カテゴリーアーカイブ: 建設関連情報

国民の金はわしのもの(前編)

福岡県選挙管理委員会が29日、政治団体の収支報告書を公開した。
国会では 自民党派閥の裏金疑惑などが問題視されているが、これから話す 県内の某政治家のケースも かなり悪質と言えるかもしれない。
法をすり抜ける上手さはどこかの副議長と同じだが、こんなことが許されるていいものか、特に この政治家に関わりのある方にはよく考えて頂きたい。

登場するのは 元県議会議員の吉村敏男氏、立憲民主党福岡県連の顧問を務め 佐々木允県議を副議長に押し上げた立役者、また「九州の自立を考える会」の副会長を務める人物だ。
吉村氏は平成31年4月の県議選で落選後、今年の統一地方選にも出馬はしなかったが、現在も自身が代表を務める後援会を維持し、公式ホームページも存在するので まだ政治家と言ってよいだろう。

→ 元福岡県議会議員 吉村敏男 ホームページ

下図は 令和4年分の吉村敏男後援会の収支報告書であるが、前年からの繰越額 832万3612円という額に注目してほしい。
国会議員でも 現職の県議でもないのに、これだけの額を後援会にプールしていることに驚きだ。

あまり知られていないが、政治団体を解散した場合、そこにある残金の報告義務はあるが その行き先について追跡する法的な規定はなく、大抵の場合、政治家個人の懐に入る いわゆる臨時収入になる。
後援会の資金は 政治家本人が寄附として入金することが多いので、解散時に本人に戻るという流れに、そこまで目くじらを立てることもないという考え方もある。

だが、吉村氏の場合、その金額の大きさ、入手した経緯が 看過できるレベルではないのだ。
令和4年分で 次年度繰越金として 772万9002円を計上、仮に 後援会を解散した場合、吉村氏の懐に入ることになる。

解散時の残金の行き先を届け出る仕組みになっていないのは 法の盲点と言える。
税務署が把握しなければ 税金もかからない。
与野党含め 国会議員はそのことを じゅうぶん承知しているが、故意に放置しているという指摘もある。
知り合いの国会議員に尋ねてみたらいかがだろう。

ー 続 く ー



 

 

県議が県道用地取得に担保提供

弊社記事「政務活動費を姻族へ、これってOK?(2023年10月12日)」では、福岡県議会の佐々木允副議長の姻族が設立した会社が土地建物を購入し、佐々木氏が県議事務所として入居、以降 家賃月額18万7000円を支払っているが、そのうち半額の 9万3500円を政務活動費から充てていると書いた。

その続編だが、資金の出所について調べたところ、県道予定地の買収にも 佐々木氏とその家族が間接的に関わっていたことが分かった。

まず 、姻族の会社は T社(仮称)という商号で、設立は平成29年5月19日とされる。
本店住所は 当初、購入した建物の住所(田川市大字伊田4510-6 佐々木県議の事務所)で登記されていたことから、佐々木氏が同社の設立に深く関与していたことが推測される。

下図は T社が購入した建物の「所有権以外の権利に関する登記事項」の写しであるが、平成29年6月23日に T社が 金融機関から融資を受けたことが分かる。
一般の我々に「根抵当権設定」というのは馴染みのない用語だが、ここでは「共同担保目録第2052号」に記載された資産を担保に設定することで 「最高2880万円を限度に金融機関から借りることができる」という意味になり、万が一 T社が破産した場合はそれらが差し押さえられることになる。

その後、6月29日受付で本店住所移転と同時に 根抵当権極度額が 7700万円に変更され、更に 9月21日付で 極度額が 9100万円に変更されている。
平成29年に設立したばかりの会社に、金融機関が 1年3ヵ月で 9100万円もの資金の融資を決めており、相応の資産が担保として差し出されたことが考えられる。



金融機関から融資を受ける代わりに T社が差し出した担保「共同担保目録 第2052号(下図)」について解説する。
まず、同目録の左の列の番号 1~5 は、平成29年6月23日に T社が土地建物(田川市大字伊田4510-6、現佐々木県議事務所)を購入した際、極度額2880万円で根抵当権が設定されているが、取得した土地建物を担保に入れている。

続いて 番号 6~7、これは 同30年6月29日、根抵当権極度額が 7700万円に変更された際に、追加で差し出された担保である。
この日、T社は 県道田川直方線延伸のルート上にある ㈱上田自動車の土地建物(田川市大字伊田3565-1)を購入しており、ここでも取得した土地建物を担保に入れている。

上田自動車の土地が 県道延伸のルート上にあることは分かっていたので、上田自動車の経営者が直接 福岡県に売却すれば良かったが、同社は経営不振で売却先を探していた。
その情報を佐々木氏がキャッチし、T社が購入することになったと推測される。
ここまでは さほど問題はなさそうだが、番号 8~22 の内訳を見ると かなり違和感を覚える。

上田自動車跡の土地建物を購入して  3ヵ月後の 9月21日、この時 根抵当権極度額が 9100万円に変更されている。
担保設定(番号 6~7)されている上田自動車跡の土地建物は、県道用地として売却するためには担保を外す必要があった。

当然、その代わりになる資産を差し出さなければならない。
そして、なぜか T社は 同日付で 佐々木氏の父親が所有する土地(番号 8~16)と母親が所有する土地(番号 17~21)を購入し、それら担保に入れている。

そしてもう一つ、T社が 佐々木氏が所有する建物(番号 22、田川市大字糒824-13)を、所有権はそのままで 担保に入れていたことが判った。



T社が購入した物件に設定された根抵当権の「共同担保目録2052号」について、簡単に整理すると下図のようになる。
T社は3回にわたり不動産を取得、個別の取り引きに見えるが、3回とも同じ金融機関の融資を受け、一つの共担目録に記載があることから 関連していることが分かる。

ある現職政治家は、政務活動費を充当している事務所の物件取得、及び県道用地取得に関する共担目録に 佐々木氏所有の建物があることが一番問題と指摘する。
T社が破産した場合、佐々木氏所有の建物は差し押さえられる。
裏を返すと、佐々木氏所有の建物がなければ、T社の不動産取得は成り立っていない。



まず、佐々木氏の県議事務所の土地建物について。
T社は 同事務所の土地建物を維持していくのに 家賃収入(月額18万7000円)を得ているが、そのうち 9万3500円は政務活動費から充当している。
平成29年8月から6年余で 少なくとも700万円の政務活動費が充当されてきた計算になるが、このおかげでT社の経営は成り立ち、佐々木氏所有の建物が差し押さえられずに済んでいるという考え方もできる。

県議会の政務活動費使途基準に反していなければいいというものではない。
原資は県民の血税、それが政治家本人や家族や身内に還流していないと言い切れるかが問われている。



次に、県道用地となる上田自動車跡の土地建物について。
佐々木氏は、田川直方線延伸整備促進期成会の顧問を務め、選挙前の討議資料にも「田川直方バイパス延伸を後押し」「第1期工事の増や工事着手に向けた予算確保に奔走。大きく予算を拡充」と地元貢献をアピールしているが、地元県議としていち早く情報収集できる立場にあった。

T社が同土地建物を取得し抵当に入れた3ヵ月後、抵当から外す代わりに、佐々木氏が所有する建物を担保に差し出した。
不動産の専門家は、「この土地が、県に売却予定で担保を抹消する必要があるというのは分かっていたはずで、金融機関と佐々木氏らとの間で 代わりの担保を差し出すことで、話がついていたと考えるのが自然」と話す。

用地を購入したのは姻族の会社(T社)だが、その担保不足を佐々木氏が補ってやった。
期成会の顧問を務める現職県議が、バイパス延伸を後押しして大きく予算を拡充し、姻族の会社の県道用地買収を資金面で手助けしたという構図である。
いったい誰のために予算確保に奔走したのか疑問がわいてくる。



この土地取引の中で、公職選挙法違反逃れがあったと指摘する声がある。

繰り返しになるが、T社の設立は平成29年5月19日、代表者の住所は糟屋郡須恵町であるが、会社設立当初、本店住所は 田川市大字伊田4510-6で登記されている。
同年6月23日、T社は 前所有者から 同住所の土地建物を取得した。
それが 現在の佐々木氏の県議事務所で、佐々木氏のブログには 同年8月に入居したと記されている。

そして、約1年経った 同30年6月1日、T社は本店住所を 田川市から須恵町の自宅に移し、そして同じ月の 6月29日に 上田自動車跡の土地建物を取得、本店移転と土地建物取得は6月29日で登記している。



T社については 上記3回の不動産以外に取得した形跡がなく、それらの物件は全て田川市内にある。
会社設立の主目的は「不動産管理」なので、本店は田川市にあった方が利便性が良いはずだ。
なぜ 土地建物を取得した日と同じ 6月29日の登記受付で、T社が6月1日に須恵町の自宅に本店移転の事実を作らなければならなかったのか。

それは、公職選挙法に抵触する可能性が高いと判断したからではないかと言われている。
法律では、選挙の有無に関わらず、政治家や政治家が関係する団体が、選挙区内の人や団体に寄附を行うことが禁止されている。
今回、T社が取得した土地建物の担保に、佐々木氏が所有する建物が差し出されているが、T社の本店住所が田川市だと 選挙区内の団体への寄附行為と見做される可能性が極めて高い。

佐々木氏がこれを回避するために、T社が急遽本店を移転することに協力したと見られても仕方がないだろう。



佐々木氏の政務活動費の支出や、県道予定地に関連して姻戚関係にある企業への担保提供について、県議会の事務局に適正かどうか尋ねてみた。
「『道義的な適否』については、政務活動費制度では特に問題とはしていない」、「当議会のルール上、(担保提供などの)行為を禁じる規定が現状では存在しないため、いいとか悪いとかは言えない」との回答だった。

昨日今日と地元紙が政治資金収支報告書の公開について、県議会からの圧力があったことを報じたばかりだ。
現在 佐々木氏は福岡県議会を代表する副議長という立場、個人だけの問題ではなく、県議会として政治倫理に対する姿勢が問われている。

以前も紹介したが、あらためて 佐々木氏のチラシ(平成31年4月の県議選前に配布された討議資料)を読んでみたい。

「県議会議員には多くの権限があり、発言や行動は、地域に大きな影響を与えます。政務活動費の不正や 汚職事件、そして不誠実な態度は、政治の不信と疑念を増幅させています。」とある。
県議会議員に多くの「権限」があるかどうかは別として、県政の情報をいち早く取得できたり、県の幹部や職員に要望を直接伝えられる立場にあるのは事実だ。



このチラシ配布時には 一連の不動産取り引きや担保設定は終わっていたので、ここまで堂々と書けるということは、やましいことをしたという意識はないものと想像する。
この連載では、T社の土地売買の登記情報を元に客観的に報じてきたつもりだが、佐々木氏の言い分もあるだろう。

今後は 佐々木氏が、
・T社が 法の抜け道のためのペーパー会社ではないこと
・政務活動費が姻戚関係者に還流していないと言い切れるか
・県道予定地の取得と自身の建物を担保に提供したのは無関係であること
・T社の本店移転が公職選挙法違反を逃れるためではなかったこと
などを 集会やブログ等で有権者と県民を説明し、政治倫理上 問題がないと納得させられたらそれで良いだろう。

説明責任を果たさなければ、佐々木氏がチラシで述べているように「不誠実な態度」と取られ、県議会や立憲民主党に対して「不信と疑念が増幅」し、火の粉が飛ぶことになるだろう。
佐々木氏におかれては、「利権や自己の利益に執着した政治ではなく、清潔で誠実な政治をつむいでいくことの大切さ」を示して頂けるものと期待している。

ー ひとまず 了 ー

リクデンと陸田議長(再掲)

田川市で最近、市議会の陸田孝則議長が話題になっているらしい。
ということで、今年1月12日に弊社が報じた記事を 加筆修正して再掲する。




政治倫理という言葉がある。
「政治家が全体の代表者として公平・公正に行動するために持たなければならない行動規範」とされ、法律に触れずとも 倫理上どうかという点で使われる。

既報の通り、田川市の㈱リクデンが 東芝インフラシステムズ㈱とのJVで 21億7千万円の電気工事を受注した1ヵ月後に、建設業法違反で県から1週間の営業停止 及び 2ヵ月間の指名停止処分を受けた。
同社の創業者で、最大株主である陸田孝則氏は 現職の田川市議会議長である。

リクデンと陸田議長の関係について 現状をお伝えするので、政治倫理上の問題があるか、田川市民の皆さんに是非考えて頂きたい。



 




1.リクデンとは?

