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市長を替えるだけで、田川は変わるのか

市議補選で問う「議会正常化」と、市民に公開すべき10項目

田川市はいま、市長選と市議補選を同時に迎える。

市長選に関心が集まるのは当然である。だが、市長がどれほど優れた政策を持っていても、議会が政争に明け暮れ、調査や議決の基準が不透明であれば、市政は前に進まない。

市長と議会は車の両輪である。
一方が壊れれば、もう一方だけを新しくしても、田川市政は正常には動かない。

 

田川市議会に欠けているのは「賛否」ではなく説明

議会には、市長に賛成する議員も反対する議員も必要である。

全員が市長に賛成する議会は監視機能を失う。すべてに反対する議会も、市民生活を止める。
大切なのは、賛否そのものではない。

 
  1. なぜ賛成したのか。
  2. なぜ反対したのか。
  3. 何を調べ、どの資料を根拠に判断したのか。
  4. その判断が後に誤っていた可能性が生じた時、どう総括したのか。
 

それを市民が確認できることだ。
福岡市議会では、議案ごとの会派別、無所属議員別の賛否状況をウェブ上で公表している。議決行動を見えるようにすることは、特別に過激な制度ではない。

田川市議会も通常の公開採決では議員別の賛否を掲載している。だからこそ、市長不信任や政治倫理に関わる最重要案件だけが無記名となる現状には、再検討の余地がある。

 

誰が市長でも公開すべき10項目

今回の市政混乱を繰り返さないため、市長と議会には、少なくとも次の10項目の制度化が必要だ。

 
  1. 市長交際費と議長交際費
    支出先、目的、金額を原則公開する。
  2. 市長、副市長、議長の出張記録
    日程、目的、同行者、公費、成果を公開する。
  3. 市長と議員の外部面会記録
    企業、他自治体、政治関係者との面会日時と目的を公開する。
  4. 重要議案の議員別賛否
    市長不信任、政治倫理、100条委員会設置などは、原則記名とする。
  5. 白票・棄権の理由
    重大議案で意思を示さなかった場合は、各議員が理由を説明する。
  6. 100条委員会設置の判断基準
    証拠、公益性、緊急性、費用など、調査権を使う共通基準を作る。
  7. 新庁舎など大型事業の費用と工程
    契約、変更理由、進捗、将来負担を継続的に公開する。
  8. ふるさと納税の寄附額・経費率・純財源
    集めた金額だけでなく、市に実際に残った額を示す。
  9. 教育・福祉・企業連携の成果指標
    協定締結や事業実施ではなく、市民にどの成果が返ったかを公表する。
  10. 市長と議会による定例説明
    成功だけでなく、遅延、失敗、見直しも市民に説明する。
 

田川市議会は2025年11月、約60人が参加する議会報告会を開いている。市民と意見交換する場を作る力は、すでに持っている。必要なのは、通常の活動報告にとどまらず、今回の市政混乱について議会自身が検証結果を示すことである。

 

市議補選候補者に聞くべき7問

市議補選は、単なる欠員補充ではない。
今回の混乱を踏まえ、議会の正常化に寄与できる人物を選ぶ選挙である。
候補者には、次の7点を同じ条件で問うべきだ。

 
  1. 二度の市長不信任案否決をどう評価するか。
  2. 市長不信任や政治倫理案件の無記名投票に賛成か。
  3. 村上市長の公務調査案否決をどう評価するか。
  4. 市長・副市長・議員を対象とするハラスメント防止条例に賛成か。
  5. 全議案の賛否と理由を実名で公開することに賛成か。
  6. 今回の市政混乱について、議会独自の検証報告書を作るべきか。
  7. 過去市政と現市政を、同じ基準で検証すると約束できるか。
 

この回答を一覧で掲載すれば、市民は、候補者がどの陣営に近いかではなく、議会改革に何を考えているのかで選べる。

 

「村上派」を探すより、政治行動を見る

今回の検証で重要なのは、「誰が村上派か」という名札を貼ることではない。

名札は変えられる。会派も組み替わる。選挙時の立場も変わる。

だが、議会での発言、提出議案、採決行動は公文書として残る。
市民が見るべきなのは、議員が誰と親しいかではない。

 
  1. 重要な場面で、どのような判断をしたのか。
  2. その判断を、現在も自分の言葉で説明できるのか。
  3. 判断が結果として適切でなかった可能性がある時、自ら検証できるのか。
 

それこそが、議員の品格である。

市民ファーストの議会とは、市長を守る議会でも、市長を倒す議会でもない。
事実を調べ、同じ物差しで判断し、賛否を公開し、自らの選択に責任を負う議会である。

市長を替えるだけで、田川市政は変わるのか。

その答えは、市長選だけでなく、市議補選と、現職議員一人ひとりの今後の行動によって決まる。



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調べる案件、調べなかった案件

村上市長の公務調査は否決、過去案件には100条委員会――議会の物差しは同じか

市議会の役割は、市長に賛成することでも、反対することでもない。
市政運営が適切に行われているかを監視し、必要な事実を調べ、市民に説明することである。

そこで、田川市議会の判断を時系列で見ると、一つの疑問が浮かぶ。

なぜ、ある案件は強い調査権を使って追及し、別の案件は議会として調べなかったのか。

 

市長の公務出張と人事を調べる議案は否決

2025年3月、市議会には「田川市長の公務の調査に関する決議」が提出された。

対象は、村上市長の公務出張に加え、人事評価や人事異動が適切に行われたのかという問題だった。地方自治法100条、98条に基づく権限を持つ特別委員会を設置し、議会として調査しようとする内容だった。

採決は公開され、賛成7、反対9で否決された。

反対したのは、次の9氏である。



当時の会派で整理すると、「シン・タガワ」「社民党市議会議員団」「新風会」「日本共産党市会議員団」にまたがっていた。特定の一会派だけによる判断ではない。

この反対をもって、9氏がセクハラや不倫を容認したと断定することはできない。被害者の二次被害を避けることや、第三者委員会の調査を優先することを重視した議員もいた可能性がある。

しかし、この議案が対象としていたのは男女関係の真偽だけではなかった。

 
  1. 公費を伴う出張が適切だったのか。
  2. 人事評価や人事異動に恣意性はなかったのか。
  3. 市長の権限が行政組織の中で適正に行使されたのか。
 

議会自らが持つ調査権を使わないと決めた以上、反対した議員には、なぜ議会調査が不要だったのか、代わりにどのような方法で事実確認を行うつもりだったのかを説明する責任がある。

 

その後、過去の2案件には100条委員会

ところが、その後の田川市議会は、過去の2案件に地方自治法100条に基づく調査特別委員会を設置している。

一つは、2021年の情報公開請求に関する個人情報漏えい疑惑である。市は、情報漏えいがあった可能性を否定できないとして、請求者側と和解した。調査決議は香月氏が提出し、柿田、榊原、石松、小林の4氏が賛成者となった。

もう一つは、2019年度の指名競争入札による建設工事発注をめぐる疑惑である。調査決議は榊原氏が提出し、柿田、村吉、石松、小林の4氏が賛成者となった。

過去案件を調べること自体は、議会の正当な役割である。

情報公開制度の根幹に関わる問題や、公平な入札に疑念がある問題を調査することに異論はない。

ただし、市民に説明されるべき事実がある。

村上市長の公務調査案に反対した9氏のうち、榊原、村吉、香月、石松、小林、柿田の6氏は、その後、過去案件を調べる100条委員会の提案者または賛成者となっている。

なぜ村上市長の公務出張や人事異動は議会調査に値せず、2019年、2021年の案件には強制力を伴う100条調査が必要だったのか。



 

案件の違いはある。だからこそ基準を示すべきだ

もちろん、三つの案件は同一ではない。

情報漏えい問題では、市が可能性を否定できないとして和解している。建設工事発注問題では、具体的な業者選定をめぐる疑義が示されている。

一方、村上市長の問題では当時、第三者委員会の最終結論がまだ出ておらず、女性職員のプライバシーと二次被害への配慮も必要だった。

だから、単純に「過去案件だけを狙った」「市政によって調査基準を変えた」と断定することはできない。

しかし、案件が異なるからこそ、議会は判断基準を明らかにする必要がある。

 
  1. どの程度の証拠があれば、100条委員会を設置するのか。
  2. 公益性、緊急性、調査費用、関係者への負担をどう比較するのか。
  3. 第三者委員会がある場合、議会調査をどこまで控えるのか。
  4. 第三者委員会の結論が出た後、議会は自らの判断を再検証するのか。
 

その物差しが公表されなければ、市民には「誰を調べるかによって議会の姿勢が変わっている」と見えてしまう。

 

市長問題以前から続く議会内の対立

田川市議会の混乱は、村上市長のセクハラ問題だけで始まったものではない。

2023年12月には、議事運営の公平性などを理由として陸田孝則議長への不信任決議が可決された。その後、議長の言動をめぐる懲罰特別委員会が設けられ、2024年2月には公開の議場で陳謝する懲罰が可決されている。

議長不信任は2025年5月、7月、12月にも提出され、12月の不信任決議も可決された。議会自身の広報でも、「会派間の信頼は崩壊している」「現在の市議会は正常な判断ができない状態にある」といった、議員同士の厳しい評価が公表されている。

市長と議会の対立だけではない。

議員と議員、会派と会派、議長と一部議員の間で、長期にわたり信頼が損なわれてきたことが、公文書から見える。

つまり、今回の市政混乱は一人の市長だけを交代させれば解消する問題ではない。

 

6月議会で、議会自身の検証は行われたか

2026年6月議会の一般質問では、永松広宣氏が「セクハラの再発防止と組織改革」を正面から取り上げている。市政正常化に不可欠な質問である。

一方、佐藤俊一氏と永松氏は二場市政期から始まった高度実践型未来農業者輩出事業を、村吉勇介氏は中学校再編の評価を取り上げた。過去の政策を検証することも、議員の正当な仕事である。

ただ、一般質問は基本的に、市長や執行部に対して市政を問う場である。議会自身の判断を議会に質問する制度ではない。

だからこそ、二度の不信任否決、公務調査案の否決、無記名採決を選んだ経緯については、一般質問とは別に、議会運営委員会や検証特別委員会、議会報告書という形で総括する必要がある。

過去市政を調べる議会が、自らの直近の判断だけは検証しないのであれば、市民の不信は消えない。



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市長は辞職した。議会は何を総括したのか

二度の不信任否決と無記名投票――市政混乱の「もう一つの責任」

村上卓哉前市長は辞職した。

全国ニュースやテレビは、女性職員へのセクハラ認定と辞職という「その瞬間」を大きく報じた。しかし、地域を継続して見る媒体が追うべきなのは、市長が辞職したという結末だけではない。

問題が表面化してから辞職に至るまで、市議会は何を調べ、どのような判断をし、その結果を現在どう総括しているのか。

田川市政の混乱は、市長一人だけの問題として終わらせてよいのだろうか。

 

議会全体が村上市長を守った、とは言えない

まず、事実は丁寧に分ける必要がある。

2025年3月定例会で田川市議会は、村上市長に対する問責決議を全会一致で可決した。辞職勧告決議も賛成9、反対7で可決し、市長給与を任期末まで50%減額する条例も全会一致で可決している。

従って、「市議会全体が一枚岩となって村上市長を守った」と表現するのは正確ではない。市長の責任を厳しく問う意思を示した議員も、早期辞職を求めた議員もいた。

一方で、最も重い政治判断である不信任決議案は成立しなかった。

2025年3月19日の不信任案は、無記名投票で賛成10、反対7。通常の議案なら賛成多数だが、市長不信任には出席議員の4分の3以上、当時は13票が必要だったため否決された。

4月30日に再び提出された不信任案も無記名投票となり、賛成9、反対扱い9で否決された。反対扱いとなった9票には、意思を明示しない白票4票が含まれていた。

その後、市の第三者調査委員会は、公用車内で女性職員の手を握った行為や、その後の性交渉など計4件をセクハラと認定した。報告は、女性職員の立場上、拒否が困難であることを十分認識しないまま行為をエスカレートさせたと指摘した。村上氏は2026年5月末で辞職し、市議会も辞職に全会一致で同意した。

結果として、不信任を成立させないだけの議員が二度にわたって存在し、村上市政の継続を可能にしたことも、消すことのできない事実である。

 

誰が続投を選んだのか、市民には見えない

最大の問題は、二度の不信任採決がいずれも無記名だったことだ。

不信任とは、市長がその地位にふさわしいかを議会が判断する、極めて重い採決である。それにもかかわらず、市民は、自らが選んだ議員が賛成したのか、反対したのか、白票を投じたのかを確認できない。

無記名投票は議会のルール上可能である。だが、ルール上可能であることと、市民への説明責任を果たしていることは同じではない。

市長に「ガラス張りの市政」を求める一方で、市長の存否を決める議員自身の判断は見えない。

この矛盾こそ、田川市議会が総括すべき第一の問題ではないか。



 

