カテゴリーアーカイブ: 福岡の政治経済

元暴力団の地方議員

福岡県宮若市の国道沿いにひときわ目を引く店舗がある。
龍にサイコロの絵、それにTATOO STUDIO、刺青師などの文字が書かれている。
それを見て先輩から聞いた話を思い出した。

昔の市町村議会、特に県の北東部には 元暴力団で背中に彫り物を背負っている議員も珍しくなかったという。
議員はある意味 調整役、行政と有権者が土地の問題などで揉めた時などに、上手に話をまとめていた側面もある様だ。

上は議員そのものが元暴力団というケースだが、現職議員が指定暴力団のフロント企業の役員だったという例もある。
県警の活躍で議員は逮捕、数年後 20億円以上の負債を抱え企業は倒産に追い込まれたが、今のご時勢、政治家と暴力団の関係が1ミリでもあったらアウトだ。



 

 

空気読めない現職議員

参議院福岡選挙区は6年前に定数が2から3に増加、以後2回の選挙で 自民、公明、民進(2回目は立憲)の3党が議席を分け合ってきた。

今年7月に行われる参議院選挙は、自民党が現職の大家敏志氏の公認を早々と決定したが、公明党は現職の高瀬ひろみ氏が不出馬となり、代わりに全国比例の現職、秋野公造氏を公認することとした。

問題は立憲民主党だ。
立憲の現職は、国会議員になって FXで1億円超を稼ぎ出し 全国に名を轟かせた 古賀之士氏、余程 居心地がいいのか、県連に公認を申し出ているという。
FX1億円議員はどう考えても 立憲の党風に合わないことから、県連も扱いに困っている様だ。
連合福岡が立憲と国民で候補者調整を要望しており、あと1ヵ月ほどでその処遇が決まると思われるが、古賀氏が手を下ろすのがベストという声が漏れ聞こえてくる。

自民党にも言えるが、空気を読めない現職議員ほど厄介なものはない。

不都合な真実・未成年者接種

厚生労働省は21日、ファイザー社が承認申請していた5歳から11歳向けの新型コロナワクチンを特例承認し、3月以降に接種を始めるという。

確かにワクチンには重症化を防ぐ効果があり、特に高齢者には有効と思うが、さすがに子どもへの接種となると 一生の問題、2023年5月まで有効性も安全性も不明(ファイザー)の劇薬を 我が子の身体に取り込むことに慎重にならざるを得ない。

厚労省が公表している資料で、これまで新型コロナウイルスで死亡した健康な未成年者は一人もなく 重症者も殆どいない一方で、ワクチンを接種した未成年者の副反応が 1525件、うち重篤者341人、死亡5人(12月24日時点)というのをご存知だろうか。

殆どのマスコミは報道しないし 政治家も言わない。

上図とあわせて、10代の副反応疑い症例について12月に開催された第73回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、まとめられた資料が公開されているので参考にして頂きたい。

Click → 10代の副反応疑い症例

命を守るために打ったはずのワクチン接種後の突然死、元気だった我が子を亡くしたご両親はいたたまれないだろう。
厚労省はその5人を含め、全ての死亡者1438人についてワクチンとの因果関係があると結論づけられた事例はないとしている。

福岡市では1月7日現在、10代の2回目の接種率は 70%、筆者が想像していたより高い数値だ。
この流れからすると、3月以降に12歳以下の子どもへの接種が開始されれば、多くの親たちが我が子の手を引いて会場に向かうことになるだろう。


福岡市(1月7日現在)

オミクロン株に変わってからは 無症状の割合が増え、発症しても風邪とほぼ同じ症状と言われているのに、若い世代が敢えてワクチンを打つ必要があるのだろうか。

こうした疑問が自身の中で燻っていた時、全国で 子どもへのワクチン接種に警鐘を鳴らす活動をしている団体があることを知った。
そのうち2つを紹介したい。

ひとつは、こどもコロナプラットホーム。
代表発起人に、大阪府泉大津市の 南出賢一市長、国際オーソモレキュラー医学会会長で医師の柳澤厚生氏、賛同者に多くの医師や地方議員らが名を連ね、情報発信を行っている。
その中で、mRNAの産みの親というべきロバート・マローン博士が、子どもへのワクチン接種について、親たちに警鐘を鳴らす声明を動画で配信している記事が興味深い。

https://www.kodomocorona.com/



もうひとつ、福岡市の 新型コロナウイルス関連情報発信センターだ。
主宰する堤猛氏は八女市在住、昨年3月に八女市の公立病院で26歳の看護師がワクチン接種4日後に突然死したことで、ワクチンに疑問を持ったという。
その後、新聞に一面を使った意見広告を掲載することを発案、11月30日の西日本新聞を皮切りに、大分新聞、琉球新報、中日新聞、東京新聞、北海道新聞に掲載された。

https://jcovid.net/



また、「コロナワクチンは免疫でしか防げない」として 新型コロナウイルス感染の初期段階から mRNAワクチン、DNAワクチンの接種に警鐘を鳴らしてきた大阪市立大学医学部の井上正康名誉教授を招いて講演会を開催するなど、積極的な活動を行っている。
井上先生の動画は、Youtubeなどでも視聴できるが、大変分かりやすいと評判だ。

11月7日におりなす八女で開催された講演会の動画はこちら




子の健康を願う親の気持ちは誰も同じである。
12歳以下へのワクチン開始を待ち望む方もおられるかもしれないが、もし 迷っている方がおられたら、判断材料として上記のホームページや動画を参考にして頂ければと思う。

 

 

必要なのはコミュニケーション能力

福岡県内には29の市があるが、政令市の福岡市や北九州市は行政事務のうち、福祉、保健衛生、都市計画など18項目にわたる都道府県レベルの権限を引き受けている。

その分 政令市の市長は知事と同等の権力を持っているが、通常の市の場合、 様々な場面で県の予算や許認可が必要となることから、県幹部や県議会とのパイプの太さが重要になってくる。

29市長の経歴を見ると、元県議が10名、元国会議員3名、元市議が3名、行政関係者が9名、民間出身者が4名となっており、パイプという意味では妥当な割合のような気がする。
県議会とのコミュニケーションに苦労し、思うように予算取りができていない市長がいるのも事実で、その点、県議出身、特に自民党だった市長は比較的上手くやっていると思われる。

ただし、自民党県議だったから全員が上手くいくとも限らない。
現に、某市の市長は自民党県議出身だが、県議会との関係がぎくしゃくしている。

一方で、元民主党の県議だった古賀市の田辺一城市長は、国・県の予算を引っ張り、都市計画を進め、短期間で目に見える成果を挙げている。

市長は確かに市のトップだが、県の予算や許認可の中では小さな存在に過ぎない。
田辺氏を見ていると、仕事をこなす能力もさることながら、コミュニケーション能力の大切さをつくづく感じる。

有権者は市長を選ぶ際、こうした点も判断材料にすればよいのではなかろうか。

大島産業に営業停止処分

福岡県は11日、㈱大島産業(福岡県宗像市冨地原1791-1)に令和4年1月25日から 同2月10日までの17日間、建設業に係る営業のうち 公共工事について営業停止処分とすることを発表した。

処分理由は、NEXCO中日本発注の中央自動車道 天神橋他6橋耐震補強工事で、粗雑工事を行ったことにより工事目的物に重大な瑕疵を生じさせたこと、及び 以下の県発注工事で 虚偽の施工体系図を提出したとしている。

・県道 玄海田島福間線 川端橋橋梁下部工(P1)工事
・県道 遠賀宗像自転車道線 道路改築工事(6工区)
・県道 直方宗像線 道路改良工事(6工区)

大島産業は、昨年8月31日にも NEXCOの工事2件について虚偽の施工体系図を提出したとして 10日間の営業停止処分を受けているが、前回より重い処分となった。
今後、前回同様 国や自治体などで指名停止措置が発表されることが予想される。

写真はイメージです

 

1期で辞める噂?

先の衆院選で初当選を果たした議員が1期限りで辞めるという噂が流れている。

衆院議員になる前は地方議員、2019年の統一地方選では無投票当選、任期中は秘書も事務所も置かずエコノミーな議員活動だったと聞く。
昨春、隣接する衆院選挙区で分裂選挙が濃厚になったことから立候補を決めたことで、地元の古い支援者からは批判の声が上がっていた。

最少の努力で国会議員の椅子を手にしたが、地域の声を拾いに選挙区内を走り回る姿は殆ど目撃されておらず、ひょっとすると噂は本当かもしれない。

火のない所には煙は立たないというが、衆院議員の肩書が欲しかっただけか。
本当なら有権者が気の毒だ。
噂を払拭するため、本人の口から「この地域のため 骨を埋める覚悟で がんばります」の一言が聞きたい。

スジ悪の逆線引き ~北九州市都市計画~

「逆線引き」、あまり聞き慣れない言葉だが、市街化区域にある地域を市街化調整区域に編入すること、つまり、これまで開発してよかった場所から抑制する場所に変更することを意味する。
北九州市の大規模な「逆線引き」の取り組みは、ある意味 全国の自治体も注目する画期的な試みで、その覚悟は相当なものである。

しかし、現実はそう甘くはない。
机上で決めた構想は、憲法違反の可能性もあり制度設計が不十分、北橋市長がなぜ、このスジ悪の施策を進めようとしたのか、また どういった問題があるのかなど取材した。