昭和46年12月、陸田孝則氏が電気工事業を目的に陸田電気として創業、同54年に㈲武孝電気工事として法人化、平成2年に株式化と同時に現商号に名称を変更した。
同15年4月、陸田氏の市議会議員当選に伴い 同氏は役員を退任、陸田実氏が代表就任、同24年に陸田和子氏が3代目の代表に就いている。

リクデンの発行株式数は900株とされ、そのうち陸田議長は420株(46.6%)を保有する最大株主である。ちなみに 陸田実氏と陸田和子氏はそれぞれ60株ずつ保有している。

リクデンの過去5年の売上と利益、及び 主な田川市発注の工事は以下の通り。



以上の通り、田川市から毎年工事を請けていることが分かる。
令和4年7月期の工事以外は全て田川市からの元請工事、田川西中学校の電気設備工事は 元請ではないが鉄建建設㈱の下請工事として田川市の工事を間接的に請けている。
ちなみに、陸田議員(当時)は令和3年3月議会において、鉄建建設㈱との契約議案(33億6352万円)が議会で審査された際、同じ会派の3人が反対に手を挙げたにも拘わらず賛成に手を挙げている(→ 賛否表)

この他、田川広域水道企業団発注の工事も不定期だが受注しており、特に令和4年12月7日の入札では 前述の大口工事を落札している。
21億7千万円の落札についてはこちら

また、これまで 県発注の工事の受注が多かったが、最近は国立大学、大阪航空局、裁判所など 国が発注する工事にも手を伸ばしており、来期は売上が倍増しそうな勢いだ。




2.陸田議長とは?

陸田孝則議長の経歴は、
・昭和46年12月 陸田電気創業
・昭和55年4月 株式会社リクデン創業 代表取締役就任
・平成14年9月 社会福祉法人真養会創設 理事長就任
・平成15年4月 田川市市議会議員1期目当選
.......  リクデンの役員退任
・平成16年4月 田川市立弓削田中学校PTA会長
・平成19年4月 田川市市議会議員2期目当選
・平成23年4月 田川市市議会議員3期目当選
・平成27年4月 田川市市議会議員4期目当選
・平成31年4月 田川市市議会議員5期目当選
・令和5年4月   田川市市議会議員6期目当選(議長就任)

前期(令和5年3月迄)の役職は、
・田川市議会建設経済委員会 委員長
田川広域水道企業団議会 議員
・田川地区消防組合議会 議員
のほか、令和4年4月まで
「田川市議会議員の政治倫理の確立に関する検証等特別委員会」の委員長を務めた。
今期は、議長の座を強運で引き寄せ、引き続き 田川広域水道企業団議会 議員を務めている。


また、市議会以外から、リクデンからの給与所得と社会福祉法人「真養会」からの役員報酬がある。

田川市の政治、建設業、福祉、学校教育など全般にわたり、尽力していることが分かった。


3.この関係で行政の監視ができるか?

田川市政治倫理条例 第3条には次の基準を遵守するよう定められている。

(1) 市民の代表者としての品位を保ち、名誉を損なうことのないよう自粛し、地位を利用して不正の疑いの念をもたれるおそれのある一切の行為をしないこと。
(2) 市が行う請負契約、委託契約及び物品納入契約に関し、特定の業者の推薦又は紹介をしないこと
(7) 政治倫理基準に反する事実があるとの疑いをもたれたときは、自ら疑いを解き、その責任を明らかにするよう努めなければならない。




また、地方自治法92条の2に「地方議員の兼業の禁止」という規定があり、建設業を営む者が市議に当選した場合、役員から退かなければならず、陸田議員(当時)もリクデンの役員から外れ、現在は陸田和子氏という方が社長に就いている。
陸田議長は役員ではないものの 最大株主で実質オーナー、それでいて社員の肩書はもったままだ。
会社の売上増のために様々な場面で努力することが想定される。

公表されている令和4年7月期のリクデンの損益計算書によると、株主配当は出ていないが、役員報酬が合計で360万円支払われていることが確認できる。
つまり、現在社長を務める陸田和子氏に支払われた金額が 最大360万円と推定される。

一方、陸田議員(当時)は リクデンから  給与として 年間720万円(月平均 60万円)を貰っており、社長の2倍の収入を得ている。
市や水道企業団の仕事を請け負う企業の実質オーナー、役員は外れているが、しっかり給与は社長の2倍の金額を受け取っており、立派な脱法行為ではないかと 関係者は指摘する。

それだけではない。
自身が理事長を務める社会福祉法人真養会から、役員報酬として年間 288万円(月平均 24万円)が理事長本人に支払われているという。
真養会が行っている福祉事業には、もちろん田川市の税金が投入されており、その中から 陸田議長に報酬が出ていることになる。
事実であれば かなり問題と言えるのではなかろうか。

いずれにしても 陸田議長は 月額 47万6000円の 議員(議長)報酬の他、リクデンから給与として 月平均 60万円、社会福祉法人真養会から 月平均 24万円の兼業収入を得ている 裕福な方ということが判った。

まとめると、
・陸田氏は、今期は市議会議長、前期は 建設工事関連を所管する「建設経済委員会」の委員長、更に「田川広域水道企業団議会」の議員を務めており、行政の監視をする役割がある。
・陸田氏が最大株主であるリクデンは、田川市や田川広域水道企業団の工事を毎年受注し、特に昨年度は 21億7千万円の工事を1者入札で落札している。
・その売上の中から陸田議員に 年間720万円の給与が支払われている。
・社会福祉法人真養会から理事長報酬として 年間288万円が支払われているが、田川市はその事業に支出している。
・この関係で 果たして行政の監視ができるか。


田川市政治倫理審査会は、毎年市議の資産報告をチェックしているはずだが、おそらくこの点については議論になっていないと思われる。






4.疑問をぶつけてみよう

令和4年4月27日、陸田議員(当時)が 「田川市議会議員の政治倫理の確立に関する検証等特別委員会」の委員長として政治倫理についての発言をしている。
議場で25分間に亘り演説を繰り広げ、他の議員がいかに政治倫理というものを理解していないか 徹底的に非難しながら以下のように述べた。
(委員会の動画は → こちら

「敢えて申し上げますが、倫理とは善悪を判断する根本である人の守るべき道理、人が行動する際の規範となるもので、このことから政治倫理とは市政が市民の厳粛な信託によるものであることを深く認識した上で、我々議員が政治的にも道義的にも批判を受けることのないよう身を律しなければならない。」

これを聞いて安心した。
次の様な疑問が市民から出ている。
本来なら 政治倫理審査会が聴くべきことだが…
  1. リクデンの役員を退任した理由は何ですか?
  2. 役員を退任しても最大株主ですが、それは問題ないのですか?
  3. リクデンからの年間支払われる給与の額は?
  4. 市議とリクデン社員と真養会理事長とを兼ねていますが、それぞれの業務内容と勤務体制は?
  5. 建設経済委員会の委員長や水道議会議員の立場で、市や水道企業団から仕事を貰っていますが、政治倫理上の問題はないと思いますか?
  6. 浄水場の電気工事の入札は、東芝インフラシステムズJVの1者のみ参加、21億7千万円で落札に成功しました。企業団議員として、最大株主として、このようなことが許されるとお考えですか?
  7. 陸田議員は、田川西中建設工事における鉄建建設との契約議案に賛成をしています。その下請にリクデンがちゃっかり入っていますが、政治倫理上の問題はないと思いますか。
  8. また、初めから鉄建の下請に入ることが決まっていたという指摘もありますが、それは事実ですか。
  9. 真養会から報酬は年間いくら貰っていますか?
  10. 社会福祉法人の現況報告書(→こちら)で、殆どの法人が理事長報酬を公開しているのに、なぜ真養会は公開しないのですか?
  11. 真養会の運営に市から負担金を支出していますが、市議が報酬をもらいながら理事長を務めていることについて政治倫理上の問題はないと思いますか?
  12. 西保育園の民営化にも手を挙げる予定ですか?
「道義的に批判を受けることのないよう身を律しなければならない」とおっしゃっているので、直接疑問をぶつけてみることをお薦めする。
特に現在は 議長という要職にあられるので、いつでも どなたにでも、快くお答え頂けるものと確信している。


武井氏当選、課題解決に期待

12日投開票された飯塚市長選挙は、前市教育長の武井政一氏(62)が三つ巴戦を制し初当選を果たした。
自民が推薦し組織戦を展開、麻生太郎副総裁の「公明党ガン発言」の影響が危惧されたが、2位の候補を約7000票差で振り切った。



前市長の片峯氏と同様、前教育長からの転身となり、教育施策については期待がかかる。
但し、人口減少と高齢化対策、地域コミュニティの活性化など、専門外の分野で課題は山積で、目に見える結果が求められている。

そして、入札改革である。
現在 地場建設業界の不満が積もっている。
既報の通り、平成29年の市議会で 道祖満市議が公共工事の入札に総合評価方式導入を求め、それに市が応じた結果、坂平末雄市議が関連する特定の企業グループが有利になった。
その後4年間で 飯塚市と消防組合が発注し 地場企業に支払われた工事総額 約62億円のうち、同グループが3分の2を得たとされている。

また、昨年発覚した 新体育館移動式観覧席の官製談合疑惑や、市発注の大型工事において実績のないインテリア会社が一次下請となり差配している いかがわしい事案も発生している。
更に、今年になってからも 官製談合の疑いがある管工事の入札があった。

まずは、飯塚市にそぐわない総合評価方式の撤廃に着手すること、そして コンプライアンスの徹底と クリーンで透明な入札が行われるよう、人事を含めた抜本的な改革が必要だ。

筑豊の10万人都市の行く末は、武井新市長の手腕にかかっている。

最後に投票率と得票数について。
投票率は、2006年の合併後 過去最低となる 37.52%だった。
また、当選した武井氏の得票数も過去最低の 1万8377票、有権者の2割の支持も得ていないことになり、決して安心できる数字ではない。
今後は一部の声だけではなく、市議会や 広く各種業界・団体の声を拾いながら 前に進めていかれることを期待したい。

逆効果になりそうな市議の応援

11月5日告示、12日投開票の飯塚市長選には、現在までに市教育長の武井政一氏(62)、市行政経営参与の倉智敦氏(64)、そして市議5期目の上野伸五氏(57)の3人がいずれも無所属で立候補する意向を表明している。

麻生副総裁が応援を表明している武井氏には、自民県連の推薦も出て比較的優勢に見えるが、最近の麻生氏の「公明党はがん」発言に 学会関係者の間で反発が広がっているという。
約7000の学会票が 自主投票になれば 勝負は分からなくなる。

立憲民主党の道祖満市議が引っ張り上げたと言われる倉智氏には、市職員OBらの応援に加え 自治労の推薦が出る模様だ。
そこに学会票が倉智氏に回れば一気に優位に立てると思われるが、そう単純ではないらしい。



それは、道祖氏と歩調を合わせている坂平末雄市議の動きが影響しているというのだ。
地元では、坂平氏が倉智氏の討議資料を地域の有力者に配布して回っていることが話題になっている。

弊社記事「坂平氏告発議案の賛否 (2023年3月20日)」で既報の通り、坂平氏と道祖氏が共闘すること自体は不思議ではないが、坂平氏は 麻生グループと取引きのある ㈱サカヒラ(飯塚市)の株主でもある。
その坂平氏が、麻生副総裁や自民県連が支持する武井氏ではなく、自治労や立憲市議が支持する倉智氏を支持、選挙とビジネスは別物とはいえ、営業への影響を考慮して行動を控えるのが一般的である。

今年4月の市議選前には「今すべき事を、今行います。」と意味不明な公約を掲げただけに「あまり深く考えて行動していないのでは」と見る関係者がある一方で、地場建設業界は「あの2人の市議がつくなら絶対阻止」と別の厳しい見方をしている。