続投論を公に述べた議員は、今どう考えるのか

無記名投票である以上、不信任に反対した全議員を実名で断定することはできない。
一方、3月議会で不信任に反対する理由を公に述べた議員は確認できる。

石松和幸氏は、村上氏が2年間で多くの成果を上げたとして、説明責任と信頼回復を求めながら、道半ばの施策を前進させるべきだと述べた。

小林義憲氏は、職員アンケートや改革継続を理由に、不信任に反対した。4月の再提出時にも、第三者委員会の報告を待つべきであり、判断は時期尚早だとの意見を表明した。

香月隆一氏は、不信任を可決すれば市政改革が逆戻りするとし、村上氏に反省と改革継続を求めた。

第三者委員会の結論が出る前に慎重な判断を求めたこと自体には、一定の論理がある。被害を訴える女性への二次被害を避け、外部の専門家による調査を待つべきだという考え方も理解できる。

しかし、第三者委員会が実際にセクハラを認定し、市長が辞職した今、当時続投論を述べた議員にも改めて聞く必要がある。

 
  1. 当時の判断は今も正しかったと考えているのか。
  2. 市政継続によって得られた成果と、混乱が長期化した不利益をどう比較するのか。
  3. 第三者委員会の認定を受け、何を見誤った、あるいは見誤っていなかったと考えるのか。
  4. 同じ事態を繰り返さないため、どの制度改革に賛成するのか。
 

不信任への反対は、直ちにセクハラの容認を意味しない。だが、後に重大な認定が出た以上、自らの政治判断について市民に説明する責任は残る。

 

問われているのは「村上派」という呼び名ではない

「村上派」は公的な会派名ではない。

議員を曖昧な陣営名で一括りにすれば、記事そのものが好き嫌いや選挙戦術に引きずられる。
本紙が検証するべきなのは、確認可能な政治行動である。

 
  1. 誰が続投論を述べたのか。
  2. 誰が調査に賛成し、誰が反対したのか。
  3. 誰が記名による説明を避けたのか。
  4. 誰が現在、自らの判断を検証しているのか。
 

市長は辞職した。次に問われるのは、その市長を監視する立場にあった議会が何を学んだのかである。

市長辞職をもって事件を過去にすれば、議会の判断は検証されないまま残る。



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疑われない市政の最低条件

誰が市長でも公開すべき10項目

田川市政が再び疑念や印象論に覆われないためには、候補者個人の人柄や自制に期待するだけでは足りない。次の市長には、少なくとも以下の情報を制度として公開することを求めたい。



重要なのは、候補者が「私は誠実だ」「私は信用できる」と語ることではない。市民が資料で確認できる仕組みを作ることである。

村上氏には、第三者委員会の認定を踏まえた再発防止制度が問われる。佐々木氏には、県議辞職の理由と公に否定する事項を整理し、政策選挙を妨げる疑念を早期に区分する説明が求められる。二場氏には、前回選挙で生じた疑念を公開制度へ変えることが求められる。浦野氏には、発信の多さだけでなく行政情報の正確性と検証可能性が問われる。今永氏には、まず比較できる政策資料の公開が必要となる。

田川市長選を政策選挙に戻す方法は、疑念を無視することではない。候補者が事実関係を早期に説明し、その後は数字と政策で競うことである。本紙は全陣営に同じ共通質問と、公開政策・公開報道に基づく個別質問を送り、回答を公平に掲載する。



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看板政策を数字で検証する

100億円、学校再編、119億円庁舎、財政再建に実現の道筋はあるか

選挙では、短い言葉ほど伝わりやすい。「100億円」「学校を再検証」「庁舎を見直す」「実績を継続する」といった主張は市民の関心を集める。しかし、市長の仕事は言葉を掲げることではなく、予算、条例、人員、議会、国県、事業者を動かし、結果を出すことである。

 

佐々木氏の「ふるさと納税100億円」

100億円が不可能だと決めつけるべきではない。全国には短期間で寄附額を大きく伸ばした自治体もある。ただし、田川市の令和6年度実績は7.31億円、令和8年度見込みは15億円であり、100億円を掲げる側には、規模に応じた具体的な事業計画が必要になる。

1. 達成年度と年度別の寄附目標
2. 主力返礼品と年間供給数量
3. 参加事業者数と新規開拓の方法
4. 広告費、ポータルサイト費、写真・ページ制作費
5. 物流、在庫、問い合わせ、品質管理の実施主体
6. 募集経費率と市に残る純財源
7. 特定返礼品や制度変更への依存リスク
8. 未達時に計画を見直す時点と基準

100億円という目標を評価するためには、「何を売るか」だけでなく「誰が、何件を、いくらの経費で処理し、市にいくら残すか」まで示されなければならない。

 

浦野氏の「中学校2校体制の再検証」

現在の再編方針は、21回の審議、市民アンケート、住民説明会を経た最終答申に基づく。答申では、生徒数減少と小規模校化による教育活動上の制約を改善することも目的とされた。

したがって、再検証で問われるのは「声を聞くか」ではなく、過去の答申のどの前提が変わったのか、現在の2校でどの問題が生じているのか、巻き戻す場合の施設費、教職員配置、通学、部活動への影響はいくらか、小中一貫校に必要な人材と改修・建設費はいくらか、新たな結論まで子どもの環境をどう安定させるかである。

教育の切り取りワードだけでなく、子どもを再度の制度変更にさらさない工程と根拠を示せるかが問われる。

 

二場氏の「新庁舎再点検」と財政ロードマップ

新庁舎の概算事業費は約119.3億円で、自己資金約41.1億円、地方債約78.2億円を見込む。周辺環境整備費は含まれず、現時点の概算は物価や計画精査で変動する可能性がある。

二場氏が再点検を掲げるなら、総事業費の上限、維持する防災・市民サービス機能、削減・変更する機能、遅延費用、市民参加の方法、最終判断の期限を明らかにする必要がある。

財政再建についても、経常収支比率、実質単年度収支、基金、地方債残高、ふるさと納税の純財源など、初年度、2年目、任期末の到達点を示すべきである。総合政策であるほど「最初に何をするか」が曖昧になりやすい。優先順位と数値目標が政策の完成度を左右する。

 

村上市政の「実績」を結果で検証する

村上氏が在任中の実績や政策継続を訴えるのであれば、実施事業の数ではなく、結果を示す必要がある。人口の社会増減、自主財源、教育指標、企業誘致による雇用、新庁舎計画の進捗と市民理解など、就任時と辞職時を同じ指標で比較するべきである。

「圧力に屈せず実行した」という政治姿勢も、何を実行し、どの成果が生じ、どの副作用や未達があったのかを資料で示して初めて評価できる。

 

今永氏にも同じ物差しを

今永氏については、政策資料が示された段階で同じ数字と工程の物差しを当てる。公開資料が少ないことを理由に否定的評価をするべきではないが、投票日までに比較材料を出すことは候補者の責任である。

 



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出直し選で問われる「説明責任」

市長の信用を、謝罪や印象ではなく、事実経過と制度で確認する

今回の田川市長選は、市長本人の行為を第三者委員会がセクハラと認定し、辞職に至ったことから始まった。そのため、品格や説明責任を政策と切り離すことはできない。

田川市の6月補正予算では、市長選と市議補選の選挙費として3,955万9千円、予備費を含む補正総額として5,244万2千円が計上された。市議補選を含む合算額である点には注意が必要だが、通常予定されていなかった時期に市長選を実施するため、新たな公費が必要となったことは事実である。

 

「ガラス張り」は村上氏自身に適用されるか

村上氏には、第三者委員会の報告を前提として、一連の経緯を時系列で説明する必要がある。問題となった公務や出張はどのようなものだったのか。市長と職員の上下関係をどう認識していたのか。委員会のどの認定を受け入れ、どの部分に異論があるのか。なぜ辞職し、何が変わったため再び立候補するのか。

SNS動画や会見で謝罪したことと、市民が再発可能性を判断できるだけの説明をしたことは同じではない。「反省している」「審判を仰ぐ」という言葉だけでなく、市長本人を監視する第三者制度、職員の外部相談窓口、公務出張と職員同行の規則など、再発防止策を具体化する必要がある。

再出馬が報じられるたびに、過去の報道が再び参照されることは避けにくい。市長は企業誘致、大学連携、ふるさと納税、国県との交渉で田川を代表する。自身の信用が田川市の対外信用に及ぼす影響と、追加公費を伴う出直し選の政治的責任についても、説明が求められる。

 

同じ基準は佐々木氏にも向けられる

佐々木氏は2025年、一般女性との過去の不適切な関係を理由に県議を辞職した。関連する名誉毀損訴訟は請求放棄で終結したと報じられている。また、辞職に伴う県議補選では、田川市の補正予算に2,589万円の選挙費が計上され、同額の県委託金が財源とされた。市の一般財源負担ではないが、公費を用いる補欠選挙が必要になった事実は残る。

ネット上では、これとは別の主張も流通している。選挙前に出る情報には政治的意図やネガティブキャンペーンが含まれる可能性があり、本紙が裏付けられない個別内容を事実として再掲するべきではない。

しかし、「ネットの話には答えない」で済ませれば、疑念が選挙を覆い、看板政策が見えなくなる。政策選挙に戻すためにも、佐々木氏自身が、辞職理由として認めている事実、否定している主張、訴訟を請求放棄した理由、今後の再発防止を整理して説明することが望ましい。これは未確認情報を追認するためではなく、候補者本人が事実と虚偽を早期に区分するためである。

 

二場氏にも前回選挙への説明が必要

二場氏も説明責任を免れない。2023年の市長選では、周辺自治体との関係や情報公開のあり方が選挙の背景として報じられた。返り咲きを目指すなら、「違法行為が認定されたわけではない」「噂だった」と述べるだけでは、市民が以前との違いを確認できない。

他自治体や企業との面会記録を公開するのか。連携協定の費用、成果、終了理由を公表するのか。契約や事業者選定の過程を見せるのか。市長交際費、出張、重要会議資料を原則公開するのか。疑われた後の釈明ではなく、疑われにくい制度を具体的に提示できるかが問われる。

 

全候補に必要な説明責任

説明責任とは、問題が起きた際に謝ることだけではない。何が起きたのか、なぜ起きたのか、誰が確認したのか、再発をどう防ぐのか、その仕組みを市民がどう検証できるのか。この五つを示すことである。浦野氏と今永氏にも、市長自身を対象に含む倫理・ハラスメント防止制度と、行政情報の公開範囲をあらかじめ示すことが求められる。

 



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田川市長選、5候補の政策は何に答えるのか

人物の印象ではなく、財源・工程・実行体制を同じ物差しで見る

前市長の辞職に伴う田川市長選は、7月5日告示、12日投開票で行われる。6月22日の「立候補予定者と対話する会」には、浦野仁氏、佐々木允氏、二場公人氏、村上卓哉氏、今永信之氏の5人が立候補予定者として掲載された。正式な候補者は告示日に確定するが、市民が比較できる政策材料を今の段階から整理する必要がある。

本稿で用いる物差しは四つである。第一に、目標が具体的か。第二に、財源が示されているか。第三に、実行までの工程と行政体制があるか。第四に、市民が後から成果を検証できるかである。

田川市の令和6年度ふるさと納税実績は36,596件、7億3,110万7,540円。令和8年度予算では寄附見込額15億円、必要経費割合57.7%とされる。新庁舎整備の概算事業費は約119.3億円で、周辺環境整備費は含まれない。令和7年度全国学力調査では、中学校数学の標準化得点は68.3だった。どの政策も、こうした現在地から離れて評価することはできない。

 

浦野仁氏

教育への熱意を、行政の工程に変えられるか

浦野氏は「田川、新時代」を掲げ、教育、子育て、経済、福祉の4分野を柱としている。中学校2校体制の再検証、不登校対策、行政・学校・民間・福祉の連携、小中一貫校の検討など、教育を前面に出す姿勢は明確である。

教育を主要争点にすることには合理性がある。田川市では中学校数学の全国平均との差が大きく、不登校、部活動、通学、教員負担も含めて改善が必要だからだ。

一方、中学校再編は白紙の状態から始まったものではない。市民アンケート、住民説明会、21回の審議会を経て最終答申がまとめられた。再検証を掲げる以上、過去の議論のどの前提が変化したのか、何を維持し、何を変え、費用と期間をどの程度見込むのかを示す必要がある。

「声を聞く」「一貫教育を検討する」という言葉だけでなく、初年度に着手する施策、教育委員会との役割分担、再検証中も子どもの教育環境を安定させる手順まで語れるかが問われる。

 

佐々木允氏

100億円という目標に、事業計画を添えられるか

佐々木氏の代表的な政策は「ふるさと納税100億円」である。福祉、人権、教育を守るには外から財源を獲得する必要があるとして、農産物、企業の技術、炭鉱の歴史、体験型返礼品などをブランド化する考えを示している。財源論を正面から掲げた点は分かりやすい。

ただし、100億円は令和6年度実績の約13.7倍、令和8年度見込み15億円の約6.7倍である。寄附額がそのまま市民サービスに使えるわけではなく、返礼品、送料、広告、ポータルサイト、委託費などの経費が生じる。

政策として評価するには、達成年度、年度別目標、主力返礼品、供給量、参加事業者数、広告費、物流・在庫・問い合わせ対応、経費率、市に残る純財源を示す必要がある。

目標が大きいこと自体は問題ではない。だが、数字に応じた説明密度がなければ、市民に希望を与える目標である一方、選挙向けの耳触りのよい言葉にも見える。問われるのは金額の大きさではなく、実現までの設計図である。

