところは触れないようにして計画を進めている。

では、行政をチェックする県議会はどうか。
国が200億円、福岡県が100億円のビッグプロジェクトであるにも拘わらず、県議会の委員会等でその妥当性が議論された形跡が見当たらないのだ。
今年度、初めて5000万円の測量費が予算計上され、そのうち3分の1の1666万円の予算が県議会で承認されたが、予算特別委員会の会議録を閲覧しても 誰一人質問していない。

初めは1666万円だが、これが100億円の一部という認識が県議会の先生方におありだろうか。
このバイパスは「最後のまこと道路」と地元で呼ばれ 土建業者は喜んでいるが、県道82号(久留米立花線)が国道3号のバイパス機能を既に果たしているため、新たなバイパス新設の必要性を感じている住民はいない。

それよりも国道3号では、広川IC入口から南(熊本県)方面より北方面、つまり久留米市に向かう側の渋滞緩和が喫緊の課題である。
また、過疎化が進む八女市では、上陽町、黒木町、矢部村、星野村へ向かう国県道の整備を望む声が多い。

このバイパスに300億円かけるということは、他の道路整備が遅れることを意味するが、県民はそのことに気がついていない。
国会では12月の補正予算で追加の測量費3億円のうち国負担分の2億円が承認されており、間もなく始まる県議会でも1億円の負担金の予算案が上がってくると思われる。

県民の税金100億円を投入する道路の必要性、優先順位の決定の方法等、県執行部に尋ねることは山ほどあるはずだ。
岡垣バイパスが50年掛かったように、県民が本当に望んでいる道路整備事業は他にも数多くあり、忖度している場合ではないはずだ。




弊社参考記事

利権まみれ、それでも進めますか?(2022年8月12日)

コンプライアンス違反の疑い(2022年11月11日)

「優先度が高い」に根拠書類なし(2022年11月13日)


式典の案内

何かと話題の糸島市

海があって山があって、新鮮な野菜や肉や魚もある。
九州大学も近くて子育ての環境もよい。
糸島市は、東京でも移住先の一つとして認知されているらしい。

しかし、必ずしもプラスなことばかりではないようだ。
都市化が急に進んだ地域では、古くから住み地元に愛着がある人々と 新しく移り住んだ住民との間でトラブルが起こりやすいが、糸島市も例外ではないと聞く。

そればかりか、昔からの慣習で農村地域や役所内での法令違反があるという話も。
議会のチェック機能が働いていれば そのようなことはないはずだが、最近取材に入る中で いろいろ見えてきたので、いずれ 取り上げたい。

そう言えば、市内の神在(かみあり)地区にある宝くじ売り場で、ロト7・1等の10億円が出たと報じられた。
近くの神在(かみあり)神社の奥には、「鬼滅の刃」に出てくる「一刀石」そっくりの「神石」があり、小さな神社だが参拝客も多い。

こうした明るい話題だけならよいのだが。

批判できない立憲の政治家

自民党派閥による政治資金の裏金問題で逮捕者も出る中、立憲民主党の小沢一郎衆院議員がテレビ番組に出演し、「出と入りを1円まで明らかにすればいい」「野党第1党の立憲民主党がリーダーシップをとらないといけない」述べた。

しかし、立憲民主党にできるかというと「それは無理」と断言できる。
なぜなら「政治とカネ」を追求できない資金管理をしている政治家が含まれているからだ。

政党交付金7億円以上を返還せず

立憲民主党と一口に言っても、旧民主党の結成から解党、その後も離合集散を繰り返し 系統がいくつかある。
弊社が問題視しているのは、
民主党 → 民進党(→希望の党) →(旧)国民民主党 → 立憲民主党
と流れていった政治家の一部である。

令和2年9月、(旧)国民民主党(代表 玉木雄一郎氏)と(旧)立憲民主党(代表 枝野幸男氏)は共に解党して 新たな「立憲民主党」を立ち上げた。
その際、(旧)国民民主党の47都道府県総支部のうち、36の総支部が 国から交付された政党交付金を返還せず 別の政治団体を設立してそちらに移動させていることが 弊社の調べで判った。

その金額の合計は  7億2318万4594円と半端ない金額だ。
解党したのであれば 政党交付金は国庫に返納するべきだが、解党直前に寄付金という名目で移している。

その中には、一時的に別の政治団体に移動させて、その後新たに立ち上げた 立憲民主党の県連総支部に全額移したところもある。
佐賀県がその例で、国民民主党佐賀県総支部連合に残った 6277万8940円(このうち1853万1599 円が政党交付金)を 佐賀県民主改革協議会にいったん移し、その後設立した立憲民主党佐賀県総支部連合に移動させている。
政党交付金の残額の処理として適切か議論はあると思われるが、引き継いだ総支部の資金として使っていくので 悪質性は感じられない。

ところが、他県では いったん設立した団体に移動させた後、 個人の後援会に移動させ、個別の政治活動や選挙資金に充てている不届きな例が数多く見られる。
これは「みんなで渡れば怖くない」確信犯的な資金移動で、税金の横領で悪質と捉えている。


佐賀県民主改革協議会の令和2年分の収支報告書
オリジナルのファイルは こちら →






政党助成法では、「政党の支部が解散する際、政党交付金の残余は国庫に返還する」と規定されているが、使途については定めがない。
それをいいことに、旧国民民主党の全国の総支部の多くが、解党が決まってから 「寄附」という名目で 他の政治団体にいったん政党交付金を移している。


その後、新しく設立した立憲民主党の各総支部に移動させ、党の活動資金として共有したのなら そこまで目くじらを立てることもないだろう。
しかし、原資が政党交付金と知りながら、ごく一部の
政治家後援会などに移し、政治活動や選挙活動に流用しているのだ。

所管する総務省は「その使途について調査する権限はない」としており、国民の判断に委ねられているが、警察関係者は「公金横領に当たる可能性がある」と話す。

以下、総務省が公開している「政党交付金等使途報告書」を元に解説する。




旧国民民主党の解党が決まった令和2年9月の時点で、全ての都道府県連や各総支部ではそれぞれ政治資金に残余があった。
政治資金と一口に言うが、大きく次の4つに分類される。

① 政党がパーティーなどの事業で集めた資金
② 党員や議員、個人や団体から集めた寄付金
③ 党本部から支出された交付金
④ 国庫から支出された政党交付金

政治資金の残余と言っても お金に色はなく混在しているが、④の政党交付金に関しては、毎年何に使ったかを国に報告する義務があり、総務省が公表しているので、総支部ごとに政党交付金の額を確認することができる。

下図は、公表されている政党交付金使途等報告書を元に作成したもので、令和2年の旧国民民主党の各都道府県連から移動した政党交付金を一覧表にしたものだ。

→ 政党交付金使途等報告書(令和3年3月26日公表、令和2年分 解散分)

各都道府県連は、解党が決まってから「●●改革協議会」なる政治団体を設立し 政治資金の残余を移動させているが、36の都道府県についてはその中に政党交付金が含まれていて、その合計額は 7億2318万4594円に達する。

本来は残余として返還すべきところを、解党前に慌てて設立した政治団体に寄附として移動させておりそれだけでも問題と思われるが、看過できないのはその先の使われ方だ。
前述の佐賀県連のように、一時的に移しただけで 新設した都道府県連に全額すぐに戻し、全員で共有するならまだ許されよう。
しかし、各都道府県の●●協議会からの資金移動を確認すると、個人の後援会に移っている例が数多く見られるのだ。

政党交付金は税金が原資で国民1人あたり250円で計算されている。
●●改革協議会が いったん入った資金をどのように移動させたかは、各都道府県選挙管理委員会が公表している政治資金収支報告書をチェックすれば分かる。

令和2年から4年まで3年間分の政治資金収支報告書は各都道府県が公表しており、興味のある方は、お住まいの都道府県について「令和2年、●●県改革協議会、政治資金収支報告書」などのキーワードで検索すれば大方見つかるので確認して頂きたい。



 

個人資金に流用する輩

1月30日の参議院予算委員会の審議で、立憲民主党の小西洋之議員が自民党の「政治とカネ」の問題を追及、質問の最後に「岸田政権を打倒して 正しい政治を取り戻す立憲民主党がその先頭に立つ」と決意を述べた。
どうやら小西議員は、党内に「正しくない」ことをやってきた議員が多数いることを知らないようだ。

政党交付金を個人の後援会に流用している例を、長野県改革協議会を例に解説する。

同協議会の令和2年から4年までの政治資金収支報告書をまとめたのが下図だ。
旧国民民主党長野県連は、令和3年9月に解散をする際、県連の資金残余 6736万6378円を 新たに設立した長野県改革協議会に移動させているが、そのうち 3170万5137円が政党交付金だった。

長野県連の令和2年政党交付金等使途報告書
※ ブラウザによっては閲覧不可、印刷はできないことになっている

同協議会は、その年のうちに 新設された立憲民主党長野県連に 300万円だけ寄附として移動させた。
https://www.pref.nagano.lg.jp/senkan/syuushihoukoku/r02/sonota/documents/028940-2.pdf

令和3年になると、同協議会から立憲民主党県連に273万円、立憲民主党長野県5区総支部に200万円を支出しているが、立憲の国会議員下条みつ氏の後援会に 980万円、篠原孝氏の後援会に1536万円、羽田次郎氏の後援会に1826万円を移動させている。
https://www.pref.nagano.lg.jp/senkan/syuushihoukoku/r03/sonota/documents/039350.pdf

令和4年には、既に事実上政界を引退している寺島義幸氏の後援会に300万円を移動させている。
https://www.pref.nagano.lg.jp/senkan/syuushihoukoku/r04/sonota/documents/049140.pdf

長野県改革協議会の原資は、民進党から旧国民民主党と引き継いできた政治資金だが、その約半分は政党交付金である。
同協議会から新設された立憲の県連や総支部に支出したのは 773万円で、4642万円を個人の後援会に移動させており、明らかに政党交付金が個人の後援会に流れている。

民進党時代に同じ釜の飯を食った 立憲の杉尾秀哉参院議員への支出はない一方で、既に引退したはずの寺島義幸氏の後援会に300万円を支出しているというのも不思議だ。
結局は、民進 → 旧国民 →(希望)→ 立憲民主、と常に行動を共にした仲間で山分けということだろう。

本稿のタイトルは、「批判できない立憲の政治家」であるが、政党交付金を迂回させて自身の後援会に流用している政治家に、「政治とカネ」を追求する資格はない。



 

ところで、政党交付金を「●●改革協議会」に移した36都道府県連の中で、最も金額が多かったのが 残念ながら福岡県連(代表 城井崇氏)である。
旧国民民主党福岡県連は、資金の残余 1億1022万2578円を 福岡県改革協議会に移動させているが、そのうちなんと 8079万1331円が政党交付金だった。


その後の福岡県改革協議会からの支出については、また別の機会に説明したい。



さて、下表は 旧国民民主党の都道府県連以外の支部で、政党交付金の残余を別団体に移した支部の一覧である。
総務省の「政党交付金使途等報告書、令和3年3月26日公表(令和2年分 解散分)」を参考に作成した。

当時、旧国民民主党では全国47都道府県に163の支部が存在していたが、そのうち44の支部で 解散直前、政党交付金の残余を別の政治団体に移していた。
そのうち、新潟1区、和歌山2区、福岡6区の3支部は、前述の「●●改革協議会」に移しているので問題はないが、他の41支部は 直接個人の後援会に移動させている。

全部を調べた訳ではないが、確認した限り 個人後援会から都道府県連や新設した支部に戻した例は殆どなかった。
つまり、政党交付金を個人後援会に移動させた後は、自身の政治活動に使っているのである。

この中には、引退や浪人中の政治家が含まれているが、現職の立憲民主党の国会議員として 自民党の裏金問題を厳しく追及している者もいる。
自分にはとことん甘い政治家ばかり、岸田総理がその筆頭だが 立憲民主党の中に多数いることは間違いない。

うきは市に半導体工場誘致?

昨年末、地元紙が「福岡県とうきは市が半導体メーカーの誘致を念頭に、同市西部に約27haの工業団地の造成を計画、2029年度から分譲開始を目指す」と報じた。

昨年北九州市がPSMC(台湾)という半導体工場の最終候補地に残りながら、工期が間に合わないとの理由で落選したため、来たる需要に備え 予め造成を進めておくという。

熊本県菊陽町へのTSMCの第2工場建設も決まり、経済効果は計り知れないものがあるが、こと「半導体」に関しては重大な不安材料があることを強調しておきたい。

うきは市が選ばれる理由に、半導体の製造工程で必要な水資源として豊富な地下水がある点が挙げられている。
うきは市が公表している資料によると、現在年間619万㎥(生活用256万㎥、工業用239万㎥、農業用124万㎥)を汲み上げている。

菊陽町のTSMCは日量1.2万㎥、年間438万㎥を汲み上げるとされており、うきは市で同規模の工場が稼働すれば井戸枯れを起こすなど、水の安定供給ができなくなる可能性があるという。
また、工場排水についても、既存の下水処理施設では間に合わないため増設の必要性や、筑後川の漁協が反対するのは確実でハードルは高いと思われる。

特に、半導体の製造過程で使用される化学物は、毒性が高く種類も多いことから環境汚染が心配され、台湾や米国では半導体工場が原因と見られる深刻な事例が報じられている。
環境アセスメントとその対策は、事業者自身の良心と努力によるところが大きく、海外企業がどこまで環境保全について真剣に取り組むかというと疑問符が付く。

「熊本の特需を福岡に」と前のめりになる気持ちは分かるが、半導体工場には取り返しがつかなくなる様なマイナス面も多いので、うきは市への誘致は慎重に検討する必要があるだろう。

参考記事→ うきは市「うきはの恵水(めぐみ)」

ごみ処理施設…。動き始めた生き物たち

春の陽気で土の中から蟲たちが動き出す季節だが、間もなく飯塚市・嘉麻市・桂川町・小竹町で構成される「ふくおか県央広域施設組合」の新清掃工場整備の実施方針が公表される予定で、動き出す生き物もいるようだ。

同組合は、新清掃工場をDBO方式(公共が資金調達を負担し、設計・建設、運営を民間に委託する方式)で整備を予定している。
可燃ごみ処理施設とリサイクル施設整備で総事業費が370億円を超えるビッグプロジェクト、令和12年度の稼働開始を目指している。

息のかかったプラントメーカーに受注させたい、消耗品でひと儲けなど、触覚の利く政治屋さんは既に動き始めている。

続・国民の金はわしのもの

弊社記事「国民の金はわしのもの(2023年11月30日)」では、立憲民主党福岡県総支部連合(立憲県連)顧問を務める吉村敏男元県議が、令和2年9月の旧国民民主党福岡8区総支部の解散時に 残余金約900万円を 自身の後援会に移し、その後も自身の事務所費等に流用していると書いたが、関係者からかなりの反響があった。

→ 国民の金はわしのもの(2023年11月30日)

立憲県連の幹事会の席で、「記事が事実かどうか確認をするべきでは」という提案があったそうだが 当然だろう。
他の総支部で同じことをした代表者がいれば、集中砲火を浴びて糾弾されるはず。

だが相手が吉村氏、直接本人に尋ねられる勇気のある者はいないと想像する。
おそらく次の幹事会では、吉村氏本人にではなく周囲の関係者に聞き取りをした曖昧な報告があって、誰もそれ以上深掘りせずシャンシャンで終わるのが目に見えている。

吉村氏が自身の後援会に移した900万円を、県連か8区総支部に戻さないまま終わらせるならその程度の組織ということだ。
代表におかれては、一般の議員や党員、県民も注目しているということは忘れず、公平で毅然とした対応を期待したい。

 