逆線引きを決めた背景

北九州市内を車で走ると、よくもこんなところに建てたというくらい、小高い場所や崖の上に住宅が建っているのを目にする。
製鉄業等で日本の高度経済成長を支えてきた北九州市であるが、平地が少なく斜面を削って住宅開発をしてきた歴史がある。

時は過ぎ 産業構造が変わり、人口は昭和54年の106万人をピークに今年10月1日時点で93.2万人にまで減少している。
特に交通の便が悪い斜面地の住宅地については、空き家や空き地の増え方も 平地に比べ速いという。

そして昨今の豪雨災害、毎年全国各地で土砂災害が頻発している。
北九州市には、県が指定している「土砂災害警戒区域」が1300ヵ所ある。
平成30年7月の西日本豪雨では、門司区で土砂に巻き込まれ死傷者が出たほか、住宅被害は全半壊29棟を含む413棟、崖崩れ407件と甚大な被害に見舞われた。

こうした背景があって、市はこれからの人口減少等を見据え都市計画を見直し、これからはコンパクトなまちづくりの推進していく方針を決め、その中で、災害の危険性があり災害対応力が低下している斜面地住宅地については、より安全で安心な地域への居住誘導が必要とし、逆線引きを行うこととなった。


対象は3万5200千人

北九州市は平成30年3月に「北九州市都市計画マスタープラン」を改定、同年12月から令和元年10月まで都市計画審議会「区域区分の見直しのあり方に関する専門小委員会」で逆線引きのあり方について検討を行い、その答申を受けて同年12月に市議会建設建築委員会へ報告した後、「区域区分見直しの基本方針」を策定、その中で 見直し候補地の一次選定を公表(下図)した。

委員会に報告したということで、議会も形式的に承認した形になっているが、この時点では 議員が 事の重大さを理解していなかったと想像する。



令和2年3月、市は 各区別に 詳細な二次選定の結果を発表した。
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/ken-to/07900339.html

驚いたのはその規模、対象となる人口と建物数の多さだ。
面積合計が約1157ヘクタールと市内の総面積の約2%、対象となる人口が約3万5200人、建物数が約1万8000棟となっている。
市は、住民や土地所有者の方々への説明を行った後、意見を集約して修正案を作成し、再度説明を行って意見を聴取した上で都市計画決定の手続きを経て、令和5年度に都市計画決定を予定しているという。

令和2年度、市が最も早く説明会の開催を始めたのが八幡東区だった。

見直し候補地の2次選定


八幡東区から始まった説明会

殆どの住民は、都市計画や区域区分という行政用語を知らずに生活している。
市街化区域が市街化調整区域に変わると、生活にどのような影響があるのか想像がつくはずもない。
令和2年度、市は八幡東区内で50回、約2000人に対して説明を行ったとしているが、同区内の対象となるのは約1万人、はるかに及ばない。

説明会では市の担当課長から、⾒直し地域で
① 概ね30年後を目途に、ゆるやかに無居住化及び更地化(緑地化)が進める
② 現在の居住者は、現状のまま居住を継続することは可能。住み替えを積極的に促進するものではない
③ ⾒直し後も、当面は⼀定の⾏政サービスを維持、地域コミュニティの維持等も配慮
などの考え方が示された。

また、「所有者地の価格暴落、移転費用、受け入れ市営住宅、市への土地の売却・寄付等について特段の施策・助成・補助・補償・救済制度を新設する考えはなく、既存の制度のみで対応する」との説明があったという。

令和5年度に「逆線引き」を決定するという発表に、地元住民は驚き、怒りの声を上げるも、「決まったこと」として職員が説明、納得できるはずもなく住民らの不信感は募るばかりだった。

こうした中、令和3年の3月議会に、一部の住民から「市街化区域から市街化調整区域への見直しの撤回について」という陳情書が提出された。


資産価値の下落に怒り

令和元年12月、市が逆線引きの一次選定場所を公表すると 早速不動産価格に影響が出始めたという。
その3ヵ月後の令和2年3月には、二次選定場所として具体的に絞り込んだ場所を公表、そのことで対象となった地域の価格下落は加速した。

今年3月16日付で市議会に提出された陳情書には、昨年11月に行われた説明会で 出席者から出た意見が添えられていたが、住宅の資産価値が下がることや移転補償についての質疑が大半を占めた。

「やっと住宅ローンの返済が終わって財産が出来たと思ったのに激減する」
「不動産屋の売却が取り止めになった」
「逆線引きのことを話したら 評価額2800万円の土地を800万円で売ることになった」
「新聞報道され既に風評被害が出ている」
「ローンで家を新築したばかりだが、激減した土地にこれから30年もローンを支払い続けることになる」
「土地を抵当にして銀行とローンを組めなくなるのでは?」
「売値が叩かれて移転しようとも移転先の家が買えない」
「マンション新築に200坪の土地を買ったが建築計画をストップした」
「市営住宅に入りたいが、家が売れなければ市営住宅に入れない仕組みになっている」
「市の施策として誘導しているのだから、特別な救済措置や市営住宅政策を新設すべきだ」

この他にも、
「なぜ八幡東区が最初なのか?」
「なぜ八幡東区役所周辺は土砂災害警戒区域なのに除外されたか?」
「見直しは地元の合意が前提としているが、自治会等は個人の財産の権利義務まで住民が委ねた組織ではない」
「国土交通省の了解同意は取っているのか?」
「財産が減少することに憲法上問題はないのか?」
など、疑問や怒りの声が書かれていた。

そして、陳情書の中で 鋭い指摘がされていたのが「説明会質疑応答記録」についてである。

北九州市区域区分見直しの基本方針(概要版)の イメージ写真


国との協議記録なし

前述のように、逆線引きは 不動産価値に直接影響を与えている。
問題は、この逆線引きが 憲法で保障されている財産権を侵害していないという明確な根拠があるかだ。
陳情書には、説明会の席で 都市計画課長が述べた内容についての指摘がある。

市が作成している「説明会質疑応答実記録」の中で、都市計画課長が「国土交通省の肩に問い合わせをして、憲法上そういう(財産権の侵害の)問題はないということで、ご回答を頂いている。国交省に対して、私が問い合わせをしている。私が行った。」とある。

そのような重要な確認なら文書で残っているはずと考えた住民が、その文書について情報開示請求をしたところ 「関係書類は作成も取得もしておらず 保有していない」という回答だったという。

問い合わせた相手は、国交省の都市計画課の 課長より役職が下の調整官ということも判った。

訴訟リスクも想定される制度改正を行う場合、通常であれば責任の所在をはっきりさせるために、国にお伺いをたてるのが地方自治体である。
それを文書ではなく口頭で確認した、しかも 大臣や事務次官クラスならともかく、係長より上の調整官、というのには 驚いた。

こうした中、日本不動産学会シンポジウムで、国土交通省都市局長が逆線引きについて言及していたことが分かった。


説明会質疑応答実記録より

 

国交省都市局長の見解

「コンパクトシティの行方 ~ 都市の消失をとめられるのか・様々な視点から見たコンパクトシティ ~」と題した 日本不動産学会シンポジウム(令和元年度科学研究費助成事業)が、令和元年9月に開催された。

コンパクトシティの行方(日本不動産学会シンポジウム)

その中で、政策研究大学院大学の福井秀夫教授は、
「財産価値をゼロに近くするような線引きは 違憲の判例はないが 違憲の疑いが濃厚。
元々取得した価格をさらに減らすような土地利用規制がかかったら、部分収用として減価分について完全に補償金を支払うのが 本来の憲法の解釈
という趣旨を述べている。

そして、注目すべきは国土交通省の北村知久都市局長の発言だ。

逆線引き自体はできるが、現実問題として容易にできるわけではない。
将来的には、今後コンパクト化が進んでいき、市街化区域の外縁部の方が、事実上調整区域と同じような段階になる可能性があり、逆線引きして少しずつ区域を減らしていくこともあるかもしれない。
逆線引きをかけて、新たな開発はしてはだめというのと、住んでいる人を無理やり住めなくするっていうのは、さらにハードルが高い。
立法論として合憲判決が出るかもしれないが、なかなか現実的ではない。

以上のことから、現時点では 逆線引きによる財産権の侵害について、最高裁としての判断がないことが分かった。
しかも、国交省局長の発言を聞く限り、逆線引きは積極的に進められるものではないという考えの様だ。

最高裁判断がないにも拘わらず、市は国交省の調整官に憲法上問題ないことを確認したとして、財産価値の下落に何の補償もないまま進めようとしているが、国の公式見解ではないことは間違いない。


市議会は何をしている?

逆線引きの住民説明会は 八幡東区を皮切りに他の区でも始まっているが、不動産価格に影響が出てきたことで住民から 怒りの声が噴出、市議会議員の対応にも批判が出始めている。

市は、令和元年12月に「区域区分見直しの基本方針」と 見直し候補地の一次選定について、市議会 建設建築委員会に報告しており、議会の了解を得ているとの立場である。

直前の11月にも、都市計画審議会において同様の内容が報告され全会一致で承認しているが、審議会には議長・副議長と各会派の代表者が委員として名を連ねており、ここでも 議会が認めた格好となっている。
但し、この時は 対象地域が明らかになっておらず、方向性として同意されたに過ぎなかったという。

12月に委員会報告があってからは、共産党会派はあまりにも対象範囲が大きかったことから、その後は一貫して反対している。
市長寄りの他会派は、「反対ではないが慎重に進めるべき」という姿勢だったが、説明会が進むにつれ 住民の反対の声が大きくなってきたことで、無視できない状況になってきた。

そして9月議会、「市が市税の減収についての審議資料の隠蔽を図った」として特別委員会の設置を求める陳情書が 新たに提出された。


市議会に審議資料を隠蔽?