地場建設業界が「2人の市議がつくなら絶対阻止」という理由、それは 平成29年の議会で 道祖氏が公共工事の入札に総合評価方式導入を求め、それに市が応じた結果、坂平氏が関連する特定の企業グループが有利になったという経緯があるからだ。
その後4年間で 飯塚市と消防組合が発注し 地場企業に支払われた工事総額 約62億円のうち、同グループが3分の2を得たとされる。

また、飯塚市・嘉麻市・桂川町・小竹町で構成される「ふくおか県央環境広域施設組合」では、総工費約500億円のゴミ処理建設を控えており、同グループが何らかの形で受注を目指していると言われている。
情報収集や組合執行部に提案ができる組合議会議員として、道祖氏と坂平氏がしっかりと名を連ねているのは偶然ではないだろう。

それに加え、弊社記事「議長ポストを500万円で」で既報の通り、坂平氏は 議長選挙や入札で 様々な疑惑が浮上したことで知られる。
特に新体新育館の移動式観覧席の入札では、これまで受注実績が殆どない坂平氏の妻が代表を務める会社と、坂平氏の後援会長の会社が応札し後援会長の会社が落札、入札の数ヵ月前には 契約担当の課長と飲食を共にしていたことも判明した。
昨年12月議会に設置された百条委員会は改選により尻切れトンボに終わったが、官製談合の疑惑は残ったままである。

話を戻すが、気になる学会票の行方である。
公明党は党の方針として、「政治とカネの問題は国民を裏切る行為として、断じて許さない」としている。



下表は 飯塚市議会における坂平副議長(当時)に関係する議案の賛否表である。
緑色の網掛けが公明党会派の賛否だが、令和3年6月の辞職勧告決議案は棄権、同4年9月の百条委員会設置議案は反対で、どちらかというと一歩引いていた感があった。
ところが、疑惑が深まった同12月の百条委員会設置議案では4人全員が賛成、同5年3月の告発議案では4人のうち3人が賛成した。


ちなみに道祖氏は4回とも反対するという徹底ぶり、どんなに疑惑が深まっても坂平氏を擁護しているように見えるが、公明の市議は 「政治腐敗は許さない」党方針を念頭に是々非々で判断していると思われる。
こうした状況も含めると、2人が応援する候補に学会票が行くことはないと予想される。

いずれにしても 三つ巴の短期決戦、激しい戦いになることは間違いないだろう。

意味不明、立憲民主党が分裂選挙

片峯誠市長の死去に伴う 飯塚市の市長選(11月5日告示、12日投開票)は、現在までに 元市部長の倉智敦氏(64)、前市教育長の武井政一氏(62)、元市議会議長の上野伸五氏(57)の3人が出馬を表明している。

短期決戦で各陣営が準備を進めているところ、武井氏の討議資料を入手した。
麻生副総理とのツーショットや、自民党の江藤県議と高橋県議の顔写真が掲載されていて、地元政財界が支持していることが窺える。
気になったのが、その中に元県議で九州の自立を考える会 副会長の吉村敏男氏の写真、吉村氏は現在立憲民主党県連の顧問を務め、あまりいい評判を聞かないだけに 武井氏の支持者からはマイナスイメージを心配する声が上がっている。

その一方、同じ立憲民主党の道祖満市議が 倉智氏を支援しているという。
道祖市議自らが倉智氏を引っ張り出したと言われているが、立憲県連の方には道祖氏から報告はされていないらしい。
党人としては不可解な動きであり、立憲内部からも疑問の声が上がっている様だ。
尚、議長ポストを500万円で買おうとした市議が倉智氏支持に回っているという噂もあり、道祖氏の思惑に憶測が広がっている。

本来、政党同士で争う市長選挙、立憲県連顧問と市議が別々の候補を支持する珍しい「野党分裂」となっている。
結局政党は二の次ということだろうか。



頼母子講にご用心

頼母子講をご存じだろうか。
その歴史は古く 参加者が決められたルールでお金を出し合う互助会のようなものだ。

3年程前、頼母子講を行っている経営者のグループがあった。
会員は12人、毎月1回集まって 1人10万円の掛金を支払うので120万円集まる。
まとまった金が必要な者が札を入れ、最安で落とした者が総取りできる。
但し 権利は1年間に1度だけ。
120万円と落札金額の差額は、権利を行使していない会員に均等分配する仕組みだったという。

世間の金利の高い頃は流行ったと言われている頼母子講、傍目には面白そうだが 思わぬ落とし穴が…。

旧知の仲間に誘われて そのグループに参加した建設会社経営のAさん、飲食店経営のメンバーの1人がヤクザの組長とは知らず続けていたが、ある時その組長が逮捕された。
その後、組長の資金の流れの捜査の過程で、頼母子講のグループLINEにAさんがいたことから 任意で事情聴取を受けることになった。

Aさんは「組長とは知らなかった」と主張したが 状況証拠等から密接な関係があったと県警が認定、その後、公共事業からの排除措置通報がされ、各公共機関で入札が指名停止とされたばかりか、銀行口座を凍結され 瞬く間に倒産に追い込まれた。
Aさんは現在、取調べのやり方に違法性があったとして裁判で争っているが、倒産した会社は元には戻らない。

ちょっとした興味本位で参加した遊び、そのせいで 築き上げてきた地位を失い、多くの社員とその家族の生活も一瞬にして変わってしまった。
悔やんでも悔やみきれなかっただろう。

現代の頼母子講は、警察の目には「堅気の遊び」には映らない様だ。
皆さんも ご用心を。

ある建設業者のため息

コロナ後は葬儀の形がすっかり変わり、親族のみで済ませる家族葬の割合が 半分以上となり、参列者が減少したため 遺族が受け取る香典の額も 平均 50万円を切っているという。

ある街の建設業者から聞いた話。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた頃、首長の親が 新型コロナウイルスに感染し病院で亡くなった。
感染対策のため最期を看取ることができず遺骨になって戻ってきて、通常の感覚なら 家族葬でお別れをすると思われるが この首長は違った。

町内の 建設業はじめ各団体宛に 役所のFAX番号から 告別式の案内が送られて、すぐさま会員に転送されて来た。
さすがに首長の親が亡くなった案内があれば行かないわけにはいかない。
香典を包むにしても、後から首長が金額をチェックしそうだ…。

式当日、前半は親族だけに限られ、式場の外は顔見知りの業者でごった返していた。
後半、式場に入り 焼香を上げすぐに葬儀場を後にした。

業者は「香典を渡しに行っただけ。2~300万は稼いだか。あの商魂は凄い」とため息をついた。


 

前市長逃亡? 大丈夫か、大阪IR

平成28年12月22日、大阪市内で行われた大阪都構想の説明会の中で、松井一郎市長(当時)が言い放った。
カジノに税金は一切使いません。

「これ統合型リゾートですから特定の政党(共産党?)が間違った情報を流布してますけど、これだけはっきり言っときます。IRカジノには一切税金使いません。逆です。民間事業者が大阪に投資してくれるんです。その額は 5000億から1兆円 大阪に投資されます。そこはご心配いただかないようにしてください。」

ところが、既にIRの土壌対策として 1000億円を超える公費(税金)が投入されることが明らかになっている。
当初は複数のIR開発会社の競合を想定していたが、終には米国MGMのみとなり、現在のカジノ業界を取り巻く環境をみても いつ離脱してもおかしくはない状況にある。
それを裏づけるのが「解除権」の3年間の延長だ。

大阪府・市がIR開発会社と締結する実施協定案には、一定の事業条件が整わない場合、契約を解除する権利が含まれており、権利を行使した場合、IR開発会社は損害賠償も手数料も支払う必要はない。
2026年9月まで3年間の解除権延長は、MGM側の意向をのんだ格好で、府・市は圧倒的に不利である。

途中で解除された場合、代わりの業者はいないので それまでの投資が無駄になる。
IRと万博の成功・失敗は大阪の経済だけでなく日本全体に影響が及び、国費も投じられるので他人事で済ます訳にはいかない。

既に想定外が続き、IRの開業時期は延期されている。
万博~IRを推進してきたのは紛れもなく日本維新の会、その中心人物で「税金は一切使いません」と言い放った松井市長は早々と退散、責任回避で逃亡したという声も。

維新は「身を切る改革」で党勢を拡大してきたが、これらの事業でやっていることは正反対、そのフレーズが霞んで見えてくる。


 

パワハラ企業のトンデモ裁判(後編)

大島産業の社員で 施工不良を起こした工事の「管理技術者兼現場代理人」だったK氏が原告となり、NEXCO中日本の社長や現場の監督員を被告として、2021(令和3)年9月16日付で福岡地裁小倉支部に提訴した。
内容は、工事の中で監督員から様々な人格否定発言などパワハラがあり、心を病んだので 慰謝料として二百数十万円の支払いを求めるというもの。
提訴から2年が経とうとしているところだが、8月7日に小倉地裁で口頭弁論が行われた。

昨今の裁判を含むハラスメントの争いでは、訴えた側が有利な風潮がある。
誤解を恐れず言うと、仮に契約上弱い立場の者に何らかの非があったとしても、その非が問題になることは少ないように思われる。
録音や文書の証拠が残っていれば 尚のこと有利だ。
過去の裁判の中でそれを学習し、今度は自分たちがそれを利用しようと考えたのではないかと 関係者は話す。

2018(平成30)年8月、当時の大島産業は十分な下請業者の確保もままならない中で、関東の工事を受注、施工箇所が多岐に及ぶも十分な管理技術者の配置ができず 工程進捗に大幅な遅れが出ていた。
見かねたNEXCO中日本側の監督員が、休日返上で本来受注者がするべき業務を相当量手伝ったそうだが、大島産業が増員せず一切改善が見られなかったということを、複数の下請関係者から聞いた。

被告の監督員の肩を持つつもりはないが、受注しておきながら やるべきことをやらない企業の責任はどうなるのか。
最終的には施工不良を引き起こしている。
工程が決まっているのに、書類も出さない、出し方も分からない、手伝っても増員しない、急に下請がいなくなる、最終的には工期が伸びる、となれば、監督する側として 厳しい言葉の一つも言いたくなるだろう。



そうした状況下で、とにかく早く対応してほしいとの思いで送ったメールの内容が、管理技術者を罵倒し人権を侵害したという主張なのである。
第三者調査委員会の報告書には、「一部不適切な表現は見られるも 施工上の問題が生じている中、大島産業に書類の提出や修正の催促をする目的として正当なものだったと言える」と記されている。

今回の訴えは大島産業の社員個人だが、NEXCO中日本側は個人が単独で訴えたと受け止めていない。
本裁判で NEXCO中日本にパワハラがあった事を一部でも認めさせて、建設工事紛争審査を少しでも有利に進めたい狙いがあると見ており、全面的に争う姿勢だ。

NEXCO中日本にとっては当該工事が政治案件化し、副社長以下コンプライアンスを軽視したことが ブーメランになって返ってきている。
改めて社内のガバナンスについて考え直す良い機会になったことだろう。

大島産業については、このような類の裁判はマイナスと見る関係者が多い。
パワハラや施工不良、更に建設業法違反で処分されるなど、これまで定着した負のイメージは簡単に払拭できるものではない。
地元で建設業と運送業の営業を継続していくためには、こうしたイレギュラーな技を使うのではなく、地道に地域貢献をしながら信頼回復に努めていくことが重要ではなかろうか。

- 了 -

パワハラ企業のトンデモ裁判(前編)

㈱大島産業(宗像市)のCEOが、雇用していたトラック運転手を丸刈りにして高圧洗浄機で水を噴射したり、川に入るよう命じて打ち上げ花火で狙ったりした写真をブログで公開、慰謝料等を求め運転手が提訴し最高裁まで争い、2019年9月、大島に約1500万円の支払いを命じる判決が確定した。
当時これほど壮絶なパワハラが現実に存在し、CEO自身のブログで公開していたことが話題になり、関係者に衝撃を与えた。

丸刈りや土下座、パワハラ認定 1500万円支払い命ず(朝日新聞 2018年9月15日)

その大島産業の名前が 再びマスコミに登場したのが 2020年10月、あの文春砲だった。
NEXCO中日本が発注した中央高速道の耐震補強工事で 鉄筋不足等の施工不良が発覚、国会でも問題となった。