立憲顧問、吉村敏男氏とは

さて、本稿では福岡県が毎年11月と3月に公表している政治資金収支報告書を参考にして、更に詳しく、吉村氏の政党資金の使い方と、県連及び8区総支部の権力者としての活動について明らかにしていく。

→ 福岡県公報

その前に、吉村氏がこれまでいかに県連に貢献してきたか振り返ってみる。
元々は飯塚市が合併する前の穂波町の職員、職労活動を経て町議会議員に当選し政治の世界に。
平成11年の県議会議員選挙(飯塚市・嘉穂郡選挙区)で初当選を果たし、同31年に落選するまで5期20年間務めた。

県議3期目の同20年、民主党初の福岡県議会副議長に選出される。
以後は、民主系会派(現在の民主県政県議団)の取りまとめ役として自民党県議団からも重宝がられる存在になる。

自民党県議団との繋がりを誇示することで、会派内で絶対的な地位を手に入れた。
副議長は歴史に名前が残る名誉職で、自民会派にも副議長に就きたい議員が多いはずが、同24年以降、民主系会派から9人の副議長が選出されている。

しかし、「副議長の椅子を貰って骨抜きにされる」「一生頭が上がらなくなる」など批判も少なくない。
副議長の人選は吉村氏が行っているのは周知の事実で、相応のリターンがあるという生々しい話も聞くがここで止めておく。



吉村氏は、県議会での勢いそのままに民主党福岡県連でも発言力を強め、平成19年から民主党県連副代表、民主党~民進党代表代行を歴任した。
特に、松本龍代議士や対立してきた助信良平県議が政界を引退した後は権力が集中、更に同29年の選挙前に元職を含む国会議員らが希望の党と立憲民主党に移ったことで意見する者もいなくなり、民進党県連代表に就任、その後も国民民主党県連の代表に就いている。

我が世の春を謳歌していたが、6期目を目指した同31年の統一地方選挙で落選する。
現職議員しか総支部の役職に就くことができないという内規があり国民民主党県連の代表は辞任するも、なぜか8区総支部の代表(会計責任者を兼任)に居座った。

令和2年9月、旧国民民主党が解党することになり8区総支部も解散、総支部の残余約900万円を自分の後援会に移したのはこの時だ。
総支部解散で無役になりかけたが、新たに設立された立憲県連、及び8区総支部の顧問という肩書を得て、引き続き影響力を保持している。

今もなお権力欲は旺盛で県連内の人事に睨みをきかせているが、昨年佐々木允県議を立憲に入党させたのも吉村氏の意向で、誰も表では反対できなかった。
「やりたい放題で困っているが鈴を付ける者がいない」というのが関係者の本音の様だ。

吉村後援会に流れる資金

前置きが長くなったがここから本題。
福岡県が公表している政治資金収支報告書を参照し、平成27年から令和2年までの6年間で、県連から各総支部に寄附・交付金として支出された額をまとめた。
民主党から民進党、国民民主党と党名が変わっても、各総支部には比較的均等に支出されているようだが、よく見ると吉村氏の福岡8区総支部への寄附・交付金の額が、他の総支部に比べて多いようだ。



次は、同期間の福岡8区総支部の政治資金収支報告書の収支内訳である。
支出内訳を見ると、組織活動費や宣伝事業費はさほど多くない一方、寄附・交付金の額が多いことが分かるが、いったいどこに支出しているのだろう。



そこで、吉村敏男後援会の政治資金収支報告書を参照したところ、福岡8区総支部からの寄附額が記載されていた。
年によって違うが、寄附・交付金総額の半分以上が吉村敏男後援会に移動している傾向があることが分かった。

令和元年が0円になっているのは、落選して政治活動を止めたから。
同2年の 912万2812円の資金移動は、前述の旧国民民党解党時に福岡8区総支部の残余全額を自身の後援会に移したものである。



理解しやすいように、「県連 → 福岡8区総支部」、及び「福岡8区総支部 → 吉村敏男後援会」へ移動した資金の額に、割合の計算式を入れてみたのが下表である。
平成27年から令和2年の6年間で、県連から福岡8区総支部に 2475万3310円支出されていて、県連の寄附・交付金総額 3億3892万4700円の 7.3%を占め、全総支部の中で最も多い。
また、同期間に福岡8区総支部からは、吉村敏男後援会に 1648万5562円が支出されているが、8区総支部の寄附・交付金総額の 67.3%を占めていた。

吉村敏男後援会が6年間で受け取った1648万5562円は、県連が支出した寄附・交付金の総額 3億3892万4700円の 4.9%に当たる。
県連の寄附・交付金の 20分の1が吉村敏男後援会に移っている事実を、これまで関わってきた人々はどう受け止めるだろう。


候補者を擁立しない8区

福岡8区は「直方市、飯塚市、嘉麻市、中間市、宮若市、遠賀郡(芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町)、鞍手郡(小竹町、鞍手町)、嘉穂郡(桂川町)」の5市7町と広範囲に渡り、本気で党勢を拡大させるにはとてつもない労力と資金を要すると同時に、リーダーの意識が重要になる。

吉村氏が中心となってきた福岡8区総支部には、全総支部の中で最も多い寄附・交付金が支出されていたが、8区総支部の収支を見ても、党勢の目安となる収入の党費・会費は増えておらず、組織活動に力を入れたようには見えない。
宣伝事業費に至っては平成29年からの支出はゼロ、それでも仕事をしたと言えるのだろうか。

対照的に、潤沢に支出した寄附・交付金のうち、約3分の2が吉村敏男後援会に支出されている。
極めつけは、全総支部中、最も予算が配分されているにも拘わらず、平成26年12月の衆院選以降、福岡8区から3回連続で候補者を擁立していないことだ。



今年、衆院選が行われる公算が強いが、福岡8区は空白区で麻生氏の対抗馬となる候補者が決まっておらず、立憲の党本部も立候補者を喉から手が出るほど欲しいはず。
ところが、昨年、党本部の公募に8区内からの公認候補に2人が手を挙げたというのだ、共に不採用となっている。

1人は立憲の元市議会議員の女性、もう1人はマスコミ関係者、共に即戦力になり得る人材と聞く。
もちろん、書類選考や面接等で不採用となることもあるだろう。
しかし、元市議のケースでは、昨年6月に応募、本部も前向きで話がスムーズに進んでいたにも拘わらず、突然「今回はご期待に沿えません」というメールが送られてきたという。

党本部が勝手に決めた訳ではなく、福岡の県連に判断を委ねている。
実は、8区のことなので県連幹部が吉村氏にお伺いを立てたところ、難色を示したため 県連内部で正式な会議を開かずに潰したという話である。
書類選考も面接もなし、志ある者が党本部の公募に手を挙げているのに理由の説明もなく党本部に押し返したということだ。

これが事実だとすれば、立憲県連は民主的な手続きを取らない、党勢拡大より実力者への忖度を優先する組織ということになる。
これで自民党の体質を批判できるだろうか。

ここまで、吉村氏が県連の資金の20分の1を自身の後援会に移動させたことや、
党勢拡大に努めた形跡もなく、衆院選の候補者擁立もして来なかった事実を紹介してきた。
これは立憲県連の内部の問題だが、猫の首に鈴を付けることができる人物がいないのがこの組織の弱いところだ。

忖度は止めてクリーンでオープン、公平且つ自由に意見を言える組織に生まれ変われば、若い人の支持も集まってくるだろう。
今後を期待したい。

ー 了 ー

立憲にも「汚れた雑巾」

日の衆議院予算委員会、立憲民主党の野田佳彦議員の質疑は迫力があった。
野田氏は、30年前のリクルート事件後に自民党が策定した「政治改革大綱」で、閣僚や党役員は派閥の長を辞めると決めていたにも拘わらず、岸田総理が総理に就任しても派閥の領袖を辞さなかった理由を尋ねたが、総理は「反省しなければならない」とだけ述べ 答えることができなかった。

また、総理が大臣規範に反して政治資金パーティを頻繁に開催してきたこと、広島での総理就任の祝賀会を脱法的に行ってきたことを挙げ、「抜け穴づくりの先頭に立っている」と語気を強め、自民党政治刷新本部長を務める総理に本部長を辞するよう求めた。
本気度が感じられない総理の改革姿勢を炙り出す質問は的確で見る者を唸らせた。

一方で、その後に登場した福岡10区の立憲、城井崇議員の質疑には溜息が出た。
26分間で 新しい内容もなく、総理から何一つ引き出せないまま終了、野田議員と同じ松下政経塾出身だが 格の違いだけが印象に残った。

スキルの問題もあるが、立憲は「政治とカネ」を追求する議員の人選を間違ったようだ。
実は、城井氏は自身のSNSなどで「裏金議員の退場を厳しく求めます」と声高に叫んでいるが、実は自身も政治資金の還流を地元紙に指摘された過去がある。
平成26年1月9日の記事で、城井氏が 税金の掛からない政党支部に寄付した後、同日中に自身の後援会に還流させることにより、所得税控除で約535万円の還付を受けていたと報じた。

更に、令和2年9月の旧国民民主党解党時、政治団体「福岡県改革協議会」なる団体を新設し、政党交付金が約7割含まれる県連総支部の資金 約1億1000万円を移動させ、自身を含む国会議員の選挙資金として還流させているのだ。
これについては後日詳しく報じるが、政党交付金を自身の選挙資金に還流させている議員は退場しなくてよいのだろうか。

野田議員は、裏金議員らが多く含まれている自民党の政治刷新本部を「汚れた雑巾では汚れを落とすことはできない」と指摘した。
その通りであるが、身内の中にも同じく汚れた雑巾があることを恐らくご存知ないのだろう。

中洲のぼったくりキャバクラ

東京の知人が「最近の歌舞伎町は怖くて歩けない」と言っていた。
歌舞伎町ほどでもないが、福岡の歓楽街、中洲でも 以前とだいぶ雰囲気が違ってきている。

地元ヤクザも高齢化し、県警の暴力団への取り締まりは厳しい。
その代わりに 暴力団には加入していない「半グレ」がガールズバーやホストクラブを経営、若者をターゲットにした巧みな営業システムで、次第にのめり込ませて大金をつぎ込ませているという。

また、ぼったくりの店も 名前をころころ変えながら営業を続けているらしい。
中州2丁目のPビル2Fにあるキャバクラの話。

セット料金1時間4500円で入った2人の客は午前2時頃入店、3時間の滞在で約125万円を請求され、所持していた現金13万円を支払うも、残金を払わせようと店の従業員がATMまで付いてきた。
その顛末は割愛するが、なんとか 残金112万円は支払わなくて済んだそうだ。

皆さんも、くれぐれもご注意を。

田川バイオマスに新事実、政治不信は県議会でも

政治とカネの問題、岸田総理の生ぬるい対応に政治不信は増すばかりだが、それは自民党の国会議員に限ったことではない。
福岡県議会副議長で立憲民主党所属の佐々木允県議に関する「政治とカネ」の問題を、弊社やネットメディアが報じてきたが、その後説明責任を果たす気配は全くない。

参考記事 → 県議が県道用地取得に担保提供 (2023年11月21日)

ところで、バイオマス発電所の火災のニュースが続いており近隣住民の不安は増しているが、田川市に建設中のバイオマス発電所について、計画当初から佐々木ファミリーが関与していたことが窺える新事実が出てきた。

 

計画前から県に問い合わせ

これまで 佐々木氏は SNS上で「あくまでも民間の工事であり、田川市役所や私自身を含め関係ありません」と自身の関与を否定していたが、バイオマスの計画当初から事業者の南国殖産の代わりに県の出先機関「飯塚市農林事務所」に問い合わせを行っていたことが判った。

平成30年12月13日には 発電所建設予定地の農振除外の進捗について、また、同31年4月23日には 追加用地確保のため隣接地を農振除外するにはどうしたらよいか、佐々木氏から直接電話で問い合わせがあったという。
南国殖産が田川市に「木質バイオマス発電所設置事業計画」を提出したのが、平成31年1月25日なので 佐々木氏の電話はそれよりも前、計画段階から関与していたということである。

つまり、南国殖産は 田川市に計画書を提出する前に、糒地区に建設地を決めて 農振除外の手続きを開始していた。
佐々木氏は 平成30年12月時点で既にそのことを知り 業者のために行動していたことになる。

 

父親が排熱利用を目的に農地購入

ただ、佐々木氏は業者のためだけに動いた訳ではなさそうだ。
というのも、バイオマスの排熱を利用する計画に、佐々木氏の父親の名前が出てくるからだ。

前述の「田川木質バイオマス発電基本計画」の中に、熱利用基本計画という項目がある。
南国殖産と加賀デバイス㈱が主体企業となり、(仮称)田川ほしい農業㈱を設立し地元営農者(法人含む)が出資、発電所周辺の農地4ヘクタール7ブロックにハウスを32棟建設し、排熱を送りミニトマト、ベビーリーフ、ハーブなどの野菜を栽培することが記されていた。

驚いたのは、その後の調べで当該農地の区画のうち、同年3月25日付でバイオマス発電所の北側計 1606平米を 佐々木氏の父親が購入していたことだ。
当初から熱利用が予定されている場所で営農するつもりだったと想像される。





また、計画ではバイオマス発電所の稼働は当初 平成33年2月予定とされていた。
平成33年は令和3年のこと、現在佐々木氏の母親が理事長を務める社会福祉法人の事業として、介護施設の近くのハウスで「あまおう」を栽培中だが、始めたのは令和3年度(4月~)なので、バイオマスの稼働時期と符合する。

バイオマス発電所建設の手続きの遅れや想定外のコロナ禍で計画の日程が狂ったが、佐々木ファミリーは 令和3年度から 佐々木氏の父親が取得した土地でバイオマスの排熱を利用し「あまおう」栽培をする予定だったのではと 関係者は見ている。

バイオマス発電所誘致に前のめりだった佐々木氏が 建設のデメリットを考慮せず、また地域住民の意向も聞かず、身内に優先して利益が入るように動いたとすれば問題ではなかろうか。



バイオマス発電所の火災のニュースが続いており近隣住民の不安は増している。
「あの誠実な佐々木さんがそのようなことをするはずがない」という支持者もいる。
「清潔な県議会議員」を標榜するからには、弊社や 他のメディアが指摘している点も含め、バイオマスへの関与についても住民に説明を尽くし、疑念を払拭する必要があるだろう。

福岡11区でただ一人の 立憲民主党の県議会議員が、疑惑に対し沈黙を続けたままで 県政全体への信頼が揺らいでいる。
立憲県連の城井代表の対応にも注目が集まっている。


元市議会議長と商工会会頭、告発される

15日、豊前市 及び 民間会社の経営者1名は、市が出資する第三セクター「豊前開発エネルギー㈱(以下三セク)」の経営者らを特別背任事件として、豊前署と地検小倉支部に刑事告発した。

豊前市は、告発対象者である三セク役員の氏名を、個人情報保護を理由に公表していない。
しかし、もう1人の告発者、三セクの出資者で南洋ホールディングス㈱社長の甲斐明夫氏の弁護士は、三セク社長の白石康彦氏(元北九州市建設局長)、副社長の上田大作氏(豊前市商工会議所会頭)と専務の片桐達朗氏の3名に加え、契約の相手方である㈱進栄海運社長の磯永優二氏(元市議会議長)も共同正犯として告発の対象としたことを明らかにした。

甲斐氏の弁護士によると、三セク設立時は取締役であったが、相応の売上があったにも拘わらず利益が出ていなかったため、三セクに問い合わせるも回答がなく、その後、2021年の株主総会で理由の説明もなく取締役を解任された上、誹謗中傷する嘘の情報をネットニュースに提供されたという。