9月議会の陳情書の指摘を要約すると次の通り。



住民説明会では市職員が「固定資産税をふまえて4億円の減収になることを想定している」と説明している。
しかし、令和3年9月議会における日野雄二議員の一般質問で税収への影響を尋ねたのに対し、都市計画局長が「税収減は否定出来ないが、どの程度の影響を及ぼすかを見込むことは難しい」と答弁している。

情報開示請求で取り寄せた都市計画課作成の資料によると、
八幡東区(292ha  5400棟)で 固定資産税 933万6000円、都市計画税 7961万円、
市全体(1500ha 22000棟)で 固定資産税 4802万5000円、都市計画税 3億1063万4000円、
合計 3億5865万9000円が減収になる試算となっている。
市の事務は極めて杜撰であり、市議会に対して不誠実、かつ審議資料の隠蔽を行っている。

区域区分見直しによる市税収の減収は、市民と市政運営に影響を及ぼし、総務財政委員会においても審議されるべきで、本件についての特別委員会設置を審議してほしい。






住民への説明会では、試算に基づき 約4億円の減収になると説明しておきながら、議会の一般質問では答弁しないというのはどういうことか。
議会も舐められものだ。

ちなみに、今12月議会では、市民から「市議会本会議における市の虚偽答弁についての経緯説明並びに陳謝について」という陳情書が提出されている。
市議会は北橋市長に対し、虚偽答弁の経緯を明らかにし陳謝させるべきと手厳しい内容だ。

住民に減収額が4億円と説明したことと、その根拠となる試算が存在したことは事実である。
虚偽答弁があったのであれば、市議会を冒涜し 市民を欺いたことになり、議会として曖昧にしたまま終わらせることはできないだろう。
市長寄りの会派が多数を占める市議会で、どのような審査が行われるか 市民も注目している。


市長・副市長のスタンドプレー

八幡東区には、土砂災害の危険区域で 車で上がって行けない民家があり、そして住民から市街化調整区域に戻して都市計画税がなくなれば助かるといった声があったのは事実だ。
そのため、都市計画審議会や市議会においては、「慎重に進めること」を条件に承認されてきた経緯がある。

しかし、蓋を開けてみると 対象は市内全域、3万5200人と あまりにも広範囲に亘る。
そして、説明会を進めていくうち、憲法問題をクリアしていないことをはじめ 制度設計が穴だらけであることが明らかになった。
このため、9月議会、12月議会では、地元住民からの声を受けて 市長派の議員からも 強い反対の声が上がっている。

「過去に 市が 市街化調整区域から市街地に編入し 移住を促進したことで 住民は居を構えてきた。それを市の政策で 逆線引きして財産価値が下がったとなれば 市の責任問題、裁判では負ける。」
議会からは こうした声も聞こえてくる。

このスジ悪の逆線引きは、北橋市長と今永副市長のスタンドプレーと言われている。
説明会では住民からの罵声怒声、気の毒なのは矢面に立つのは職員たちだ。
職員の苦労を尻目に、国からの援護射撃は全くない。

国交省も 北九州市の逆線引きの取り組みを知らない訳ではない。
だが、前述の様に、国交省局長がシンポジウムで「逆線引きは現実的ではない」と言った言葉に 国の立場が集約されている。
その証拠に、北九州市との間で 逆線引きについての公文書が一つも残されていない。

全国でも例を見ない、でも多くの自治体がやりたい逆線引き、市のトップは 功を焦って墓穴を掘ったのではなかろうか。


騒動の落としどころ

北九州市は、逆線引きの都市計画決定を令和5年度に公告するとしている。

しかし、市民から反対の声が大きくなる中、国交省の確固たる後ろ盾も 憲法問題をクリアする保証もないことが 判ってきた。
「逆線引きは現実的ではない」というのが 国の本音、北九州市の 3万5200人を対象とした壮大な実験を遠くで眺めているだけ、責任を負うつもりはない



こうした状況で、市が 逆線引きを強行する賭けに出るだろうか。
対象者の中から 裁判に訴える市民は少なくないはずで、裁判で負ける可能性が1%でもあるなら 強行は難しいと思われる。


行政が一度打ち出した政策を中止もしくは修正することは なかなかできないが、本件に関しては 早急に「落としどころ」を見つける必要が出て来るだろう。
最終的には、「車が上がる道路がない家」、「土砂災害のレッドゾーン」、「空き家が多数」など条件を厳しくして、地域の全世帯の了解が得られる場所に絞り、世帯数一桁でも「市が逆線引きをやりました」という実績を作って良しとするしかないのでは。

問題は、財産価値への影響が出ている現状をどうするかだ。
市には早めに方針転換を打ち出し、影響を最小限にとどめる努力が求められるが、北橋市長と今永副市長の決断に注目したい。

沈黙のJR九州 ~粉飾決算を隠蔽か~

福岡県が14日、JR九州の子会社、JR九州住宅㈱(福岡市、以下JRJ)に対し、建築業法違反で32日間という非常に重い行政処分を下したのは既報の通りだ。
JR九州はこの処分に関して沈黙したままだが、3年前のJRJの不祥事の際の対応とは雲泥の差だ。

今回の建設業法違反の対象となった下請契約が締結されたのは2017年5月のこと、4年半も経ってからの処分である。
本稿では、その経過とJR九州にとって不都合な真実があることについて解説していく。

第三者委員会はカムフラージュか

以下の記事は、2018年12月10日の日本経済新聞の記事である。

住宅子会社の過剰融資 役員ら減給処分、JR九州
JR九州は10日、子会社のJR九州住宅(福岡市)の住宅ローンに関する過剰融資問題について、グループ内の処分と再発防止策を発表した。JR九州の田中龍治取締役専務執行役員の月額報酬を1カ月間10%、JR九州住宅の取締役1人について同じく10%を3カ月間減額する。

これは、2018年9月に発覚したJRJ社員が行った不正行為の真相究明のため、JR九州が設置した第三者委員会の報告を受けて 社内で処分を行ったものである。
JRJの経営には、JR九州の役員が非常勤の取締役として参画している。
この問題が発覚するより前、2015年6月にJR九州の田中龍治取締役専務執行役員が、2016年6月に同じく澤亀愼司執行役員が取締役に就任していた。

社員が「住宅ローン融資書類の改ざん」を行ったのが 2017年9月だったが、冒頭述べた様に、今回発覚した建設業法違反の契約が締結されたのが それより前の同年5月、つまり、JR九州の役員2人もいる中で、法令違反に関わっていたことになる。

第三者委員会の調査では、「住宅ローン融資書類の改ざん」について、役員と幹部社員に対してヒヤリングが実施されているが、その時は今回発覚した建設業法違反の契約についての話は 一切出てこなかった。
テーマが違っていたので当然かもしれないが、コンプライアンス違反を調査する第三者委員会を設置しておきながら、もっと重大な法令違反、そして後述する粉飾決算を見逃すとは考えにくい。

JRJの経営には社内監査、JR九州の監査、そして 監査法人トーマツと、3重のチェック体制がありながら、そこに気付かなかったことになる。
JR九州は、その時全てを把握していたにも拘わらず、世間の目を逸らすカムフラージュとして、「住宅ローンに関する過剰融資問題」をマスコミにリークしたと見るマスコミ関係者の声もある。


リベート受領と不良債権の発生

松尾前社長の時代、債務超過から脱却するため売上を伸ばそうと会社一丸となって努力した結果、無理が祟って一連の不正の遠因になったと考えられる。

一つ言えることは、松尾前社長のワンマン経営があったとしても、親会社のJR九州から 田中龍治取締役専務執行役員と澤亀愼司執行役員が非常勤の取締役としていた訳で、JR九州もJR九州住宅(JRJ)の経営にコミットしていたということだ。
今回発覚した建設業法の違反行為を行った時期は、2人は取締役であり責任は免れようもないが、責任はこの2人に止まらないと考えている。

この他にも重大なコンプライアンス違反があったことが判っており、2人の取締役がそれらをJR九州にも報告し、組織ぐるみで隠ぺいを図った疑いがある。
以下に述べる不正行為が、第三者委員会を設置した「住宅ローンに関する過剰融資問題」と比較しても、社会的影響が大きい問題であることは確実だ。

その一つが、今回処分の対象となったタウンハウス建築工事に係る不祥事である。
現在、JRJが5000万円の損害賠償を求め、松尾前社長を訴えた裁判が行われているが、2017年5月に契約した2つのタウンハウス建築工事に関し、松尾前社長には次の背任行為があったとの指摘をしている。
  1. 松尾前社長が2017年12月までに施主からリベートを440万円受け取っていたこと
  2. 施主がタウンハウス建築の中間金、完工金の支払をしていないにも拘わらず、松尾前社長の指示で保全措置を取らずに引き渡し、2018年12月に5億8000万円が事実上回収不能になったこと
松尾前社長の不正行為はJR九州内で問題視された模様で、2018年6月にJR九州コンサルタンツというグループ会社に平取締役として降格異動、同年9月に解任されている。
2019年5月に解任理由を尋ねる文書を送ったが、「請求に応じられない」という文書が届いた。