実は、発覚後約3年が経とうとしているのに、NEXCO中日本と大島産業の間で 未だ決着に至っていない。
当時施工不良の対応に追われたNEXCO中日本は、同年12月に大島産業との契約を工事途中で打ち切ったのだが、補修工事の費用も含め 最終的な支払額が未だ決定しておらず、建設工事紛争審査会の裁定に委ねているという。

そもそも当該工事は、当初の契約金額と工期が 5回に亘り変更になっている異例の工事だった。
当初契約金額は 6億0242万円、落札率74%で 低入札調査の対象となるほど安く受注したのだが、最終的に13億2910万円と 2倍以上に膨らみ、工期も1年以上延期されている。

その原因は、第三者調査委員会の報告書に詳しいが、工期遅れは下請の手配ができなかったことや、交通規制の保安費に4億5000万円が請求されるなど不透明な部分が多いことが記載されている。



→ NEXCO中日本 E20 中央道を跨ぐ橋梁の耐震補強工事施工不良に関する調査委員会 報告書(2021年7月22日)

当時のNEXCO中日本の副社長への忖度もあり、そうしたことが有耶無耶になったまま 契約変更が行われたのが2020年10月23日、文春によるスクープはちょうどその直後のタイミングだった。
調査の結果鉄筋不足が現実のものとなり、12月には契約を解除、約4億円をかけてNEXCO中日本は自ら補修工事を行なっている。

NEXCO中日本としては、水増し請求など積算が不透明なことも第三者調査委員会で指摘されており、補修費用の請求を含め 適正な支払いをしたいという立場、大島産業は 契約解除はNEXCO側の都合なので契約金額を支払ってほしいということで折り合いがつかず、建設工事紛争審査会で審査をしている段階だ。

こうした中、例の鉄筋不足の現場担当だった大島産業の管理技術者K氏が原告となり、NEXCO中日本の監督員や支社長らに対しパワハラを受けたとして二百数十万円の慰謝料を求める裁判を起こしていることが判った。
パワハラが認定された企業の社員が パワハラ裁判を提訴しているということで、実に興味深い裁判だ。

ー 続 く ー

豊前の超優良企業 ⑤ ~豊前三セクから不透明な支出~

前回報じたように、三セクの豊前開発環境エネルギー㈱は 所期の目的を果たせないまま債務超過の状態で事業が停止し、現在も再開の目途が立っていない。
豊前市を含め、関わった全ての出資者の思惑は外れ、もはや精算するしかない状況と言えよう。

そうした中、決算書類を見ていくうちに、出資もせず、ただ儲かったと思われる企業が存在していることが判った。
それは、 豊前の超優良企業 ① ~役員報酬 家族3人で7600万円~で報じた S社である。

S社は、松浦発電所から搬出される石炭灰の運搬船が入港する際、水先案内をする業務を委託されていた。
令和元年4月~同2年3月の1年間に同運搬船が入港したのが 計48回、1週間に1回のペースである。
そして、豊前開発環境エネルギーからS社に支払われた金額が、1年間で4812万5000円、傭船料が1回当たり約100万円という計算になる。

また、Y社(北九州市)に対しては、豊前開発環境エネルギーが 浮桟橋の賃料という名目で 年間 2376万円を支払っている。
月額に換算すると 約200万円、浮桟橋とは、石炭灰の運搬船からの積み下ろしや係留を目的としているそうだが、その必要性について疑問を呈する関係者もいる。
しかも、同浮桟橋の所有はなぜか S社、S社所有の物件を わざわざY社に支払っているのかが謎である。

そして興味深いことに、Y社の株式の一部を北九州市議の渡辺均市議が所有し、平成30年8月21日から令和5年1月25日までは役員に名を連ねていたことも判った。
Y社の代表者に 上記の不明な点について電話取材を試みたが、数回かけても代表は留守ということで直接話を聞くことはできなかった。

以上のように、S社とY社へ豊前環境開発エネルギーから不透明な支出がある。
同社監査役の榎本義憲氏が これまで市や市議会で会計内容の説明をしていれば、このような疑念を持たれることもなかったと思われるが、副市長を解任されても監査役を辞めず、一切説明がないので疑念は膨らむばかりだ。

また、豊前環境開発エネルギーの社長は、北九州市の部長など要職を歴任した白石康彦氏、副社長には豊前市の商工会議所会頭の上田大作氏が就いており、榎本氏が職責を果たさない場合は、出資をしている豊前市の市民に対しての説明責任を果たすべきだろう。

同社が債務超過で事業停止を余儀なくされた中で、S社は1回100万円の傭船料を売り上げているほか、所有する浮桟橋をY社に貸し出し Y社の売上に貢献しているという不可解な資金の流れもある。
その中で、S社は家族3人の役員報酬として7600万円を得ているのも既報の通り、S社の代表は 元市議会議員だ。
おそらく 公の場で、市民が納得できる丁寧な説明をしてくれることだろう。

ー 了 ー

豊前の超優良企業 ④ ~豊前三セクは清算か~

豊前市が出資した 豊前開発環境エネルギー㈱(三セク)の所期の目的は、豊前の海の水質を改善することにあった。
そのために出資者が集い、九電の石炭火力発電所から排出される厄介者の石炭灰を同社で再生させることで、「九電」、「豊前三セク」、「再生に関わる業者」、そして何より「漁業関係者」も喜ぶ、先駆的な「四方良し」の仕組みを作り上げるということで、当時は意気揚々、やる気がみなぎっていたという。

会社設立は平成26年6月、プラントに設備投資をして、九電の松浦発電所から石炭灰が初めて入ってきたのが同29年11月、そこから本格的に稼働を始めた。

弊社が入手したのが令和2年3月期(令和元年度)と同3年3月期(同2年度)の貸借対照表及び損益計算書である。

令和2年3月期の売上高は 4億2332万0236円、売上原価が4億1205万4190円、最終利益が 4953万8161円の赤字となっており、長短借入金合計が 8億3691万0019円、3億8681万1416円の債務超過となっている。

令和3年3月期の売上高は 4億9211万3040円、売上原価が3億8865万5975円、最終利益が 3275万1809円の黒字、長短借入金合計が 8億1747万8019円、3億5405万9607円の債務超過である。

新規事業を始めた会社が、初期投資に費用が掛かり 債務超過でスタートするのは珍しいことではない。
また、当初の石炭灰に加え、令和2年1月からは近隣のバイオマス発電所から出るバイオマス灰の処理も始めたことで事業拡大の意欲も窺われ、同3年3月期では黒字に転換しており、債務超過脱出への希望も見え始めたと捉えて良いかもしれない。

ところが、その矢先の同3年12月、些細な書類偽造が発覚し、同4年3月には県による事業認可が取り消されるという事態に陥った。
向こう5年間は事業を再開することはできず、利益を生むことができない状況になっている。

令和4年3月期以降の決算は不明だが、関係者はもうこのまま復活は難しいのではと話す。
設備投資したプラントのメンテナンスもできておらず、九電から主原料の石炭灰が搬入される確約がなく、再開の見込みが立たないというのだ。

となれば、債務超過のまま清算、出資者は資金を全額回収できないことになる。
三セクだけあって簡単に清算とはいかないかもしれないが、豊前市も出資金の回収ができなくなる可能性もあるだろう。
結局、目的の豊前の海の水質改善も道半ば、当初のやる気も虚しく、三セクに関わった殆どの企業や人の 思惑が外れてしまったのである。

ー 続 く ー

政治と介護施設の深い関係 ⑬

介護サービスに従事しておられる方は 日々の業務に真剣に取り組んでおられる。
問題は 介護事業を政治に利用する政治屋、そして それに協力する経営者、中には政治屋自身が介護事業の経営者のケースもある。

地方議員やその家族が社会福祉法人の理事長を務めているケースは多い。
そこでは、特別養護老人ホームほか、デイ・サービス、訪問看護ほか様々な介護サービスを行うほか、法人によっては 障害者福祉まで手を広げているケースも。

そこで雇用されている人、サービス利用者、そして その家族まで含めると相当数に上る。
これだけで、選挙の際、他の候補者に比べ アドバンテージがあるかお分かりだろう。
だからこそ、介護を政治に利用していると誤解されないよう、議員活動と介護事業との線引きを明確にするべきではなかろうか。



永原町長の凄いところは、福岡県介護保険広域連合のトップになり事実上の許認可権を掌握し、政治利用の仕組みを確立させたことと言われている。
広域連合に加入している33自治体では、永原連合長(町長)が判を押さなければ、新たに介護サービスを始めることはできない。

今でこそ永原町長と歩調を合わせている佐々木県議であるが、関係者によると、県議なりたての頃は反永原だったが、両親が介護施設を経営しているため どうしても敵に回せなくなった事情があるようだ。
そこで止まってくれていれば良かったがそうはいかなかった。

既報の通り、永原町長の肝煎りで発足した任意団体「田川地区介護サービス事業所協議会」の会長に佐々木県議の母親が就き、昨年12月には 会長名で「次期選挙で 二場公人市長と佐々木允県議を推薦する」旨の文書を会員に送付している。

更に、田川市長選の最中、佐々木県議の兄が経営する有料老人ホームの不在者投票の当日、現職の二場公人候補が訪ねて来て挨拶を行った上、法定ビラではなく後援会チラシを配布するという、2重の選挙違反を行っていた。
選挙違反を承知で訪ねてきた二場氏が一番悪いが、それを許した施設の経営者も同罪と言えるだろう。

結局、佐々木県議の家族が 介護事業を政治利用していたことに他ならない。
親分からの指示があったかどうかはともかく、それぞれの責任で行っており同乗の余地はない。
ここまで来ると、母親が経営する施設でも同様の不正はなかったかとか、不在者投票が法令を遵守して行なわれているかなど様々な疑問が湧いてくる。

佐々木県議のケースは、議員活動と介護事業との線引きを明確にしていない わかりやすい一例である。

ー 続 く ー


陸田議長が経営する介護施設に掲示された看板

予想的中!東洋建設が落札

田川郡添田町では10日、学校建設の「再入札」が行われ、1者のみの入札となり東洋建設㈱(東京都)が落札した。
指名競争入札で22者が指名されたが 21者が辞退、予定価格 51億1483万4000円(税抜)で 落札価格が 51億1480万0000円(税抜)、落札率 99.9%だった。

ところで、弊社の関連会社では 有料会員向けに週2回のペースで情報を出している。
8月3日付の情報で、同入札における落札する企業を予想していたところ、見事的中した。

以下 会員向け情報の内容。




添田町の学校建設工事であるが、8月10日に再入札が予定されており、その行方に関心が集まっている。
前回の入札は5月31日、一般競争入札(予定価格44億1499万1000円)で行われ、飛島建設、東洋建設、村本建設の3者が申し込むも、前日までに東洋建設と村本建設が辞退、飛島建設の1者入札となったが 金額が55億5600万円、約11億円も超過する額で不落に終わった。
(中略)
町は多くの事業者の参加を見込んでいる様だが、業界関係者は 「大任町周辺の建設工事は、下請や建設発生土の処理で〇〇〇〇が絡んできて面倒なことに巻き込まれるのが分かっているので、真っ当なゼネコンなら辞退するだろう」と話す。

面倒を承知で1回目の入札に申込みをしたのが 飛島建設、東洋建設、村本建設、このうち11億円超過した飛島建設は、2回目増額となっても価格に乖離があり格好がつかないので 辞退か。
それでも参加してくれば本命だが、企業イメージが悪くなるだろう。

弊社の本命予想は東洋建設、東洋建設と村本建設は1回目で辞退したが増額になったので意欲を見せても不思議ではなく、特に 東洋建設は大任町で汚泥処理施設(水道機工)とゴミ焼却施設(タクマ)の工事下請に入っており、面倒な環境への対応は経験済みだ。




予想が的中した。
競争して落札額を下げたい町の思惑とは裏腹に、1者入札で満額での落札となった。
東洋建設と言えば 経営権をめぐる争いで何かと注目されているが、学校建設など実績には申し分ない企業だ。

東洋建設の実績はこちら

東洋建設におかれては、後世まで誇れる素晴らしい学校(作品)に仕上げて頂くと同時に、下請には ゴミ処理施設等で潤っている隣町の業者ではなく、添田町の業者を使い地元に還元するよう配慮頂きたい。