豊前市も三セクに対し、不透明な支出があるとして書類の提出や説明を求めてきたが回答がないまま現在に至っている。

豊前市と甲斐氏は、三セクの経営者らが、進栄海運への高額な委託料が三セクに損害を与えることを認識しながら契約を締結していたと考えられることから、実態解明を司直の手に委ねることにした。
対象者に元市議会議長や商工会議所会頭が含まれており、今後 検察と警察の対応に注目が集まるだろう。

参考記事 → 三セク幹部を背任罪で告発へ(2024年1月18日)


甲斐氏の弁護士が公表した資料より

 

 

長老議員に厳しい意見書

鞍手郡小竹町では、令和4年12月に24年ぶりとなる町長選挙が行われ、無所属新人でNPO法人役員の井上頼子氏が元町議ら2人を破って初当選を果たした。
しかしこの1年、町長に対し、複数の町議による品位のない言動が続いてきたという。

一つ例を挙げると、昨年9月議会の補正予算審査特別委員会で、和田賢二郎議員(83)が「町長さん、口ちゃ便利なもんですね、嘘が平気で言えますか」と侮辱と取れる発言を行った。
その場で委員長が謝罪するよう促したが、「私は嘘を言うてない、本当にそう思ってますから」と開き直った。

令和5年9月19日 補正予算審査特別委員会



 

このやり取りはYoutubeの小竹町議会チャンネルで公開されていたが、さすがに目に余ると感じた一般町民が、昨年12月、議長宛に政治倫理上の問題として調査を行うよう請求を行っていた。
その後、第三者による政治倫理審査会が開催され、当事者に聞き取りを行い、取りまとめた意見書が 今月提出された。

意見書によると、和田議員は「人を傷つけたのなら、これは私の発言が悪いと思います」と反省の意を示しながらも、「議長、副議長から何の注意もない。それは皆さんが私を支援してくれていると私流に解釈する」と発言を正当化、更には「(町長が)いかに嘘をついているか、例えば9月議会、5回ですよ。訂正して謝罪をしている」など、町長が議会において虚偽発言を繰り返したとの供述を行ったという。

審査会の結論は、
「(和田賢二郎議員の)発言は、品位と名誉を損なう言動として政治倫理条例に抵触するものと判断せざるを得ず、かつ、今後も同様の発言を行うおそれは否定できない」、
議会の場における侮辱、または名誉毀損行為を議会全体が容認する如き雰囲気、あるいは 議員が町職員に対しいかなる発言をしても許されるとの議会の認識を示すものとすれば、町民の議会に対する信頼を大きく失墜させるものであり相当問題
と締めくくっている。

素晴らしい審査会の意見書、春日市の政治倫理審査会とは大違いだ。
あとは、和田議員が同様の発言を繰り返さないか。
和田議員以外でこれまで同様の発言を行ってきた議員らが、今後言動を慎むかどうか。
そして、彼らがこうした言動を繰り返した場合に、議長や委員長がしっかりコントロールできるかである。

人口約7000人、高齢化率 42%と少子高齢化が進む小竹町だが、町民の間からは議員が個人的な問題を議会に持ち込み、町政を停滞させているとの指摘がある。
30年後、50年後を見据えた政策提案が期待されるが、ベテラン議員らにそれができるか注目が集まっている。

脱税の裏技容認、総理に感謝

現在行われている政治資金収支報告書の修正は 目から鱗、今まで考えつかなかった裏技を教えてくれた。
脱税の裏技を容認した岸田総理には賞賛の声が上がりそうだ。

高木毅前国対委員長の資金管理団体「21世紀政策研究会」は、繰越額や収入、支出総額を「不明」と訂正、また、支出明細で金額・日付・支払先が「不明」のお品代や交通費・会合費の支出を追記、これを福井県選挙管理委員会が2月6日付で受け付けていた。
添付されている宣誓書には、「当該不明分については判明した時点で訂正いたします」と追記されている。


萩生田光一前政調会長が代表を務める「自民党東京都第24選挙区支部」も同様の訂正を行い、東京都選挙管理委員会が2月2日付で受け付けている。
政治資金収支報告書に、不明という記述が許され、判明した時点で訂正ができることを今まで知らなかった。

選挙管理委員会に確認したところ、訂正の期限は特にないという。
9日の衆院予算委員会でこの点を尋ねられた岸田総理は、「数字が確定するまでの間『不明』という申告もあり得る」と答弁、お墨付きを与えたのである。
これが許されれば誰でもやっていいことになる。

政治家が裏金をもらって、万が一ばれた場合は政治団体に入金し、政治資金収支報告書の修正されすればいい。
「不明」と記載しておけば領収書の添付は不要で、全国の選挙管理委員会が受け付けてくれるはずだ。

現在政治家でない方で 領収書のない金をもらう可能性のある人にも、税務署に見つかった時に役に立つかもしれないので、政治団体を設立しておくことをお勧めしたい。
但し、一般人の場合は見逃してもらえない可能性もあるので 自己責任で。



高い倫理性が求められる政治家

多くの市町村において、首長や議員を対象にした「政治倫理条例」が制定されている。
その目的として、市民全体の奉仕者としてその人格と倫理の向上に努め、市政に対する市民の信頼に応えることと明記されている。

 

忖度が働く政治倫理審査会

政治家が政治倫理条例を遵守しているかどうか疑わしい事実がある場合は、住民の求めに応じて「政治倫理審査会」が事実関係を調査報告をすることになっているが、審査会が機能していないとの指摘が多く聞かれる。
というのも、審査会の委員は、弁護士、税理士など士業や大学の先生が選任されることが多いが、委員が調査対象となる首長や議員と個人的な関わりがあり忖度するケースがあるからだ。

最近では昨年、春日市において、市長の資産報告に疑義があるとして市民が審査請求を行ったが、市長が疑惑を払拭する根拠書類の提出要請を無視したにもかかわらず、審査会としてそれ以上の要求をしなかった。
審査会に利害関係者がいては客観的な審査ができないので、狭い自治体の場合は市外、町外在住の委員を選任するべきだろう。

春日市長等政治倫理審査会 会議結果

 

政治倫理条例がない県議会

ところで、県道延伸予定地を 県議会議員の親戚が代表を務める会社が購入後、県議とその家族が所有する不動産を担保に提供しているケースがあった。
また、親戚が代表を務める事務所を県議が賃借し、家賃の半額を政務活動費から支出しているケースもある。

弊社の記事を見た読者から、「政治倫理審査会で審査されるべきでは」という問い合わせがあったので、福岡県の条例を調べてみたところ 政治倫理条例がないことが分かった。
一般財団法人地方自治研究機構のホームページによると、現在政治倫理条例を制定している都道府県は9団体(岩手県、宮城県、福井県、三重県、滋賀県、奈良県、鳥取県、広島県、長崎県)ということで、意外だった。

一般財団法人地方自治研究機構のホームページ

政治倫理条例がないからと言って、何でも許される訳ではない。
福岡市議会の政治倫理条例を例に挙げると、議員の責務として「市民全体の代表者として市政に携わる権能と責務を深く自覚し、市民の信頼に値する高い倫理性を持つとともに、市民に対し、常に政治倫理に関する高潔性を示すことができるよう努めなければならない」と明記されている。

県議に高潔性が求められていることは言うまでもない。

FIT裏口認定に関する意見広告

2022(令和3)年9月、「太陽光の闇」というタイトルの連載記事を書いた。
2012年にFIT(固定価格買取制度)が始まると同時に、太陽光発電事業に参入を決めた 久留米市の会社経営者、組坂善昭さんについての話である。

組坂さんは、土地を購入し国の事業認可を得ていたにも拘わらず、九州電力から供給過剰という理由でストップが掛かり、事業中止を余儀なくされ損失を被った。
しかし、その後の調べで、一部の大型の発電所が九州電力に供給(予定も含む)していることが判明、そこには国が大企業を優遇した形跡があるとのことで、現在訴訟の準備を進めているところだ。

組坂さんは77歳、「死ぬ前に真実を国民に伝えたい」という思いで、2021年の衆院選(福岡6区) 及び 22年の参院選(福岡選挙区)に立候補し、再生エネの健全な発展を訴えて戦ったことも。
負けると分かっている戦いに挑戦した組坂さんに興味を持ち、参院選後に取材させて頂き、記事を書いた次第である。

昨日、大手の新聞社に意見広告が掲載されることが決まったと連絡があった。
新聞社は事実に基づかない意見は掲載しないが、今回その主張に合理性があると認められたことになる。

これまで組坂さんは1人で戦ってきたが、同じように泣き寝入りしてきた人が全国に存在しているという。
意見広告で賛同者が出てくれば、国や電力会社に対する集団訴訟になる可能性もあるのではなかろうか。




2022年9月の掲載した記事を再掲するので、ご興味のある方はご覧頂きたい。

太陽光の闇

電気代に事業者の儲けを上乗せ

急激な円安進行とエネルギーや食糧価格の高騰で、国民生活は厳しさを増しているが、電気代の値上げも続いている。
その内訳に「再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)」という項目があるのをご存知だろうか。

例えば、九州電力の領収書(下図)を見ると、請求額 9204円のうち 再エネ賦課金として 1055円(請求額の約11%)が含まれていることが確認できる。
これは今年度の再エネ賦課金1kWhの単価、3.45円に使用料の306kWhを乗じて算出された金額だ。



再エネ賦課金は、2012年度から導入されたFIT(再エネ固定価格買取)制度によって、 電力会社が電力の買い取りに要した費用を、電気の使用量に応じ家庭や企業が一定割合で負担するもので、メガソーラー・風力・バイオマスなどの稼働件数(発電量)の増加と共に上昇の一途を辿っている。

下図のように、買取価格は 0.22円/kWhから始まり年々上昇し、今年度は3.45円/kWh、今後も全国で自然エネルギーの発電所が稼働予定であることから、賦課金は向こう8年程度上昇を続け、最低でも4円/kWhを超えると試算されており、家計や企業経営の負担が増えることを覚悟しておく必要がある。

これが地球温暖化防止や国際競争力の強化、地域の活性化など崇高な目的のためなら我慢もできる。
しかし、昨今 太陽光発電所や風力発電所など、無秩序な乱開発による環境破壊が指摘されているほか、それらの多くが 中国や欧米等の外国資本であったり、大金を手にした業者と政治家との繋がりが報じられたりといい話が聞かれない。

再エネ賦課金の全部とは言わないが、こうした一部の投資家の銭儲けに使われている実態があるのだが、今さら気づいても後の祭り、彼らのやりたい放題を指をくわえて見ているしかないのである。


再エネに3.8兆円の国民負担

2020年(令和2年)12月7日、経産省総合資源エネルギー調査会で、「FIT制度に伴う国民負担の状況」で公表された資料は、あまりにショッキングである。

FIT制度が導入された2012(平成24年)年の再エネ比率は10%、その後 2018(平成30年)年時点で16.9%まで上がっているのだが、2020年(推計値)の 再エネの買取費用の総額が3.8兆円、そのうち 電気代に含まれる再エネ賦課金が 2.4兆円となっている。

2021年(令和3年)度の防衛費が5.1兆円なので、3.8兆円がどれくらい大きいかおわかりだろう。
再エネ賦課金だけで 2.4兆円、単純に国民1人当り2万円を負担していることになる。
地方を車で走ると太陽光発電や風力発電を目にするが、その事業者の売電収入を 私たちが負担しているのだ。
2030年には買取費用総額が 4兆円、うち再エネ賦課金3兆円まで増えると試算されており、国民負担は更に増える予定だ。



また、同日の調査会の資料によると、2020年の買取総額 3.8兆円のうち、事業用太陽光が 2.5兆円と 66%を占めている。
特に注目してほしいが、事業用太陽光のうちでも 2012年度認定から2014年度認定までの3年間に、2.2兆円 58%と集中していること、つまり 再エネの国民負担の6割近くが FIT制度開始3年以内に認定をもらった太陽光事業者に偏っているのだ。



なぜそのようなことになったのか。
それは 東日本大震災後、太陽光発電の普及を急いだ政府(当時民主党)が、制度設計が不十分なまま FIT制度を導入したことに要因があると言われている。

2012年の買取価格が 40円/kWh、13年 36円/kWh、14年 32円/kWhと 高く、目利きの利く事業者や投資家は、この期間に一斉に太陽光事業に参入、土地を確保し認定を取得し権利を確保している。
認定を受けた事業者は、いつ事業を始めても向こう20年間は 認定時の買取価格が保証されるというのが、制度の最大の欠陥だった。
その後、権利だけ確保し 設備投資の費用が安くなるのを見越して着工しない業者が多く見られたことから、2015年に制度が見直された経緯がある。

買取価格は下降を続け 今年度は 11円となり、もはや新規参入をするところは激減しているが、今なお 開発にあたって住民トラブルなどのニュースが報じられている。
それらがこの3年間に権利を確定させた業者、或いは 事業を引き継いだ業者と言われている。


FITの裏口認定を指摘する人物

「国や電力会社による一部発電事業者の優遇が賦課金上昇の一因」と制度の闇を指摘する人物がいる。
それは、7月の参院選福岡選挙区に立候補した組坂善昭氏(74)だ。
結果は落選に終わったが、選挙戦を通じ「国が裏口認定した事業者が得る利益を国民に還元し、電気代を引き下げる」と訴えた。

久留米市内にある組坂氏の事務所を訪ね、その根拠やこれまでの経緯について説明頂いた。

2012年7月にFIT制度が開始された当初、認可申請書に添付する用地の権利書類は「取得見込みでも構わない」とされていた。
ところが、
認定を受けても事業に取り掛からない業者が続出したことから 経産省が問題視し、運転を開始していない事業者に対し、2013年から 土地と発電設備を確定したことを証明する書類の提出(報告徴収)を義務付けている。

特に、認定した場所の土地の権利関係書類の提出が求められており、「場所の決定が確認できない場合には聴聞の対象とし、認定の取消しに向けた手続きに移行する」と厳しい対応をしている点に注目だ。





下図は、2021年12月22日の経産省資料を元に作成した「事業用太陽光発電(メガソーラー)の年度別FIT認定・導入状況」である。
FIT制度スタート直後は、認定件数をはるかに導入件数が下回っていることが分かる。
組坂氏は、「その中には報告徴収の結果 認定を取り消された業者も含まれるが、これから運転開始をする大規模メガソーラー業者も含まれる。政府がそれらの業者を極秘裏に救済している、裏口認定の証拠がある」と指摘する。

それが事実なら大問題だ。
次回は宇久島メガソーラーの実例を挙げて説明する。


宇久島裏口認定の根拠

宇久島メガソーラー事業は、佐世保市宇久島に約 480MW、国内最大規模の発電能力を誇る太陽光発電事業で、発電した電力を海底ケーブルで佐世保市に送り、一般家庭約17万3000世帯分相当をまかなうとしている。
同事業は、2012年にドイツのフォトボルト社が設立した TERASOL合同会社が主体となり、京セラ・九電工・オリックス・みずほ銀行が 約2000億円を出資することで始まった(後にフォトボルトとオリックスは撤退)。
発電設備認定を受けたのが FIT制度が始まった年度末の2013年3月27日とされているが、未だ運転を開始どころか地元漁業関係者との調整中で 本格着工まで至っていない。


宇久島メガソーラーHPより ↑

組坂氏は 情報公開請求で集めた資料を元に、「当初の事業者TERASOLが 土地の権利関係の条件を満たしていなかったのに、認定が取り消されていない」と指摘する。

最も日付の早い契約書で 2018年10月25日、それ以前にある土地の権利関係の書面は、地元区長らと交わした6801筆分についての 「賃貸証明書(リンク参照)のみということが判っている。
しかも「私有地については最終的に地権者の判断だが、地権者がメガソーラー用地として賃貸するよう協力を求める」という記述があるように、権利確定とは程遠い内容だ。

前述のように、経産省は 認定を受けたにも拘わらず 運転を開始していない事業者全てに報告徴収を行っており、もちろん TERASOLに対しても、2013年9月に通知が発送され同10月18日までに書類を提出させたと考えられる。
「土地の権利が確定していない事業者は認定を取り消す」、「権利者の証明書は認められない」と厳しく規定されていることから、賃貸証明書しか保持していないTERASOLは認定取消しになっているはずである。



賃貸証明書しか保持していないTERASOLが、認定取消しとなったことを裏付けるのが、2017年9月に 組坂氏が情報開示請求で入手した「平成28年度(2016年度)までの認定事業者一覧(リンク先参照)」だ。

事業者名は黒塗りで消された資料だが、一覧表の中に 出力が480MW規模の事業者は存在しておらず、この時点で TERASOLの 宇久島メガソーラー事業は認定されていないことが確認できる。

ところが、現在の認定情報を経産省のサイト(リンク先長崎県を参照)で確認すると、同事業が 2013年3月27日に「宇久島みらいエネルギー合同会社」の名前で認定を受けたことになっているのだ。



2018年11月に経産省に提出された事業計画変更届(リンク先参照)により、認定を受けた事業者が、TERASOLから宇久島みらいエネルギー合同会社に変更され事業譲渡をされたとしているが、経産省が受け付けたということは TERASOLが認定を受けていたことになり、ここに疑問が生じる。



平成28年度(2016年度)までの認定事業者一覧」にTERASOLが確認されなかったのに、なぜ2013年3月に宇久島みらいエネルギー合同会社が認定を受けたことになっているのか。

また、宇久島みらいエネルギー合同会社が認定を受けている筆数は計 11196筆で、2013年の賃貸証明書に記載のある 6801筆とは一致しない。
その差4395筆、これだけの筆数が追加されたということは、そもそもの土地の権利関係書類がいかにいい加減だったということだ。

更に、事業用地のうち 農地転用と林地開発の許可が必要だった部分については、2019年8月に最終的に許可が下りており、土地の権利の確定に同年前半までかかったと考えられる。

以上のことから、組坂氏は 「経産省が2013年10月に報告徴収を実施した際、土地利用について確定した書類がなかったTERASOLについて、故意に認定を取り消さなかった疑いがある」と主張する。


経産省が文書の存在を偽装?

