長老議員に厳しい意見書

鞍手郡小竹町では、令和4年12月に24年ぶりとなる町長選挙が行われ、無所属新人でNPO法人役員の井上頼子氏が元町議ら2人を破って初当選を果たした。
しかしこの1年、町長に対し、複数の町議による品位のない言動が続いてきたという。

一つ例を挙げると、昨年9月議会の補正予算審査特別委員会で、和田賢二郎議員(83)が「町長さん、口ちゃ便利なもんですね、嘘が平気で言えますか」と侮辱と取れる発言を行った。
その場で委員長が謝罪するよう促したが、「私は嘘を言うてない、本当にそう思ってますから」と開き直った。

令和5年9月19日 補正予算審査特別委員会



 

このやり取りはYoutubeの小竹町議会チャンネルで公開されていたが、さすがに目に余ると感じた一般町民が、昨年12月、議長宛に政治倫理上の問題として調査を行うよう請求を行っていた。
その後、第三者による政治倫理審査会が開催され、当事者に聞き取りを行い、取りまとめた意見書が 今月提出された。

意見書によると、和田議員は「人を傷つけたのなら、これは私の発言が悪いと思います」と反省の意を示しながらも、「議長、副議長から何の注意もない。それは皆さんが私を支援してくれていると私流に解釈する」と発言を正当化、更には「(町長が)いかに嘘をついているか、例えば9月議会、5回ですよ。訂正して謝罪をしている」など、町長が議会において虚偽発言を繰り返したとの供述を行ったという。

審査会の結論は、
「(和田賢二郎議員の)発言は、品位と名誉を損なう言動として政治倫理条例に抵触するものと判断せざるを得ず、かつ、今後も同様の発言を行うおそれは否定できない」、
議会の場における侮辱、または名誉毀損行為を議会全体が容認する如き雰囲気、あるいは 議員が町職員に対しいかなる発言をしても許されるとの議会の認識を示すものとすれば、町民の議会に対する信頼を大きく失墜させるものであり相当問題
と締めくくっている。

素晴らしい審査会の意見書、春日市の政治倫理審査会とは大違いだ。
あとは、和田議員が同様の発言を繰り返さないか。
和田議員以外でこれまで同様の発言を行ってきた議員らが、今後言動を慎むかどうか。
そして、彼らがこうした言動を繰り返した場合に、議長や委員長がしっかりコントロールできるかである。

人口約7000人、高齢化率 42%と少子高齢化が進む小竹町だが、町民の間からは議員が個人的な問題を議会に持ち込み、町政を停滞させているとの指摘がある。
30年後、50年後を見据えた政策提案が期待されるが、ベテラン議員らにそれができるか注目が集まっている。