豊前の超優良企業 ③ ~会計報告をしない三セク~

豊前市が出資している豊前開発環境エネルギー㈱という会社がある。
第三セクターでありながら市に会計報告をしておらず、不透明な経営が続いている。

同社は平成26年6月、豊前市海域の水底質悪化を改善するため、石炭灰を原料にした「軟弱ヘドロ地盤改良材・ハイビーズ」の製造を目的に設立された。
豊前市のほか 民間企業10社が出資、開業して5年間は九州電力の長崎や熊本の石炭火力発電所から排出される石炭灰を船で搬入、ハイビーズに加工する業務を行ってきた。
また、令和元年度からは豊前バイオマス発電所(イーレックス㈱・九電みらいエナジー㈱・㈱九電工の共同出資)等から排出されるバイオマス灰の加工業務を始めた。

代表取締役社長の白石康彦氏は元北九州市建設局長で北九州高速鉄道(株)代表等を歴任した人物、副社長には 現豊前市商工会議所会頭の上田大作氏(上田産業㈱代表)、監査役には豊前市からの榎本義憲副市長(当時)が就いている。

ところで、石炭やバイオマスの焼却灰は産業廃棄物に該当し県の許可が必要とされているが、開業7年目の令和3年12月、同社が 県発行の事業許可証を偽造しバイオマスの焼却灰を取り扱っていたことが発覚する。

→ 西日本新聞 福岡・豊前の三セク、バイオマス焼却灰を無断処理 県の許可証偽造か(2021/12/4)

結局、第三セクターの専務が逮捕(後に有罪判決「懲役3年、執行猶予5年、罰金50万円」)される異例の事態となり、同4年3月には県から許可取消の処分を受けたことで、向こう5年間は営業ができなくなっている。
問題は、同社の会計内容が市に報告されないということである。

そのために副市長が監査役に就いているのだが、当初から副市長の榎本氏は豊前市に同社の会計報告を一切行ってこなかったのではないか。
市が詳細な内容を把握していないことから そんな疑問が湧いてくる。
副市長でありながら市長の補佐役を十分に務めていなかったため、榎本氏は平成29年度途中に副市長を「解任」されている。

本来なら 副市長解任と同時に同社の監査役も辞任すべきところ、なぜか現在も榎本氏は監査役に居座り続けている。
市議会も同社の会計が不透明な点を問題視しているが、議会の問いかけにも応じていない。


こうした中、弊社では 同社が事業停止する前の令和2年3月期・ 同3年3月期の決算書を入手、確認したところ 3億円以上の債務超過に陥っていることが判った。

- 続 く -

清潔な県議会議員が必要です

今どき珍しく自己主張の強いチラシを見つけた。
3期目にして県議会副議長の椅子を手にした佐々木允県議のチラシだ。

県議会議員は多くの権限を持っており、発言や行動は地域に大きな影響を与える」らしい。
初めて知った。

また、「政務活動費の不正や、汚職事件、そして不誠実な態度は、政治の不振と疑念を増幅させている」とある。

ここ数日、風力発電で現職国会議員が特定の業者に有利になるような質問をして賄賂をもらったというニュースが飛び交っており、再エネ利権の闇が浮き彫りになった。
確かに政治不信と疑念は増幅している。
「不誠実」な態度は本当にけしからん。

さらに、「もう私たちは気づいているはずです。利権や自己の利益に執着した政治ではなく、清潔で誠実な政治をつむいでいくことの大切さを。」と書かれている。

大任町とそれになびく地方議員を見ていて、つくづくそう思う。

田川市には清潔な県議会議員が必要です。

今日のところはノーコメントで。

鉛筆なめなめ、どうにでもなる理由付け(後編)

さて、同バイパスについての国の新規事業採択時評価の内容が公表された。
試算された事業費(C)は 272億円、それに対し 総便益(B)は 342億円、いわゆる費用対効果(B/C)は、
272億÷342億 で 1.3、1を超えたことで事業を進める価値があるということだ。

これまで B/C が1を超えたことを根拠に、数えきれないほどの公共事業が進められてきた。
完成後 利用が少なく明らかに無駄だったと言える事業も枚挙に暇がないが、役所が当初の事業見込みを再検証したとか 反省したというニュースは記憶にない。
B/Cは 結論ありきで 1を超えるように 鉛筆を舐めればどうにでもなるが、誰も責任を取る仕組みがないから 繰り返される。

例えば総便益 342億円というが、その前提の作り方で計算が違ってくる。
地元の人の話を総合すると、「このバイパスができても一般の車両は 現国道沿いの店舗や公共施設に用事があり、わざわざバイパスは使わない。久留米方面に急ぐ人は 県道82号線(久留米立花線)を利用しており不便はない。バイパスができて喜ぶのは 熊本方面へ行き来するトラックだけ」ということだ。
また、仮にバイパスの交通量が増えると、広川町の県道82号線や国道3号線で久留米方面に右折する際、混雑が予想されるので、敬遠するのではという声も出ている。
前提が違えば 総便益342億円が著しく減少する。

また、事業費が272億円というが、地元国会議員が建設会社の社長に 600億円と吹聴して回っていたことが分っている。
建設が始まってから工事費を増額する確信犯的な手法は以前から使われており、400億500億と増額していくのは間違いない。
なぜなら、政治家が有権者に嘘をついてはいけないからである。

総便益が減り事業費が増えれば、B/Cは一気に1を切り、事業を進める根拠は消滅する。
このように、B/Cは全く意味のない数値だが、結論ありきで1を超える積算をして、それを錦の御旗にして事業は前に進められていく。

それを指をくわえて見ているしかないのが現状で、タカハシや一部の政治家たちの高笑いが聞こえてくる様だ。
「こんな仕事やりたくない」という本音を殺して 業務を進めている公務員の皆さんは気の毒でならないが、内部から声を上げてほしいという期待もある。
利権絡みで公平な手続きを経ていない無駄な道路と知っているのに声を上げないなら、「役人も奴らの片棒を担いだ」と言われても仕方がないのでは。


- 了 -

鉛筆なめなめ、どうにでもなる理由付け(前編)

国道3号広川八女バイパスは、今年度 5000万円の調査費が予算化され もう止められないところまで来ている。
しかし、国や県、自治体から漏れ聞こえて来る担当者たちの本音は、「こんな仕事やりたくない」と共通する。

この計画は、市長の弱みを握るタカハシという土地ブローカーが 自身の土地を通すよう要求したことから始まったものだ。
そして、バイパスが通る話など何も出ていない頃に、藤丸敏議員が「古賀先生がバイパスを持ってきてくれた」とか、広川町の渡邉元喜町長が「バイパスを上広川小に当てて国のお金で建て替えさせる」と発言していたが、今はその通りに事が進んでいる。
いずれも選挙前の発言で、リップサービスのつもりだったかもしれないが、こうした証拠・証言が残っている。

こうした経緯は 弊社が既に報じており、国の役人も県や市町の職員も 弊社の記事をチェックし把握しているそうだが、弊社に対して役所から反論もなければ、関係者から提訴されてもいない。
全て事実だからだ。

国民・県民の血税を使って、無駄な道路が作られようとしている。
いかに、この計画が利権まみれで 道路行政で公平性を欠いているかを書いているので、是非とも過去記事を参考にして頂きたい。

弊社記事→ 歪んだ3号線広川~八女バイパス

弊社記事→ コンプライアンス違反の疑い

- 後編に続く -

亡国の外国人受け入れ

我らがリーダー、岸田文雄総理は、民間有識者による政策提言組織「令和国民会議(令和臨調)」の発足1周年大会に出席し、カタールやアラブ首長国連邦の人口の9割が外国人という例を紹介し、人口減少を踏まえ「外国人と共生する社会を考えていかなければならない」と語った。

カタールやアラブ首長国連邦の国の成り立ちは根本から異なっており、引き合いに出すこと自体が無知で、国家観を持ち合わせているリーダーの発言とは思えない。
2022年の外国人比率は 平均2.4%、しかし 国は約50年後の2070年には12.4%まで上昇すると試算している。

弊社記事 → 50年後、外国人が10人に1人?(2023年5月24日)
総理の発言は、この試算を容認した上でのものと思われる。

植民地政策の反省から移民受け入れに積極的だったヨーロッパでは、治安が悪化する事態に陥っており、フランスの暴動も 抑圧された移民の不満が原因と言われている。
外国人を受け入れるなら、綺麗事を並べるだけではなく、そのデメリットまで国民に提示しすることが必要だが、曖昧にしたまま 産業界に言われるままに進めている状況だ。

外国人比率の全国平均が 5%を超えてくると危険水域という識者の意見がある。
5%はあくまで平均で、地域によると 10%を超えるところも出てくる。
現に国内の公営団地で外国人とトラブルになっているという報道もある。
少数のうちはいいが一定数を超えた時、豹変し 自己主張をしてくる。

隣近所に異文化の大集団がいる恐怖は いかほどだろう。
総理は「外国人と共生する社会を考えていかなければならない」と言うが、そうした集団とまで 共生をしなければならないのか。
総理や外国人を欲しがる産業界の重鎮におかれては、外国人の多い公営団地に率先して移り住み、共生のお手本を見せて頂きたいものだ。

政治と介護施設の深い関係 ⑫

これまで 福岡県介護保険広域連合の資料を元に、田川地区の自治体の認定率が高いこと、1人当りの給付費が多いことなどを書いてきた。

ただ、政治と介護施設の深い関係 ⑩ (2023年7月24)の記事における「介護認定が他自治体と比較して緩い」という表現について、関係者の方からメールで次のようなご意見を頂いた。

現在、田川地区で介護保険の認定調査を行っているのは、介護保険施設所属のケアマネジャーではなく 全て福岡県介護保険広域連合の認定調査員である。
永原連合長の部下あることに変わりはないが忖度するという事は全くない、また、認定までの手続きの中で 個人を特定して永原氏の意向が反映されることは決してない。

表現には気を付けないといけないと改めて反省させられた。
現場の職員の皆さんは日々真剣に業務に励み、介護サービス利用者のために汗して働いておられ、誤解を招く表現があったかもしれない。
数字だけを並べるにとどめ、こちらのコメントは控えるべきだった。

今回は、広域連合の資料より、事業所(地域密着型サービス)、及び 特養を含む施設サービスの内訳を紹介したい。
まず、事業所(地域密着型サービス)数の合計を 第1号被保険者数で除した割合の平均は0.13%であるが、大任町が 0.49%で1位、10位以内に 糸田町を除く田川地区の7自治体がランクインしている。

また、施設サービス数の合計を第1号被保険者数で除した割合の平均は4.19%、大任町が1位で13.71%、10位以内に 糸田町(3位)、赤村(4位)、福智町(5位)が入っている。
弊社記事、政治と介護施設の深い関係 ⑥⑦⑧⑨で これらの自治体の特養の数が全国平均・県平均よりかなり多いことを書いたが、それを裏づけるものだ。

大任町は、認定率、不能欠損の割合、事業所の割合、施設サービスの割合で 1位を獲得、4冠達成である。

- 続 く -

豊前の超優良企業 ② ~成り立ちと現在~

豊前発電所が運転を開始し、S社が石油運搬船港の水先案内をするようになり、九州電力からS社には 業務委託料が支払われるようになった。
設立当初こそ S社から漁協関係者に様々な形(飲み食いや旅行等)で支払いが行われていた様だが、平成に入り時間の経過と共に、次第にその回数や額も減っていったという。

平成8年に役所勤務だったA氏が市議会議員に初当選を果たす。
S社は役員の入れ替わりなどを経て 平成19年4月に株式会社に組織変更を行い A氏が代表取締役に就任、そして同25年12月には過去を知る全役員が退任し A氏1人の経営になった。
その後、同27年6月には A氏の娘が、同29年7月にはA氏の妻が取締役に就任し、家族経営の会社として現在に至る。

ちなみに、九州電力豊前発電所は令和元年6月に運転を停止、S社が水先案内を行っていた石油運搬船は入って来なくなったが、九州電力からの業務委託料は現在も継続して支払われている。

S社への支払い額と運転停止後の支払いの妥当性について、九州電力に電話で尋ねてみたところ、支払い額については「社内基準に基づき適正に査定している」ということで教えてもらえなかった。
また 支払いの妥当性については「S社は燃料の受入れ業務に必要な知見経験を有し、稼働するため契約維持が必要」という回答だった。
廃止が決定しない限り、今後も支払いが続いていくということだろうか。