2012年度に40円/kWhで認定を受けている 宇久島メガソーラーが運転を始めれば、再エネ負担金から 20年間で 約4800億円の収入を得ると組坂氏は試算している。
それを再エネ賦課金で負担するのは私たち国民、経産省が故意に認定を取り消さなかったのであれば看過できない。

平成28年度(2016年度)までの認定事業者一覧」に記載がなかったにも拘わらず、現在の事業計画認定一覧には 同事業が 2013年3月27日認定とされている。
これについて、誰もが納得できる合理的な説明が求められる。

そこで組坂氏は、「2016年(平成28年)度までの認定事業者一覧」に記載されていない事業者が いかなる方法で報告徴収を受けたのか、また 結果はどうだったかを確認するため、経産省に対し2021年(令和3年)5月11日付で情報開示請求を行っている。

1ヵ月後の6月11日、経産省が 一部の文書を除き、開示期限の延長を一方的に通知してきた。
その理由を「(要求された報告徴収は)著しく大量の文書であり、精査するのに相当の時間を要し、事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがあるため」とし、2022年(令和4年)5月12日に開示決定等をするとしていた。



1年待てという。
1年も待たされるのだから開示されると誰もが思うだろう。
ところが、1年経った今年5月12日付に「不開示決定通知書」が送付されてきた。
理由には「文書管理規則上の保存期間が満了したため既に廃棄済みであり、開示請求時点において保有していないため」とあった。

あまりにも馬鹿にした話である。
開示請求時点において保有していないのであれば、何も開示期限の延長をする必要はない。



経産省の資源エネルギー庁における「標準文書保存期間基準(保存期間表)」によると、確かに報告徴収の保存期間は5年となっている。
組坂氏が請求した2012年(平成24年)度の文書は 2018年度には廃棄されていると思われ、請求したのが2021年5月なので 少なくとも廃棄後2年以上は過ぎており、それを「著しく大量の文書」という理由で1年も待たせるのは不自然だ。

組坂氏は次のように見ている。
経産省は、初めから宇久島メガソーラーをはじめ複数の事業について、特別扱いをして 報告徴収そのものを行っていないので、そもそも文書は存在していない。
しかし表向き、報告徴収は全事業者一律に行われたとされているため、「存在しない」とは言えない。
そのため、開示請求がきた時点で「著しく大量の文書」という通知を出して 文書が存在したように偽装したのではないかと。


事実なら 認定取消し・買取価格の引き下げを

下表は、組坂氏が作成した 現在の九州管内における 認定発電出力の大きい順 1位から25位までの一覧表である。
表中、左から5列目の「認定無し」とは、「平成28年度(2016年度)までの認定事業者一覧」に記載がなかったことを表している。
しかし現在の、事業計画認定情報 公表用ウェブサイトでは、それらの事業者は全て2012年(平成24年)度~2013年(平成25年)度の日付で認定されたことになっていて辻褄が合わない。

前述のように、2013年9月に報告徴収が行われ、土地の権利が確定していないなど基準を満たしていない中小の事業者は認定取消しとなっているが、その数は 600を超えるという。
表中の殆どの事業者は、報告徴収時に土地の権利が確定していなかったことが確認されており、公平公正に徴収が行われていれば 認定取消しの対象となったはずである。

それが現在認定されているということは、何らかの特別扱いがあったと考えるしかない。
事業者名では分かりにくいが、国内の大手企業・銀行、外資などが入っており、政治的な力が働いて優遇したことも想像される。
経産省には、認定を取り消された事業者があることも踏まえ、納得のいく合理的な説明が求められる。

本来認定されていなかったはずの 表中 25の事業者のうち、10者は既に運転が開始され国民負担が発生中しており、あとの15者は運転開始前で これから負担することになる。
仮に特別扱いされたことが判明し、本来のルール(期限までに土地の権利が確定していない事業者は認定取り消し)による措置が取られればその負担はなくなる。



組坂氏は、「九州電力は、基準を満たしていた中小の事業者を故意に参入させないよう事実上接続を拒否し経産省もそれを追認、一方で 経産省は 九電の子会社も含め 大口の資本が参加した事業については 自らが決めたルールを破り認めてきた」として、現在 国と九電を相手取り訴訟の準備を進めている。

組坂氏が代表を務める 政治団体「再エネの真実を知る会」

再エネ特措法 第一条には「我が国の国際競争力の強化及び我が国産業の振興、地域の活性化その他国民経済の健全な発展に寄与する」と崇高な目的が掲げられている。
しかし、こと太陽光に関しては、一部の国内大手資本の参入を促進、または外国資本による植民地型の開発が黙認されるなど、国と政治家の無策ぶりが目立つ。
国民と国土がこれだけ悲鳴を上げているのに、太陽光関連の事業者から政治献金を受け取っている政治家も少なくない。

議員の先生方におかれては、国会の場で 過去に大手事業者に特別扱いがあったのか質して頂きたい。
仮に事実が認められた場合、運転開始前であれば認定取消し、運転中であれば買取価格を引き下げるなどの措置も考えられる。
再エネ賦課金が無駄に膨らみ 国民負担が増していかないよう、努めて頂くことを期待している。



ー 了 ー

「失言にもほどがある」の裏は上川総理?

宮藤官九郎さん脚本、阿部サダヲさん主演のドラマ「不適切にもほどがある」は、ハラスメントの象徴のような昭和の体育教師が令和にタイプスリップするコメディだ。
あの頃、今では許されない言動で溢れ返っていたことに気づかされるが、現代人が本音を言えなくなってコミュニケーションや温もりが失われてしまったことも描かれており共感する場面が多い。

ところで、麻生太郎副総裁が上川陽子外務大臣の容姿に言及したことがマスコミに報じられ、国会でも取り上げられた。
まさに昭和、1月にドラマが始まったタイミング、まさか麻生氏も昭和の温もりを思い出して失言した訳ではあるまい。

講演会場にマスコミがいるのが分かっていながら、麻生氏も今さらそんなヘマはしないだろう。
もちろん意図があってのことと思われるが、麻生氏は1月9~13日の日程でアメリカを訪問しており、「次は上川総理」で同意を取り付けて来た可能性もある。

ポスト岸田に石破茂元幹事長や高市早苗経済安全保障担当大臣の名前が取り沙汰されているが、麻生氏は絶対阻止したいだろう。
麻生氏が上川氏の能力を高く評価していることを、マスコミは容姿発言とセットで報じ、その後、国会質問の答弁では大人の対応を見せたと言われており、知名度と高感度が上昇している。

岸田総理は我が国の国民よりバイデン大統領の意向を尊重し、キャッシュディスペンサーとしての役割を十分果たしてきた。
上川氏はかつてアメリカで学び、民主党上院議員の政策スタッフを務めるなどパイプがあると言われているが、岸田路線を踏襲するなら 要注意だ。

議員定数削減、提案者の真の目的とは?

飯塚市議会で「議員定数のあり方に関する調査特別委員会」が開催されているが、市民3000人に現行の定数28の是非を問うアンケートを2月に実施することが決まったという。
前期、経費節減を理由に次の選挙から定数を28から24に削減する条例改正案を可決するも、市民団体の請願が採択されたことで一度も選挙をしないまま定数を28に戻したことが話題になった。

多様な市民の声を拾い上げるには議員は多いに越したことはなく、他自治体と比較しても 人口12万3700人に定数28が必ずしも多いとは言えない。
「議員定数削減で経費節減」というと聞こえはいいが、経費節減なら議員報酬削減という方法もある。
なぜ議員定数はそのままで報酬削減という議論にならないのかが不思議だ。

実は、この定数削減の裏に隠された本当の目的があるという話を聞いた。
委員会開催を提案したのは、立憲民主党の道祖満議員、他に立憲民主党の市議が2人いるのになぜか坂平末雄議員と会派を組んでいる。

坂平議員と言えば、前期は副議長辞職勧告決議が可決したにも拘わらず2年間副議長の椅子から下りなかったほか、新飯塚市体育館移動式観覧席入札の不正の疑いで百条委員会にかけられ検察に告発されたことで知られる。
それでも選挙にはめっぽう強く、昨年4月の統一地方選では「今すべき事を、今行います。」と当たり前の公約を掲げ、定数28人中7位の素晴らしい成績で再選を果たした。

さて、今回の委員会設置を提案した道祖議員は、平成29年9月議会において公共工事の入札に総合評価方式を取り入れるよう求めた人物だ。
翌30年に市は総合評価方式を導入し、その後4年間で坂平氏が株式を保有する企業グループが、市が関連する公共事業のうち約3分の2を受注、それに反発した地場17業者が「総合評価方式は不公平」として廃止を求める請願書を提出した経緯がある。

道祖議員が信念に基づいて提案した総合評価方式によって仲間が潤ったが、これはたまたまで、きっと偶然と思われる。
定数が28から24に減ると、現職の4人が落選する。

複数の地場業者に取材したところ、「それが本当の狙い」という答えが返ってきた。
総合評価方式の撤回に賛同する政敵を落選させるため、市民受けする議員定数削減を掲げているというのだ。

考え過ぎと思うが、そんな見方もあるのかと感心した次第である。

他派閥5年、宏池会だけ3年のなぜ

岸田総理は唐突に宏池会解散を決定し、座長の林芳正官房長官は「すべては政治の信頼回復のため」ともっともらしいコメントを発信、「英断」として評価する論調があるが額面通り受け取る訳にはいかない。

宏池会は、1957年創設以降5人の総理大臣を輩出してきた名門派閥、優柔不断の代名詞である岸田総理が自分の代でその歴史に幕を下ろすことができるはずもなく、何か裏事情があると見て間違いないだろう。


首相官邸ホームページより

特捜部の捜査は、清和会(安倍派)と志帥会(二階派)については2018~2022年の「5年間」を対象とし、清和会は6億7503万円、志帥会は2億6460万円のパーティー収入等を派閥の政治資金収支報告書に不記載だったとして、虚偽記載の罪で両派の会計責任者を在宅起訴した。
一方、宏池会については、2018~2020年までの「3年間」で 3059万円の不記載で元会計責任者を略式起訴としている。

ここで疑問が。
なぜ宏池会だけ3年なのか。

2021~2022年については何ら問題がなかったかもしれない。
だが、逆に捜査の過程で、宏池会、或いは岸田総理自身の2年分の収支の中に重大な法令違反が見つかり、何らかの裏取引があった可能性も。
特捜部から流れる情報だけで世の中が動いており、想像に任せるしかないが。


さて、通常国会が始まった。
バイデン大統領がウクライナ支援の7.5兆円を日本に負担させようとしており、その予算を通すために一番反対しそうな安倍派を潰したと指摘する識者もいる。

内憂外患のこの時期、国会が「政治とカネ」の問題に終始して、真に議論すべきことを見失わないようにして頂きたい。

三セク幹部を背任罪で告発へ

豊前市が出資する第三セクター「豊前開発環境エネルギー㈱」の経営が不透明な状況に陥っている問題で、市は代表取締役社長 及び 取締専務を背任罪で告発する方針を固めた。

弊社記事はこちら → 豊前の超優良企業(2023年7月27日)

同社は平成26年6月、豊前海の水質改善に使用するハイビーズ(石炭灰を再生加工したもの)製造を目的に 民間企業10社と豊前市が出資して設立され、市は480万円を出資、監査役には榎本義憲副市長(当時)が就いていた。

同29年11月から 原料に九州電力の長崎や熊本の石炭火力発電所から排出される石炭灰を船で搬入。
当初は設備投資で赤字スタートだったが、令和3年3月期に初めて黒字を計上、経営的に明るい兆しが見えていた。

ところが、同社は市に毎年詳細な会計報告をしないという不可解なことが続き、黒字転換後の市からの出資金精算の要求にも回答を避けるなど不誠実な対応に終始、市議会からも問題視する声が上がっていた。

そうした中、令和3年12月、県が発行する事業許可証を偽造しバイオマスの焼却灰を取り扱っていたことが発覚、同4年3月には許可取消の処分を受け、向こう5年間は営業ができなくなるという事態に陥った。

その後、市が会計書類や過去の取締役会の議事録等の提出を求めても、何かと理由をつけて応じなかったことから、市議会は 昨年12月、10回目の調査特別委員会を開き、市長に対し「告発すべき」との申し入れを行っていた。
市民への説明責任があるため、市は昨年来弁護士とも方針を協議をしてきたが今年に入り告発することを決めた。

同社の支出先に、元市議会議長が経営する企業に不当に高額な費用が支払われている疑いがある。
今回の告発対象は、代表取締役社長と取締役専務ということだが、副社長(豊前市商工会議所会頭)や監査役(元副市長)も、設立時から不透明な資金の流れがあることを認識していたと見られており、全容が明らかになることが期待されている。

崖っぷち、田村委員長で反転なるか

党勢衰退で崖っぷちに立たされている日本共産党が、15日から党大会を開催している。
最終日には、志位和夫委員長の後任に田村智子政策委員長が就くことが有力視されている。

自民党裏金問題を最初に追求したのが党の機関紙「しんぶん赤旗」だったことで注目された。
国会でも立憲民主党や日本維新の会に「脛に傷」を持つ議員が多く含まれる中、共産党の議員は政府与党のチェック機関としての役割を発揮していると言える。
また、地方議会においても、あまり働かない保守系議員が多い中で日々弱者と向き合っているのは共産の議員たちだ。

「消滅してもらったら困る」ということで、2022年7月の参院選後に書いた弊社記事を再掲したい。
山添拓委員長、田村智子書記局長という提案をしていたが、やはり山添氏では若過ぎるということか。
もちろん、田村氏が委員長になれば、この流れを変えられるかもしれない。

