政治と介護施設の深い関係 ⑩ [2023年7月24日07:50更新]

今月初旬、県内33自治体が加入する福岡県介護保険広域連合(連合長 永原譲二大任町長)の会合で、事業状況報告書(令和4年度末)が配布された。
同報告書を読み解くと、いかに田川地区の介護サービスが過剰かが分かる。

犯罪に近いレベルという識者の声もあり、40歳以上の高額な介護保険料を真面目に支払っている田川地区の皆さんには、この事実をぜひ知って頂きたい。
弊社記事 → 自治体ごとに違う介護保険料
合わせて、33自治体の地方議員や職員の皆さん、県税を投入している県議や県職員の皆さんにも問題を共有したい。

同報告書には、市町村別に、認定状況・給付状況・収納状況・事業所数について 詳細なデータが記載されている。
各自治体で人口や高齢化率が異なり分かりにくい部分もあるので、弊社で判りやすいよう、① サービスの数量を第1号被保険者数(介護保険の対象となる65歳以上人口)で除して比較できるようにし、② その数量ごとに順位を付けた。 

まず、要介護(要支援)の認定率から説明する。
認定率は、各自治体ごとに第1号認定者数(要介護の認定を受けた方の人数)を第1号被保険者数(介護保険の対象となる65歳以上人口)を除して表したもので、広域連合33自治体の平均認定率は 18.18%、全国の平均が令和4年度で 18.6%とされている。

33自治体のうち、認定率が高い方から10位以内に 田川地区8自治体の全てがランクイン、中でも大任町が 26.11%で1位だった。
高齢化率が高いところと必ずしもリンクしている訳ではなく、東峰村は高齢化率が46.8%と最も高いにも拘わらず、認定率は18.24%で平均並み、ちなみに大任町の高齢化率は37.5%だった。

認定率が高いというのは、「介護認定」が 他自治体と比較して緩いと理解することができる。
介護サービスを受ける方の家族にとっては、要介護度の重い方に認定されれば個人負担が少なくて済むので、介護認定調査は緩い程ありがたいが、一方で 緩いと介護報酬が増え、40歳以上が支払う介護保険料に跳ね返ってくるので、認定調査も厳格な基準で行われているはずだ。

介護認定調査は一般的に、自治体職員(認定調査員)か自治体が委託した指定居宅介護支援事業者または介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型医療施設、介護医療院)に所属するケアマネージャーが行う。

介護事業に詳しい関係者は「大任町の人口は5000人、みんなの顔が見え、それは有権者でもあります。認定調査をする町職員は永原町長の部下、ケアマネージャーも永原町長の家族が経営する施設に所属していれば、そりゃ選挙のことを考えると緩くなって当然です」と話す。

他にも要因はあるかもしれないが、複数の市議や県議が介護サービス事業に関わっている田川市も 22.53%と高いので、全く無関係とは言えないだろう。



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