松尾前社長に係る問題については、週刊新潮や地元マスコミが報じたが、JR九州は何一つコメントしないまま、今に至っている。


株主を裏切る粉飾決算

社会的影響が大きいもう一つの問題が、2018年3月期の粉飾決算だ。
前述のタウンハウスの竣工、鍵の引き渡しが2018年5月末となっていた。
本来なら2019年3月期に売上を計上するべきところを、3月末日に工事を終えたことにして、2018年3月期に売り上げたように改ざんし、2018年6月27日付で決算公告を行っている。

JR九州住宅の決算は、JR九州の連結決算に繋がる。
グループ全体の売上約4000億円のうち、同社の売上は20億円程度の微々たる金額であるが、市場で公開している売上や利益の数値が間違っていたことになる。
金額が小さいから許されるというものではなく、上場会社の信用に関わる問題だ。

2018年8月にJR九州住宅(JRJ)が国交省九地整に提出した決算書類を閲覧して、粉飾に気付いたタウンハウスの施主が、JRJに猛抗議をしている。
それに対しJRJからは、「JR九州の監査法人トーマツがJRJの監査を行っている」との報告があったきりで、結果についての連絡はないまま、同年12月17日にはJRJの島野英明社長から「粉飾ではなく、不適切な会計処理だったので訂正した」との説明があったという。
つまり、確信犯であったことが窺える。

しかし、数字は嘘をつかなかった。
JRJは2018年3月期の粉飾決算を引き継ぎ、2019年6月28日付で2019年3月期の決算公告を行っている。
ところが、売上を前期に無理に前倒ししたことで、JRJが同年8月に国交省九地整に提出した決算の根拠書類に、売上や売上原価の数値が不整合となる箇所が数ヵ所見つかり、九地整が受理しなかったのだ。
同年12月、5回目の再提出でようやく 計算のつじつまが合わせができ九地整が受理するも、2018年3月期に遡って売上原価等を増額修正するなど 不自然な変更が見受けられ、疑惑は深まるばかりだった。

 


今こそ第三者委員会設置を!

2018年3月期に粉飾をして、2019年3月期もその数値を引き継ぎ決算公告をしたJR九州住宅(JRJ)であったが、驚いたことに 2020年3月期決算で、改ざんしていた売上を本来の月日に戻し、過去2期分の決算書を修正してきた。

税務調査で指摘されたという噂もあり、修正せざるを得なかった様だ。
またそれに追随するように、松尾前社長に対し解任後2年も経ってから  5000万円の損害賠償を求めて提訴している。
それまでは、松尾前社長がリベートを受領していた件と5億8000万円が回収不能になった件について、表に出さず ほとぼりが冷めるのを待つ意図が見え隠れしていたが、
松尾前社長に任務懈怠があり全責任があることを明確にする必要が出てきたためと思われる。

2年もの間 意図的に粉飾を放置、現在 決算書は正常に戻っているが、ここまで JR九州は JRJが粉飾があったことも修正したことも、一切公表していない。
また、松尾前社長を提訴する一方で JRJの取締役を兼ねているJR九州の田中専務と澤亀執行役員について 処分があった話は聞こえてこない。
そればかりか、今回の建設業法違反の契約を含め 数々の不正に直接携わっていた川述祐一氏(当時 統括営業所所長)が今年4月より取締役に昇格しており、社内からも疑問の声が上がっている。

問題は、粉飾決算を誰がどこまで承知し 伏せる指示を出したかだ。
松尾前社長を2018年6月に別会社に降格異動させ、3ヵ月後に解任していることから、JR九州の経営陣は松尾氏に関わる不祥事は把握していたはずである。
また、粉飾については、JRJの監査はもちろん、監査法人トーマツもその頃 調査をしているがそのまま公告されている。

繰り返すが、3年前のJRJ社員による「住宅ローンに関する過剰融資問題」が発覚した時は、JR九州は迅速に第三者委員会を設置して、再発防止に取り組むことを発表した。
今回は、建設業法違反でJRJに32日間の営業停止処分が下ったが、沈黙したまま対応に雲泥の差があり、何か不都合なことにあると思われても致し方ない。

青柳社長におかれては、今回処分の対象となったタウンハウスの工事で、リベートがわたり、5億8000万円の回収不能があり、粉飾決算があったことを踏まえ、JR九州内部の誰がこれらを把握し 隠ぺいの指示を出したか、今こそ第三者委員会を設置して調査して頂きたい。
真相を明らかにし、九州経済を牽引する企業として成長を続けてほしいと切に願っている。

官製談合か?

嘉麻市義務教育学校、3校の施設整備事業にかかる官製談合を調査する百条委員会が設置されて9ヵ月が過ぎた。

令和3年12月17日に開催された委員会では、赤間幸弘市長と2月末に体調不良を理由に退職した前副市長、白石二郎氏の証人尋問が行われたが、白石氏に対する吉永市議の質問の中で 耳を疑う話があった。

吉永氏は一昨年11月、3校の建築工事について、それぞれ参加JVと受注予定予定JVの詳細を記した図が記載されている文書(下図)を某ゼネコンから入手した。
業者選考日は約1ヵ月後の12月7日、まだどこの業者が手を挙げるか 表に出ていない時期である。



同文書は出所が書かれていない いわゆる怪文書の類だったが、市内業者名が入っいるため心配になり、市長と副市長を議会棟の委員会室に呼び、他市議2名と計5名で話したという。

その時の内容は次の通りだ。



吉永氏が市長に、「こうした文書が出ているが、業者が決まりもしていないのにどういうことか」と尋ねたところ、市長は首をひねってチンプンカンプンの様子で「分からない」と答えた。
次に、副市長に文書を見せた瞬間、「私は不正をしておりません」と大きい声を出した。
その後、副市長は3者の本命のうち2者を消して、「1者だけでいいので、これでさせてもらえないか?」と言った。






俄かには信じ難いが、つまり3校の受注業者3者が事前に決まっていたが、吉永氏らに質されたことで、副市長がそのうちの1者だけ残していいか尋ねたというのである。

12月7日の選考で3校の工事の受注業者がそれぞれ決定、上記の通り怪文書中の本命3者のうち1者だけが受注した。
3校の工事の選考に参加した9JVの、代表企業・地元企業・設計企業の組み合わせが怪文書と一致していたのも注目される。

事実であれば官製談合の疑いがあると思われるが、同席した他の市議も聞いたとされる一方で、白石氏は委員会の中で「(話したことは)全く記憶にない」と否定している。



4月には市長選挙を控える中、赤間市長も9月議会で3選出馬を表明したところだが、市長後援会の地元企業代表者も百条委員会で証人尋問を受けていることもあって、後援会の動きも以前ほど活発ではないと聞く。

百条委員会の今後については、これまで尋問者への再尋問が行われ、結論が出るにはまだ先のことになりそうだが、特にに選挙関係者の間で 委員会の成り行きに注目が集まっている。

 

当選ラインで激戦・糸島市議選

糸島市では令和4年を迎えると、1月23日告示、30日投開票の予定で市長選と市議選が行われる。
市長選については、現職の月形市長が3選出馬を表明している以外、現時点で予定者の話は聞こえてこない。

一方の糸島市議選(定数20)は、5名が高齢などを理由に既に引退を表明している中、現職15名、新人17名、計32名の新人が立候補を予定しているという。
県下には高齢の議員が大多数を占める議会や、無投票で決まるなど代わり映えしない議会が多いが、今回糸島市は農家、漁師、飲食店店主、タレント、中には親子で立候補予定もあり実に多種多様、ある意味糸島市らしい 明るく元気で賑やかな選挙になりそうだ。

現職も知名度では勝るが油断は出来ず、当選ラインでの激戦が予想される中、既に顔を売る運動は始まっており 慌ただしい師走となっている。

会社役員が傷害事件

住宅の性能評価・調査等を手掛ける H社(本社:大阪市)の役員が、支店のある福岡市中央区薬院の路上で傷害事件を起こし話題になっている。
某住宅の調査費用 約27万円の支払いトラブルが原因だ。

新築分譲住宅の入居者Aさんが、瑕疵が疑われる箇所の補修を販売会社に求めたのが事の発端、販売会社が H社に「準耐火基準を満たしているか」検証を依頼、今年5月にはH社から、「設計図書を確認し、省令準耐火構造の仕様性能以上を満たすものと考えられる」という趣旨の意見書が提出された。
販売会社は 管理会社を通じ この結果をAさんに伝えた。



しかし、納得できないAさんが管理組合の理事長Bさんに相談、Bさんは 後述の 元の施主N氏を通じて H社に自宅の準耐火構造に適合しているか調査を依頼した。
H社はBさん宅を調査した結果、今年8月に「現状の施工状況においては準耐火構造に完全に適合しているとは言えない」との調査報告書を提出した。

5月は設計図書上の検証、8月は実地調査と内容は異なるが、H社から 同一建築物について相反する結果が出たことになる。



8月の調査で、理事長Bさんに代わって費用を負担することにしていたのが 同住宅の当初の施主であるN氏だ。

N氏は竣工直後に経営難に陥り、現在の販売会社に止む無く売却した人物、Bさんから瑕疵の疑いがあると聞いて責任を感じ、真相究明のため費用負担を申し出ていた。
しかし 8月の調査報告書を受領後、瑕疵があったことを確認したところで5月の意見書を入手、そこでH社の業務のあり方に不信感を抱き、調査費用の支払いに応じていなかったという。