 

二場公人氏

総合政策を、検証可能な数値にできるか

二場氏は、市長経験を背景に、財政、新庁舎、教育、DX、外部連携を横断する政策を打ち出している。個別の給付や事業を並べるより、市政全体の優先順位を組み直そうとする点が特徴である。

過去には、田川市がソフトバンクとDX・ICT利活用に関する連携協定を結び、青山学院大学との包括連携も進めた。外部の企業や大学を市政に引き込んだ経験は、行政運営上の一つの材料となる。

ただし、協定を結んだことと、市民生活に成果が返ったことは同じではない。何が実現し、何が途中で止まり、今後どの指標で成果を測るのかを説明する必要がある。
財政再建を掲げるなら、初年度、2年目、任期末の数値目標が必要になる。新庁舎を再点検するなら、継続・縮小・変更の判断基準と期限を示さなければならない。政策の幅広さを、優先順位と検証可能な数字に変えられるかが焦点である。

 

村上卓哉氏

在任中の実績と、辞職に至った責任を切り離さず語れるか

村上氏は前回選挙で「ガラス張りの市政」や主体的な市政運営を掲げ、現職だった二場氏を破った。今回も、在任中に取り組んだ政策や実績を市民に判断してもらうとして、出直し選への立候補を表明している。

しかし、今回は通常の継続選挙ではない。市の第三者委員会が女性職員に対する複数の行為をセクハラと認定し、村上氏が辞職したことに伴う選挙である。

在任中に実施した政策を訴えることは当然だが、実績の説明と辞職の説明を別々に扱うことはできない。「ガラス張り」を掲げるなら、何が起き、どの認定を受け入れ、なぜ辞職し、短期間で再出馬するのかを、自身の問題にも適用して説明する必要がある。

さらに、再発防止を本人の自制に委ねるのか、独立した相談窓口や第三者監視を制度化するのか。失った信用を、どの仕組みで回復するかまで示せるかが問われる。

 

今永信之氏

政策資料の提示が、まず必要になる

今永氏は5人目の立候補予定者として対話会に掲載されている。一方、6月21日時点で本紙が確認できた範囲では、他候補と同じ粒度で比較できる詳細な政策資料や財源計画は限られている。

新人が既存候補とは異なる視点を示すことには意味がある。しかし、市長選では、新庁舎、財政、教育、ふるさと納税、福祉、透明性について、立場と優先順位を示す必要がある。

公開資料が少ないことだけを理由に否定的評価をするべきではないが、投票日までの時間が限られる中、政策を示さないこともまた有権者への情報不足となる。

今永氏については、政策資料が公表された段階で、他の4氏と同じ物差しを当てて検証したい。まず問われるのは、市民が比較できる材料を、いつまでに、どの形式で示すかである。

 

5候補の訴えは異なる。しかし、市民が見るべき基準は共通である。目標、財源、工程、行政体制、検証方法を示せるか。今回の市長選を政策選挙にするには、候補者の強い言葉より、実行できる設計図を比較する必要がある。



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利益約2億円、公有地が市議の手に (3)

■ 選挙の最中に動いた公有地取得

「今すべき事を、今すぐ行います。」
令和5年に坂平市議が配布した討議資料には、そんなキャッチフレーズが躍っている。
同年4月——坂平市議は候補者として飯塚市議会議員選挙を戦っていた。
投票日は4月23日——候補者が街頭に立ち有権者一人ひとりに頭を下げる、あの多忙な季節だ。

ところが、坂平市議(候補)がこの時期に「今すぐ行った」ことは、選挙活動だけではなかった。
旧鎮西中学校跡地、第4回公募の応募期間は令和5年2月27日から4月28日——つまり、投票日をまたぐ形で設定されていた。
通常であれば選挙前、選挙中、そして選挙後も忙殺されている時期だ。

坂平市議は締め切り当日の4月28日ぎりぎりに応募書類を提出したとされているが、他に応募者がいないことを確認したうえで提出したのではないか、と関係者は疑っている。

 

■ 政治倫理条例への問い

現職の市議が公有地の取得に名乗りを上げること自体、極めて異例だ。
飯塚市政治倫理条例には、議員が地位を利用して職員に不当な影響力を行使すること、市民全体の奉仕者として品位を損なう行為を禁じる規定がある。
今回の一連のプロセスは、同条例の趣旨に正面から問いを突きつけるものだ。



 

■ 疑惑が続く坂平市議の過去

坂平市議の倫理観が問われる事態は今回が初めてではない。
かつて、副議長ポストをめぐって同僚議員への金銭授受疑惑が取り沙汰され、議会から辞職勧告決議を突きつけられたことがある。
当時副議長だった坂平市議はこれを無視し、副議長の椅子に居座り続けた。

飯塚市新体育館の移動式観覧席の入札をめぐっては、公正性への疑問を呈する声が議会や事業者から上がっている。
その指名競争入札では、13者が指名され10者が辞退、残る3者は飯塚市の第三セクターの㈱福岡ソフトウェアセンター、坂平市議の妻が社長を務める会社(S・Y)、そして、後援会長が代表を務める会社(グッドイナフ)が入札に参加した。

その結果、グッドイナフが落札、体育館の備品の納入実績のない後援会長の会社が見事落札し、7843万円(税込)で落札したのである。
第三セクターもこれに関与していたと見られているが、この入札の詳細については別途福岡県民新聞の記事で報告している。

何かと話題になる坂平副議長 [2023年3月17日07:30更新]

また、入札の数か月前に当時の契約課長らと飲食を共にしていた事実も明らかになった。

さらに、自身が株主として名を連ねる建設会社の市との契約議案の採決で、利害関係者であるにもかかわらず棄権せず賛成の挙手をしている。

 

■ 約2億円の利益――その根拠

自身が立候補している選挙の最中に、坂平市議が「すぐ行った今すべき事」とは、公有地の取得申請だったが、ここで「約2億円の利益」の根拠について説明しておきたい。

本人が市に提出した事業提案書によれば、この広大な跡地(7,132坪)を1,900万円で取得し、建物の解体や上下水道の整備などの造成費を含めた概算事業費の合計は2億2,050万円としている。
一方で、現在配布されているチラシや現地の看板の価格表をもとに計算すると、全63区画がすべて売れた場合の販売総額は約4億3,000万円にのぼる。
つまり、約4億3,000万円の総収入から、土地取得費や解体・造成等の総経費約2億2,000万円を差し引いたとしても、手元には約2億円という莫大な利益が残る計算なのだ。

市民の貴重な財産が、現職市議の不動産ビジネスによって大きな「打ち出の小槌」に化けようとしている。
今後、政治倫理の観点からも批判の声が上がっていくだろう。

 

― 続 く ―

 



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利益約2億円、公有地が市議の手に (2)

■ 合格ラインをわずか8点上回った落札

条件を大幅に緩和、但し、それだけでは坂平市議の手に渡ることはなかった。
審査の過程で、市側が主導して意図的な「点数の不正操作」を行った証拠がある。
4回目の公募では、満点560点のうち6割にあたる336点以上を獲得した応募者を一次審査通過者とするとされていた。
審査の結果、坂平の得点は344点。合格ラインをわずか8点上回っての通過だった。

 

■ 「過去10年以内」の実績がない企画提案書

問題は、審査基準の「事業実績」の項目にある。
基準には「過去10年間において提案内容と同種・同規模の実績はあるか」とあった。
これに対し、坂平市議が提出した企画提案書の実績欄はこう書かれていた。
「平成8年に飯塚市小正の土地を取得後、平成10年に同地に6階建てのマンションを新築し、市内の事業者に売却しました。同様に飯塚の4階建てマンション、新飯塚の5階建てのマンションを売却した実績があります」

市の実施要領には、「過去10年間の類似実績をすべて記載してください。事業の実施年度についても記載してください」と厳格に明記されていた。
企画提案書では計3棟のマンションを売却したとあるが、1棟目は「平成10年(1998年)」のこと——公募時点から数えて、実に25年前だ。
残り2棟については実施年度の記載がなく、「10年以内」ということが確認できない。
坂平市議の提案書は、この基本ルールを守っていない。

 

■ 事務局が仕掛けた採点誘導

そこで市の事務局は動いた。
実績に関する採点基準は、10点満点で5段階に分かれており、「過去10年以内に同種・同規模の実績はないが、同種類の実績がある場合」は4点、「ない場合」は2点となっていた。
7月7日の一次審査が始まる前、事務局は選定委員に対してこんな採点案をわざわざ送付している。
「(応募者の坂平市議は)同種・同規模の実績はないが、同種類の実績があることから、事務局評点を4点とする」。

 



 

それだけではない。
本来の一次審査項目の審査内容における事業実績の欄には、「過去10年間(平成25年度以降)において、提案内容と同種類・同規模以上の実績を有しているか。」と書かれていた。
ところが、選定委員に送付した文書では、「過去10年間(平成25年度以降)において、」という文言を削除して「提案内容と同種・同規模の実績を有しているか」のみの表示にしていた。
これでは選定委員は、坂平市議が10年以内に実績がないことを知りようもなく、事務局評点の4点が妥当と考えてしまうだろう。

 

■ 14点の「下駄」――本来は不合格だった

本来、10年以内の実績がなければ「2点」のはずだ。
しかし、採点結果を見ると、評価者7人が全員、この事務局案に倣って「4点」を付けていた。
評価者1人あたり2点が根拠なく加算され、7人合計で14点もの「下駄」が坂平に履かせられたことになる。
この14点を坂平の合計点から引くと、得点は330点。
合格ラインの336点を下回り、正確に採点されていれば不合格である。

数字は嘘をつかない。
事務局の関与がなければ、坂平市議は不合格だった。

 

― 続 く ―

 



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利益約2億円、公有地が市議の手に (1)

■ 「幸せの扉」――廃校跡地をめぐる3回の不成立

飯塚市内に今、63区画もの新しい分譲地が売り出されている。
イタリア語で「幸せの扉」を意味するその分譲地は、かつてこの地域で子どもたちの声が響いていた場所——旧鎮西中学校の跡地である。

遡ること令和4年2月、廃校を惜しむ声が地元に残るなか、策定された「飯塚市都市計画マスタープラン」には、その方針が明記されていた。
「<鎮西地区>・学校跡地の有効活用(地域活性化を図り、居住環境に配慮した土地利用の誘導)」。
市はこの方針に沿って、令和3年から民間への売却手続きを進めていくが、道は険しかった。

令和3年6月に1回目の公募があり、意欲のある民間事業者が1者参加したものの、2次審査を通過せず不成立に終わり、同年9月に行った2回目の公募では応募者はなく不成立に終わった。
1年以上開けて、令和4年12月には条件を見直し実施するも、応募者がなくまたも不成立、ところが、令和5年2月の4回目の公募に1者が応募し、同年8月、その1者に売却が決まった。



 

■ 現職市議が唯一の落札者に

問題は、その1者が現職の飯塚市議会議員だったことだ。
坂平末雄市議、旧・穂波町議会議員時代を含めると通算7期目(飯塚市議会議員としては5期目)で、これまで副議長のポストの買収疑惑などでたびたび新聞に報じられたことのある人物だ。

市民の財産である公有地が、行政を監視する立場の現職市議のもとへ。
それだけでも異常な感じがするが、この4回目の公募期間が市議会議員選挙とかぶっていたのも興味深い。

3回連続で不成立に終わった公有地の売却が、なぜ4回目で現職の坂平市議に落ちたのか。
その謎を解くカギは、飯塚市役所内部にあると見られている。
売却を所管する部課には、坂平市議と「極めて親しい関係」にあったという幹部がいた。
この人間関係を念頭に置くと、公募条件の変遷が俄然、別の意味を帯びてくる。

 

■ 議会の目をすり抜けた価格設定

まず注目すべきは価格だ。
3回目の公募で、売却予定最低価格が4,130万円から「1,900万円」へと引き下げられた。
飯塚市のルールでは、2,000万円以上の市有地売却には議会の承認(議決)が必要となり、1,900万円という数字は、まさに議会の目をすり抜け、担当部署の裁量だけで契約を結べる絶妙なラインとも言える。
3回目の公募は結果的に応募者ゼロに終わったが、この価格設定がその後の伏線になったと考えるのは自然だ。

 

■ 露骨な条件変更――出来レースの構図

そして、坂平市議が落札することになる4回目の公募で、実施要領が露骨に変更された。
まず、①応募者数の要件、3回目までは「5者以上でなければ二次審査に進めない」と定められていたが、4回目では「1者であっても二次審査を行う」と大幅に緩和された。
次に、②実績要件の期間、3回目までは「過去5年以内」の実績が必須だったが、4回目では「過去10年以内」へと、期間がそのまま倍に引き延ばされた。
さらに、③審査の方法、3回目まで必須だった対面での「プレゼンテーション」が、4回目では削除され、合否は書類審査のみで決定されることになったのだ。

対面審査をなくし、実績のハードルを下げ、応募者が1人でも合格できる仕組みを作る。
これは特定の人物を合格させるために敷かれた、出来レースと見られても仕方ないだろう。