以下 2022年8月5日の弊社記事。




(2022年)8月15日に日本共産党は創立100周年を迎えるそうだが、現在 党存亡の危機に直面していると言っても過言ではない。
昨秋の衆院選で 比例票416万票に終わった後、深い分析をくわえ、参議院選挙で反転攻勢に転じ「比例票 650万票、得票率 10%以上、5議席絶対確保」を目標に闘うも、得票は 361万8千票、得票率 6.82%、改選 5議席から 3議席への後退する惨敗を喫した。

8月2日、参院選の結果を受け、志位委員長が「総括と教訓について報告」として 党員に向けて談話を発表したのだが、筆者の感覚とあまりにもかけ離れていた。

志位委員長の幹部会報告はこちら

票を減らした原因が、二大逆流にあるとし、一つが衆院選において 共産党を含めた野党共闘が批判に晒されたこと、もう一つがロシアのウクライナ侵攻に乗じて共産党が攻撃されたこととしている。
この点については、野党共闘を批判した人たちは そもそも共産党支持者ではないので影響はあまりないと思われ、また、ロシアはプーチンの独裁国家で もはや共産主義国家のイメージはない。
敗戦の責任をかわすための、もっともらしい理由づけをしているだけだ。

一番大きいのは やはり 党員の高齢化による運動力の低下、そして、ネットを活用できず 時代遅れの戦略に固執してきたこと。

そして、来年4月の統一地方選挙で勝利・前進を勝ち取るとして、8月~12月の5ヵ月間を、「党創立100周年記念、統一地方選挙勝利・党勢拡大特別期間」に設定し、新規入党者を毎月1000人以上、赤旗の読者を増やす、市町村市議選の立候補予定者を10月末までに決める、などの素晴らしい目標を掲げている。
まるで、精神論で押し切った旧日本軍の様だ。

・これじゃ誰も着いてこんばい。
・目標が達成できなかったら どげんするとね?
・これ以上酷使されたら死んでしまう
そんな高齢党員の声が聞こえてくるようだ。

そこで、僭越ですが党を再生させるための提案を。

1.志位委員長と小池書記局長には 敗戦の責任を取って 裏方に回る。
2.委員長には 山添拓議員(37)、書記局長には田村智子議員(57)を抜擢。

今回、山添議員は 下馬評を覆し、東京選挙区で3位当選、あの立憲民主党の蓮舫氏や、れいわ新選組の山本太郎氏を上回ったのだ。
山添議員は SNSを使って若者の間で支持が拡大、もの腰も柔らかく 花がある。
田村議員は 質問にも定評がある実力者、党が女性活躍の社会を訴えるなら前面に出すべき。

若い党員を獲得し党を再生させたいと本気で考えるなら、これくらいの荒療治が必要だ。

余計なことですが。



 

簡単な質問への回答拒否

日本郵便 ㈱ が 変だ。
簡単な質問への回答を拒否し、日本郵政グループの行動憲章に反した対応をしている。

一昨年、福岡市内の 大型マンションの敷地内に、郵便ポストが新たに設置された。
最近はSNSの普及により 手紙を送ることが極端に減っている。
「郵便物数の減少に応じて 郵便ポストも減少する中、新設は抑制されているというのに なぜ?」
こうした読者からの問い合わせがあったので調べてみることに。

日本郵便のウェブサイトで確認したところ、「集配業務を受け持つ郵便局長が、市街地については、利用見込戸数が200戸以上で、かつ、隣接ポストとの距離が250メートル以上ならば設置できる」という社内規定があり、新たに設置されたとしても不思議ではない。

福岡市は大型マンションが次々に建設されており、新設を希望するところが増えてくることが想定される。
そこで、ポストを設置した郵便局を訪ね、今後の参考のために、
「どういう経緯でこのマンションの敷地内に郵便ポストが設置されたか」
「文書で依頼があったか、口頭だったか」
「設置費用はどれくらいかかったか」
と 簡単な質問をしたところ、マスコミ対応ということで 熊本市にある 日本郵便㈱九州支社の広報担当を紹介された。

そこから電話があり同じ質問をしたが、1日置いて「取材に応じられない」との回答があった。
日本郵便ともあろう会社の 理由なしの回答拒否には驚いた。

日本郵政グループのウェブサイトには、「行動憲章」が掲載され、「透明性の高い業務運営と公正な開示を通じて、企業としての説明責任を果たします」とある。
また、日本郵政グループの社長は、岩手県知事時代に情報公開を積極的に進めた増田達也氏、社長が知ったらどう思うだろう。

簡単な質問への回答拒否、裏には何かあると勘ぐりたくなる。

比例復活を巡る 身内の戦い

昨年4月の統一地方選で地方議員数を大幅に増やした日本維新の会、「身を切る改革」を掲げながら大阪万博の経費増大が響き、ひと頃の勢いを失いつつある。
とは言っても、それ以上に自民党が政治とカネをめぐる問題で打撃を受けており、次期衆院選で保守や中道の支持層の受皿として議席増が見込まれる。

前回、令和3年10月の衆院選では、九州内で福岡県から4名、宮崎県と沖縄県から各1名の計6名が立候補、選挙区では全敗するも比例で2枠を獲得し、その結果福岡4区の阿部弘樹氏が 惜敗率38.5%、同1区の山本剛正氏が 37.8%で、いずれも福岡県の2人が復活当選を果たした。

次期衆院選では立候補予定者が倍増、選挙区で勝てるかは微妙だが、比例区で3~4枠を獲得、比例復活ラインは惜敗率50%を超えると予想される。

福岡県内では、全11区のうち現職がいる1・4区の他、2・3・5・6・11区で新人の立候補予定者が決定、どの候補にもにチャンスがあると思われる。
福岡以外では、大分を除く各県に候補を擁立予定、熊本4区の元衆院議員の矢上雅義氏(63)、沖縄2区の現県議会議長の赤嶺昇氏(56)も相応の支持を集めそうだ。
また、沖縄1区には現時点で候補者はいないが、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(62)の維新の除名処分が撤回されており、直前に公認される可能性もあり注目されている。

いずれにしても、 比例復活をかけ 維新の候補同士で激しい戦いとなるだろう。

飯塚市有地開発を受注したのは?

飯塚市の中学校跡地の開発を、プロポーザル方式で 現職市議会議員個人が受注するという珍事があった。
「市有地の開発を市議が受注」というだけで政治倫理上おかしな話だが、これがまかり通っているのが飯塚市だ。

市議会議員というのが 昨年何度となく話題となった 副議長経験者なので 興味をそそられる。
今回はその関連で、同時期に別の市有地の開発を受注した業者について調べていたところ、市議会から公共事業の受注者に相応しいか質問が出ていたので触れておきたい。

飯塚市は、令和元年度に用途廃止した旧立岩交流センターの民間事業者への売却を決め、昨夏「まちづくりに資する土地活用」を含めたプロポーザル方式で事業者を公募した。
建設費高騰で採算が合わないと 地元不動産業者が敬遠する中、手を挙げたのが C社という 福岡市中央区に本社を置く不動産会社1社のみ、その後 市の選定委員会を経て その1社に決定したことが今年の8月に公表された。
飯塚市の公表結果はこちら
だが直後から、会社のホームページもなく 業界でもあまり聞かれない社名だったため、心配する声が上がるようになった。

同社プロポーザルの内容は、現建物を解体後 14階建のマンションを建設し、1階にコーヒーショップ及び多目的広場を設置、2~14階に 52戸を分譲するというもの。
問題は実現できるかだが、同社は現社長が同業者から事業を引き継ぎ10年と業歴も浅い上、年商1~2億円台で推移、長短借入金が 年商の倍近い約3億5000万円と窮屈感が窺える財務内容である。

同規模のマンション建設には 10億円超の資金が必要で、単独では金融機関から調達ができないと思われる。
また、過去にマンションを建設して販売した実績がないことも判明、不安材料が増えることとなった。
昨年10月に同社を訪ねた際は、対応した社員に「この件は社長の専権事項で詳細は知らない」という理由で断られてしまった。

その後、社長に面談が叶い、間もなく80歳(当時)、営業意欲が旺盛な方ということは確認できた。
また、資金計画についても言及があり、JV(共同企業体)を選定中という話も聞かれた。

市議会からは 市の業者選定のあり方に問題があるのではと指摘する声も上がっているが、契約が締結されているので 決定した以上は覆すことができない。
今のところは、同社に JVパートナーが見つかるかも含め、計画を実行できるのか見守っていくしかない状況となっている。

今年の十大ニュース

今年もあと残すところあと3日となりました。
県内各地から数多くの話題を提供頂きました。
感謝の意を込め、弊社が選ぶ十大ニュースを発表します。




10位 春日市長、資産報告に虚偽記載の疑い

7期目の選挙も楽勝だった春日市の井上澄和市長、情報開示を拒む姿勢は大任町並みと指摘する声も。
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9位 我がことだけ、なりふり構わない 稲富修二代議士

4月の統一地方選、立憲の稲富代議士は 他党の県議と2連ポスターを作ったかと思えば立憲のN市議の支援は一切せず、理解に苦しむ行動が目立つ。
いったい何がしたいのか。
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守谷県議は国民民主党幹事長代行(当時)、現在は常任幹事

 

8位 ワクチン接種後の副反応被害が表面化

今年も新型コロナウイルスワクチン副反応被害に関連する記事を書いた。
来年も マスコミが報じない影の部分にスポットを当てていきたい。
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7位 立憲県連顧問の吉村氏、政党支部の残金900万円を自身の政治団体へ

「政治とカネ」の問題を追求するはずの立憲民主党、その県連顧問がこれでは まともな追求ができるはずがない。
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6位 飯塚市の坂平副議長、百条委員会を振り切る

「今すべき事を、今行います。」と当たり前のことを公約に掲げたにも拘わらず、再選を果たした飯塚市の坂平市議、来年は 素晴らしいゴミ焼却施設建設のオピニオンリーダーとして期待が集まっている。
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5位 田川地区、介護と政治の深い闇

田川地区の介護保険料が高いのはなぜか。
政治家が介護事業に関わっていることとの関係を検証した。
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4位 現職の二場公人氏を破り 村上卓哉市議が新市長に

今年の統一地方選も各地でメイクドラマがあった。
中でも特筆すべきは田川市長選挙だろう。
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3位 佐々木県議会副議長、説明責任果たさず

田川市には清潔な県議会議員が必要です。
政務活動費の支出の仕方や、親戚の県道取得への担保提供、報道を無視し続ける不誠実な態度は、政治の不信と疑念を増幅させています。
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2位 進む 利権絡みの国道3号広川~八女バイパス建設

国道3号、八女市と広川町の住民が 渋滞解消を望んでいるのは 広川から久留米に向かう箇所だが、広川~八女に600億円の利権バイパスが実現しようとしている。
福岡県民の負担は200億円、その分他の道路の整備が遅れる。
誰も止めようとしないのはなぜ?
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1位 町村会会長選挙で大どんでん返し、永原町長敗れる

田川市長選で永原氏の義弟、二場公人氏が敗れたのに続き、福岡県町村会会長選挙で永原町長がまさかの敗戦、流れが変わったと実感した瞬間だった。
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以上ですが、こうして振り返ると やはり筑豊の話題が多いことに気づかされます。
来年も良い世の中になるよう情報発信に努めて参ります。
それでは、良いお年お迎えください。

博多駅にワンヘルス啓発自動販売機

福岡県は人獣共通感染症や薬剤耐性菌など、様々な分野にまたがる問題に対応するため、「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を1つの健康として 一体的に守っていく「ワンヘルス」の取り組みを推進している。

動物由来とされる新型コロナウイルス感染症が猛威を振るったことで、感染症対策の重要性があらためて見直され、福岡県の多岐にわたる取り組みは 内閣からも高い評価を得ている。

昨年10月には、ワンヘルスの理解促進を目的に一般社団法人ワンヘルスライフ協会(理事長 永江靜加氏)が設立された。
そして、その趣旨に賛同したコカ・コーラボトラーズジャパン㈱の協力の下、キャッチフレーズやロゴがデザインされた「ワンヘルス活動応援自動販売機」の設置を進めており、このたびJR博多駅博多口に設置されることとなった。

27日の除幕式には、全国初となる「ワンヘルス推進基本条例」を制定した服部誠太郎福岡県知事も参加し、本取り組みへの期待の言葉を述べた。
ワンヘルスライフ協会は、今後も自動販売機を県内各地への設置を進め、ワンヘルス の普及啓発を行っていくとしている。


左より、鐘ヶ江理恵 博多駅長 、古宮洋二 JR九州代表取締役社長、藏内勇夫 アジア獣医師会連合会長、服部誠太郎 福岡県知事、香原勝司 福岡県議会議長、池田和隆 コカ・コーラボトラーズジャパン ベンディングエリア営業本部長、永江靜加 ワンヘルスライフ協会理事長

大任町の建設発生土、虚偽報告と新たな疑惑

今年1月、福岡県民新聞では 大任町(永原譲二町長)のゴミ焼却場等建設で発生した土砂が 添田町の処分場(管理者 永原譲太郎氏)に、県に報告した以上の量を搬入している疑いがあると報じた。
昨年、大任町の住民が、町の工事の建設発生土が分かる資料の情報公開を求めたところ、開示を拒否され疑念が深まったという内容だった。

ところが3月になって、永原町長が情報公開を進める方針を発表、改めて情報公開を求めたところ、平成30年度~令和3年度までの建設発生土の資料が開示されることになった。

関係者がその資料を精査、その結果、永原譲太郎氏が福岡県に提出していた「土砂埋立て等報告書」に虚偽記載があることが判明した。
今回は、その顛末と新たな疑惑について報じるが、その前に 1月の記事を下記に再掲するのでご一読願いたい。

以下 今年1月の記事。




昨年8月に「大任町から出た違反盛土の全容」という記事を書いた。
大任町の隣、添田町の土砂処分場に計画を6mも上回る高さに積み上げられた盛土が下流域の住民を脅かしているという内容で、週刊Fridayも報じたほどである。

Friday記事は → こちら



大任町では衛生処理関連の大型施設や関連する道路整備工事が集中して行なわれ大量の建設発生土が出て、それを永原譲太郎氏が許可を受けた添田町の処分場に搬入していたと思われる。



その後、県が永原氏に土砂の撤去命令を出し、状況が改善されたというところまで報じたところである。

しかし、これで終わらせていいものだろうか。
大任町発注工事の建設発生土の全てが永原町長の家族の土地に捨てられたとなれば、かなりの利益を得ていることが考えられ、政治倫理上の問題が出てくる。
昨年9月7日、大任町の住民が勇気を出して、「平成31年以降の町発注工事の建設発生土の処分場所、量(㎡)、期間が分かる書類」の情報開示請求を行った。

本来2週間で出てくるはずだが2週間延期、いろいろと理由をつけて再提出、そして期限延長を経て、12月28日になってようやく通知が送られてきたという。

2ヵ月半経って出てきたと思ったら不開示決定、理由は例によって「公にすることにより、人の生命、健康、生活、財産、又は社会的地位の保護、犯罪の予防…云々」、つまり、出すことで反社からの被害を未然に防ぐというお決まりの言い訳である。

請求内容をご覧頂くと分かる通り、「業者名不要」と書いてあり、誰が捨てたかは問われておらず、業者が反社に狙われるということは有り得ない。
いつ どこに どれだけの量を捨てたかが知りたいだけだ。

これでは、永原町長が発注した建設工事の発生土の全てが子どもの処分場に捨てられ、家族でぼろ儲けしていると思われても仕方がない。



建設発生土の受け入れをしている事業者は、半年に1回、搬入量・搬入割合・今後の搬入可能量の書類を提出することが県条例で義務付けられている。
当然、添田町の処分場で受け入れている永原譲太郎氏も提出していたので、平成24年以降の報告書を情報開示請求で取り寄せた。