本来であれば、H社は法的手段を使ってでも回収に努めるべきだったが、勤務時間外、それも酒の席で 事件は起きた。
11月末の深夜、薬院の居酒屋でN氏が飲んでいたところに H社の社長と役員I氏が入って来て 鉢合わせてしまったのだ。


そこで 支払いの話に、「払え」「払わん」から「表で話そう」となり、路上に出たところでI氏が N氏に対し 手を出してしまった。
店の従業員らが見ている中、余程 腹に据えかねるものがあったか、I氏は十数発 一方的に拳を振るい、通報を受けて駆け付けた警官に逮捕され、N氏は鼻の骨を折る大怪我を負ったという。

H社の社長と電話で話すことができたが、「個人的なことなので何も申し上げられない」とのことだった。
だが、飲んだ席とは言え 原因は会社の支払いトラブル、また I氏が殴っている横で社長は制止しておらず、個人的というには無理があるだろう。
H社は 国の許認可事業者だが、会社の責任は免れないと思われ、今後の営業に影響が出ることも十分考えられ、関係者は成り行きを注視している。



 

JR子会社に営業停止処分

福岡県は14日、建設業法に基づき、JR九州の子会社、JR九州住宅㈱(福岡市博多区吉塚本町13番109号 代表者 島野英明氏)を 12月28日から2022年1月28日までの32日間、営業停止処分にすると発表した。

今回 違反とされた契約の時期は、平成30年11月30日にJR九州が公表した 第三者調査委員会報告書で調査された対象時期と重複しており、JR九州も含め 社内では業法違反を認識していたはずだが、報告書では一切触れられていなかった。
JR九州のコンプライアンスに対する姿勢を根本から問われそうだ。

違反内容は以下の通り。

・ 注文者から元請として請け負った2つの建築工事において、特定建設業の許可なく下請業者との間で総額が政令で定める額(6,000万円)を超える下請負契約を締結した。 (建設業法第16条第1項違反)

・ 注文者から元請として請け負った建築工事において、建設業の許可を取得していない者と政令で定める額(500万円)を超える額の建設業の下請負契約を締 結した。 (建設業法第28条第1項第6号該当)

・ 注文者から元請として請け負った建築工事において、直接的かつ恒常的な雇用関係にない者を主任技術者として配置した。 (建設業法第26条第1項違反)

高瀬氏不出馬、後任に秋野氏・参院選福岡

来年7月に予定されている参院選福岡選挙区で、公明党現職の高瀬ひろみ氏(1期)が出馬を見送り、比例区で選出されている秋野公造氏(2期)が 福岡選挙区公認候補として挑むことになった。

比例区には、公明新聞九州支局長の窪田哲也氏(55)が公認される予定。

映画と萬行寺と若久緑園

1990年に刊行された佐木隆三氏の長編小説、「身分帳」を読んだ。

きっかけは、南区若久にある福祉型障がい児入所施設「若久緑園」から届く「事業所便り」だ。



若久緑園 取材協力映画『すばらしき世界』、10月6日からBlue-ray&DVDが発売されます。
コロナ禍で映画館に出向くことができなかった方たちも ぜひ観ていただきたいと思います。
小説「身分帳」の映画化で、主人公は若久緑園出身者で実在した方がモデルです。

興味が沸いたので、早速 文庫本を取り寄せ 一気に読んだ。
殺人で13年の刑期を終え 旭川刑務所を出所した男が主人公、真っ直ぐで不器用だが 周囲の助けを借りながら社会に復帰しようとする様を描いた小説で、実話が元になっている。

身寄りのない主人公が出自を探しに 福岡まで足を伸ばす場面がある。
そこで立ち寄ったのが 「若久緑園(当時は県営)」と「萬行寺」、萬行寺は櫛田神社に近い国体道路沿いの浄土真宗の寺で、明治から戦後にかけて境内に「龍華孤児院」という施設があった。
主人公は幼少時に母親に預けられ そこで暮らした記憶があり、その孤児院が現在の若久緑園の前身にあたる。

また小説の補遺には、小説のモデルとなった田村明義氏が 福岡に移住し、平成2年に南区三宅のアパートで孤独死したこと、佐木氏自身が遺体を引き取り 喪主として野間の葬儀場で見送ったことなどが紹介されていた。

生活圏にある固有名詞や地名が次々に出てきて親近感がわくと同時に、佐木氏の偉大さを認識し 心に残る一冊になった。

「すばらしき世界」は今年2月11日公開、脚本・監督 西川美和さん、主演 役所広司さん、他に 長澤まさみさんなど豪華俳優陣、恥ずかしながら映画情報に疎く、上映されていたことを知らなかった。
コロナ禍にも拘わらず、興行収入は5億円を超えたそうで 何より。

ネットで 映画をレンタル視聴できる時代、年末 ゆっくり鑑賞しようと思う。

映画「すばらしき世界」オフィシャルサイトはこちら

ブルーリボンもずっと外してます

12月10日から16日まで「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」、安倍政権下では8年間、拉致被害者の救済について何一つ前進もなく、「日本を取り戻す」という掛け声も虚しく 期待外れに終わった。
岸田総理は11月13日に開催された「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」の席で、「条件を付けずに金正恩委員長と面会し拉致被害者の帰国を実現させる」と決意を語った。
あまり期待されていない岸田総理だが、何かやってくれるかもしれないという気もする。

ところで、凄腕のFX投資家として4年で1億5000万円の荒稼ぎをして名を馳せた、立憲民主党参議院議員の古賀之士氏も、普段は胸にブルーリボンを付けている。

しかし、ある読者の方から「少し変です」という情報を頂いた。
それは 古賀氏が 9月30日にアップした動画で、「自民党が国会を開かないということに抗議をして3ヵ月間 議員バッジを外している」という内容だ。
抗議のために議員バッジを外したのだろうが、よく見ると ブルーリボンまで外している。

古賀氏の動画はこちら

拉致被害者の方々の生存と救出が実現することを願うブルーリボン、署名活動の一つもせず パフォーマンスで付ける議員は数多い。
古賀氏もどうやらその部類で、ブルーリボンの意味を 理解していないと思われる。
ちなみに、古巣の国民民主党の支持母体であるUAゼンセンは、拉致問題解決に力を入れているが、溜息が聞こえてきそうだ。

古賀氏には、議員バッジをこれからも ずっと外し、引退して FXに専念して頂きたい。

ハザードエリア移転、市の責任を問う陳情書

高潮5メートルのハザードエリアに 済生会病院の移転が計画されている問題で、北九州市の保健福祉行政を質す陳情書が提出されたことが判った。

「5m浸水想定区域に済生会病院移転」で書いた通り、済生会八幡総合病院が移転を予定している八幡西区則松地区は高潮5メートルの危険箇所、北九州市保健福祉局が開発許可について審査する開発審査会に対し、「移転は望ましい」という趣旨の副申(意見書)を提出している。
想定を超える災害が頻発している昨今、地域医療の中心を担う病院の立地場所の安全面は最優先事項、新規に病院を建設するのだから 候補地がハザードエリアかどうかは当然議論されるべきだった。

しかし、済生会はまとまった安価な土地ということに飛びつき、ハザードエリアの危険性については二の次、2メートル程度嵩上げして地下を造らない構造にすることで対応できるとして、計画を策定し開発許可を申請した。

問題は北九州市の保健福祉局が、なぜ ハザードエリアにも拘わらず移転が望ましいとしたかということだ。
副申では、「八幡西区の病床数が少ないので地域医療のバランスの観点から 移転は望ましい」という理由が示されていた。
しかし、八幡西区は全国平均以上の病床数があり、バランスに言及するなら 若松区や小倉南区は平均以下の水準、保健福祉行政の公平性という見地からすると、若松や小倉南への移転を推奨するべきだった。
副申は、説得力に欠け、都合のいい箇所を切り取った内容になっているが、ハザードエリアへの移転の危険性やデメリットについては 全く触れていない。

陳情では、① ハザードエリアに移るメリットがデメリットを上回るならその根拠を示すこと、② 5メートルの浸水の際 何階まで被害があるのか、その他の被害について具体的に示すこと、③ 浸水で病院機能が停止したとき 市はどう対応するのか説明すること、 ④ 浸水で人的・物的被害が出たとき市の責任を説明することなど を求めている。

閉会中審査となると思われるが、保健福祉局がどのように回答し、また各議員がどのような質問をするか 注目したい。

国会から ズームアウト !