こうして舞台は整えられた。
次回は、そのお膳立ての上で行われた「点数操作」の疑惑に迫る。

 

― 続 く ―

 



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田川市長選、4候補の政策と説明責任をどう読むか

市民の血税を使う選挙だからこそ、印象ではなく「品格」と「設計図」で選びたい

前市長の辞職に伴う田川市長選は、7月5日告示、7月12日投開票で行われる。今回の選挙は、任期満了による通常選挙ではない。女性職員へのセクハラ認定を受けて村上卓哉前市長が辞職したことに端を発する、いわば出直し選挙である。出馬を表明しているのは、村上前市長、二場公人元市長、佐々木允元県議、浦野仁氏の4人。短期決戦の中で、市民は次の市政の担い手を選ばなければならない。

しかも、この選挙には市民の税金が使われる。田川市の令和8年度6月補正予算案では、市長選及び市議補選の執行に係る経費総額として5,244万2千円が示され、そのうち3,955万9千円を補正予算案に計上している。約4,000万円規模、予備費分を含めれば5,000万円を超える公費を使い、市民はもう一度、市長を選び直すことになる。

だからこそ、今回の市長選を、噂、感情、しがらみ、SNS上の印象、足の引っ張り合いで終わらせてはならない。問われるべきは、誰が一番強い言葉を使うかではない。誰が田川の信用を回復し、人口減少、財政、教育、福祉、地域経済、新庁舎整備を現実に動かせるのかである。

村上前市長は、自身の辞職に伴う出直し選に再び立つ構えを示している。報道によれば、市の第三者委員会は、秘書だった女性職員に対する複数の行為をセクハラと認定した。村上氏は「市政の混乱と停滞を避けたい」として5月31日付で辞職したが、一定のけじめを付けたとして、改めて市民に信を問う考えだという。

村上氏に問われるのは、政策以前に信頼回復である。前回掲げた「ガラス張りの市政」は、今回は自らに向けられる言葉でもある。ハラスメント防止、職員との関係性、意思決定の透明性、市政を混乱させた責任の総括を、反省の言葉だけでなく制度として示せるのか。市民が「もう一度任せてもよい」と思えるだけの説明責任を果たせるかが焦点となる。

二場元市長は、前回選挙で批判や疑惑への対応に追われ、政策や実績を十分に訴えきれなかった面がある。今回、二場氏が市民に求めるのは、単なる返り咲きではない。「もう一度信じてほしい」「田川を託してほしい」という信任を得るには、過去の市政運営への説明責任を避けず、経験を未来の政策に変える提案が必要になる。

二場氏の評価軸は、実際に外部連携を動かしてきた経験を、今の田川にどう再設計するかである。田川市は二場市政下でソフトバンクとDX・ICT利活用に関する連携協定を結び、5G、IoT、AIを活用した市民サービス向上や庁内外業務のDX推進を打ち出した。また、テックマヒンドラとのDX推進パートナー連携では、デジタル基盤整備、人材育成、デジタル実装などが掲げられた。これらを過去の実績で終わらせず、庁舎、教育、福祉、経済をつなぐ「田川再起動」の工程表として示せるかが問われる。

佐々木元県議は、「対立から解決へ」を掲げ、田川市を「稼ぐまち」に変える必要性を訴えている。中心政策として目を引くのが、ふるさと納税100億円である。佐々木氏は、人口減少による自主財源の減少、扶助費や医療費、公共施設維持管理費の増加を踏まえ、福祉・人権・教育を守るためには、田川市自らが稼ぐ力を持つ必要があると説明している。財源論を正面から語る姿勢そのものは、市民が注目すべき論点である。

一方で、佐々木氏には政策以前の説明責任も残る。報道では、佐々木氏は既婚の身でありながら別の一般女性との不適切な関係があったことを理由に県議を辞職したとされる。本人はパワハラや不倫は否定しているが、不倫などの噂を巡る名誉毀損訴訟については訴えを取り下げたとも報じられている。さらに、後援会主催のゴルフコンペ賞品を巡り、公職選挙法違反などの疑いで刑事告発されたとの報道もあるが、本人は法令違反にはあたらないとの認識を示している。今回の市長選は、まさにトップの品格と公私の線引きに端を発した出直し選である。佐々木氏がこれらの経緯をどう説明し、市民にどう納得を求めるのかは、避けて通れない。

また、100億円という数字は、市民に希望を与える一方で、根拠がなければ市民の不安を置き去りにする。田川市の令和6年度ふるさと納税実績は36,596件、7億3,110万7,540円である。100億円はその約13.7倍にあたる規模であり、単に「目指す」と言うだけでは足りない。主力返礼品は何か、何年で到達するのか、参加事業者はどれだけ確保できるのか、物流・在庫・広告・問い合わせ対応を誰が担うのか、経費を除いて田川市にいくら残るのか。政策として問われるのは、数字の大きさではなく、実現までの設計図である。

浦野氏は、30歳の新人として「田川、新時代」を掲げる。公式サイトでは、教育、子育て、経済、福祉の4つの改革を柱に、しがらみのない政治、市民最優先の政治を訴えている。学習塾経営の経験や海外での経営学習を市政に注ぎ込むとしており、若さ、発信力、教育現場での経験は、閉塞感のある田川に新しい空気を入れる要素である。

一方で、市長職は思いだけでは務まらない。教育改革一つを取っても、学校再編、通学、部活動、不登校、教員負担、財源、議会調整が絡む。子育て支援、福祉、交通、企業誘致も同じである。民間経営や教育現場での経験を、行政の制度、予算、組織運営にどう翻訳するのか。浦野氏には、若さを実行力に変えるための手順を示すことが求められる。

4候補とも、それぞれに訴えるものはある。村上氏は、信頼を失った市政をどう制度として立て直すのか。二場氏は、過去の説明責任を果たしたうえで、経験と実績をどう再起動の政策に変えるのか。佐々木氏は、品格を問われる経緯をどう説明し、100億円という大きな目標をどう現実の財源計画に落とすのか。浦野氏は、若さと教育への熱を、どう行政の実行力に変えるのか。

市民の血税を使って行われる選挙だからこそ、田川市民には、印象ではなく政策で選ぶ責任がある。不倫、セクハラ、疑惑、対立、印象操作。そうした言葉で田川の名前が語られる時間は、もう終わりにしなければならない。

問われているのは、田川の品格である。
そして、田川の将来である。

誰なら信じられる説明があるのか。
誰なら託せる政策があるのか。
誰なら、その政策を本当に動かせるのか。

今回の田川市長選は、過去への怒りをぶつける選挙ではない。田川の信用を取り戻し、未来を選び直す選挙である。



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田川市長選挙

再び「印象選挙」か、それとも政策で選ぶ本質選挙か

前市長の辞職に伴う田川市長選は、7月5日告示、7月12日投開票で行われる。田川市選挙管理委員会が日程を公表しており、突然の市長交代を受けた選挙となる。今回の選挙で問われるのは、単に「誰が次の市長になるか」ではない。ここ数年、田川市政を覆ってきた疑惑、批判、告発、印象操作、足の引っ張り合いの政治から、市民が本当に抜け出せるのかという点である。

村上卓哉前市長は、女性職員へのセクハラ行為が第三者委員会に認定されたことを受け、5月31日付で辞職した。前市長は前回選挙で「田川市を取り戻す」と訴え、二場公人前市長の市政運営への批判を追い風に当選した。しかし、その市政が任期途中で自らの問題により幕を閉じたことは、市民に重い失望を残した。政治家の私生活がすべて公的問題になるわけではないが、職員との関係、権力関係、市政混乱につながった問題であれば、トップとしての品格と説明責任は避けられない。

田川市の課題は待ってくれない。令和8年6月1日現在の住民基本台帳人口は4万3630人。人口減少、少子高齢化、地域経済の停滞、教育、公共施設の老朽化は、誰が市長になっても直面する現実である。つまり、今回の選挙は「雰囲気のよい候補」「批判がうまい候補」を選ぶ選挙ではなく、停滞した市政を実際に動かせる候補を選ぶ選挙でなければならない。

その中で、最も注目されるのが、6月8日に無所属で立候補する意向を表明した二場公人元市長である。前回選挙では、二場氏は疑惑や批判への対応に追われ、政策や実績を十分に訴えきれなかった面がある。もちろん、過去の市政運営について説明責任がなくなったわけではない。情報公開、周辺自治体との関係、行政判断の透明性は、今回も市民が確認すべき論点である。

一方で、前回の選挙が「印象」に傾きすぎたことも、今となっては冷静に検証されるべきだろう。批判や噂と、確認された事実は分けて考える必要がある。選挙に勝つための言葉は強く響く。しかし、市政を前に進めるには、国、県、民間企業、職員組織、市民を動かす実務力が必要になる。その点で、二場氏が市長時代に進めたソフトバンクとのDX・ICT連携、テックマヒンドラ・コミュニケーションズ・ジャパンとのDX推進パートナー連携などは、田川が外部の力を取り込み、次の産業や行政改革に向かおうとした実績として再評価の対象になり得る。

対抗軸として名前が挙がる佐々木まこと元県議は、6月2日に立候補の意向を表明した。県議経験があり、「対立から解決へ」と訴える姿勢は一定の期待を集める可能性がある。ただし、佐々木氏は過去に一般女性との不適切な関係を理由に県議を辞職している。本人は法的問題はないと説明し、パワハラや不倫疑惑については否定しているが、村上前市長の問題で市政が混乱した直後だけに、有権者は公私の線引きや説明責任について、より厳しく見ることになるだろう。

また、新人の浦野仁氏は4月15日に立候補の意向を表明しており、「田川、新時代」を掲げる。若さや発信力、学習塾経営の経験は、閉塞感のある田川に新しい空気をもたらす要素ではある。ただ、市長職は発信力だけでは務まらない。財政、議会、人事、公共事業、防災、福祉、教育、企業誘致を同時に動かす総合行政の責任者である。若さを評価するにしても、具体的な政策、実行体制、財源の裏付けを見極める必要がある。

今回の市長選で避けて通れないのが、新庁舎整備である。田川市の新庁舎整備基本構想素案では、概算事業費は約119.3億円。財源は自己資金約41.1億円、地方債約78.2億円を見込むとされている。現庁舎の老朽化や耐震性の課題は事実であり、建て替えそのものを単純に否定する話ではない。しかし、119億円規模の事業を「必要だから進める」だけで済ませてよいのか。防災拠点、行政DX、市民サービス、周辺地域の再生、民間投資誘導まで含めたロードマップがなければ、一時的な建設需要だけが残り、将来世代への負担となりかねない。

市民が今回見るべきなのは、誰が誰を批判したかではない。誰が数字を見ているか。誰が財源を語れるか。誰が庁舎を単なる箱モノではなく、まちの再起動拠点として描けるか。誰が教育、人口減少、地域経済を一体で語れるかである。

前回の選挙では、批判の勢いが結果を動かした。だが、批判によって市長を代えることと、まちを良くすることは同じではなかった。今回、市民が再び印象や感情に流されるなら、田川市政はまた同じ混乱を繰り返すことになる。

二場氏にとって今回の選挙は、単なる返り咲きの機会ではない。前回十分に伝えきれなかった実績と政策を、冷静に、具体的に、市民の前に示せるかが問われる選挙である。同時に、有権者にとっても、噂やしがらみではなく、政策と実行力で市長を選び直す機会である。

田川は、もう一度問われている。
印象で選ぶのか。批判で選ぶのか。
それとも、停滞を動かす政策で選ぶのか。



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ムラ運営からの脱却を 【後編】

臨時総会を封じ込めた「奇策」

令和8年5月28日、定例総会の場で異例の事態が起きた。

敗訴の責任を問うため、正会員35名が同年4月、定款の招集要件を満たす形で「臨時総会」の開催を正式に請求していた。
しかし理事会は「署名者の確認ができない」との理由でこれを拒絶。
代わりに、自ら定例総会へ「理事・監事解任について」および「会員除名について」という議案を上程するという、異例の対応に出た。

理事会自身が自らの解任議案を提案するのは、一般的な法人運営ではあまり聞いたことがない。
この手法については、ガバナンスに詳しい有識者からは「自らが議題設定権を握ることで、審議の主導権を手放さないための戦略的対応」と分析する声がある。

 

「誰が賛成したか」が見える会場

総会の席上、H氏に対し、かつての降格人事に関わった理事から「署名活動は職務専念義務違反だ」という追及がなされたと複数の出席者が証言している。
賛否が公開される形式のもとで、このような発言が行われた事実は、表決行動に対する心理的な影響を否定しにくい。

採決の結果、解任決議は「賛成少数」で否決、除名決議は、特別決議に必要な正会員の3分の2以上に達しなかったため、決議要件を満たさず流会となった。

「相手の思惑通りということですよね」「そうですね」。
総会後、関係者の間でそうしたやり取りが交わされたという。

 

問われる「登録DMO」の実質

全国から視察が訪れるほどの実績を誇る糸島市観光協会の登録DMOとしての地位は、H氏による専門的な実務によって支えられてきた。
旅行消費額の増加、インバウンド対応の強化、レンタサイクル事業の拡充、HPアクセス数の倍増——これらはいずれも、データと戦略に基づく地道な取り組みの積み重ねによる成果だ。