それをまとめたのが下記の表である。
令和3年10月18日の報告では、2851㎥搬入して 搬入割合が 99.64%とほぼ限界に達していたが、同4年4月18日の報告の際、これまで搬入した土砂量に 締固め率 0.85を乗じた数値に変更し、搬入割合が 91.51%に減少している。
「これまでは土砂搬出したときの量で計算していたが、搬入後踏み固めているので実際の体積は0.85倍である」というのが業者の言い分で、県もそれを認めており それについて異論はない。



しかし、これまでの報告書の数値に虚偽の疑いがあると関係者は指摘する。
というのも、平成29年10月23日に汚泥再生センターの契約議案が可決して以降、建設現場の造成工事や付帯する道路工事が一気に行われ 大量の土砂が出て、同処分場に搬入されているはずだが、その後の土砂の搬入量が極端に少なくなっているからだ。
また、令和2年11月16日に最終処分場、同3年3月17日にごみ処理施設の契約議案が可決しており、その後も大量の土砂が搬出されていると思われる。



まさに急激に土砂が積み上がり、添田町民を不安に陥れた時期と重なる。
20日の記事で紹介した情報開示請求「平成31年以降の町発注工事の建設発生土の処分場所、量(㎡)、期間が分かる書類」というのは、報告書に記載した「期間中の搬入量」が正しいかどうかを確認するためのものだった。
その書類を開示しないというのだからますます怪しい。

虚偽報告は条例違反となり罰則が定められており、政治倫理上の問題に止まらない。
疑いを払拭するには永原町長が情報を開示をすればいいだけ、簡単なことだ。






以上が過去記事で、ここからが今回の内容となる。

大任町(永原譲二町長)が公開した「建設発生土処分地報告書」には、報告した建設会社名、事業名、工事名、現場の箇所、工期、そして、建設発生土量と運搬距離が記されている。
「上記建設発生土を引き受けました。」と受入地確認をしているのは、有限会社譲(代表者 宮田芳光氏)、株主は同処分地の管理者である永原譲太郎氏だ。

公開された資料(下図)を元に、関係者が平成30年4月19日から令和3年10月18日までの建設発生土処分地報告書 128枚を集計したところ、管理者の永原氏が県に報告していた量と大きな乖離があることが判った。





永原氏 が県に報告していた、平成31年4月18日から 令和3年10月18日までの搬入量合計は 3万8958㎥、ところが ㈲ 譲が 同処分場に受け入れていた建設発生土の合計は 25万6540㎥、なんと約 6.5倍も 多かった。
つまり、譲の報告通りなら 永原氏が県に虚偽の報告をしていたことになる。
県条例では、虚偽の報告をした者には 20万円以下の罰金刑が科せられると規定されており、県は事態を重く見て永原氏へのヒアリングなど調査を行ったという。



その結果、県は悪質ではないと判断した模様で、永原氏は「顛末書(下図)」を提出することにより不問に付されている。
情報公開で入手した顛末書の写しでは、永原氏が搬出した合計量が黒塗りで確認できないが、「報告書には (搬出して)再利用した量が含まれていなかった。虚偽の報告を行う意図はなかった」と弁明、県は「刑事告発するレベルではない」と判断したもようだ。

ただ、永原氏が同一の処分場において、2年連続で顛末書を提出(1回目は 許可されていない場所に土砂を捨てたり 計画高を6mも超過、2回目は虚偽の報告)という杜撰な管理を行っているのは事実である。

そして、何より 政治倫理上の問題がある。
田川郡東部環境衛生施設組合(永原譲二組合長)が、大任町(永原譲二町長)を経由して発注した公共工事で出た建設発生土が、永原譲二氏のファミリーが管理する処分場に搬入され、この4年間で最低でも3億円以上の収入を得ていると見られている。

福岡地区であれば、こうしたあからさまなスキームは有り得ない。
公共工事でファミリーが大儲け、これを知りながら指摘もしない田川郡東部環境衛生施設組合議会の議員の皆さん、大丈夫ですか?



土砂処分場の管理者である永原譲太郎氏が、県に提出していた「土砂埋め立て等状況報告書」の虚偽記載疑惑は、同氏の顛末書提出で解消された。
しかし、地元では 新たな疑惑が生じている。

それは、大任町が発注している田川郡東部環境衛生施設組合関連施設の土木工事の建設費が、過大に見積もられているというものだ。
大任町が公開した「建設発生土処分地報告書」には、建設発生土量と共に運搬距離が記されているが、注目はその運搬距離だ。

ゴミ焼却施設の造成工事が行われている場所から 添田町の土砂処分場までは 片道約11km、どんなに遠回りしても15km圏内である。
ところが、汚泥再生処理センター外構整備工事、ゴミ処理施設造成工事、東部縦幹2号線道路新設工事の多くが、なぜか22.5kmと同一距離で報告されていた。



そのうち、東部縦幹2号線道路新設工事だけを抽出したのが下図である。
令和元年2工区から始まり令和2年34工区まであるが、運搬距離が 6.0kmから 22.5kmとかなり異なっている。
町の担当者は、「地元から苦情が出たので、令和2年6月以降、遠回りするルートに変えた結果 22.5kmになった」と説明した。

しかし、令和3年2月からは 10.0kmと距離が短くなっている。
その点について尋ねたところ、 「自分は設計していないので分からない」と回答、「忙しいので」と電話を切られ その後も折り返しはなかった。
設計・積算を行ったのは設計会社かもしれないが、それを認めたのは町であり、分からないではすまない。
疑問は膨らむばかりだ。

関係者は次のように話す。
距離が伸びれば 土砂の処分費用が積み上げり、工事費も上がる。
町が設計業者と組んで、工事費の上積みに関与した可能性もゼロではない。
距離をごまかしたとなれば、発生土量についても 多めに見積もっているかもしれない。
発生土量が増えると、建設業者と土砂処分場の両者は その分 利益が増え、Win Winである。

現時点では疑惑の域は出ないが、これが事実なら不利益を被るのは、発注者である田川郡東部環境衛生施設組合、ひいては田川地区の住民だ。
今後、組合や関係市町村においては、組合が支払う工事の各工区ごとの設計・積算の根拠書類、各工区を担当した設計会社の選定方法など、大任町に情報を公開させ説明を求める必要があるだろう。



ー 了 ー

国は自分の首を絞めることに?

最近、猿が出没することで知られる那珂川市であるが、市道で起きた怪我の損害賠償裁判が注目を集めている。
記録によると、令和2年8月の朝、国土交通省勤務の50代男性がランニング中、那珂川市が管理する歩道に生えたコケで滑って転倒し、坂道で5m程滑り落ちたとされる。

男性は右背中を打ち通院を繰り返し、同3年3月には右第3~10肋骨の骨折と胸椎部の障害が認められると診断された。
その後男性は市道の管理に瑕疵があったとして福岡地裁に提訴、男性の損害賠償請求額は約1652万円、うち治療費は3万6860円に過ぎなかったが、傷害慰謝料約287万円、後遺障害逸失利益約1070万円、後遺障害慰謝料290万円が請求の大部分を占めていた。

裁判では事故発生時刻や打撲の箇所に変遷があったと記載があるなど、男性の主張に不確かな点もあり争点となったが、10月19日の判決では、後遺障害逸失利益を177万円、後遺障害慰謝料を110万円と大幅に減額したものの、その他の請求は大筋で認め、市側に過失割合が 6割あるとして約280万円の支払いを命じた。



那珂川市は11月2日、判決を不服として福岡高裁に控訴している。
管理責任はもちろんあるが、山間部の市道全てに苔が生えているかどうか把握するのは現実不可能で 全国の地方自治体にとっても共通の問題だ。

男性は国交省の職員とあって役所の攻め方を熟知していたと思われるが、事故後の那珂川市の対応に落ち度があり 男性を怒らせた可能性もある。
損害賠償請求額には、傷害慰謝料、後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料という名目で計約1484万円が含まれていた。
1審の判決では 計約407万円まで大幅に減額されたが、2審では それらの内容や額、6割という過失割合の妥当性についても争われることになりそうだ。

このまま確定すれば、将来 「国」が管理する道路において類似の訴訟があった場合の判例として、自分の首を絞めることになりかねない。
また、自治体が賭けている保険料にも影響が及び、我々納税者にも関係してくる話である。

男性は順調に怪我から回復し、昨年と今年のハーフマラソン大会において素晴らしいタイムでフィニッシュという嬉しい話もある。
ひと頃のマラソンブームは落ち着いてきた様だが、公道を走る際は怪我のないようランニングを楽しんで頂きたい。

自民党批判、稲富氏にブーメラン

12日の衆院本会議に、松野博一官房長官の不信任決議案が提出されたが、賛成少数で否決された。
立憲民主党が松野官房長官の辞任を求めるのは最大野党として当然であるが、趣旨説明の登壇者の人選を間違ったようだ。

登壇したのは福岡2区の稲富修二議員、自民党の政治資金パーティの問題、裏金づくりを
疑惑の域を超えて、疑獄といわれるほど、近年まれにみる異常事態
政治に対する国民の信頼は、地に堕ちた
と痛烈に批判、更に
自民党政権のもとで真相解明が進むのか甚だ疑問
自民党政権の自浄作用にはとても期待できない
と畳み掛けた。

堂々とした趣旨説明だったが、一方で稲富氏を知る関係者から批判の声が上がっている。
というのも、令和2年9月の国民民主党解党時、残った1億円以上の資金を将来にわたり身内に還流させるための政治団体が新たに設立され、同3年10月の衆院選前に 500万円を受け取っているからだ。

この件については 後日報じるが、税金が原資の政党助成金の還流である。
パーティ券のキックバックを誤魔化して脱税した自民党議員も悪いが、国民の血税をマネーロンダリングして懐に入れている点ではもっと悪質だ。
立憲には「政治とカネ」の問題は厳しく追及してほしいが、ブーメランが返ってこない議員を選ぶ必要があるだろう。

城南区のサーベイミュージアム(測量資料館)

福岡市城南区に 様々な測量資料を集めたサーベイミュージアムがある。
国道202号沿い、中村学園大学の向かいにある 株式会社カクマルの1階フロアには、同社会長の曾根田馨氏が 長年にわたって収集した国内外の測量関係資料が展示されている。

江戸時代に活躍した伊能忠敬による「大日本沿海興地地図」を2メートル四方に再現したレプリカ、天体高度を測定する「象限儀(しょうげんき)」、方向角度を測定する「方向盤(わんからしん)」等の測量器、そのほか 17~18世紀を中心とする海外の測量機器等、めったに見られない貴重な資料だ。



サーベイミュージアムは、地域の方々に少しでも「測量」について知ってもらいたいという 曾根田氏の想いで平成18年に開館、以来 地元の学生や年配の方、マニアの方が 時には遠方から訪れているという。



カクマルは、測量資材の製造販売会社、全国の行政機関を主に営業を展開している。
ミュージアムには境界標のガチャ(500円)もある。
見学は無料、お近くをお通りの際はお気軽にお立ち寄りくださいとのことです。

福岡市城南区別府3丁目17-17
(カクマル本社1F)
TEL: 092-851-5656
開館時間:月曜日~金曜日(休館:土日祝日)
AM10:00~PM4:00
入場無料・予約不要

カクマル公式サイトはこちら

立憲「政治とカネ」追求、問われる本気度

立憲民主党の城井崇議員や稲富修二議員は、12月8日の衆議院予算委員会を どういう思いで聞いていただろう?
質問に立った元代表の枝野幸男議員の追求は迫力があった。

安倍元首相が亡くなった昨年7月8日付で、「自由民主党山口県第4選挙区支部」と安倍氏の資金管理団体「晋和会」の代表者が妻の昭恵さんに代わり、7月から12月までの間に約1億3000万円が 第4選挙区支部から晋和会に寄付として移されていた。

枝野氏は、同選挙区支部には県議市議が多数いるにも拘わらず、安倍氏が亡くなったその日に政治家でもない私人の昭恵さんが支部長に就いた点、昭恵さんが代表を務める第4選挙区支部から同じく昭恵さんが代表を務める晋和会に資金移動がされた点について、公党の体を成していないと断じた。

支部の資金には ①政党助成金や②支援者からの寄附金の他に、③安倍氏個人の寄附金、④安倍氏の政治資金パーティーで集めた金が含まれているので、一部を 安倍氏の資金管理団体に戻すというのも分からないではないが、問題は支部内で民主的な手続きを踏んだ上で 昭恵さんが代表になり、資金移動が行われたかだろう。


枝野氏の追及はさすがだが、立憲福岡県連顧問の吉村敏男氏が行った資金移動はご存知だろうか?
全く同じ構図であり、枝野氏が事前に知っていたら この日の質問はできなかったかもしれない。

吉村氏は平成31年4月、県議に落選し他の地方議員がいたにも拘わらず旧国民民主党福岡県第8区支部の代表に居座り、令和2年9月の同党解党に伴い、支部解散の直前に自身の後援会に約900万円を移動させた。
吉村氏の場合、支部の資金は 個人の寄付やパーティ収入ではなく ほぼ全額が政党助成金が原資なので 質が悪い。

折しも立憲福岡県連は、昨年市長選に出た田中慎介福岡市議の資金管理団体が、寄付金など収入約336万円を政治資金収支報告書に記載していなかったという理由で、田中市議を無期限の役職停止処分とすることを決めたばかり、「政治とカネ」の問題には厳しく対処する点をアピールした。

枝野氏が 衆議院予算委員会で 山口県「自由民主党第4選挙区支部」の資金移動がおかしいと指摘しているのに、城井氏や稲富氏が吉村氏の資金移動を不問にできるだろうか。
立憲民主党福岡県連が本気で「政治とカネ」の問題に取り組む気があるのか 地元マスコミも注目している。


立憲民主党福岡県連ホームページより

復興支援に6600億円、日本はアメリカのATM

既にレームダック化している岸田総理大臣であるが、12月6日のG7(主要7カ国)首脳とのテレビ会議で、ウクライナの復旧・復興支援ほか世界銀行融資への信用補完を合わせて45億ドル(約6600億円)規模の支援を行う とんでもない表明をした。

我が国の報道では、戦争が終わる兆しは微塵も感じられないが、なぜ復旧・復興という言葉が出て来るのか。
この他にも、2024年2月19日には「日本・ウクライナ経済復興推進会議」が東京で開催されることが決まっている。

戦争の真っ只中、勝つか負けるかの戦いをしている国が、3ヵ月後に復興会議を予定に入れることが信じられない。
この状況を「来年早々に戦争終結は既定路線、アメリカは財政的余裕がないので 日本に復興支援の金を強要している」と見る識者の声もある。

岸田総理は、先の中東訪問で、エジプトに約2.3億ドル(約338億円)、ヨルダンに約1億ドル(約146億円)の財政支援を実施すると表明したばかりだ。
外交戦略の一つとして、グローバルサウスへのインフラ整備を進めることで 将来我が国に有益になるということなら まだ理解できるが、アメリカがロシアを追い詰めて始まったウクライナ戦争で、桁違いの45億ドル(約6600億円)の復興支援をするのはなぜ?

米国債を買い支え続けている我が国は「アメリカのATM」と揶揄されてきたが、この6600億円もその延長と言える。
岸田総理は、ウクライナ復興支援が国益に叶うというのなら その金額の根拠を示す必要がある。
示すことができないなら さっさと辞めて頂いた方が国民のためだ。


内閣広報室より

 

新人県議、存在感を見せて!