立憲民主党の新代表が 泉健太氏に決まり、新たな船出となった。

立憲の出発点は 希望の党からの排除組ということで、左に斜行したのは仕方がなかったが、過去に国民が期待した民主党は中道改革政党だ。
合流組から代表が決まったことで、今後も紆余曲折あるかもしれないが、代表選が進路修正のいいきっかけになり、日本のためになることを期待したい。

ところで、福岡県連ではこの後、来年7月の参院選の公認候補を決める作業が待っているが、順当に行けば現職の古賀之士氏、しかし 党内外から反対する声が多い。

昨年9月に 旧立憲と旧国民民主党が合流する前は、県内では選挙協力が暗黙の了解だったが、令和元年の参院選の際、古賀氏が知人で弁護士の春田久美子氏をわざわざ引っ張り出し議席を争うことになり、旧立憲組からの評判が良くない。

一方で 旧国民の関係者との折り合いも悪く、今年7月に行われた参院候補を決める会合においては、城井氏や稲富氏らも古賀氏の公認決定に難色を示し、衆院選終了まで公認決定を延期するとしていた。

選挙期間中は 古賀氏が衆院選合同選対本部長を務めるも、どの陣営からもお呼びがかからず、呼ばれてもいないのに顔を出して自分の名刺を配ることにかまけていたという。

しかし、5区と10区で 勝利したことで、図らずも古賀氏を勢いづかせている様だ。




そこで 改めて、 FXで1億円稼いだ件を持ち出すが、「福岡を代表する国会議員としては相応しくない」と声を大にして言いたい。

古賀氏は議員になってからFXを始めたそうだが、所得報告書によると、平成29年度2060万円、同30年2109万円、令和元年度1233万円、そして令和2年度に9870万円、4年間で1億5272万円もの利益をFXで得たという。

FXが悪いという訳ではない。
国会議員としての仕事をこなしながら、 余暇の時間に FXにズームインして利益を得ていたのだろう。
しかし、有権者は 政治家は寝る間も惜しんで国民のために動き回ってくれると信じ 1票を投じている。

1期目の選挙チラシは「国会にズームイン!」がキャッチフレーズ、政策の柱に5つのチャレンジを掲げている。
その一つに、
「人への投資で格差を縮小」
とあるが、もはやブラックジョークだ。

労働者や弱者の代弁者たる野党らしからぬ、コロナ禍で生活苦の国民に寄り添えない議員は、とっとと国会からズームアウトさせるべきだ。
仮に 県連が古賀氏を公認するなら、代表選のプラス効果が すぐに吹っ飛んでしまうことは確実だ。

河野正美氏、自民比例のなぜ

今回の衆院選、自民党比例九州ブロックの名簿に、河野正美氏(60)の名前があるのを見て驚いた方も多いのではなかろうか。

河野氏は、橋下旋風が吹いた平成24年、日本維新の会の公認候補として福岡4区から比例復活で初当選、同26年の選挙も比例復活し、2期5年の間に本会議発言11回、委員会発言130回と 相応の実績は残している。

その一方で、維新の福岡県支部の代表を兼任するも 党勢拡大に全く手を付けず、同29年の選挙で落選すると 即離党し政界を引退、党への愛着や感謝など微塵も感じられなかった。
現在、県内の維新の基盤が弱いのも、当時の河野氏の怠慢によるものと言ってよいだろう。

しかし、落選後も国会への未練はあった模様で、今回の衆院選前に 昔の伝手を頼って自民からの立候補を模索、福岡4区の事情と 某閣僚経験者の押しで比例名簿に滑り込むことができたという噂だ。

そうは言っても、4年前まで他党だった者が自民の比例名簿に載ることは 常識的に有り得ないこと、また河野氏はこれまで自民のために汗をかいたことのない人物ということで、党内の県議・市議から困惑の声が上がっていた。

選挙結果は 幸いにして河野氏まで届かず、再び議員バッジを付ける夢は叶わなかった。
今後 河野氏が自民党のために汗をかく覚悟があるかに 関係者は注目している。

JR九州住宅・まとめ

2018年10月に発覚した JR九州住宅㈱の住宅ローンの不正融資、事態を重く見たJR九州は、決算発表を1ヵ月伸ばし第三者調査委員会を設置し、原因究明と再発防止に取り組んだことをアピールした。
しかし、その後同社が約6億円の不良債権が発生していたほか、法令違反の疑いがあることがわかった。

2018年から2020年まで、これまで弊社が報じた記事を 以下に再掲する。

根が深いJR九州の不祥事 [2018年11月10日]

10月10日に行ったJR九州の記者会見では、子会社であるJR九州住宅の社員が、住宅ローンに関して700万円を水増し改ざんした事を、金融機関から指摘を受けたと発表していた。
それによってJR九州本体の、11月5日に発表予定の決算発表を延期し、通常では考えられない事態が起こっている。

JR九州住宅㈱の前社長、M氏は平成30年6月27日に辞任し、翌日の28日にはJR九州コンサルタンツ㈱の役員に降格し、一見何事も無かったような人事異動だが、3ヵ月後の 9月27日には 解任されている。
ワンクッションを置いた実に手際の良いシナリオを書いたもので、JR九州の子会社における目立たない人事は、記者会見もされずに処理されている。
M氏の日常における派手な生活は、関係者から次から次に情報が寄せられ、次第に全容が浮き彫りになってきた。

 

6億円焦げ付き? [2018年11月12日]

子会社の住宅ローン不正融資問題に揺れて、四半期の決算発表が遅れているJR九州は、外部の専門家による第三者委員会を設置し、調査を行っているが手間取っているようだ。

当初の発表では営業社員による、700万円程度の不正融資を金融機関から指摘されたと公表するも、実体はJR九州住宅の前代表による余りにも大きい不良債権の発生に、戸惑っているのではなかろうか。
6億円前後の金額を巡って、裁判に発展する可能性もあり、今後は社内の管理問題も表面化すれば、問題は更にJR九州本体に拡大する恐れが出て来た。

 

JR九州住宅㈱ [2019年6月5日]

福岡経済界を代表する企業集団「七社会」のJR九州、その子会社であるJR九州住宅㈱の前代表取締役 M氏が、積極的に事業の拡大を目的に取り組んだ開発事業で、かなりの無理が相次いで表面化し、裁判に発展している。

開発には事前に大きな資金が必要で、その調達過程で不明瞭な資金の支出に便乗し、私的に流用したのがM氏のようだ。
土地開発を巡る不動産や住宅事業では、領収書を必要としない裏金も求められ、それが悪の温床になっている様だ。

JR九州は、外部の第三者委員会を創設して調査を行なうも、短期間で形式的に済ませており、核心に迫っているとは言えない。
今後も次々に問題が浮上してくることが想定される。

 

JR東海とJR九州の違い [2019年6月10日]

JR東海の子会社の不動産管理業「JR東海不動産」の元課長が、取引業者と共謀し工事費を水増しするなどして、同社から金を騙し取ったとして逮捕されたというニュースが飛び込んできた。
一部の不動産取引では、今でも裏金が横行しており、また被害金額が大きくなることは珍しくない。

JR九州は子会社のJR九州住宅㈱の不祥事について、お茶を濁したような対応で 事なきを得ようとしているが、JR東海は内部で不正が発覚して 元身内に対して厳しい対応をした。
元を辿れば、旧国鉄の同族企業、同じ事が発生してもその対応に大きな違いが出るのは年月が経ったことによる企業風土の違いだろうか。
だとしたら、JR九州は危機感が育まれていない証と言えるだろう。

 

JR九州、株主総会前夜 [2019年6月13日]

株主総会を前にして、JR九州には緊張感が走っていることだろう。
話題の中心は、外資系ファンドによる株価引き上げ効果のある自社株買い提案をどうかわすかであるが、別件で株主側から質問が出るのではないかと、関係者の間で噂になっている。

昨年9月に発覚したグループ会社のJR九州住宅㈱が金融機関から融資額を増額するために書類を偽装した事件は、JR九州が素早く第三者調査委員会を設置、11月には再発防止に向けた取り組みを公表するなど、一見優等生的な収め方をした。
ところがその調査委員会、退職者を含め取締役以下40名の関係者からヒアリングを行なっているものの、事件発覚の3ヶ月前まで代表取締役だったM氏からはヒアリングを行なっていない。
M氏は事件が発覚した昨年9月末の同時期に関連会社の取締役を解任されているので、事件の鍵を握る最大のキーパーソンとして調査委員会の対象にするのが当然だろう。
形式だけの調査委員会を設置して、臭いものに蓋をしているのではないかと関係者は見ている。

この件以外にも、M氏が代表だった時代のトラブルが、最近いくつも明るみに出てきている。
JR九州住宅は現在も裁判中で、今後の成り行き次第では、住宅建設にかかる約6億円の請負額を回収できない可能性がある。

 

JR九州住宅・債務超過 [2019年7月25日]

JR九州が100%出資するJR九州住宅㈱の決算が公表され、財務状況が悪化していることがわかった。
平成30年3月期に既に3122万円の債務超過に陥っていたが、同31年3月期には8億4500万円と拡大しており、関係者の注目が集まっている。

 

JR九州住宅・決算書再提出 [2019年8月23日]

JR九州住宅が、監督官庁に提出した平成31年3月期の決算書類に空欄箇所や計算が合わない等の不備があり、再提出を命じられている。
JR九州グループは連結決算で、内部監査に加え監査法人が子会社の書類をチェックしており、官庁に提出する書類にはその内容を転記するだけで済むはずだ。
このような初歩的なミスを犯すことは通常考えられないのだが。

 

JR九州住宅・裁判で提出された裏金の新証拠 [2019年9月5日]

開業間もないデベロッパーが、上場企業の関連会社に施工してもらえる話があれば、多少の無理をしてでも実現させたいと考えるのは当然で、帳簿に出ない裏金が動いたとしても不思議ではない。
JR九州住宅㈱がエステート・ワンを相手取り、建築請負代金の支払を求めた裁判で、被告はこれまで、「JR九州住宅が施工する条件として、JR九州のOBだったA氏から『A氏へのリベート及びJR九州住宅のM社長への裏金』を要求され、A氏の口座に送金した途端、施工の話が前進した」と主張していた。