一方で、観光庁に登録されたDMO法人の理事という肩書は、地域では相応の社会的信用を伴い、理事らにとっては光栄なことである。

協会が登録DMOを維持していくためには、データ収集・分析・戦略策定・KPI管理・PDCAサイクルの確立など、高度な実務能力が求められる。
2025年の制度改定では、観光庁のガイドラインに「DMO職員の満足度調査の実施」が新たに盛り込まれたのも興味深い。
裁判所にパワーハラスメントを認定された組織が、この規定をどう満たすのか。
3年ごとの更新審査が、静かに迫っている。

裁判所に不法行為を認定されてもなお、理事らから明確な反省の表明は確認できていない。名誉ある肩書を持つ者が、その肩書を支えてきた人材の実務権限を制限し、本来の職務を十分に発揮できない状況が続いている。
観光地が持続的に発展するためには、実務を担う人財を組織が守り、活かす文化が不可欠だ。
糸島が問われているのは、肩書や慣習ではなく、成果を生み出す人材を正当に評価できる組織であり続けられるかどうかである。

 

了 ―



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ムラ運営からの脱却を 【中編】

敗訴確定後の「遺憾」声明

令和8年2月9日、協会側は一審判決を受け入れ控訴を断念、敗訴が確定した。
ところが会長名義で会員に配布された文書には、こう記されていた。
「当法人としては、当時の判断には正当な理由があったと考えており、判決内容は遺憾でございます」。
控訴しなかった理由として「地域活動を優先するため」と説明するが、賠償金の原資が会員の会費であることを踏まえれば、説明責任という観点から疑問視する声もある。

 

復職後に続く「過大な要求」

判決確定後、事務局長として復職したH氏に対し、その後も組織内での困難な状況が続いたという。
復職後、H氏の職務権限が以前より制限される形となったと、関係者は証言している。
さらに、実務面でも重大な問題が浮上した。
H氏本人によれば、事務局長を外れていた令和7年度の事業報告書を、わずか数日でゼロから作成するよう命じられたという。
次年度の事業計画案についても、事業の骨子が示されないまま作成を求められ、提出後は「私見が入っている」として退けられた。
修正の具体的な指示がないまま書き直しを繰り返させる、こうした一連の業務命令について、労働実務の専門家からは「過大な要求に該当する可能性がある」との指摘もある。

 

見えない財務コスト

この内紛が観光協会にもたらした財務的影響は小さくない。
裁判所が命じた賠償金約118万円に加え、令和5年度中に支払われた弁護士費用22万円を合わせると、損害額は約140万円に上る。
協会の令和7年度予算が150万円のマイナスであることを考えれば、これは組織の財政に対する相応の打撃である。

加えて、H氏が降格されていた期間(令和5〜7年度)には、事務局長不在の補填として別の人員が配置され、余分な人件費が生じていた。
不当な降格人事がなければ発生しなかった二重コストだが、裁判所から不法行為を認定された理事らは「経営判断として一定の合理性があった」との立場を変えておらず、個人として責任を表明する動きは確認できていない。

登録DMOとしての実績を支えてきたH氏の専門知識と実務能力は、データ分析から旅行商品造成、インバウンド対応まで多岐にわたる。
その人材が本来の職務から長期間切り離されたことは、組織の事業継続という観点からも、課題を生じさせた可能性がある。

 

続 く ―



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ムラ運営からの脱却を 【前編】

「登録DMO」の見えない実態

福岡県糸島市。
玄界灘に面した美しい海岸線と、SNSで話題を集めるカフェが点在するこの街は、全国有数の人気観光地として広く知られる。

その観光振興の中核を担う「一般社団法人 糸島市観光協会」は、平成31年(2019年)に観光庁の「日本版DMO候補法人」となり、令和4年(2022年)3月には「登録DMO」として正式に認定された実績を持つ。
DMOとは、データと戦略に基づき地域全体の観光づくりを推進する法人(Destination Management Organization)のことだ。
単なるPR団体にとどまらず、マーケティング分析・地場産業との連携・旅行商品の造成・インバウンド対応まで統合的に担うこの仕組みの実務を、入職以来、牽引してきたのが事務局長のH氏である。
全国の観光協会から視察が相次ぐほどの実績を積み上げてきた人物だ。

しかし令和8年1月26日、福岡地方裁判所は同協会に対し、重大な司法判断を下した。
令和5年3月にH氏に対して行われた事務局長からの降格処分を「裁量権の逸脱濫用」としパワーハラスメント1件を認定、事務局長への復帰と賠償金の支払いを命じたのである。

 

定款に存在しない意思決定機関

H氏は令和3年5月、旅行会社での専門的な実績を評価されて入職し、同年11月には事務局長に就任した。
入職後、H氏が直面したのは、地方の公的団体に根付く「前例踏襲型」の組織文化だった。

協会内には定款に何の規定もない「三役会」なる事前協議の場が存在していた。
代表理事(会長)と2名の副会長の計3名が理事会にはかる前に実質的に人事や予算等の議案を決定し、理事会はそれを追認するだけの形骸化した構造である。
会長は地元老舗酒蔵の代表者、副会長は神社の禰宜とレストランのオーナーという顔触れであり、糸島の地域観光への愛着は深い一方で、観光戦略を専門とする人材ではない。

商工会など地方の経済団体では「長のつく役職」への需要は根強い。
理事、副会長、会長——肩書は地域社会における一種のステータスであり、名刺交換の場での存在感を左右するのは観光協会も例外ではないだろう。
だが、DMOという国家資格に近い登録制度の傘の下では、その「長」たちに、データと戦略で地域を動かす責任が伴う。
肩書の重みが、実務の重みと釣り合っているかどうかは、また別の話だ。

令和5年2月、H氏はガバナンス上の問題を理由に「三役会」の開催を断り、直接理事会へ議案を提出した。
組織の近代化を目指す立場からは自然な判断だったが、これがムラの慣習との衝突を招くことになった。

 

司法がパワハラ認定

令和5年2月21日、三役はH氏に対し、他の職員を同席させた上で事務局長からの降格を通告した。
裁判所はこの行為を「原告に屈辱感を覚えさせるものであって手段として相当ではない」と認定し、パワハラと結論づけた。
賠償額は約118万円、司法の判断は明確だった。

 

続 く ―



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焦る自民党地方議員

来年4月に統一地方選挙を迎える福岡県内の地方議員は、1年を切ったことで選挙戦略を含め動き始めるも、自民党が推薦をした現職首長が相次いで敗れるなど、不安感を募らせている。

嘉麻市市長選挙では現職赤間幸弘氏(63)=自民・公明推薦が、元市議佐伯憲子氏(64)に敗北、女性初の総理誕生以降、女性首長の当選も増加傾向にあって、推し易い環境も一助になったと思われる。

そして、数百億円を投じるゴミ処理場問題、佐伯氏を含め10人の市議が反対をしており追い風になったのは間違いない。

また、朝倉市長選挙では、3選を目指す現職林裕二氏(75)=自民党推薦が、新人の中島秀樹氏(62)に敗れた。

こちらは、ゴルフ場の隣接地に計画された外国人の入居を見込むマンション建設問題、住民の反対運動から計画は既にほぼ白紙状態になっていたが、選挙の主テーマに挙げられた。

現職林市長も、住民運動が始まる前から情報収集を行い、法的な問題も模索しながら動いていたが、現職故に民間事業に対しては言葉を選ばなければいけない部分も多々あった。

それが、ユーチューブやSNSの中で、住民への説明が無いとされ、林氏を推進派、容認派の様な印象付けが行われ、最後まで覆すことが出来なかったことも敗因の一つだろう。

ある自民党幹部は、「批判されることはいい。それだけ政治、地域の問題に関心を持ってもらえている証拠、と前向きに捉えるも、最近は言ってもいない事を言った、進めていない事を必死になって進めている」と、面白おかしく動画やSNSで捲し立てる戦法に多大な疑義を唱えていた。

ユーチューバーらの再生回数を増やし落選させる手法は確立されつつあり、ベテラン議員は特にSNS対策・警戒は急務、今までと同じ選挙手法だけでは通用しなくなっている。



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ナフサショック

石油化学製品の原料となるナフサ(粗製ガソリン)が、中東情勢の影響から調達が困難な状況下、地場中小ゼネコンや下請けにおいては建設資材不足が顕著となっている。

国産ナフサもあるのだが、その原料となる輸入原油が中東に依存していたため製造が困難な状況にある。

更に原油の国家備蓄は250日確保している一方、ナフサに関しては2~3週間分しかなく、既に米国からの輸入や、更には国家備蓄の放出なども始めている。

しかし輸入コストの上昇などもあり、国産ナフサの価格はキロリットル換算で昨年10月~12月の6.56万円から13.4万円まで倍増、戦争が長引けば更なる上昇も考えられる。

4月に入り各メーカーは軒並み販売価格の値上げ、もしくは生産停止や出荷制限、受注停止を示唆しており、これを受け工事現場がストップすることも十分に考えられる状況に陥っている。

令和3年以降、高値が続く木材価格や鋼材価格も再び上昇が加速する中、イラン情勢による石油関連資材・商品高騰は多岐に渡っており、一部では便乗値上げも見受けられ影響を受けない建設業者はいないだろう。

スーパーゼネコンを始め地場大手に関しては、メーカー側も相応の対応を図っており、直ぐに供給停止にはならないだろうが、価格上昇の影響は避けられないものがある。

また地場中小のゼネコンや業者においては、既に奪い合いの中でユニットバスや接着剤を始め、石油関連商品の不足は避けられず、現場ストップの可能性も十分に考えられる。

福岡では、天神、博多駅周辺でホテル建設のラッシュが続いており、既に対応に苦慮している現場も多数あり、仮にホルムズ海峡が通過できるようになったとしても、輸送日数も掛かり国内供給が落ち着くまでは大混乱が当面は続きそうだ。


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「機能不全」—— 老害が地方自治体を壊す日 後編

後編|病院問題に透ける選挙目当て——最大の被害者は町民

長老グループの「町長降ろし」と並行して、もう一つの重大な問題が進行していた。
町立病院の経営問題だ。
毎年多額の赤字補填が続き、このままでは財政そのものが破綻しかねない——その危機感から、町は丁寧な手続きを踏んできた。
有識者委員会の答申、町内19地区での住民説明会、335名のアンケート。
回答者の8割が高齢者でありながら「無床診療所化・指定管理者制度導入」を支持する声が最多を占めた。
「赤字が続いたら町がなくなる」「子どもたちのために借金を減らしてほしい」——病院の恩恵を最も受けるはずの高齢の町民たちでさえ、財政への危機感から変化を求めていたのだ。

住民説明会資料(小竹町の財政状況等)

住民説明会アンケート結果

ところが令和7年12月定例会で、長老議員が委員長を務める特別委員会が、この積み上げを賛成4・反対7で一夜にして覆した。
しかも委員会の報告書には、なぜ否決したのかという合理的な説明が見当たらない。
今年は町議会議員選挙が行われる。
「病院を守った」という実績が高齢有権者への集票カードになる——その計算が判断の裏に透けて見える。
住民の合意形成を踏みにじり、町民の不安を票に換えようとする姿勢は、前編で報じた町長攻撃と同じ構図だ。

もちろん、一期目の井上町長に未熟さがあったのも事実だろう。
職員の事務処理ミスや議案の誤りは実際に生じており、改善すべき課題はあった。しかし「町長に問題があるから何をしてもいい」という理屈は通らない。
不信任、辞職強要、法令を超えた懲罰的議決、民意を無視した病院問題——これらはいずれも、行政上の不備への正当な対応ではない。

地方議会の役割は、行政を監視し住民の利益を実現することにある。
しかし小竹町議会では、その機能が「町長降ろし」と選挙目当ての判断に費やされてきた。
高齢化率42%を超え、財政破綻の瀬戸際に立つ町で、議会が建設的な議論に使うべき時間は、一人の町長への攻撃に消えていった。
最も傷ついているのは、置き去りにされてきた町民だ。

今年の町議会議員選挙は、町民が審判を下す機会である。
子育て・教育・インフラへの投資を削りながら借金だけを積み上げる長老支配に終止符を打てるのは、町民自身だけだ。
あの20代の男性が電話口で漏らした「くだらなさすぎる」という言葉は、多くの町民が胸の奥に抱えてきた本音ではないだろうか。
誰が町民の方を向いているのか——その目で見極め、一票を投じる時が来た。


(了)

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「機能不全」—— 老害が地方自治体を壊す日 前編

前編|不信任、辞職勧告、そして法令越え疑いの「懲罰議決」

「最近、国政にも関心が出てきたんですが……町政がくだらなさすぎて、正直うんざりしています。取材してもらえませんか」

福岡県の筑豊地区に位置する小竹町に住む20代の男性から、そんな電話が入ったのは今年の初めのこと、声には諦めと怒りが滲んでいた。
若者が地元の政治に関心を持ち始めた矢先に感じるこの閉塞感とは何か——現地を訪ねてみることにした。