公表資料によると、S社は 九州電力と、豊前市が出資する豊前開発エネルギー、及び 豊前ニューエナジー合同会社の3社からの収入があり、その合計額は約1億9000万円程度である。
令和2年3月期で 豊前開発エネルギーが支払った金額が 年間約4500万円だったので、九州電力からの業務委託料は年間1億円程度ではないかと想像する。

地元の人の話では、「過去も現在も殆ど仕事はなく、S社の社員は釣りをして一日を過ごしている」そうだが、それが事実なら こんな上手い商売はない。
繰り返すが、年間1億9000万円を売り上げ 純利益1500万円、役員報酬が家族3人で7600万円である。
高い電気料金に苦しんでいる住民がこれを知ったらどう思うだろうか。



ー 続 く ー

 

豊前の超優良企業 ① ~役員報酬 家族3人で7600万円~

福岡県豊前市に、主に九州電力㈱から得る収入で潤っているS社という企業がある。
家族経営で不景気やコロナ禍であっても安定収入があり、京築地区における超優良企業と言って良いだろう。

同社は、宇島港に入る石油運搬船の水先案内を主たる目的として設立された会社だ。
公表資料によると従業員4人、直近3年間の平均年商は 約1億9000万円でコロナ禍の影響はなし、それらは九州電力、豊前環境開発エネルギー㈱、豊前ニューエナジー合同会社、以上3社からの収入で、約1500万円の純利益を安定して稼ぎ出している。

特筆すべきは役員報酬である。
役員には代表取締役として元市議会議員のA氏とその 家族2名が名を連ねているが、令和3年3月期には その3人に計 7600万円が支払われている。

S社の直近4年の決算

S社がどのように安定した財務基盤を築いたか、その成り立ちについて取材をしたところ、実に興味深い話を聞くことができた。

昭和52年、豊前市の宇島港で九州電力の豊前(石油火力)発電所が稼働を始めた。
昭和の時代、国内各地で海岸埋立地に発電所が建設され、電力会社からかなり手厚い漁業補償等の地元対策がなされたという話を聞くが、ここ宇島でも 例に漏れず 同様の対策が行われた様だ。

関係者の話では、豊前発電所の建設が決まってから九州電力と地元住民との間で協議が行われ、水面下である合意がなされたという。
それは、九州電力から漁協に直接「補償金」として支払うことはできないので、幹部らが新規事業を行う会社を設立し そこに業務委託費として支払い、その会社から漁業関係者に還流させるというものである。

当時、物事を前に進めるための苦肉の策だったと思われる。
昭和50年9月、漁協の幹部4人が役員となって設立したのがS社(設立当初は有限会社)で、役員のうち監査役を務めていたのがA氏の父親だった。



ー 続 く ー

くじ運強く、1者入札が得意なゼネコン(後編)

ところで、飛島建設は大任町に隣接する添田町の学校建設工事の入札で俄然注目を集めている。
同町では現在の4小学校1中学校を1つに統合した小中学校建設を予定し、令和7年4月開校を目指している。
実施設計は㈱教育施設研究所JVが担い、今年5月31日に一般競争入札(予定価格 44億1499万1000円)が行われた。



入札には 飛島建設のほか 東洋建設と村本建設の3者が申し込んでいたが、前日までに東洋と村本が辞退し、飛島の1者入札となったのだが、55億5600万円、約11億円も超過する額の札を入れ失格となり、不落に終わった。

余談だが、東洋建設は 大任町のし尿処理施設を受注(平成29年)した水道機工、及びゴミ焼却施設を受注(令和3年)した タクマの1次下請に入っているゼネコン、同じ町の2つの大型プロジェクトで、異なる元請に同一の上場企業が下請として入るのも珍しい。
昨秋には SNSで 同社を名指しした文書が出回ったことも。
任天堂創業家の資産運用会社から買収を仕掛けられ注目を浴びているだけに、あまりこういうところで目立たない方が良いのではと心配する声も聞こえて来る。

話を戻すが、添田町は 不落を受け積算を見直し、予算を 6億4624万円増額することとし、そのうちの一部 2億5849万円が 7月5日の議会で承認され、8月に指名競争で再入札を行う予定という。

さて、飛島建設以外、手を挙げるゼネコンが複数出てくるだろうか。
常識で考えれば、6億4624万円増額なのに 11億円オーバーの札を入れた飛島が入札に参加するはずはないが、「前回は予定価格を吊り上げられるだけ吊り上げるのが目的で、臆面もなく参加してくるだろう」というのが 大方の見立てだ。

飛島建設がお家芸の1者入札となり、見事 落札率98.9%で落札したあかつきには、鷹羽建設や譲が下請に入ってくることは間違いない。
指名される他のゼネコン各位におかれては、矜持を持って入札に参加し、添田町に素晴らしい作品を残して頂きたい。

飛島建設の1者入札

くじ運強く、1者入札が得意なゼネコン(前編)

東証プライムの飛島建設㈱(東京都)は、ゼネコンウォッチャーによると 実に興味深い会社らしい。
福岡県下では、宮若市と大任町周辺で特徴のある履歴があるという。

まず、宮若市について。
同市では、平成30年5月に新庁舎建設工事、令和2年9月に宮若東中学校区再編小学校等建設工事と 大型案件が続いたが、いずれも飛島が受注している。

新庁舎建設工事の指名競争入札(予定価格 28億2399万2000円、最低制限価格 25億4159万2000円)では、22者が指名され 16者が入札を辞退、5者が最低制限価格の札で並んだためくじ引きとなり、飛島建設が落札している。

続く 小学校等建設工事の入札(予定価格 34億4798万9000円、最低制限価格 31億7214万9000円)では、指名21者中 15者が辞退、こちらも5者が最低制限価格の札を入れ、くじ引きで飛島建設が落札した。

同じ市の大型公共工事において、2回連続で5者の中から当りくじを引き 約60億円を受注したことは業界関係者の語り草となっている。



次に大任町周辺について。
飛島建設は大任町と縁が深いことが知られている。
そのきっかけは、平成22年に1億円のトイレで有名な「道の駅おおとう桜街道」の施工が初めてだった様だ。

相性が余程良かったのか、当時の元現場所長を 永原譲二町長は 町職員として雇い入れ、現在 進めている衛生処理施設関連工事を仕切らせていると聞く。
工事の裏側まで全てご存知の方かもしれない。

その後、偶然かもしれないが、大任町周辺の工事で飛島建設の1者入札が続いた。
同28年11月、京築水道企業団(豊前市)で 田川地区にも送水する横瀬浄水場(みやこ町)の土木建設工事の入札が行われた。
予定価格18億4348万円に なぜか入札参加申込みは飛島建設のみ、18億2300万円で落札(落札率 98.9%)でしている。

昨年2月には、田川広域水道企業団(当時の企業長は 二場公人田川市長)の白鳥浄水場等建設工事(予定価格 51億2516万円)の入札が行われたが、これも1者入札だった。
落札金額は50億7000万円(落札率 98.9%)と こちらも ほぼ満額で受注した。
ちなみに、永原町長の親族が経営する ㈱ 鷹羽建設 及び ㈲ 譲(いずれも大任町)が、ちゃっかりと同工事の下請に入っていた。

弊社記事→注目が集まり始めた田川市(2022年7月22日)



ー 続 く ー

土砂崩れ、死亡現場の上にメガソーラー

九州北部を襲った記録的な大雨は、福岡県内でも各地に爪痕を残した。
添田町庄地区では土砂崩れが発生し高齢の女性が亡くなった。

地元紙は、「被災した家屋の裏山は町有地で、2018年と2020年の2回土砂崩れによる被害が起き、その都度町が対応してきた」と報じていたが、ここだけ読むと町の管理責任が問われるような印象を受ける。

気になったので現場を見に行ったところ、被災家屋の裏山の先(西側)には 福岡市に本社を置く不動産会社所有のメガソーラーが広がっていた。
かなり広いので一枚の写真には収まらない。




新聞社がヘリから撮影した土砂崩れの現場写真とGoogle Map を重ねてみると下図のようになる。
現場の西側に広大なメガソーラーの敷地があることが判る。
Google Map はこちら



国土地理院の電子国土WEBを使うと、高低差を断面図で表すことができる。
電子国土WEBはこちら

メガソーラーの場所について 、断面図を表すことができるツールを使うと、図左側の標高約112mの高台から 東に向かって緩やかに傾斜し標高約100mまで下がっていることが確認できる。(下図)
そこから さらに東へ進むと 町有地になり、約8m 急傾斜している。

添田町ではこの2週間で 約1200mmを記録、年間平均降水量の約半分が降ったことになる。
メガソーラーの敷地内に降った大量の雨水が 勾配に沿って東側に流れ、町有地の保水力が限界に達した可能性もある。

田川地区には 住民の目には触れにくいが、住居地のすぐ近くに広大なメガソーラーが広がっている箇所が多数存在する。
再発防止に向けて、メガソーラー周辺の水の道がどうなっているか、国や県が主導して業者に総点検させる必要があるのではなかろうか。



 

政治と介護施設の深い関係 ⑨

福智町で 60床の特養の新設が許されたのは、今年4月に設立された「社会福祉法人 政芳会」である。
同法人は福智町伊方で建設業を営む㈱スズキのオーナーが設立したものだが、理事に田川市議会の今村寿人市議、評議員に大任町の永原町長の娘婿で ㈲ 譲の代表者、宮田芳政氏の名前があった。

このコンビは 田川市の「社会福祉法人 里ごころ」の役員・評議員の名簿にも見られる。
更に「里ごころ」の監事には 永原町長の長男で ㈱鷹羽建設代表の永原譲太郎氏が名前を連ねている。
このことから、政芳会は 永原町長のグループと見て間違いないだろう。

ちなみに、「里ごころ」は今村市議が理事で永原譲太郎氏が監事、一方、大任町の社会福祉法人「よろこび」は永原譲太郎氏が理事長で今村市議が監事に就いている。
監事は「理事の職務の執行や法人の業務及び財産の状況について、独立性をもって監査できる常設機関」であるはずだが、隣町の社会福祉法人の理事がお互いに監事を務めて監査ができるのだろうか。



実は、政芳会を設立した鈴木氏は、9年前から特別養護老人ホームの新設を要望し、町を通じ介護保険者である広域連合(永原連合長)に意向を伝えていたが 同意されなかったという。
最も介護報酬の高い特養新設のハードルは高い上、福智町の特養の定員は多いので、広域連合が同意しないのはある意味当然だろう。

しかし地元では、平成31年4月の田川市長選挙をきっかけに 一転 認められたとの話が まことしやかに囁かれている。
もともと 鈴木氏は反永原・二場の元田川市議だった高瀬春美氏と関係が近かった。
市長選に高瀬氏が出馬、現職の二場市長との一騎打ちとなったが、当時二場氏側にかなりの危機感があった。
「『二場市長を支持すれば特養の設置を認める』という人参がぶら下げられ、鈴木氏が食いついて 高瀬氏との関係を断ち切り、そこからトントン拍子に話が進んだというのだ。
これが事実ならとんでもない話である。

選挙の翌年の令和2年3月、60床の特養の新設要望が 鈴木氏から町経由で広域連合に提出され、広域連合が同意し福岡県に上げている。
保険者である広域連合が同意したことで県も認め、同3年3月に策定した「第9次高齢者保健福祉計画」の中に、田川地区(福智町)に特養60床を整備することが盛り込まれた。

県の計画に載ったことを受け、同年10月に福智町が特養の事業者を公募、応募者は鈴木氏のグループのみ、町が審査した結果、同グループに決定し、町は意見書を添えて県に提出、県が設置を許可した。

前回の記事で書いた通り、福智町が特養を60床増やす理由は 無理筋なだけに、噂が本当の様な気がしてならない。

ー 続 く ー

政治と介護施設の深い関係 ⑧

福智町における現在の特養は下表の通りである。
同町は平成18年に 金田町・方城町・赤池町が合併した自治体で、高齢者人口に対する割合が5.0%と 田川地区では大任町・赤村・糸田町に次ぐ高い割合になっている。