明日からの予算委員会で野党は 派閥のパーティー券問題を徹底追及をする構えだが、共産党やれいわ新選組は別にして、立憲民主党が追求することができるのか。
自民党5派閥が政治資金パーティーの収入を過少記載した問題を 国会で批判してきた安住国対委員長も、30万円が不記載だったことが判明し、 訂正した上で陳謝している。
不記載による「裏金」が疑われているのだから 訂正すればいいという問題ではない。

ところで、「政治とカネ」の問題は、弊社も報じてきた通り 福岡県議会にもある。
法の網をすり抜けたコンプライアンス上の問題が放置されている。

県議が県道用地取得に担保提供(2023年11月21日)

事実確認をして、再発防止に向けて政務活動費の使途基準や倫理条例の制定などに動くことが必要だと思われるが、現在時点で県議会会派は動く気配がない。
今年4月の改選で、共産党が議席を失い そういった動きをする会派がなくなったということだろうか。

日本維新の会は新人3人が当選したが、「この半年間、できもしない提案をするだけ」「既成政党に物申せず、存在感なし」など期待外れの声が 関係者から上がり始めた。
「身を切る改革」を掲げる維新の皆さん、政治とカネの問題の追及、怖いもの知らずの新人だからこそできることがある。


県議会ホームページより

こういうのを嘘つきと呼ぶ

自民党の支持率が下がり 維新も大阪万博の無駄遣い問題で失速、存在感を増す千載一遇のチャンスなのだが、立憲民主党に失望する声が上がっている。

立憲の岡田克也幹事長が、11月26日のNHK「日曜討論」で「物価高対策として消費税の減税というのは考えられない」と発言、その後 28日の定例記者会見で、発言の趣旨を、「今回の物価対策として消費税の減税は考えられない」「法改正等を要するため短期的な経済対策としてなじまない」と釈明した。

「今回は時間がかかるので考えない」と受け止めるが、昨年7月の参議院選挙における立憲の公約には、「消費税を時限的に5%減税」と明記していた。
選挙後もあらゆる生活用品の価格が上がり、大多数の国民の可処分所得は下がっている。

「公約の実行、いつやるの?」「今でしょ」という声が聞こえてきそうだが、立憲が 消費税減税をやる気がないことが明らかになっている。
というのも、泉健太代表が 11月11日、次期衆院選公約の原案となる経済政策「人からはじまる経済再生」を発表しているが、そこで「消費税を時限的に5%減税」は削除されているからだ。

結局 消費税減税はやらないということらしい。

これについて、泉代表は、「今は需給ギャップが大きいとかコロナで消費が痛んでいるという環境にないので、消費税5%減税という局面ではない。撤回した訳ではないが、今それを訴える状況にはない」と説明している。

こういうのを 嘘つきと呼ぶ。
堂々と公約破りをするようでは立憲への支持は広がらないだろう。


立憲民主党ホームページより

年内退陣で茂木総理誕生?

永田町界隈では「岸田は既に詰んでいる」として、年内か、遅くとも来年4月までに退陣という話が出ている。
問題は次の総理、麻生副総裁が推す茂木幹事長は「次はオレの番」と笑いをこらえ切れないご様子。
一方で 菅氏と二階氏は河野氏推しで 既に 水面下で綱引きが始まっているとか。

こうした中、自民党を揺るがす派閥の政治資金パーティーの収支をめぐる問題が浮上、安倍派と二階派が標的になっているが、この時期になぜという疑問がわく。
ポスト岸田選びにおいて、結束力に陰りはあるが 何と言っても最大派閥、安倍派の支持があってほぼ決まる。

今回立件も視野に特捜が動いているとの報道もあり安倍派の政治家は気が気でなかろうが、安倍派が ポスト岸田を茂木氏で同意すれば捜査は終わるという声もある。
無論 そうなれば誰が特捜を動かしているのかがはっきりするが。

ところで、2日には福岡市内のホテルで、高市早苗経済安全保障担当大臣の講演会が開催され、1000人以上が集まり人気の高さを印象づけた。
閣僚として 経済安全保障の話に終始したが、周囲からは次の総理を期待する声が聞かれた。

岩盤保守層の支持を取り戻すなら高市氏が 党の顔に相応しいが、仮に今回岸田総理が退陣して首班指名がある場合は 党員投票はなく、永田町だけで決まるので高市氏は分が悪いだろう。

年末に向けて 岸田総理退陣があるのか、茂木総理が誕生するのか、政局から目が離せなくなってきた。

国民の金はわしのもの

福岡県選挙管理委員会が29日、政治団体の収支報告書を公開した。
国会では 自民党派閥の裏金疑惑などが問題視されているが、これから話す 県内の某政治家のケースも かなり悪質と言えるかもしれない。
法をすり抜ける上手さはどこかの副議長と同じだが、こんなことが許されるていいものか、特に この政治家に関わりのある方にはよく考えて頂きたい。

登場するのは 元県議会議員の吉村敏男氏、立憲民主党福岡県連の顧問を務め 佐々木允県議を副議長に押し上げた立役者、また「九州の自立を考える会」の副会長を務める人物だ。
吉村氏は平成31年4月の県議選で落選後、今年の統一地方選にも出馬はしなかったが、現在も自身が代表を務める後援会を維持し、公式ホームページも存在するので まだ政治家と言ってよいだろう。

→ 元福岡県議会議員 吉村敏男 ホームページ

下図は 令和4年分の吉村敏男後援会の収支報告書であるが、前年からの繰越額 832万3612円という額に注目してほしい。
国会議員でも 現職の県議でもないのに、これだけの額を後援会にプールしていることに驚きだ。

あまり知られていないが、政治団体を解散した場合、そこにある残金の報告義務はあるが その行き先について追跡する法的な規定はなく、大抵の場合、政治家個人の懐に入る いわゆる臨時収入になる。
後援会の資金は 政治家本人が寄附として入金することが多いので、解散時に本人に戻るという流れに、そこまで目くじらを立てることもないという考え方もある。

だが、吉村氏の場合、その金額の大きさ、入手した経緯が 看過できるレベルではないのだ。
令和4年分で 次年度繰越金として 772万9002円を計上、仮に 後援会を解散した場合、吉村氏の懐に入ることになる。

解散時の残金の行き先を届け出る仕組みになっていないのは 法の盲点と言える。
税務署が把握しなければ 税金もかからない。
与野党含め 国会議員はそのことを じゅうぶん承知しているが、故意に放置しているという指摘もある。
知り合いの国会議員に尋ねてみたらいかがだろう。






平成24年に民主党が下野して以来、「民進党」になったり「維新の党」やら「希望の党」が出てきて、今振り返っても理解することは容易ではない。
ここでは、どうやって吉村氏が後援会にこのような大金をプールしたかについて説明するが、ひとつ言えるのは 政党の離合集散のどさくさで、偶然 大金がそこに出現し、それを動かせる立場にあったということである。

平成29年10月の衆院選直前、福岡県では 当時「民進党」の現職衆院議員の城井崇氏と稲富修二氏、浪人中だった緒方林太郎氏らが離党して「希望の党」入り、一方で「希望の党」から排除された山内康一氏は枝野幸男氏が立ち上げた「(旧)立憲民主党」に参加、その後、参議院議員の野田国義氏も「(旧)立憲民主党」に合流した。
その結果、「民進党(同30年6月に(旧)国民民主党に名称変更)」福岡県連にとどまった国会議員は 参院議員の古賀之士氏だけになり、本来国政選挙に使うはずだった 潤沢な資金(約2億円)が残されたという経緯がある。

当時の「(旧)国民民主党」県連会長は吉村氏、その資金を仲間で合法的に山分けすることを決め、他の国会議員・地方議員らも損をする話でもなかったので その決定に従っている。
資金の流れを見て行くと、旧国民民主系の国会議員(城井氏、稲富氏、古賀氏)はじめ 地方議員に幻滅してしまうほど低レベルな内容である。
今回はそこには触れないが、中心人物の吉村氏が行った資金移動について、明らかにしておきたい。

前述の様に 同31年4月の県議選で吉村氏は落選、県議という身分を失ったが「(旧)国民民主党」 第8区総支部(直方市、飯塚市、嘉麻市、中間市、宮若市、遠賀郡、鞍手郡、嘉穂郡)の総支部長を辞任せず 居座り続けていた。

令和2年8月19日、「(旧)国民民主党」の党本部は、解党し「(旧)立憲民主党」と合流して 新党結成を決めた。
それに応じ、同年9月末までに「(旧)国民民主党県連」はじめ 各衆院選挙区の政党支部も、政治団体の解散届を提出している。

下の図は、県が公表している「(旧)国民民主党」第8区総支部が 同年9月28日に解散届と同時に提出した収支報告書である。
収入と支出の金額が1034万9775円なので 総支部の残高は0円だが、寄附・交付金として 912万2812円を支出していることが分かる。

いったいどこに寄附したのか。
もうお察しの通り、寄附の相手先は 吉村敏男後援会だった。

福岡県公報 令和3年3月26日
第186号増刊1 [PDFファイル/2.17MB] 13頁






令和2年8月31日付で、「(旧)国民民主党第8区総支部(飯塚市若菜52-1)」から「吉村敏男後援会(飯塚市若菜52-1)」に 912万2812円の資金が移った。
同住所の建物内で右から左への資金移動、名目は 政党支部から後援会への寄附である。
寄附とは、一般的に「公共の利益のために自身の金品を差し出すこと」を指すが、私たちの知らない もっと幅広の解釈があるようだ。

吉村氏は(旧)国民民主党第8区総支部で 自身が代表 兼 会計責任者を務めていた。
自民党の国会議員のように多額のパーティー券収入がある場合は別だが、野党議員の場合、後援会活動の収入の殆どは 自己資金か政党からの寄附金で、政党からの寄附金は「政党助成金」が 元になっている。
つまり、国民の税金が原資である。


令和2年分政治資金収支報告書
福岡県公報 令和3年11月30日
第254号増刊1 [PDFファイル/1.13MB] 112頁

 自身の後援会に 912万2812円を資金異動させた翌年、令和3年分の収支報告書では、収入は前年繰越額の 857万3050円のみ、自己資金や政党からの収入はなしで、事務所費として 24万9438円を支出し 前年入金した資金から支出している。

令和3年分政治資金収支報告書
福岡県公報 令和4年11月29日
第353号増刊1 [PDFファイル/1.01MB] 104頁

同じく令和4年分の収支報告書()では、収入は前年繰越額の 832万3612円のみ、自己資金や政党からの資金移動はなしで、事務所費として 59万4610円を支出している。
翌年への繰越金は772万9002円、(旧)国民民主党から入手した金を自身の後援会の事務所経費として使い続けている。

「国民の金はわしのもの」というタイトルは、(旧)国民民主党の資金を 我が物として使っているという意味ではなく、原資が国民の税金、政党交付金を我が物にしていることを指している。

そもそも、政党が政党交付金として国からもらった資金は、その政党の政治活動に使われなければならない。
党が解散して他党に合流する決定をしたのであれば、党に残った資金は 国庫に返納するか、合流する党に移動させるのが筋だろう。

ところが、(旧)国民民主党の県連会長の吉村敏男氏は、令和2年の解散時に残った資金を国庫に返納せず、立憲民主党に持ち込むこともせず、そこにいる 国会議員(城井崇氏、稲富修二氏、古賀之士氏)と地方議員で山分けする方針を決めた。(これについては別途報じる。)
そして、自らが代表と会計責任者を務める(旧)国民民主党第8区総支部に残った資金 912万2812円を自身の後援会に移し、使い込んでいる状況だ。

この厚かましさはとても真似できるものではない。
完全に国民の感覚とずれている。

そう言えば、佐々木允県議を県議会副議長に押し上げたのも立憲民主党に入党させたのも 吉村氏と言われている。
10月11日に行われた 佐々木氏の副議長就任記念祝賀会で、佐々木氏は 吉村氏を「私が新人の頃から 県議会の有り様を教え導いて下さっている」と紹介、強固な師弟関係であることを披露した。

この言葉に全てが集約されていると思われる。
こうした人物が 立憲民主党福岡県連の顧問であり、九州の自立を考える会の副会長を務めていることから、これらの団体の信頼が低下するのを心配する声が出始めている。

県議が県道用地取得に担保提供

弊社記事「政務活動費を姻族へ、これってOK?(2023年10月12日)」では、福岡県議会の佐々木允副議長の姻族が設立した会社が土地建物を購入し、佐々木氏が県議事務所として入居、以降 家賃月額18万7000円を支払っているが、そのうち半額の 9万3500円を政務活動費から充てていると書いた。

その続編だが、資金の出所について調べたところ、県道予定地の買収にも 佐々木氏とその家族が間接的に関わっていたことが分かった。

まず 、姻族の会社は T社(仮称)という商号で、設立は平成29年5月19日とされる。
本店住所は 当初、購入した建物の住所(田川市大字伊田4510-6 佐々木県議の事務所)で登記されていたことから、佐々木氏が同社の設立に深く関与していたことが推測される。

下図は T社が購入した建物の「所有権以外の権利に関する登記事項」の写しであるが、平成29年6月23日に T社が 金融機関から融資を受けたことが分かる。
一般の我々に「根抵当権設定」というのは馴染みのない用語だが、ここでは「共同担保目録第2052号」に記載された資産を担保に設定することで 「最高2880万円を限度に金融機関から借りることができる」という意味になり、万が一 T社が破産した場合はそれらが差し押さえられることになる。

その後、6月29日受付で本店住所移転と同時に 根抵当権極度額が 7700万円に変更され、更に 9月21日付で 極度額が 9100万円に変更されている。
平成29年に設立したばかりの会社に、金融機関が 1年3ヵ月で 9100万円もの資金の融資を決めており、相応の資産が担保として差し出されたことが考えられる。



金融機関から融資を受ける代わりに T社が差し出した担保「共同担保目録 第2052号(下図)」について解説する。
まず、同目録の左の列の番号 1~5 は、平成29年6月23日に T社が土地建物(田川市大字伊田4510-6、現佐々木県議事務所)を購入した際、極度額2880万円で根抵当権が設定されているが、取得した土地建物を担保に入れている。

続いて 番号 6~7、これは 同30年6月29日、根抵当権極度額が 7700万円に変更された際に、追加で差し出された担保である。
この日、T社は 県道田川直方線延伸のルート上にある ㈱上田自動車の土地建物(田川市大字伊田3565-1)を購入しており、ここでも取得した土地建物を担保に入れている。

上田自動車の土地が 県道延伸のルート上にあることは分かっていたので、上田自動車の経営者が直接 福岡県に売却すれば良かったが、同社は経営不振で売却先を探していた。
その情報を佐々木氏がキャッチし、T社が購入することになったと推測される。
ここまでは さほど問題はなさそうだが、番号 8~22 の内訳を見ると かなり違和感を覚える。

上田自動車跡の土地建物を購入して  3ヵ月後の 9月21日、この時 根抵当権極度額が 9100万円に変更されている。
担保設定(番号 6~7)されている上田自動車跡の土地建物は、県道用地として売却するためには担保を外す必要があった。

当然、その代わりになる資産を差し出さなければならない。
そして、なぜか T社は 同日付で 佐々木氏の父親が所有する土地(番号 8~16)と母親が所有する土地(番号 17~21)を購入し、それら担保に入れている。

そしてもう一つ、T社が 佐々木氏が所有する建物(番号 22、田川市大字糒824-13)を、所有権はそのままで 担保に入れていたことが判った。



T社が購入した物件に設定された根抵当権の「共同担保目録2052号」について、簡単に整理すると下図のようになる。
T社は3回にわたり不動産を取得、個別の取り引きに見えるが、3回とも同じ金融機関の融資を受け、一つの共担目録に記載があることから 関連していることが分かる。

ある現職政治家は、政務活動費を充当している事務所の物件取得、及び県道用地取得に関する共担目録に 佐々木氏所有の建物があることが一番問題と指摘する。
T社が破産した場合、佐々木氏所有の建物は差し押さえられる。
裏を返すと、佐々木氏所有の建物がなければ、T社の不動産取得は成り立っていない。