取材を進め、過去の町議会のYouTube動画を視聴していくと、地方民主主義の根幹を揺るがす事態が浮かび上がってきた。
2022年12月、24年ぶりの選挙を制し、同町初の女性町長として就任した井上頼子町長。
NPO法人役員から転身し「町民目線」を掲げた彼女を待ち受けていたのは、何十年も議会に居座り続けた長老議員たちによる理不尽で執拗な攻撃だった。

攻撃の第一弾は、就任わずか11ヶ月目の令和5年12月、長老議員の一人が12月定例会の本会議で「緊急動議」として不信任決議案を提出したのだ。
提案理由として挙げられたのは、副町長選任問題、学校給食事業の条例撤回、一般会計補正予算の否決——いずれも議会側が先に否決・否定した案件である。
要するに、「長老議員の意に沿わない提案を最初から出すな」ということだが、「従わなければ不信任」という圧力を公然と放ったのだ。
これは、議会の力を誇示する以外の何物でもなく、あまりにも低次元である。
不信任決議は賛成5・反対7で否決されたが、長老グループは止まらなかった。

翌令和6年1月の臨時会では、報告案件への質疑を理由に、今度は長老議員から辞職勧告決議案が提出された。
賛成5・反対6でかろうじて否決された。
議場内での長老議員の言動をあまりにも酷いと思った町民が、政治倫理審査会に申し立てを行ったところ、この一連の言動は「議員の品位と名誉を損なう行為」と結論づけられたのである。

弊社記事→ 長老議員に厳しい意見書(2024.2.15)

ところが、かの長老議員はこの結論をものともしない。
そして、最大の問題が令和7年12月に訪れる。
発端は職員の不適切な事務処理、井上町長は責任を取り、自ら「給与を3ヶ月間・20%削減する」という条例案を提案した。
ところが議会はこれを「軽すぎる」として突如修正し、削減期間を「任期満了(令和9年1月28日)まで」に延長する修正案を賛成6・反対5で強行可決したのである。
これには驚いた。

ここに重大な法的問題があるのではないか。
地方自治法において、議会が首長を懲戒する規定は存在しない。
町長と議会はいずれも住民の直接選挙で選ばれた対等な代表機関であり、上司と部下の関係にはないからだ。
町長が「議会の権限を超え地方自治法に違反する」として再議を要求しても、議会は賛成7・反対4で押し切った。
法令違反の疑いを正面から指摘されてなお強行するこの姿勢は、議会制民主主義の根幹を揺るがすものだ。

さらに同じ会期中に、議会は辞職勧告決議も可決した(賛成7・反対4)。
「任期満了まで給与を削減する」と「今すぐ辞職せよ」は論理的に完全に矛盾する。
この二つを同一会期内に可決したという事実が、熟慮のない感情的な議決であることを議会自ら証明している。
就任から約2年の間に、不信任決議・辞職勧告決議・法令違反の疑いがある給与削減の強行・再び辞職勧告決議——これほどの攻撃を一人の首長が受け続けた事例は聞いたことがない。

(後編へ続く)



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答えの出ない中道議員

2月8日投開票の衆院選の直前、1月15日に立憲・野田代表と公明・斎藤代表の党首会談が行われ中道改革連合が誕生し、立憲議員は20日までに中道入党か無所属かを迫られた。

146人中144人が自身の意思で入党を決意、残る2人は佐賀1区の原口一博元総務相は減税日本・ゆうこく連合を結党し、茨城6区の青山大人氏は無所属の道を選んだ。

結果として2人は小選挙区で敗れ議員バッジを外すこととなったが、落選後もどこか晴れやかな顔をしており、既に次の選挙に向けて走り始めている。

一方で、中道に入党した144人においては小選挙区で勝ったのは7人のみ、比例復活を含め21人に止まり123名が落選、その多くは選挙の御礼を兼ね街頭に立ち、支持者への挨拶廻りを行うも、今後の進路についてはほとんどが「白紙」だ。

問題となるのはやはり「金」、政党交付金が大きく目減りする中、支部長を続けたとて人数の多さもあり、現在の月額50万円年間600万円からの減額は避けられない状況だ。

家族を養いながら、2~3年後の衆院選に向け政治活動を続けていくには事務所家賃や私設秘書給与、交通費、会合費など月額100万~150万円は最低限必要となる。

長期間に亘り資金援助があれば良いが、先行き暗い中道落選議員に数千万円の投資をしてくれる人は少なく、仮に借金をして続けたとしても、必ず当選する保証も無い。

よほど高い志と政治信条が無ければ、多くの落選者は心が折れてしまうのが普通だとも思える。

落選した中道議員からは、議席を増やした公明党と組んだことを後悔してもし切れず、なぜ自分たちだけで党勢を立て直そうとしなかったのか、今となって恨み節も数多く聞かれるが、全ては落選した議員本人の不徳の極みと言えるだろう。



 

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自民党圧勝

2月8日投開票の衆院選、各メディアは自民圧勝を予測するも、自民単独で「3分の2」(310議席)を超える315議席、維新と合わせ与党で352議席勝利は想定を超えていた。

九州・沖縄でも自民党は公示前の21議席を上回る29議席を獲得、佐賀、熊本、大分、沖縄では独占、福岡でも10選挙区で勝利、唯一小選挙区で敗れた9区三原朝利氏も比例復活を遂げるなど、自民党にとっては満点以上の結果と言えるだろう。

一方で敗れた中道改革連合、公示前の167議席から小選挙区では7議席、比例で42議席の計49議席に止まり7割減、118議席を増やした自民党に対し123議席の激減となった。

旧立憲においては、小沢一郎氏を始め岡田克也氏も落選、共同幹事長の安住淳氏や選対事務局長の逢坂誠二氏、共同選対委員長の馬淵澄夫氏、元衆院副議長を務めた玄葉光一郎元外相など大ベテラン及び現在の党の顔とも言える面々が次々に敗れた。

そして、これまで東京29区、兵庫2・8区、広島3区の4つの小選挙区で議席を守ってきた旧公明は全て比例に回り、旧立憲が候補者を擁立するも惨敗している。

一方で、旧公明は比例代表に28人を擁立し28人が全員当選しているだけに、旧立憲で落選した議員は憤りを隠せず毒を吐く始末、今後の中道改革連合には暗雲が漂っている。

中道は、再び分かれる道を選ぶ可能性も残るが、負け方があまりにも凄まじく支持者離れが顕著となった今、更に勢いが弱まるだけでなく消滅の危機も囁かれている。

新たな代表を、数少ない当選者の中で誰にするか、小川淳也氏や階猛氏の名前が挙がるも、資金の面も含めハードルは異常に高くなっており難しい舵取りになるだろう。



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衆院選・自民圧勝となるか

2月8日投開票の衆院選であるが、共同通信社や各メディアの情勢調査では自民圧勝の情報が流れている。

当初、急転直下の解散で本予算の問題もあり「なぜ、このタイミングで解散をするのか」と高市総理への非難が沸き起こった。

そして、立憲民主と公明の一部が合流し、中道改革連合が瞬く間に設立され、各選挙区1万~2万票の公明票が中道に流れることで自民党は厳しいとのメディア報道が相次いだ。

しかしながら、選挙戦が始まると自民候補者は、自身の主義主張を一旦は置き、75%まで跳ね上がっていた高市総理人気にあやかる作戦を採る。

これまでの様に、企業や団体から名簿を貰う企業選挙は、個人情報等の問題もあって集まらない事も踏まえ完全に捨て去り、SNSを主戦場とする手法に切り替えた。

そこでも高市総理を全面に押し出し、大量に流すことで小選挙区での勝利に繋げたい戦略、実際に現時点では大成功の兆しで、30日の行橋市や警固公園には高市総理を一目見たい、生の声を聴きたいという小中高校生から高齢者までが、立錐の余地がないほど集まっていたのも事実。

更には昨年から国民や維新、参政のメディア露出が増える中で、何を言っても響かなかった立憲と、比例票が徐々に減少傾向に転じていた公明だけに、新党・中道改革連合となっても支持率には繋がらず状況は厳しさを増しつつある。

福岡選挙区の1区、3区、4区、5区、6区、7区、8区は、自民が優勢となっているが、2区、9区、10区、11区においては接戦、もしくは自民候補が負けており、残り1週間で追いつくかどうか。

各党がどこまで巻き返すか、投票箱が閉まるまでの残り5日、政治生命を賭けた熱闘が繰り広げられるだろう。



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総選挙の裏話・裏事情

1月27日公示、来月8日に投開票が行われる衆院選挙、戦後最短となる16日間が始まる。

時の内閣総理大臣には伝家の宝刀と言われる「解散権」があることから衆院議員は「常在戦場」、いつなんどき選挙が起こっても常に対応できる体制が必要と言われるが、やはり前回の選挙から1年3ヶ月、自民党衆院議員の事務所では代議士から秘書、事務方までそれぞれが四苦八苦している。

一方で立憲民主と公明で設立した中道改革連合では、やはり知名度の低さをカバーすることが急務であるが、ポスターからチラシなど全てが一新されており、通常の選挙より多くの人手が必要となっており、ほとんどの陣営で人手不足となっている。

また、設立から日が浅く組織が出来上がっていない参政党は、九州の地方都市では選挙に精通しているスタッフが少なく、政見放送の製作契約や法定ビラ、ウグイスの届け出などが遅れている。

もちろんトップに君臨する神谷宗幣氏が、SNS発信で相応の票の掘り起こしを行いカバーするのだろう。

しかし、カリスマ性の高い神谷代表に直接会って、見て、話しを聞いて投票行動に移る有権者も多くいるだけに、参政党の引き回しにも注視したい。

どの政党でも猫の手も借りたいほどバタバタしている現状、選挙違反が増える可能性も高く、警察はいつも以上に目を光らせておく必要があるだろう。



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令和8年

令和8年は60年に一度の「丙午(ひのえうま)」にあたり、午年は成長や成功、繁栄のシンボルとされ縁起が良い年と言われる一方、60年前は全くの迷信で「産み控え」が発生、合計特殊出生率が大きく落ち込んだこともあった。

現代において、それを信じる若い世代はいないと思われるが、令和6年に生まれた出生数は70万人を大きく割り込み68万人、昨年度は更に落ち込んだとの推計もあり、今後は出生数から死亡数を差し引いた自然減は70万人に迫る勢いだ。

しかし、福岡市及びその周辺には九州各県から若い世代の流入も多く、依然として人口増に伴い発展を続けているが、周辺各県や地方自治体は厳しさが増している。

特に20代~30代前半の若い世代は、可処分所得の多くをデート費用に始まり、プレゼントや衣料品、貴金属、コンサート、スポーツ観戦、宿泊などで、多額のお金を福岡市で使っている現状があるものの、いつまで続くかは判らない。

今後10年~15年は大丈夫と思われていたが、合計特殊出生率が予想を超える減少傾向の中、福岡市の人口減少が早まる予測もあり不確定要素を抱えた状況でもある。

また、気候変動により魚の漁獲高や野菜、果物の生産量が変動しており、輸送コストも上昇する中、混乱は既に始まっている。

世界情勢を見ても、年初より米国トランプ大統領がベネズエラを急襲しマドゥロ大統領を逮捕する衝撃的なニュースが飛び込んできたが、ロシアや中国が批判すると同時に、様々な軍事行動を早める可能性も高まり、緊張感は更に増している。

「世界平和は夢のまた夢」状態にあり、日本がその中でどう立ち居振舞うか、一歩間違えればとんでもない事も起こり得る。

大企業の業績は順調であるが、中小企業や地方経済とは隔たりも感じられ、今年は何事にも気を抜けない1年になるだろう。



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石丸伸二氏が福岡市に移住

東京都知事選で注目を集めた「再生の道」の前代表・石丸伸二氏(43)が、12月半ばにも福岡県福岡市に移住することを発表した。

YouTubeチャンネル「リハック」に新しく開設された「リハック九州」の支局長及びCCOに就任した模様、今後の活動はもちろん動向にも注目が集まっている。

安芸高田市長の頃からYouTubeを活用し、東京都知事選挙では現職の小池百合子氏には敗れたものの、128万票の蓮舫氏を上回る165万票を獲得、知名度は全国区となった。

今年1月には地域政党「再生の道」を設立、自身は出馬しないものの東京都議選(42名擁立するも全員落選)や参議院選挙(全員落選)に候補者を擁立していた。
そして9月16日には「再生の道」の代表を辞任している。

今後、福岡及び九州でYouTubeが中心となると思われるが、どういう活動をするのか、来年11月には福岡市長選挙もあり、その動向は気になるところ。

現職の高島宗一郎市長は、5期目の挑戦をするのか現段階では判らないが、選挙関係者の間では大きな話題となっている。



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建築費高騰だけじゃない

福岡市では昭和52年の地下鉄空港線の建設工事から、縄文時代の土器や石器が発見され、その後も中国製の陶磁器などが次々に出土している。

これまでの調査から、JR博多駅の北西エリア一帯(東は御笠川、西は那珂川に挟まれた範囲)を「博多遺跡群」とし、「掘れば確実に何かが出る地域」とされ、建て替えを計画するも発掘調査に掛かる費用や期間で諦めたケースも数多くあった。

また、令和6年2月に旧冷泉小学校跡地で博多遺跡群の一部と考えられる「石積遺構」が発見され、これは博多が中世の国際貿易都市として栄えていた事を示す学術的な価値が認められ、「博多遺跡」という名称で国の史跡に指定されている。

元気都市福岡では、天神ビックバンや博多コネクティッドで次々に大型ビルの建設ラッシュが始まっているが、周辺地域でもホテルやビジネスビルの建設も増加している。

しかしながら既存の建物を壊した段階で、特に博多区の冷泉地区周辺では文化財が出土することが多い。

試掘調査の結果、埋蔵文化財が確認されれば、文化財保護法第93条に基づき工事の届け出を提出した事業者が、作業員の人件費や消耗品費、重機代などを負担しなければいけない。

発掘調査は2~3ヶ月、場合によっては1年以上に及び、1㎡あたり約9万円の費用が必要とのこと。

しかし、福岡市の現状では調査員の確保が難しく最低でも1年以上に亘り工事を進めることが出来ない状況にあるようだ。

民間でも発掘調査をする業者はあるが、その費用は2倍、最近では人件費の高騰で3倍程度が掛かる模様。

1年間工事がストップし、発掘調査費用や金利を計算すると、かなりの高額になり頭を抱えている事業主も出ており、福岡市も何らかの救済措置を考えるべきだろう。



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天神ビッグバンは成功するのか?