この裁判は、原告が未払金を支払うように求めていることに対して、被告は元社長のM氏との間で、「3年以内に支払う約束をしていたので弁済期は未だ来ていない」としている。
M氏の裏金授受が証明されれば JR九州を巻き込んだ大事件になりかねず、傍聴席はいつも満員で、関係者は神経を尖らせていることが伺える。

これまで、原告側はM氏に裏金が渡ったかどうかは関知していないとしてきたが、8月30日に行なわれた裁判で、被告側から、A氏の通帳の写しが新証拠として提出され、K・Mという女性の口座にM氏と約束した裏金と一致する金額が、A氏から4回に分けて振り込まれており、K・MはM氏と関係が深い人物ということが添えられていた。
裁判は結審し、判決は9月27日(金)に言い渡される予定であるが、裁判の行方に注目が集まっている。

 

JR九州住宅・またトラブル? [2019年9月20日]

既報の通り、JR九州住宅は監督官庁に提出する決算書類の不備を指摘され再提出していたが、現在、何か問題があったのか、九州地方整備局による聴取が行われている様だ。
仮に建設業法に問題があるなど、結果次第では行政処分が下される可能性もあり、また、決算書類に訂正があれば連結決算のJR九州の決算書にも影響が出る恐れがあるため、関係者は注目している。

 

JR九州住宅・短期貸付金 [2019年10月10日]

JR九州住宅㈱の平成31年3月期決算、貸借対照表の流動資産の中に「短期貸付金」約4億1千万円が計上されている。
短期貸付金とは、通常は子会社や社員に貸し出す性格のもので、売上が16億円程度、最終赤字8億1千万円、債務超過額8億4千万円に陥っている企業に、これだけの貸付余力があるとは到底考えられない。

銀行関係者によると、銀行が行う企業融資の際、「短期貸付金」が多いのは粉飾の疑いが濃厚なため、貸付内容の詳細までチェックするそうだ。
親会社であるJR九州の連結決算書を見たところ、貸借対照表の流動資産に「短期貸付金」の勘定科目は見当たらず、「その他」にひと括りにされている。

JR九州に電話で、「JR九州住宅の『短期貸付金』がJR九州の連結決算の、『その他』に含まれているか」と尋ねたてみたが、「適正に処理をしている」「詳細については公表していない」の一点張り、何もやましいことがなければ、答えがあってもよさそうなものだが。

 

JR九州住宅・公開続く決算変更届の誤記載 [2019年10月21日]

JR九州住宅㈱が監督官庁である九州地方整備局に提出した決算変更届であるが、7月末に提出されてから3ヶ月経った今でも、誤記載のまま公開され続けている。
決算変更届は、建設業法で提出が定められており、施主が施工業者を選定する際の判断材料にすることもあるため、誤記載のまま公開を続けているのは「国民を騙している」と指摘する声もある。

今回、1年前の平成30年3月期の決算変更届から誤記載があったことも判明しており、JR九州グループにあるまじきお粗末さである。
JR九州は子会社の監査を担っているが、その責任において、子会社の決算変更届の修正を急ぐべきではなかろうか。

 

エステート・ワンが敗訴 [2019年11月19日]

JR九州住宅㈱がエステート・ワン㈱に対し、工事請負金額の支払を求めていた裁判で、福岡地方裁判所は9月27日、エステート・ワンに1億9000万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
「JR九州住宅の前社長、M氏にリベートを渡すことで、弁済時期を3年以内とする約束をした」と主張するエステート・ワンに対し、「契約書面通り建物引渡し後、速やかに支払うべき」というJR側の主張が全面的に認められた格好だ。

裁判では、エステート・ワンが参考人として出廷を要請するもM氏は拒否、リベートが渡ったと推測される電話の録音内容なども証拠として提出されたが、直接の争点にはならなかった。

 

JR九州住宅・前代未聞の決算書修正 [2019年12月10日]

JR九州住宅の平成31年3月期の決算書類等の事業報告書に、数字の不整合が随所に見受けられていたため、監督官庁から建設業法に基づく聴取が行なわれ、再三に亘り修正を求められていたが、5回目の提出でようやく受け付けられた。

驚いたのが、同31年3月期だけでなく、1年半前に提出された同30年3月期の決算書の数字までが書き換えられたことだ。
売上高と売上原価の項目で、建設工事の金額と兼業事業の金額をそれぞれ増減させ調整を図った。

これに付随して、工事原価のうち外注費を平成30年3月期で約1億円増額、同31年3月期で約3億円減額修正しており、通常考えられない相手先がある外注費の増減がなされている。

 

JR九州住宅(前)社長への裏金 [2020年2月21日]

JR九州住宅㈱がエステート・ワンに対し、建築請負代金の支払を求めた裁判の中で、被告が「JR九州住宅が施工する条件として、JR九州のOBだったA氏から、販売1戸につき40万円、A氏とJR九州住宅のM社長へリベートを支払うよう要求され、仕方なく支払った」と証言していた。
リベート40万円のうち、6対4の割合でA氏とM氏に分配されるという約束だったという。

施工した住宅は55戸でリベート合計2200万円、エステート・ワンは中間金として半分の1100万円を、平成29年6月から翌年3月の間に9回に分けて A氏の口座宛に振り込んでいる。
そして、その4割に当たる440万円について、平成29年7月から翌年3月の間に4回に分けて、A氏宛に K企画という博多区の事業者から請求書が届いており、A氏が 代表者と思しきKという女性名義の口座宛に同額が振り込まれていたことが判った。
K企画は法人登記をしておらず、KとM氏との関係は現在のところ不明だが、振り込まれた時期と金額が一致していることから、M氏と関係のある女性という可能性が高い。
この他にも、JR九州住宅からA氏に対して、エステート・ワンの紹介料として400万円が振り込まれ、A氏からM氏に200万円がバックされたという情報もある。

JR九州は、平成30年に発覚したJR九州住宅の不正融資書類事件の際、自前で第三者調査委員会を設置するも、前社長のM氏に対しては何故かヒアリングは実施していない。
裏金が渡った可能性が高いM氏こそヒアリングを実施すべきだったと思われるが、JR九州の腰は重いようだ。

 

JR九州住宅が支払った紹介料 [2020年2月26日]

平成28年6月、JR九州OBのA氏は、エステート・ワンの顧問に就任、当時施工会社を探していたエステート・ワンにJR九州住宅のM社長を引き合わせ、羽犬塚と伊都の物件の施工を請け負うことで合意した。
その後、エステート・ワンがA氏とM社長からリベートの支払を要求され、1100万円を振り込むことになったのは既報の通りであるが、驚いたのはこれだけではない。

JR九州住宅がA氏の会社に対して、エステート・ワンの紹介料という名目で400万円を振り込んだというのだ。
A氏は施主であるエステート・ワンの顧問であり施主の身内である。
JR九州住宅内では、何故施主に紹介料を支払う必要があるのか議論があったようだが、最後はM社長に押し切られたという。
債務超過が続く会社に紹介料を支払う余裕があったとは思えないが、M氏が社長の時代には、その様な無理筋が幾つも罷り通っていたようだ。

 

JR九州住宅・過去の決算書を修正(前編) [2020年5月20日]

JR九州は2020年3月期の決算短信を公表し、6月には株主総会を控えているが、連結子会社が過去の決算書を修正したことが関係者の間で話題になっている。
JR九州の子会社、JR九州住宅㈱が、2018年3月期の損益計算書及び貸借対照表、2019年3月期の損益計算書の数値を変更したことが判った。

JR九州住宅は、建設業の監督官庁に今年3月12日付で過去の決算書を含む法定書類を修正して提出したが、2018年6月に退任した前社長の時代に行った粉飾決算を本来の形に戻したものである。
対象となった物件は2018年5月末に完成引渡しされたタウンハウス、修正前の「工事経歴書」には2018年3月期決算の締日である2018年3月31日完成、建築代金の合計は3億7200万円とされていた。
それに合わせて決算書も作成され、本来であれば2019年3月期に計上すべき売上3億7200万円が、2019年3月期に前倒しされていた。

施工会社から施主への物件の引き渡しは工程上重要な節目であるため、本来は受領した日に施主の社印が押されるところだが、この物件の鍵受領書は「仮」とされ、日付が 平成30年(2018年)3月31日、受領者の欄には施主の社員の個人名と認印が押されている)。

この書類を 3億7200万円前倒しの根拠にしたと思われるが、この操作により2018年3月期の営業利益・経常利益・純利益は赤字を免れている。
粉飾されたままJR九州住宅の決算書は公告され、JR九州の2018年3月期連結決算の一部となった。
これは前社長のM氏の指示だったかもしれないが、社長一人でできるものではなく、他の役員や監査、更にはJR九州の幹部も同意していた可能性も否定できない。

 

JR九州住宅・過去の決算書を修正(後編) [2020年5月20日]

JR九州住宅が、2018年3月期に前倒ししていた売上 3億7200万円を、2019年3月期に計上し直し、工事経歴書も正確な日付に修正し正常に戻したことは評価できる。
ちなみに、JR九州の2020年3月期の決算において、2019年3月期の連結決算の数値は一切変更されておらず、過去の決算の修正再表示も無かった。