ちなみに、平成29年2月1日に 特養「ユニットケア慶寿園」が30人定員を増やしているが、平成27年3月に策定された福智町高齢者福祉計画によると、「町には特養が340床あるが町外利用者が228床を占め満床状態で飽和状態」ということが理由として挙げられている。
これが理由になるのだろうか。



計画通り、平成29年2月1日に30床増床して これで間に合ったはずだが、福岡県のホームページを閲覧していて、令和6年3月予定で 60床の特別養護老人ホームが新設されることが分かった。



なぜ 更に60床増やす必要があるのか。
その根拠は 令和3年3月策定の 第1次福智町地域福祉総合計画に書かれていた。
計画(下図)には、利用者数は平成30年度の147人から減少し 計画期間の3年間は136人から増えないという見込みを記した表と、「町には370床あり入所率95%、町内の利用者は136人で残りの217人は他市町村の住民、安定した住まいの確保の観点から整備を進める」という説明がある。

この説明は矛盾する。
計画期間内の見込みは136人から増えないので、60床も増やす理由にならない。
また、町内に370床あるが町内の利用者が136人なので増やすという理屈は、平成27年度の福智町高齢者福祉計画の説明と同じ、これがまかり通るなら 次もその次も増床することができる。
作るなら むしろ他の市町村ではなかろうか。

次回は 新たな特養を運営する社会福祉法人について見ていく。
理事や評議員には見覚えのある名前が。

ー 続 く ー

副町長人事に投書

昨日、ある町に 情報公開請求していた書類を受け取りに行った。
請求用紙に「内容確認のため担当課と打ち合わせを希望」と書いていたにも拘わらず、電話連絡はなく、受領後 中身を確認したところ 欲しかった書類が入っていなかった。

担当課長に なぜ連絡してくれなかったかと抗議したところ、「電話する必要がありますか?」と 言い張るので つい声を荒げてしまった。
職員の皆さん、ごめんなさい。

ところで、その町の6月議会で 選任された副町長についての投書があった。
要約すると「人事に地元では疑問が上がっている。その理由は その副町長が以前から反社と交流があり、頻繁に飲食を共にしている。建設課長時代の入札の黒い噂も絶えない。反社勢力が利権を求め、町政に絡んでくるのは間違いない」というもの。

こういう話は 内部の争いで 相手を貶めるための作戦かもしれないので、余程の証拠がない限り 迂闊に手を出せない。
今年3月に逮捕された組長が 5月の法廷で「町長とは食事をしたり 白いハットを送った」と発言したので その件は記事にしたことはある。

弊社記事 → 永原会長5期目なるか?⑤ ~逮捕された組長の証言~(2023年5月30日)

一般的に、昔ヤクザの子どもと遊んでいたという話は珍しい話ではないし、固い絆で結ばれた親友もいるだろう。
そのまま大人になり、片や役所の職員、片やヤクザ、ふた昔前くらいまでなら飯を食っても許されたかもしれないが、最近はコンプライアンスが厳しくなり、 互いに連絡を取り合わないように努めている。

投書の話は本当かもしれない。
だが、副町長ともなれば、入札の権限や 情報が入るので 悪さを働こうと思えば簡単だ。
だが、役所の職員になって 町の三役まで出世したのだから大変名誉なこと、最近はマスコミ等の監視の目も厳しく、つまらないことで晩節を汚すのは得策ではない。
寛容な心で 副町長の仕事ぶりを 拝見していきましょう。

政治と介護施設の深い関係 ⑦

大任町は期待を裏切らない。
高齢者人口に対する特養の割合は、なんと 11.8%、県平均の 1.5%を突き抜けていた。
そして、定員 210人のうち半分以上が 永原町長の親族が経営する施設ということが判った。

永原町長が 介護保険連合の連合長に就任したのが平成25年4月、その1年後の同26年4月に グッドライフの定員が50人増え、さらに同30年3月には 新規の社会福祉法人よろこびを設立して60人増えている。

グッドライフを経営している 社会福祉法人鷹羽会の現理事長は 町長の妻(二場前市長の姉)だが、平成29年の定款では町長自身が理事長、二場氏やその父親が理事に名前を連ねていたことが確認できる。
また、社会福祉法人 よろこびは町長の長男が理事長、平成30年の設立時の理事に現職大任町の町議2名、監査に田川市の今村寿人市議が名前を連ねていた。

そもそも これら介護施設の運営には、国・県そして町の予算も投入されており、町長はもちろん、議員も適正に税金が使われているか監視する立場にある。
町長や議員が 町長の家族が経営する特養を公平公正に監視できるのか。



特養は 介護報酬の最も高いもので、作れば作るだけ介護報酬も税金投入も多くなる。
増えすぎないように許認可権を持つ県の審査は厳しいと言われているが、大任町には当てはまらない様だ。

特養が作られていくスキームを大任町のケースで見ていくと、

1)事業者(親族)が開設を希望する
2)町(永原町長)が入所者数の目標を立て、介護保険者である 広域連合(永原連合長)に上げ、そこで 同意が得られれば 県に上げられる
3)県は介護福祉計画に 計画期間内の大任町の定員増見込み数を織り込む
4)県が計画を策定し公表すれば、町(永原町長)が社会福祉法人を公募する
5)公募に応じた事業者(親族)を町(永原町長)が審査、決定したら 意見書を添えて県に提出、県は広域連合(永原連合長)の同意が出ているため認可する

という流れになっている。

事業者(親族)と 事業者を選考する者(町)、介護報酬を支払う保険者(広域連合)が同一という利益相反が まかり通っている。

法的な手続きそのものには問題がないかもしれないが、総量規制を行っているはずの県の審査にも疑問が残る。
忖度があったか、それとも何か圧力があったか。

次回は田川地区の最後、妙な計画が進行中の福智町について。



ー 続 く ー

政治と介護施設の深い関係 ⑥

都道府県が認可する「特別養護老人ホーム(以下特養)」は、利用者の費用負担が少なく入所待ちが数年に及ぶこともある。
特にこれらは運営コストが高く 介護報酬に直結するため、許認可権を持つ都道府県が総量規制を行っている。

設置主体は 地方自治体以外では社会福祉法人に限定され、指定されるには 保険者(介護保険事業の運営主体)である市町村、または 広域連合に加入している場合はその同意が必要で、都道府県は指定を拒否することもできる。
つまり、広域連合(永原連合長)の同意がなければ 特養を新設することはできない。
開設するためのハードルが高いということを まず頭に入れておく必要がある。

さて、福岡県内の施設一覧が県のホームページで公表されており、それを元に、田川地区の市町村ごとに 法人名・入所定員・開設(認可)年月日を時系列で表にした。
介護施設・サービス事業所 統計情報

また、高齢者人口(65歳以上)に対する 入所定員の割合を付したので ご注目頂きたい。

まず、田川市・川崎町・香春町・添田町、これらの自治体では 高齢者人口(65歳以上)に対する 入所定員の割合は 1.7~4.0 %となっている。
全国平均、福岡県の平均が共に 1.5% なので、若干 高めというふうに捉えることができる。



赤村、ここは平成26年1月1日に特養「ホームサミック(50床)」の開設が認可されたことで、割合が4.6%から 10.9%に上がった。
ちなみに 社会福祉法人サミックは、令和4年8月に 飯塚市で特別養護老人ホーム(80床)の認可も受けている。



糸田町では、元々高齢者人口に対する入所定員の割合が高めだったところに 平成26年5月1日にサンハイム豊寿園が認可されたことで 6.4%に上がった。
ちなみに、天馬福祉会は 町議会の井手元正人議長の親族が理事長を務めている。


赤村と糸田町では 入所者数が 国・県の平均をかなり上回っていることが判った。
次回は、あの大任町について。

ー 続 く ー

政治と介護施設の深い関係 ⑤

福岡県介護保険広域連合には 県内33の自治体が参加しているが、自治体ごとに介護サービスの量が異なり介護報酬にかなりの差がある。
これを一括りで平均して介護保険料を算出すると 介護報酬の低い自治体から不満が出るので、介護報酬によって A・B・C 3つのグループに分け、それぞれのグループの平均で介護保険料を決定している。

下表は、広域連合が公表している 「高齢者一人当たり給付費 市町村ごとの詳細」に、 令和5年4月現在の高齢化率とその順位を付け加えたものである。
最も介護保険料が最も高いAグループを見てみよう。
東峰村・赤村・川崎町・大任町・小竹町・宮若市・福智町・糸田町の順に 高齢者一人当たりの給付費が高い、つまり サービスが充実していて介護報酬が他の自治体より多く支払われていることになる。

問題はここからだ。
東峰村・赤村・小竹町は高齢化率が高く、高齢者一人当たりの介護給付費も高いので理解できるが、他の自治体を見ていくと 必ずしも 自治体の高齢化率の順位と高齢者一人当たりの介護給付費が一致していないことが分かる。

例えば、宮若市は高齢化率16位と中位に位置するが 高齢者一人当たり給付費は6位と高くAグループに入り、つまり 平均以上の介護サービスが行われているということになる。
また、築上町を見ると、高齢化率は8位と上位だが 高齢者一人当たり給付費は19位と平均以下に抑えていることが分かる。

一般的に、都市部で自治体に病院など医療機関が充実していれば介護施設は比較的少ないが、一方で 過疎地で病院が少ないところでは 介護施設が必要とされる傾向にあると言われている。
しかし、それだけではない。
首長が 雇用創出という視点から 積極的に介護サービスを充実させ、介護施設を増やす場合もあるという。

地域にそうした事情があるのは理解できるが、介護サービスを拡充すればその分 お住まいの方の介護保険料は上がるし、国・県の負担(原資は税金)も大きくなっていくことも忘れてはならない。

さて、上表のピンクの網掛けが田川地区の市町村である。
詳しく見ていくと 興味深い事実が分ってきた。

- 続 く -

政治と介護施設の深い関係 ④

満40歳になると徴収される介護保険料は、自治体によって異なることをご存じだろうか。
その差は 最大で 月額 2389円、年額にすると2万8668円になり、関係自治体にお住まいの方にとって 気になる金額では。
筆者も田川地区の介護施設について取材をしていく中で、いろいろと気づかされたが、政治と介護施設が密接に結びつき、介護保険料に影響していることが分ってきた。



この表のうち、Aグループ(8市町村)、Bグループ(17市町)、Cグループ(8市町)の計 33自治体は「福岡県介護保険広域連合」に加入、同組織では介護保険事業を効率的かつ効果的に遂行するため 平成11年に設立された特別地方公共団体で、生活圏域ごとに設置した8つの支部で構成され、市町村と事務を分担しながら運営を行っている。

事業者が特別養護老人ホームや軽費老人ホーム等の施設を開設したい場合は県の認可が必要となる。
手順は、まず要望書を市町村に提出、市町村が必要と認める場合は意見書を添えて県に申請、県の審査を通ればスタートという流れだが、上記の広域連合に加入している自治体の場合は介護保険料に直接影響が出るため、市町村からまず広域連合に書類が届き、広域連合が認めないと県に上がらない仕組みになっているという。

そういう意味では、広域連合が実質的な認可の権限を持っていると言ってよいだろう。
現在、連合長は あの永原譲二大任町町長、平成25年に就任し 10年間 広域連合加入自治体の高齢者福祉サービス向上のために汗をかいてきた。
現在3期目、任期はあと2年残っている。

ー 続 く ー

政治と介護施設の深い関係 ③

田川地区には 介護サービスの向上のため研修等を目的として結成された「田川地区介護サービス事業所協議会」という任意団体がある。
福岡県介護保険広域連合(33自治体で構成)の組合長を務める永原譲二町長(大任町)の肝煎りで始まったとされ、 約300の介護事業所が加入する、県内他の地区には見られない珍しい団体だ。

同協議会の会長は 佐々木陽子氏、介護福祉施設「暖家の丘」を運営する社会福祉法人猪位金福祉会の理事長で、県議会副議長 佐々木允氏の母親として知られる。

公式サイトはこちら

ところがこの協議会、サービス向上のための先駆的な取組みをする団体として尊重したいところだが、一方で政治利用されているという話もある。
会員からは「年会費10000円も支払う価値がない」、「研修に出たこともない」など、会の意義を否定する不満の声が多く聞こえて来る。
そればかりか、「監査が来ると脅かされて仕方なく入っている」という事業所も。
結成された平成27年当時、未加入だった施設に広域連合が不定期な監査に入ったという噂が広がり、加入した事業所が多いという。