円安による輸入資材の価格はもちろん、国内資材も様々な理由で値上げが次々に行われている中、ゼネコン業界の人手不足は常態化している。

6月頃より異常な高温が続き熱中症対策にも注力しているが、主力となる50代以上の熟練作業員は悲鳴を上げており、今後は入社数より離職者が今以上に大幅に上回り、まさに「請けたら負け」の状況が迫っている。

コロナ禍を経てインバウンドで観光客が押し寄せている東京や京都、大阪、福岡は都心部の大型再開発も目白押しだ。

かつて駅前など都心部は正立方体型の百貨店主体の再開発であったが、今や下層階に商業施設、上層階にはインバウンド向け高級ホテルが主流で、建設費もかなり高額になる。

ここ1~2年で工事価格は更に上昇する中、完成したビルはどこもお決まりのファストファッションが入店し金太郎飴の様に同質化しており、今までの様に手に取って触って購買欲が上昇する高額商品以外はネットで買える時代、既に商業ビルや新築ビルの空洞化や売上低迷も見られている。

東京都心でも「渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期」が計画変更、中野サンプラザ跡地も「NAKANOサンプラザシティ(仮称)」の建設予定であったが、白紙に撤回された。

福岡においても天神ビッグバンの名の下に次々に大型商業ビルが開業しているが、特にビジネス棟は埋まってはいない。

施主である企業は威信を掛けた大プロジェクトだけに、簡単に計画変更や中止は出来ない上、今の建築費が一番安い状況と考えれば推進するしか無いだろうが、世界情勢や新たなウイルスのパンデミックも予見不能で、一歩間違えればテナントが抜け落ち空洞化しかねない状況も十分に考えられる。

元気都市福岡がいつまで続くか、不動産関係者は危惧し始めた。



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福岡1区の丸尾圭祐衆院議員が初登院

立憲民主党の丸尾圭祐(まるおけいすけ)氏(43)が21日、衆議院議員として初登院した。
昨年の衆議院選挙で福岡1区(福岡市東区<一部は4区>、博多区)と比例代表に重複立候補し落選していたが、党所属の堤かなめ氏の辞職に伴い、繰り上げ当選が決まった。

丸尾氏は、福岡県能古島の漁師の長男として生まれ、幼くして母を亡くし父子家庭で育った。その誠実な人柄と確固たる政治理念で、国政に新風を吹き込むと期待される。
幼少期から社会の縮図に触れ、海外留学費用のため徹夜バイトに励むなど、強靭な精神力と責任感を培った。
実父の介護を両立させ、家族を大切にする覚悟も示す。

政治家を志すきっかけは、中学で男子丸刈り校則を廃止した経験、「議論しルールを変える可能性」を体感した。
12年間の政策秘書時代には、再審無罪者への年金支給立法を実現し、政治が人々の人生を救う力になることを確信した。

丸尾氏の政策は「一人ひとりの能力を最大限引き出す社会」が根幹にある。
国民の生活が苦しい現状を憂い、「日常の思いと希望を国政につなげ、真っ当な政治を実現する」と表明。
物価高対策としての「給付付き税額控除」導入など、国民生活に寄り添う「真っ当な政治」を掲げる。

自身も「ひとりの有権者」と意識し、3児の父として子育て世代の苦労も知る。
その謙虚さと国民に寄り添う姿勢は、「一度会ったらファンになる」と評される彼の魅力の源泉だ。
政治不信の中、丸尾氏に「信頼される政治」への貢献が強く期待される。



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福岡の労働災害

福岡県内の労働災害により死亡者数が急増している。

これにより、福岡労働局は「死亡災害根絶非常事態宣言」を初めて発令、特に建設現場での死亡事故が増えている。

先月にも、久留米市の建物解体現場で倒壊が起こり、作業員2人が死亡する事故が発生、昨年を大きく上回る事故が相次いでおり、特に注意が必要としている。

建設会社などは熱中症対策を行い事故防止に努めているが、やはり今年は梅雨も短く、早くから猛暑が続いていることで肉体的疲労も大きく、注意力が低下していることもあるだろう。

地場建設業界は現場作業員の暑さ対策のため、ファン付きの空調作業服などの体調管理はもちろん、こまめな休憩や水分、塩分補給なども最大限に行っており、これ以上何をすれば良いのか、との声も漏れ聞かれる。



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参院選の結果を経て

7月20日投開票の参議院選挙は、自民・公明の与党が大敗、立憲も横ばいの中で、参政と国民民主が急伸した。

これで、石破政権においては、昨年秋からの衆院選、都議選、参院選と大型選挙は3連敗となり、石破総理は続投の意思を示すも、早くも党内からは退陣論が噴出、今後の政局を含め自民は極めて厳しい状況下にある。

それにしても、最後の1週間においては、各メディアや解説者、コメンテーター、ユーチューブが更に参政党を取り上げたことで、存在さえ知らない地方の有権者を始め、一般の学生や主婦、これまで選挙に行かなかった層にも一気に浸透し大躍進に繋がったのではないだろうか。

福岡選挙区では、従来の自民・立憲・公明で固まっていた構図に、今回は参政党が2番手に躍進する驚きの結果となった。

トップ当選を果たした自民参議院幹事長の松山政司氏は、今回41.9万票、2番手の参政・中田優子氏が38万票、3番手で公明・下野六太氏が32万票で当選した。

もちろん投票率が55.66%と大きく伸びた影響もあるが、次点の国民・川元健一氏と立憲・野田国義氏も30万票を超えており、約2万票の差で落選となっている。
国民民主の玉木代表も、103万円問題などSNSを中心に発信するも、やはり自身の不倫や山尾問題が無ければ、川元氏が届いていた可能性もある。

また、立憲・野田国義氏は危機感を持ってスタートダッシュを果たし序盤はリードしていたが、この選挙期間中においては野田代表の発信力は国民や参政と比較すれば非常に弱く、残り1週間で埋没させられた感は拭えない。

現時点で石破総理は続投を表明しているが、それも8月に入れば難しくなるのは必至、早ければお盆前にも何らかの動きが出る可能性もある。

新たに誰が総理総裁になるか判らないが、仮に秋頃の衆院選ともなれば再び自民党の代議士たちには、今回同様かなり厳しい結果になる可能性も否定できない。

参政と国民を中心に、1週間でひっくり返す力を持つSNS選挙、炎上はするも話題になることで浮動票を掘り起こし票に繋げる戦略は、今後の選挙のやり方そのものを変えてしまう可能性もある。

自民党の1強時代は遥か昔に終わり連立政権となって25年、2大政党論を唱えた時期もあったが、今後は自民党も他党の中に埋没し、ドイツやフランスの様に選挙ごとに連立を組み替える時代が直ぐ近くまで来ている気がしてならない、今回の参院選だった。



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参院選・終盤情勢

7月20日投開票の参議院選挙、各党・各候補者は懸命な選挙活動を行っているが、その思いが有権者には伝わり辛い政党もあり混迷している。

3人区である福岡選挙区は、前回同様に自民・松山政司氏と公明・下野六太氏、立憲・野田国義氏もかなり追い込められた厳しい選挙戦となっており最終盤まで情勢は混迷、必死の闘いを行っている。

小泉米で一時は下げ止まっていた石破内閣の支持率も今週に入り再び下落、前回58万票でトップ当選の松山氏であるが、アンチ自民は増えるばかりで決して安心できる状況下にはない。

当然の事ながら立憲・野田氏と公明・下野氏にも、黄色信号が灯り始め、相次いで党代表の来福や首長支援を取り付けるも、過去にないほどの激しい選挙戦になっている。

国民から立候補している川元健一氏は、45歳と若く立派な経歴を持っていることから台風の目、一旦は玉木代表の不倫や山尾志桜里ドタバタ劇で上昇気流は収まるも、相応の支持率を保ち3番手に入り込む可能性はある。

今や国民を凌ぐ勢いで急上昇したのが参政・中田氏、神谷代表が来福した際には数千人を集め、その勢いは恐ろしくも感じる。

SNS戦略においては、他党とは比較にならぬほどズバ抜けておりお祭り騒ぎ状態であるが、その中でどれくらいの有権者が投票行動に移るかが焦点になってくる。

選挙期間の残り2日だが、ここに来ても各政党や報道機関の調査にバラつきがあり、自民・松山氏は組織戦でまとまりつつあるも安心は出来ず、立憲・野田氏は官公労系労働組合の支援で相応の基盤を形成するも票田である県南を責められている。

公明・下野氏は公明支持層の9割を固めるも、それ以外での浸透が思わしくなく、学会も相当な力を入れて支援しているが、厳しい状況に変わりはない。

台風の目となっている国民・川元氏と参政・中田氏、大番狂わせを予想する関係者もいるが、どちらか一方に票が集まれば可能性が高いも、国民も相応の支持を維持しており、反自民票を分け合う形であれば3位以内は難しくなる。

今回、期日前投票は伸びているが、そのまま全体の投票率を55%以上に押し上げれば大逆転も有り得るかも知れない。

しかし、3連休の中日、夏休み最初の週末で45%前後と伸び悩めば現職3人に吉報が届く予測もある、今回の参院選は最後の最後までガチンコ勝負になりそうだ。



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参院選全国比例、福岡出身の薬師寺氏が出馬予定

夏の参院選が7月3日に公示される。今回、国民民主党の全国比例候補として、福岡県久留米市出身の薬師寺道代氏(61)が立候補を予定している。

薬師寺氏は福岡県立修猷館高等学校を卒業後、東京女子医科大学医学部を卒業、医師として医療現場で長年活躍し、愛知みずほ大学大学院の特任教授も務めた。

2013年の参院選では「みんなの党」から初当選を果たし、一期を務めた。
その後、自由民主党に入党したが、2021年には新型コロナウイルス感染拡大を受け、本業である医業に専念するため衆院選への立候補を取りやめた経緯がある。当時、薬師寺氏は「医療は科学的根拠を持たねば、ただの占いです。国民の命を守る。これまでも、これからも私の信念は変わらない」と、その揺るぎない決意を語っている。

国民民主党は、6月の東京都議選で9議席を獲得したものの、先頃の勢いを失っているのも否めない。選挙期間中に巻き返しができるか注目だ。
玉木雄一郎代表は、福岡を「最重点地域の一つ」と位置づけている。
福岡選挙区での初議席獲得と同時に、福岡を拠点として活動予定の薬師寺氏の議席獲得にも期待を寄せている。

有権者には、候補者一人ひとりの背景や政策に目を向け、この国の未来のために貴重な一票を投じていただきたい。



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日産再建の波紋、揺れる行橋の夜

経営不振に直面し、再建の道を模索する日産自動車だが、その動向には、工場を構える福岡県苅田町に隣接する行橋市の繁華街にも影を落としている。

苅田町には飲食店が少ないこともあり、行橋市のJR行橋駅前は京築エリア随一の繁華街として知られ、日産の関係者らは、取引先の懇談や同僚の親睦の場として行橋市の店を利用し、地域経済に潤いをもたらしてきた。

しかし今回の経営不振問題で、スナック経営者らは日産の行く末を「死活問題」と捉え、固唾を呑んで見守っている。

日産自動車九州の幹部が常連だったというスナックの経営者によれば、昨年までしばしば開かれた日産や自動車部品メーカーの会合が、経営問題が深刻化した今年初め頃からめっきり減り、「この繁華街は日産を中心とした自動車関連のお客さんに支えられてきた。近頃は人もまばらで街がさみしくなった」と語る。

日産の再建計画は依然として全容が明らかになっていない中、苅田町の生産拠点(日産自動車九州、日産車体九州)は閉鎖されず、維持される見通しだが、日産は2万人に及ぶ人員削減を発表しており、九州の工場も「無傷ではいられない」(地場の自動車部品メーカー幹部)との見方が大勢。