まず、佐々木氏の県議事務所の土地建物について。
T社は 同事務所の土地建物を維持していくのに 家賃収入(月額18万7000円)を得ているが、そのうち 9万3500円は政務活動費から充当している。
平成29年8月から6年余で 少なくとも700万円の政務活動費が充当されてきた計算になるが、このおかげでT社の経営は成り立ち、佐々木氏所有の建物が差し押さえられずに済んでいるという考え方もできる。

県議会の政務活動費使途基準に反していなければいいというものではない。
原資は県民の血税、それが政治家本人や家族や身内に還流していないと言い切れるかが問われている。



次に、県道用地となる上田自動車跡の土地建物について。
佐々木氏は、田川直方線延伸整備促進期成会の顧問を務め、選挙前の討議資料にも「田川直方バイパス延伸を後押し」「第1期工事の増や工事着手に向けた予算確保に奔走。大きく予算を拡充」と地元貢献をアピールしているが、地元県議としていち早く情報収集できる立場にあった。

T社が同土地建物を取得し抵当に入れた3ヵ月後、抵当から外す代わりに、佐々木氏が所有する建物を担保に差し出した。
不動産の専門家は、「この土地が、県に売却予定で担保を抹消する必要があるというのは分かっていたはずで、金融機関と佐々木氏らとの間で 代わりの担保を差し出すことで、話がついていたと考えるのが自然」と話す。

用地を購入したのは姻族の会社(T社)だが、その担保不足を佐々木氏が補ってやった。
期成会の顧問を務める現職県議が、バイパス延伸を後押しして大きく予算を拡充し、姻族の会社の県道用地買収を資金面で手助けしたという構図である。
いったい誰のために予算確保に奔走したのか疑問がわいてくる。



この土地取引の中で、公職選挙法違反逃れがあったと指摘する声がある。

繰り返しになるが、T社の設立は平成29年5月19日、代表者の住所は糟屋郡須恵町であるが、会社設立当初、本店住所は 田川市大字伊田4510-6で登記されている。
同年6月23日、T社は 前所有者から 同住所の土地建物を取得した。
それが 現在の佐々木氏の県議事務所で、佐々木氏のブログには 同年8月に入居したと記されている。

そして、約1年経った 同30年6月1日、T社は本店住所を 田川市から須恵町の自宅に移し、そして同じ月の 6月29日に 上田自動車跡の土地建物を取得、本店移転と土地建物取得は6月29日で登記している。



T社については 上記3回の不動産以外に取得した形跡がなく、それらの物件は全て田川市内にある。
会社設立の主目的は「不動産管理」なので、本店は田川市にあった方が利便性が良いはずだ。
なぜ 土地建物を取得した日と同じ 6月29日の登記受付で、T社が6月1日に須恵町の自宅に本店移転の事実を作らなければならなかったのか。

それは、公職選挙法に抵触する可能性が高いと判断したからではないかと言われている。
法律では、選挙の有無に関わらず、政治家や政治家が関係する団体が、選挙区内の人や団体に寄附を行うことが禁止されている。
今回、T社が取得した土地建物の担保に、佐々木氏が所有する建物が差し出されているが、T社の本店住所が田川市だと 選挙区内の団体への寄附行為と見做される可能性が極めて高い。

佐々木氏がこれを回避するために、T社が急遽本店を移転することに協力したと見られても仕方がないだろう。



佐々木氏の政務活動費の支出や、県道予定地に関連して姻戚関係にある企業への担保提供について、県議会の事務局に適正かどうか尋ねてみた。
「『道義的な適否』については、政務活動費制度では特に問題とはしていない」、「当議会のルール上、(担保提供などの)行為を禁じる規定が現状では存在しないため、いいとか悪いとかは言えない」との回答だった。

昨日今日と地元紙が政治資金収支報告書の公開について、県議会からの圧力があったことを報じたばかりだ。
現在 佐々木氏は福岡県議会を代表する副議長という立場、個人だけの問題ではなく、県議会として政治倫理に対する姿勢が問われている。

以前も紹介したが、あらためて 佐々木氏のチラシ(平成31年4月の県議選前に配布された討議資料)を読んでみたい。

「県議会議員には多くの権限があり、発言や行動は、地域に大きな影響を与えます。政務活動費の不正や 汚職事件、そして不誠実な態度は、政治の不信と疑念を増幅させています。」とある。
県議会議員に多くの「権限」があるかどうかは別として、県政の情報をいち早く取得できたり、県の幹部や職員に要望を直接伝えられる立場にあるのは事実だ。



このチラシ配布時には 一連の不動産取り引きや担保設定は終わっていたので、ここまで堂々と書けるということは、やましいことをしたという意識はないものと想像する。
この連載では、T社の土地売買の登記情報を元に客観的に報じてきたつもりだが、佐々木氏の言い分もあるだろう。

今後は 佐々木氏が、
・T社が 法の抜け道のためのペーパー会社ではないこと
・政務活動費が姻戚関係者に還流していないと言い切れるか
・県道予定地の取得と自身の建物を担保に提供したのは無関係であること
・T社の本店移転が公職選挙法違反を逃れるためではなかったこと
などを 集会やブログ等で有権者と県民を説明し、政治倫理上 問題がないと納得させられたらそれで良いだろう。

説明責任を果たさなければ、佐々木氏がチラシで述べているように「不誠実な態度」と取られ、県議会や立憲民主党に対して「不信と疑念が増幅」し、火の粉が飛ぶことになるだろう。
佐々木氏におかれては、「利権や自己の利益に執着した政治ではなく、清潔で誠実な政治をつむいでいくことの大切さ」を示して頂けるものと期待している。

ー ひとまず 了 ー

忘年会シーズンを前に。

福岡県は、男性職員(45)が職場に酒気帯びの状態で車で通勤したとして、停職3ヵ月の懲戒処分にしたことを発表した。
役所だけあって厳正に対処せねばならず 警察にも通報、その後書類送検されるも不起訴となっている。

前日のアルコールが残っていたから停職3ヵ月というのは厳し過ぎる感もあるが、もはや 許される時代ではない。
上司の女性職員も速やかに上に報告しなかったとして戒告処分を受けているが、職場の仲間を警察にまで通報することになり気が引けたのではと想像する。

同職員が前日飲んだアルコールはビール2杯と焼酎ロック2杯、ビール500ml または 25度の焼酎100mlを分解するのに 男性は4時間掛かると言われるので、16時間分の計算になる。
翌日 仕事で車の運転をする人は、夕方飲み始めてから2杯くらいで我慢しなければならない。

サラリーマンも、中途半端に飲むくらいなら飲まないという選択が増えるかもしれない。
報道を知って、忘年会を減らす職場も多くなるのでは。



 

リクデンと陸田議長(再掲)

田川市で最近、市議会の陸田孝則議長が話題になっているらしい。
ということで、今年1月12日に弊社が報じた記事を 加筆修正して再掲する。




政治倫理という言葉がある。
「政治家が全体の代表者として公平・公正に行動するために持たなければならない行動規範」とされ、法律に触れずとも 倫理上どうかという点で使われる。

既報の通り、田川市の㈱リクデンが 東芝インフラシステムズ㈱とのJVで 21億7千万円の電気工事を受注した1ヵ月後に、建設業法違反で県から1週間の営業停止 及び 2ヵ月間の指名停止処分を受けた。
同社の創業者で、最大株主である陸田孝則氏は 現職の田川市議会議長である。

リクデンと陸田議長の関係について 現状をお伝えするので、政治倫理上の問題があるか、田川市民の皆さんに是非考えて頂きたい。



 




1.リクデンとは?

昭和46年12月、陸田孝則氏が電気工事業を目的に陸田電気として創業、同54年に㈲武孝電気工事として法人化、平成2年に株式化と同時に現商号に名称を変更した。
同15年4月、陸田氏の市議会議員当選に伴い 同氏は役員を退任、陸田実氏が代表就任、同24年に陸田和子氏が3代目の代表に就いている。

リクデンの発行株式数は900株とされ、そのうち陸田議長は420株(46.6%)を保有する最大株主である。ちなみに 陸田実氏と陸田和子氏はそれぞれ60株ずつ保有している。

リクデンの過去5年の売上と利益、及び 主な田川市発注の工事は以下の通り。



以上の通り、田川市から毎年工事を請けていることが分かる。
令和4年7月期の工事以外は全て田川市からの元請工事、田川西中学校の電気設備工事は 元請ではないが鉄建建設㈱の下請工事として田川市の工事を間接的に請けている。
ちなみに、陸田議員(当時)は令和3年3月議会において、鉄建建設㈱との契約議案(33億6352万円)が議会で審査された際、同じ会派の3人が反対に手を挙げたにも拘わらず賛成に手を挙げている(→ 賛否表)

この他、田川広域水道企業団発注の工事も不定期だが受注しており、特に令和4年12月7日の入札では 前述の大口工事を落札している。
21億7千万円の落札についてはこちら

また、これまで 県発注の工事の受注が多かったが、最近は国立大学、大阪航空局、裁判所など 国が発注する工事にも手を伸ばしており、来期は売上が倍増しそうな勢いだ。




2.陸田議長とは?

陸田孝則議長の経歴は、
・昭和46年12月 陸田電気創業
・昭和55年4月 株式会社リクデン創業 代表取締役就任
・平成14年9月 社会福祉法人真養会創設 理事長就任
・平成15年4月 田川市市議会議員1期目当選
.......  リクデンの役員退任
・平成16年4月 田川市立弓削田中学校PTA会長
・平成19年4月 田川市市議会議員2期目当選
・平成23年4月 田川市市議会議員3期目当選
・平成27年4月 田川市市議会議員4期目当選
・平成31年4月 田川市市議会議員5期目当選
・令和5年4月   田川市市議会議員6期目当選(議長就任)

前期(令和5年3月迄)の役職は、
・田川市議会建設経済委員会 委員長
田川広域水道企業団議会 議員
・田川地区消防組合議会 議員
のほか、令和4年4月まで
「田川市議会議員の政治倫理の確立に関する検証等特別委員会」の委員長を務めた。
今期は、議長の座を強運で引き寄せ、引き続き 田川広域水道企業団議会 議員を務めている。


また、市議会以外から、リクデンからの給与所得と社会福祉法人「真養会」からの役員報酬がある。

田川市の政治、建設業、福祉、学校教育など全般にわたり、尽力していることが分かった。


3.この関係で行政の監視ができるか?

田川市政治倫理条例 第3条には次の基準を遵守するよう定められている。

(1) 市民の代表者としての品位を保ち、名誉を損なうことのないよう自粛し、地位を利用して不正の疑いの念をもたれるおそれのある一切の行為をしないこと。
(2) 市が行う請負契約、委託契約及び物品納入契約に関し、特定の業者の推薦又は紹介をしないこと
(7) 政治倫理基準に反する事実があるとの疑いをもたれたときは、自ら疑いを解き、その責任を明らかにするよう努めなければならない。




また、地方自治法92条の2に「地方議員の兼業の禁止」という規定があり、建設業を営む者が市議に当選した場合、役員から退かなければならず、陸田議員(当時)もリクデンの役員から外れ、現在は陸田和子氏という方が社長に就いている。
陸田議長は役員ではないものの 最大株主で実質オーナー、それでいて社員の肩書はもったままだ。
会社の売上増のために様々な場面で努力することが想定される。

公表されている令和4年7月期のリクデンの損益計算書によると、株主配当は出ていないが、役員報酬が合計で360万円支払われていることが確認できる。
つまり、現在社長を務める陸田和子氏に支払われた金額が 最大360万円と推定される。

一方、陸田議員(当時)は リクデンから  給与として 年間720万円(月平均 60万円)を貰っており、社長の2倍の収入を得ている。
市や水道企業団の仕事を請け負う企業の実質オーナー、役員は外れているが、しっかり給与は社長の2倍の金額を受け取っており、立派な脱法行為ではないかと 関係者は指摘する。

それだけではない。
自身が理事長を務める社会福祉法人真養会から、役員報酬として年間 288万円(月平均 24万円)が理事長本人に支払われているという。
真養会が行っている福祉事業には、もちろん田川市の税金が投入されており、その中から 陸田議長に報酬が出ていることになる。
事実であれば かなり問題と言えるのではなかろうか。

いずれにしても 陸田議長は 月額 47万6000円の 議員(議長)報酬の他、リクデンから給与として 月平均 60万円、社会福祉法人真養会から 月平均 24万円の兼業収入を得ている 裕福な方ということが判った。

まとめると、
・陸田氏は、今期は市議会議長、前期は 建設工事関連を所管する「建設経済委員会」の委員長、更に「田川広域水道企業団議会」の議員を務めており、行政の監視をする役割がある。
・陸田氏が最大株主であるリクデンは、田川市や田川広域水道企業団の工事を毎年受注し、特に昨年度は 21億7千万円の工事を1者入札で落札している。
・その売上の中から陸田議員に 年間720万円の給与が支払われている。
・社会福祉法人真養会から理事長報酬として 年間288万円が支払われているが、田川市はその事業に支出している。
・この関係で 果たして行政の監視ができるか。


田川市政治倫理審査会は、毎年市議の資産報告をチェックしているはずだが、おそらくこの点については議論になっていないと思われる。






4.疑問をぶつけてみよう

令和4年4月27日、陸田議員(当時)が 「田川市議会議員の政治倫理の確立に関する検証等特別委員会」の委員長として政治倫理についての発言をしている。
議場で25分間に亘り演説を繰り広げ、他の議員がいかに政治倫理というものを理解していないか 徹底的に非難しながら以下のように述べた。
(委員会の動画は → こちら

「敢えて申し上げますが、倫理とは善悪を判断する根本である人の守るべき道理、人が行動する際の規範となるもので、このことから政治倫理とは市政が市民の厳粛な信託によるものであることを深く認識した上で、我々議員が政治的にも道義的にも批判を受けることのないよう身を律しなければならない。」

これを聞いて安心した。
次の様な疑問が市民から出ている。
本来なら 政治倫理審査会が聴くべきことだが…
  1. リクデンの役員を退任した理由は何ですか?
  2. 役員を退任しても最大株主ですが、それは問題ないのですか?
  3. リクデンからの年間支払われる給与の額は?
  4. 市議とリクデン社員と真養会理事長とを兼ねていますが、それぞれの業務内容と勤務体制は?
  5. 建設経済委員会の委員長や水道議会議員の立場で、市や水道企業団から仕事を貰っていますが、政治倫理上の問題はないと思いますか?
  6. 浄水場の電気工事の入札は、東芝インフラシステムズJVの1者のみ参加、21億7千万円で落札に成功しました。企業団議員として、最大株主として、このようなことが許されるとお考えですか?
  7. 陸田議員は、田川西中建設工事における鉄建建設との契約議案に賛成をしています。その下請にリクデンがちゃっかり入っていますが、政治倫理上の問題はないと思いますか。
  8. また、初めから鉄建の下請に入ることが決まっていたという指摘もありますが、それは事実ですか。
  9. 真養会から報酬は年間いくら貰っていますか?
  10. 社会福祉法人の現況報告書(→こちら)で、殆どの法人が理事長報酬を公開しているのに、なぜ真養会は公開しないのですか?
  11. 真養会の運営に市から負担金を支出していますが、市議が報酬をもらいながら理事長を務めていることについて政治倫理上の問題はないと思いますか?
  12. 西保育園の民営化にも手を挙げる予定ですか?
「道義的に批判を受けることのないよう身を律しなければならない」とおっしゃっているので、直接疑問をぶつけてみることをお薦めする。
特に現在は 議長という要職にあられるので、いつでも どなたにでも、快くお答え頂けるものと確信している。