問題は 昨年12月1日付で各事業所に送られてきた通知で、二場公人田川市長と佐々木允県議から 統一地方選挙の推薦願が提出され、理事会で協議し推薦を決定したという内容だ。
母親が息子の推薦決定のお知らせをするところが笑えるが、それはさておき、やはり政治利用という指摘は間違っていないのではなかろうか。


田川地区において 介護施設は貴重な雇用の受け皿であり、大小各事業所には相当数の従業員が働いている。
協議会から特定の政治家の推薦を決定したという通知が来れば、各事業所も従業員にそれを伝えることになるだろう。

4月10日付の通知(下図)は、佐々木県議の無投票当選のお知らせに加え、二場市長の後援会への協力を各事業所にお願いする内容だ。
加入している事業所が300以上、この影響は計り知れない。
従業員に周知されれば、入所者や利用者に伝わっていくことも考えられる。


介護サービス事業所を選挙に結びつける仕組みを発案し実現させた人物の手腕に、あらためて感服させられた。


- 続 く -

政治と介護施設の深い関係 ②

表の解説の続き。

不在者投票で、気になるのは 指定施設で公平公正な投票が行われるかどうか。
公選法には不在者投票の「公正な実施の確保に努める努力規定」が設けらており、総務省は 指定施設等で行われる不在者投票について、「選挙管理委員会が選定した立会人」を立ち会わせる取り組みを積極的に進めるよう通知している。

しかし、今回の田川市の不在者投票で、選管が選定した立会人を求めた指定施設はわずか2施設、赤い星マーク がある特別養護老人ホーム寿楽園と障害者支援施設月の輪苑のみだった。
その他の施設では 施設の職員が立会人を務めるが、ここは性善説で 施設の職員が公平公正に立ち会うというのが前提である。

本当にそれを信じていいのだろうか。
その施設の経営者が 政治家やその親族だとしても?

例えば、シントラスト夢美苑を経営する社会福祉法人真養会の理事長は現職の陸田孝則市議である。
陸田氏は今回、我田引水の仕事ぶりと横柄な態度が影響したためか票を減らし、18人中16位で何とか滑り込んだ。
弊社記事→ 田川市の政治倫理 ~リクデンと陸田議員~(2023年1月12日)

陸田氏の獲得した票は 923票、次点で敗れた候補は882票で その差は41票、シントラスト夢美苑では 32人が不在者投票(うち代理投票15人)を行った。
福智町の町長選で7票差で勝敗が決したことを思えば、不在者投票がいかに貴重かお分かりだろう。

この他にも、サンプレイス暖家の丘・あいあい田川(田川市)、レイクヴィラたぎり(糸田町)は 県議会副議長の佐々木允県議の親族、グッドライフ・よろこび(大任町)は 永原譲二町長の親族が経営している。
弊社記事 「介護施設の不在者投票前に二場候補が挨拶(2023年6月15日)」で紹介した 不正のあった施設は、この中に含まれる。

殆どの介護施設で公平公正な投票が行われているとは思うが、実際に政治家の親族が経営している施設で不正が行われていたことを、田川地区の有権者の皆さんに認識して頂きたい。

ー 続 く ー

政治と介護施設の深い関係 ①

弊社記事「介護施設の不在者投票前に二場候補が挨拶(2023年6月15日)」では、選挙期間中に候補者の二場市長が、不在者投票が行われる介護施設を直前に訪れ、挨拶をした上で 法定外のチラシを配布しており、公選法違反の疑いがあると書いた。

なぜ田川地区で 堂々とこの様な不正が行われているのか、取材するうちに 政治と介護施設に深い関係があり、起こるべくして起こったということが判ってきた。
これは 田川地域の住民の介護保険料にも直結する話であり、数回にわたり報じていくので ご留意頂ければ幸いである。

今回と次回は、4月の田川市長選挙、田川市議会議員選挙の不在者投票の結果について解説する。
ここで言う不在者投票とは、「選挙期日(投票日)または期日前投票の投票所で投票することができない人が、選挙期日(投票日)前に投票する制度」のことで、主に県の選挙管理委員会に登録された病院や介護施設などの指定施設で行う投票のことを指す。

指定施設になるための申請は比較的簡単で、県のホームページで、病院、老人ホーム、身障施設、保護施設で 計999の施設名が確認できた。
不在者投票指定施設一覧(令和5年1月19日現在)


さて、前述の介護施設ではこの制度を悪用していたのだが、4月の田川市の選挙における不在者投票について情報公開請求を行い、それをまとめたのが下表だ。
これを見ると、有権者は田川市だけではなく、田川郡内ほか飯塚市や北九州市ほか 複数の自治体に入所・入院していることが確認できる。

表の見方であるが、例えば 一番上の行の「田川市立病院」では、市長選挙と市議会議員選挙にそれぞれ 11人の有権者がいて、選挙管理委員会から送付された投票用紙を 11人が受理して投票、投票しないで返票した人は0人、投票した人のうち 1人が代理人に投票をしてもらったと見る。

注目は 老人ホーム、特に 特別養護老人ホーム、それも代理投票だ。
代理投票のできる人は、「心身の障がいのため、または文字の読み書きができないため、自ら候補者の氏名を書くことができない人」とされ、不在者投票管理者に投票する意思を伝えないといけない。

特養の関係者によると、少なからず認知症の方もおられ、自らの意思で投票した旨を管理者に伝えることができない方の方が多いという。
また、施設には選挙公報もなく、投票の際は 候補者の氏名と所属政党しか分からない。

こうした条件の中で、老人ホームの不在者投票が行われているということを知ってたいへん驚いた。

そうやって下表を見ると面白い。
例えば、特別養護老人ホームことぶき園、ここは26人が投票して全員が代理投票である。
一度 投票の様子を見てみたいものだ。

ー 続 く ー

維新参戦で三つ巴

解散風が吹く中、日本維新の会が衆議院福岡5区に元県議会議員(春日市選挙区)の松尾嘉三氏(54)を擁立する方針と報じられた。
松尾氏は 4月の統一地方選で県議4選を目指すも惜敗、その後 自民党を離党し維新から国政挑戦を決めた。

前回 第49回(2021年)は自民 現職 原田義昭元環境相と立憲 新人 堤かなめ氏の一騎打ちだったが、選考段階の保守分裂が影響し原田氏への支持が広がらず堤氏が競り勝った。
今回 まだ候補者が出揃ったわけではないが、自民・立憲・維新の3つ巴戦として予想してみる。

自民党は 元県議会議長の栗原渉氏(57)が準備を進めている。
これまで11万票を下回ることはなかったが、前回の保守分裂のしこりが残っている上に、4月の統一地方選では軒並み自民が票を減らしており、油断すると10万票を切ることも考えられる。

民主系(希望・立憲)は、その時々で票の振れ幅が大きく、今回は維新が浮動票の受け皿になるため 堤氏にとって前回より厳しい選挙になるだろう。
減らすにしてもどの辺で食い止めるかであるが、10万票台なら勝ち負け、8万票まで減らすと比例復活も難しい。

維新の得票数については第46回(2012年)の選挙が参考になる。
橋下ブームに乗り、維新新人で落下傘候補の吉田俊之氏が 4万6416票を獲得、目下の維新の勢いは当時を思い起こさせる。
選挙区で勝利するまでにはいかないが、松尾氏が5万票前後を獲得すれば 比例復活する可能性はじゅうぶんにあるだろう。


 

川崎町議会が永原組合長に挑戦状

目に見える様にツキから見放されいる大任町の永原譲二町長に、追い打ちをかけるような悪い知らせが お隣の川崎町から飛び込んできた。
6月9日の町議会において、田川郡東部環境衛生施設組合(組合長 永原町長)に対し情報公開を求める決議案が「全会一致」で可決、田川地区に激震が走っている。

8市町村で構成される同組合は、約400億円を投じて建設している衛生関連施設について 予算を拠出している自治体に十分な説明をして来なかったが、これまで 各首長や議員も声を押し殺してきた。
実力者に盾突くと どんな仕打ちをされるか分からない恐怖、まさに学校の虐めと同じ構図と 関係者は話す。

そうした中、これでは良くないという田川市議4人が昨年4月、勇気を出して情報公開についての勉強会を開催したところ、 案の定 組合から猛攻撃が始まった。
同7月には 組合長及び全市町村長の連名で抗議文が送られ、今年2月には組合議会が異例の百条委員会を設置、挙句の果てに 証人尋問に応じなかったという理由で福岡地検に告発までされている。

しかし、潮目が変わった。
4月の田川市長選で、この4人うちの1人の村上卓哉氏が 永原町長の義弟である二場公人氏に4000票もの大差で勝利、そして今月6日の町村会会長選で 永原町長がまさかの敗戦を喫したのである。

今回の川崎町議会の決議は、全会一致というところに価値がある。
町全体として異議を唱えたことになり、組合は無視することができない。
田川市議会などでも追随する動きが出ており、今後 同様の決議案に賛成しない議員らも踏み絵を踏まされることになるだろう。

ますます目が離せなくなってきた。




田川郡東部環境衛生施設組合に対し情報の公開を求める発議

令和5年6月7日

 報道への回答では、機会あるごとに財政状況や進捗状況、 事業費用、 事業推進状況を説明しているとされている汚泥再生処理センター、ごみ焼却場、リサイクルセンター、最終処分場の詳細が、住民に知らされることなく数百億円の公費を投じて進行していることに際し、関係市町村住民の知る権利に基づき情報の公開を求める。

趣旨説明
上記一連の工事積算根拠、 施工体制、 予算の根拠となった参考見積り、審査員、審査内容、入札結果など他の自治体同様に開示し、知る権利を保障したうえで検証できるものにすべきである。
開かれた行政運営の要である情報公開制度は1982年発足以来、全国に広まり1999年に国でも法整備され、公正で民主的な政策を行政自ら情報提供していくものです。

現在の関係市町村では、マスコミに対し状況報告は行っているが当該の契約文書などを保有していないとの回答であり、前提となる根拠に乏しい。
以上のことから、 法律第四十二号第一章一条から第二章五条に基づき田川郡東部環境衛生施設組合に対し、情報の公開を求めるものであります。



決議文全文

 

風向きは変わった

福岡県町村会会長選挙から2日過ぎた。
事前の票読みで完勝を確信していた永原町長、博多駅界隈で祝勝会の予約をしていたという話もあるが、現実を受け止められなかったのでは。

田川市長選挙で 義弟の二場公人市長が敗れ、福岡県町村会会長では自らが敗北を喫し、将来 全国町村会長として 926町村の頂点に立つ夢も消えてしまった。
我が世の春を謳歌してきたこれまでとは 勝手が違うというのを、誰より感じておられることだろう。

そうは言っても、まだ下記団体のトップを務めている。
県下で最も人口の少ない町の町長が、福岡県全体・田川地区全体を取り仕切る団体の代表に、長いもので10年近く君臨している。
このうち、県の団体は充て職も含まれ 町村会長でなくなったことで 外れるものもあるが、福岡県介護保険広域連合や田川地区の一部事務組合は 自ら手を挙げてトップに就いている。

これらの肩書で、県の職員や田川市郡の町村長や地方議員に影響力を行使できる。
本来 誰もこうした状況を良しとしないが、勢いに押され これまで沈黙してきたのではなかろうか。

風向きは変わった。
下記団体の改選時にも 他の首長が対抗馬として名乗りを上げることを期待している。




永原町長がトップを務めている広域の団体

・福岡県国民健康保険団体連合会副理事長
・福岡県介護保険広域連合長
・福岡県自治会館管理組合長
・福岡県市町村振興協会理事長
・田川地区消防組合管理者
・田川地区広域環境衛生施設組合長
・田川地域国道整備促進期成会会長
・田川地区中等教育環境整備検討委員長
・田川郡東部環境衛生施設組合長

速報! 美浦氏が永原氏を破る

6日、福岡県町村会の会長選挙が行われ、水巻町の美浦喜明町長が5期目を目指した大任町の永原譲二町長を破り新会長(1期2年)に決まった。
投票は無記名方式で行われ、美浦氏16、永原氏14、無効票1の僅差だった。