日産の再建計画によっては取引がある部品メーカーも仕事が減り、人員整理に乗り出す恐れもあり、地域経済にさらなる打撃が及ぶのは想像に難くない。

どの業種でもリストラ実施時に対象として挙がるのは40~50歳代、あるラウンジ経営者は「最も足を運んでくださる世代。彼らが少なくなれば売上に大きな影響が出る」と憂慮する。

日産が今後どんな再建計画を発表するのか。
地元の自動車産業で働く人々だけでなく、飲食店を含め夜の街の住民も成り行きを注視している。



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ゴミ処理施設の費用、納得のいく説明を(後編)

―前編の続き―

そもそも、ゴミ処理施設や消防、水道など複数の自治体が共同で運営している一部事務組合の事業は、構成している自治体の議会や住民から見えにくいという問題がある。

特にプラント建設など大規模な施設整備事業は、費用が大きいにも関わらずそのプロセスが不透明と言われており、最近では田川地区(大任町)のゴミ処理施設の情報開示が不十分として報じられた。

とにかく数百億円規模、20年先を見据えた事業である。
その内容や金額の適正性については直接住民負担になる問題であるが、ふくおか県央が公表している資料だけ見てもそれが適正かどうかは判断するのは難しい。
それを組合議会の過半数(8人)が賛成すれば決定、というのにも違和感がある。

ところで、弊社において、最近九州の自治体が計画してきたゴミ焼却施設の概要を比較してみた(下図)。
今年4月より稼働している北九州市の日明工場、2028年10月稼働予定の久留米市の新上津クリーンセンター、2030年7月稼働予定の大村市のゴミ処理施設、そして、ふくおか県央のゴミ処理施設。

こうして見ると、確かにふくおか県央の設計・建設費(445億円)や運営管理費(20年間で299億円)は高い。
資材価格や人件費等建設コストが高騰しているのも事実だが、本当にそれだけでここまで高くなるのかは疑問である。
また、北九州市の日明工場は、日鉄エンジニアリングが受注しているというのも興味深い。

域内人口が減少傾向にある中、今後これだけの維持費が住民の負担となり、身の丈に合った施設規模でいいのではないかという意見ももっともだ。
この費用に関する疑問が解けない限り、推進派の考えには賛同しにくい。
住民の理解と信頼を得るためには、徹底した情報公開と説明が不可欠である。

そこで提案したいのが、推進派と慎重派を交えた公開ディスカッションである。
ゴミ処理施設の処理方式、建設費、運営費を他自治体の計画と比較し、ふくおか県央の現計画がいかに優れているか、住民に対して分かりやすく示す必要があるのではないか。

事業の推進にあたっては、単に法令や要求水準を満たすだけでなく、住民に開かれ、地域から信頼される施設を目指すという基本理念を具現化することが求められる。
今回の議会の混乱を教訓とし、事業の透明性を高め、住民が納得できる形で進められるよう、関係者は真摯な努力を尽くすべきである。

―了―



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ゴミ処理施設の費用、納得のいく説明を(前編)

15日の飯塚市議会において、江口徹議長に対する不信任決議が可決されるという異例の事態が発生した。

2年交代で合意されていた議長職を、辞職しないとしたことが直接的な理由だが、ゴミ処理施設の利権が関係しているという話も出ており ただ事ではなさそうだ。

臨時議会の質疑や討論、江口議長のSNS等によると、某議員が議長を2年交代とするために交わした合意の内容を破棄したため、交代する前提が崩れて辞める理由が無くなったということらしい。
いずれにしても、議会内部のことで分かりづらく、市民からは説明を求める声が上がっている。

飯塚市を含む4市町(飯塚市、嘉麻市、桂川町、小竹町)で構成される一部事務組合「ふくおか県央環境広域施設組合(以下 ふくおか県央)」は、飯塚市、嘉麻市、桂川町にある既存のごみ処理施設の老朽化を受け、新たなごみ処理施設(エネルギー回収型廃棄物処理施設及びマテリアルリサイクル推進施設)を整備することとしている。

合併前から稼働している複数の施設を集約することでコスト削減を図り、2030年4月の運転開始を目指し、事業者がプラント設備や建築物の設計(Design)・建設(Build)を行いその後の管理運営(Operate)も担う、いわゆるDBO方式で実施される計画だ。

ふくおか県央が公表している資料はこちら→

現在、事業者の選定がプロポーザル方式で進められているが、応募したのは1者のみ、事業者名は非公表ながら大手の日鉄エンジニアリングが確実視されている。
しかし、一昨年から一部の政治家が利権を巡り暗躍しているとの噂が広がったことで、地元ではコンプライアンス上、本当に大丈夫かと案ずる声も聞かれる。

ふくおか県央の議会は15名、構成団体である4市町(飯塚市、嘉麻市、桂川町、小竹町)の各議会から自治体の人口比率で選出されている。
飯塚市の議長、副議長は組合議会に行くことになっており、域内で飯塚市の人口が最も多いことから、これまで飯塚市議会の議長が選挙で組合議長に選出されてきた経緯がある。

この組合議会の中で、現計画で事業を進めたい勢力(推進派)と、事業費が高過ぎるのでゼロから見直しを求める勢力(慎重派)が拮抗している状況だ。
1月に行われた組合の臨時議会では、桂川町のゴミ処理施設用地の購入議案が提出されたが、議案に賛成と反対が同数で、江口議長が反対票を投じたことで否決されるということがあった。

つまり、現在は慎重派がわずかに優勢な状況だが、議長が推進派に変われば形勢が逆転するのである。

― 後編に続く ―



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GWが終われば参院選

ゴールデンウィークは好天に恵まれ、博多どんたく港まつりには主催者発表によると、全国から235万人の人出で賑わい無事に終了した。

その祭りの最中でも、参院選候補者においては全県下が選挙区であるため少しでも効率的に動いていかなければ間に合わず、天神地区を車で走りながら必死に名前と政党名を売り込んでいた。

今年7月の参院選福岡選挙区においては、改選3議席を与野党9人が争う大混戦になっており、自民・公明・立憲民主の3党は現職が議席を死守できるのか、政党支持率が急上昇している国民民主が割って入るのか注目が集まっている。

自民の参院幹事長でもある松山政司氏(66)は前回58万票を獲得しトップ当選しているが、今回は立場もあって中々地元入りが厳しいことが予想される中、組織力を生かし何が何でもトップ当選に全力を尽くすと思われる。

公明の下野六太氏(61)は前回40万票を獲得し2番手当選、しかし今回は支援団体である創価学会の婦人部隊などの高齢化の影響もあり厳しい闘いになる予想、それでも自民の推薦もあって再選を目指している。

前回3番手であった立憲民主の野田国義氏(66)は、前回36万票の獲得で連合を含めた組織力及び地方議員の力を結集し再選を目指すが、国民民主の候補者が強敵だけに相当厳しい選挙となるだろう。

前回は女性弁護士を擁立し14万票を獲得していた国民民主は、今回45歳という若い川元健一氏(45)を擁立、優秀な経歴を持ち爽やかな好青年で女性票も狙えると言われ、3倍程度の票を獲得する予想もあり台風の目になる可能性は高い。

その他にも、維新で元議員秘書の伊藤博文氏(56)、共産は元福岡市議の山口湧人氏(35)、社民は元県立高校教諭の那須敬子氏(65)、参政は不動産会社員の中田優子氏(35)、保守はITエンジニアの森健太郎氏(47)などが立候補を予定、現時点で3議席を9人の候補者で争う構図、相当な激しい選挙戦になるだろう。



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商売のやり方が変わる

福岡市の中心部で2店舗営業している人気パン屋さん、美味しいパンを求め多くのお客さんが毎日訪れ人気を誇っているが、経営者は早朝から遅くまで働き詰めの状態。

ロシアのウクライナ侵攻が始まり、直ぐに小麦の値段が上がり、その後もバターなど様々な原材料が高騰、そして今一番の悩みの種は人手不足、朝早い仕事のため早出社員やパートを募集するも中々集まらない状況で悲鳴を上げている。

天神の2つの百貨店で鮮魚を販売している魚屋さん、こちらも早朝から仕入れがある中、販売時間は百貨店に合わせた午後8時までになっており、限界まで給与を上げても人は集まらず、遂に百貨店からの撤退を決意した。

近年は地球温暖化の影響から真夏の外気温は35度を超え40度近い日もある中で、小学校から冷暖房の効いた教室で学んだ若い世代に、ゼネコン業界は職場環境から中々受け入れて貰えず、電気や設備、造園などを含め地場中小企業に入社を決意する人は稀、どこも人手不足で頭を抱えている。

東京商工リサーチが7日発表した九州・沖縄の倒産件数(負債総額1000万円以上)は、前年度比20%増の908件、3年連続で前年を上回り、負債総額は35%増の1299億円。

理由としてコロナ対策の「ゼロゼロ融資」の返済や、燃料や光熱費、人件費の高騰や原材料の値上がりなどに伴う物価高、更には人手不足が挙げられている。

特に人手不足は深刻で、元気都市福岡でのゼネコンにおいては、仕事はあるが受注できない状況、少子化の中で多くの人材は大手上場企業に吸い上げられており、少子化に歯止めが掛けられない中で解消は難しいだろう。

トランプ関税で株価も乱高下の状況にあり、一寸先は闇とまでは言わないが、今後の拡大路線は極めて慎重に行うべきだ。



 

 

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祝当選・服部誠太郎福岡県知事

3月23日に投開票された福岡県知事選挙、投票率は31.58%と過去最低だった前回(29.61%)を上回る中で、現職の服部誠太郎氏(70)が、103万6280票を獲得し他の候補を圧倒的大差で打ち破り、見事に2期目の当選を果たした。

生え抜きの県職員から副知事を経て県知事となった服部誠太郎氏、コロナ禍においても素早い陣頭指揮が高く評価され、自民・公明・立憲民主・国民民主・社民が推薦していただけに、人物的にも高く評価された証だろう。

最近では小学生からも「お米のおじちゃん」として認知されており、服部知事の屈託のない笑顔が県民を安心させているのではなかろうか。

企業誘致など経済対策にも注力される中、今後は世界の中でも福岡県がトップランナーとして「ワンヘルス」を推進させ、「FUKUOKA」の更なる飛躍が期待される。



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豊前市長選挙

3月16日告示、23日投開票となっている豊前市長選挙、小さな市であるが既に激しい選挙戦が繰り広げられている。

現職で4期目を目指す後藤元秀氏(74歳)に真っ向から勝負を挑んでいるのは、
西元健氏(45歳)で、武田良太前衆議院議員の秘書を経て、地元築上郡・豊前市選挙区で県議会議員として4期務めて来た人物。

人口2万2659人、有権者数は2万人前後であるが、前回市長選挙では顔ぶれは違うものの投票率は70.83%という数字、今回も1万4000票の奪い合いが始まっている。

また、西元氏が県議を辞職したため県議補欠選挙も同日に行われる模様で、元市議で後藤氏が推す尾澤満治氏(62歳)と、西元氏と共に選挙戦をしている自民党公認の戸成祥平氏(40歳)も激突しており、豊前市が真っ二つに割れている様相。

現時点では後藤氏に少しだけ風が吹いているようだが、追い掛ける陣営には武田良太氏が付いており、更に激しい選挙戦になるだろう。



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2025年参院選・福岡選挙区・国民民主党 候補者決定

7月に行われる参議院選挙、福岡選挙区が3議席となってからは自民党と公明党、立憲民主党がそれぞれ議席を分け合い、公認を得られた時点でプラチナチケットと呼ばれている。

その後も、順当に選挙が行われ何ら問題はなかったが、令和4年に行われた参院選では、N党が3人の候補者を擁立したこともあり過去最多の16人が立候補、選挙の乱れが生じ始めた。

その後、衆院選や東京都知事選挙など、あらゆる選挙が荒れ始めたと言っても過言ではなく、他候補の誹謗中傷から選挙妨害、選挙ポスターの猥褻写真や広告としての販売化など、かつては思いも付かない選挙が行われているのが実情だ。

参議院選挙に立候補を予定している自民の松山政司氏は現幹事長など要職を歴任、存在感は大きく前回選挙もトップ当選しており何ら問題は無いだろう。

一方で、現在「103万円の壁」で支持率が一部のメディアにおいて立憲民主を超えた国民民主が候補者を決定した模様。

その候補者は早良区出身の川元健一氏(45歳)、久留米附設出身で一橋大学を卒業、ソニーなど大手企業で実績を残し、現在は宇宙開発事業を手掛ける企業の取締役に名を連ねる。

発表は3月初旬になる模様であるが、玉木雄一郎氏も代表に復帰するタイミングであり、かなりの強敵になるだろう。

自民は支持率が回復したとしても、相応の票が国民民主に流れる可能性もある上に、高齢化が進む公明は組織票を固めた上で自民の票を奪いに来ると思われる。

一番厳しいと予想されるのが立憲民主、組織力を背景に総力を傾けた闘いを挑むと思われるが、現時点で国民・維新の陰に隠れた形となっており、全県下で組織力の弱い国民民主に相対し、どの様な選挙態勢と戦略を組むかが重要となってくるだろう。



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