JR九州グループ全体で 4400億円規模の売上の中にあって、3億7200万円は微々たるもので修正再表示は必要ないと判断したと思われる。
2018年に発覚した、住宅ローン書類偽造による水増し申請問題の第三者委員会の調査報告を受け、JR九州は同年 12月10日付でコンプライアンス教育の徹底など再発防止策を発表した。
しかし、2019年12月に監督官庁に提出した法定書類には、2018年3月期の粉飾を隠蔽したとの情報もあり、組織ぐるみでコンプライアンス違反を続けていたようだ。

また、前社長の不正については未だ謎が多い。
M氏は2018年6月に社長退任後、JR九州コンサルタンツの取締役に移動し僅か3ヵ月で解任されているが、解任理由は伏せられたままである。

更に、JR九州住宅の 2019年3月期決算の貸借対照表、資産の部、短期貸付金に 4億1047万円が計上されているが、債務超過額が 8億4500万円の企業が 4億円超を貸し付けるということが考えにくい。
こうした不都合な真実についても、株主や投資家に対して情報公開をするべきではなかろうか。
私たちは交通インフラとしてJR九州に特別な親近感を持ち、信頼してきた。
JR九州におかれては、今後更に信頼が積み重なっていくよう、コンプライアンスの徹底と積極的な情報公開に努めていかれることを期待したい。

 

JR九州住宅・令和2年3月期決算(前) [2020年8月13日]

福岡県警が7月28日、久留米市の建設業者の経営者ら3名を、決算書の虚偽記載による建設業法違反容疑で逮捕した。
それなら、同様に決算書に虚偽記載をして国に届出をしていたJR九州住宅㈱(福岡市博多区 代表者島野英明社長)も逮捕されて然りでは、という声が弊社に寄せられている。

同社は平成30年3月期決算において、同年5月末日に完成予定だったタウンハウスの建設工事(施工費約3億7200万円)が3月末日に終了したように鍵引渡書を巧妙に作成し、売上を前倒しして最終利益が赤字を免れるよう粉飾し、決算報告書を監督官庁に提出していた。

現社長が就任後の同31年3月期においても、前期の粉飾決算の事実を把握しながらも修正しないまま国に提出していたが、一部マスコミからの指摘もあって、2期分の粉飾をやっと修正したのが今年3月、約2年間に亘り同社は粉飾のまま虚偽記載を放置したことになる。

2期分のJR九州グループの連結決算も、粉飾の数値で合算されている可能性が高く、事実なら株主に対して不正確な売上を提示していたことになる。
決算時には、同社の取締役にはJR九州の取締役専務(今年6月に辞任)と執行役員が名を連ねていたことから、組織ぐるみの背任行為として批判を浴びても仕方がないだろう。

 

JR九州住宅・令和2年3月期決算(後) [2020年8月14日]

そのJR九州住宅の令和2年3月期決算であるが、売上は24億6250万円と過去5年で最低、営業利益段階で1億4853万円の赤字を露呈し、最終利益も同様に9265万円の赤字、債務超過額は前期より約9200万円増えて9億3765万円にまで膨らんだ。
6期連続で債務超過、普通の会社なら倒産してもおかしくない。
それでも営業を続けられるのは、グループ会社からの借り入れを繰り返すことで延命するよう、親会社であるJR九州の執行部が判断しているからだ。

現在、北九州市の下請け会社から施工代金の未払いで訴えられているほか、施工した物件の1年点検を拒んでいるとの情報もある。
「無い袖は振れない」かもしれないが、下請け会社や施工物件の入居者に罪はなく、グループの責任で速やかに支払うべきだ。

これも前社長時代(平成25年6月~同30年6月)のコンプライアンス違反に遠因があると思われる。
平成30年10月に発覚した同社の住宅ローン融資書類の不正の際、JR九州は第三者委員会を設置し素早い対応を取り、再発防止をアピールした。
粉飾決算は、その年の3月に行われていたわけで、本当なら内部の不正にメスを入れるべきだったと言える。
ところが、第三者委員会のヒアリングに肝心要の前社長を召集しないまま委員会は終了、早期の幕引きを図った。

今こそJR九州は第三者委員会を再度設置して、粉飾に至った経緯、5億円以上が回収不能となった不良債権の原因を調査し、株主に説明をするべき時ではないだろうか。

5m浸水想定区域に済生会病院移転

■ 9月議会で問題視

8月の豪雨で深刻な被害を受けた佐賀県武雄市、地域医療の拠点となっている順天堂病院は最大1メートル近く床上浸水し、一時孤立状態となった。
2019年10月の台風19号の際は、全国60病院で 浸水・停電・断水等の被害があった。
想定を超える自然災害が当たり前になった今、病院の立地場所は一つの課題となっている。

そのような中、北九州市八幡東区の 済生会八幡総合病院が移転計画(2022年4月着工、2024年8月竣工予定)を進めているが、移転先の八幡西区則松地区がハザードマップで5.0mの浸水想定区域に該当していることが、北九州市の9月議会でも取り上げられ問題視されている。

社会福祉法人恩賜財団 済生会は、明治天皇の勅語に由来する慈善事業団体で、医療機関99施設と福祉施設280施設を運営しており、そのうち 病院・診療所は 法律で公的医療機関として位置付けられている。
総裁は秋篠宮皇嗣殿下、言わば由緒正しい公的な病院が、何故わざわざ危険な場所に移転しようとしているのか、その経緯等について取材をした。

八幡東区にある同病院は、2015(平成27)年に実施した建物の耐震診断の結果、基準を満たさないことが判り、移転建て替えの検討を始め、複数の候補地の中から八幡西区則松地区の市街化調整区域を最適と判断するに至った。
2016(平成28)年から市や地元関係者らと協議を重ね、2018(平成30)年6月に北九州市開発審査会において 開発計画が承認され、2020(令和2)年3月に市が開発許可を出している。

経過はざっと以上の通りだが、ここまで 地元医師会や医療機関が反対しているにも拘わらず、北九州市も積極的に移転を後押しして進められたことが判った。

浸水した順天堂病院(佐賀県武雄市、2019年8月)

 

■ 八幡医師会の反対をスルー

済生会八幡総合病院(以下 済生会)は2016(平成28)年以降、移転予定地の八幡西区医師会や則松地区及び隣接する永犬丸地区の医療機関と 調整を図ってきたという。

同地区には3つの私立病院があり、公的医療機関と位置付けられている済生会(350床予定)が移転してくると競合が生じるが、済生会は社会福祉法人として税制面で優遇されていて、競争となると民間病院は不利になる。
公的医療機関の民業圧迫となり、地元の 3病院からは反対の声が上がっていた。

しかし、済生会の北村昌之院長が地元新聞社の取材に対し、「医療も競争がなければだめ。過剰かどうかは患者が決める」と述べている。
その言葉は、「生活困窮者を(すく)う」「医療で地域の(いのち)を守る」という目標を掲げる済生会の精神とはズレがあり、挑戦的に聞こえる。

また、八幡医師会も、「同地区における医療供給体制は充足しており、移転に賛成できない」旨を済生会側に伝えていたが、双方の妥協点を見い出せないまま、済生会は淡々と移転計画を進めていった。

2017(平成29)年8月、済生会は 北九州市に開発許可を申請、開発審査会のテーブルに上がった。
同時に 北九州市保健福祉局が 建築都市局宛に、開発審査の参考として副申書を提出している。

その中に、病院移転のやむを得ない理由として、「将来の医療需要と医療機関の行政区間の配置バランス」を挙げている。
人口1万人当たりの一般病床数は 八幡東区 210.4床、八幡西区 84.9床(北九州市全体で104.3床)で、八幡西区は今後も医療需要が増加することが予想され 移転はバランスを改善する観点から望ましいとしている。

この点について 9月議会の中で、「全国平均は 70.3床、八幡西区は平均を上回っており、バランスに言及するなら 小倉南区は 61.5床と少なく、市は 小倉南区への移転でバランス改善を図るべき」という指摘があった。
対する保健福祉局長の回答は、済生会が八幡西区への移転を希望していることが前提となっている点を強調し、市全体の医療の公平性に言及することはなかった。

地元医師会や病院が移転に反対している中で、保健福祉局が 「移転が望ましい」という趣旨で 都合のいいデータを添えて副申書を提出しており、行政として公平性を欠いていると言われても仕方がないだろう。

計画の修正を重ねた結果、2018(平成30)年6月、4度目の開発審査会でようやく承認された。
地元病院が 「開発審査承認決議の撤回」を申し入れるも、撤回されることなく 2020(令和2)年3月、北九州市は正式に開発許可を出した。


保健福祉局から開発審査の参考として送付された副申書

 

■ 院長が知人から紹介された移転地

少し耳を疑った。
済生会移転地とその周辺に現職の北九州市議が所有する土地があるというのである。
繰り返すが、済生会は公的医療機関であり、北九州市が開発審査会で承認を得るため、「移転は望ましい」という一歩踏み込んだ副申書まで作成している。
そこに市議の土地があるというのは いったいどう訳だろう。

済生会が作成した「候補地選定の経緯」という資料がある。
そこには、当該移転地が、「2015年末に耐震診断の結果が出た後、八幡西区内の 4ヵ所を検討するも条件が合わず(要約)、知人から則松地区にかなりの面積の田んぼがあると聞き、地図で探した場所」と記されている。

その則松地区を紹介した知人というのは、済生会で放射線技師として勤務経験がある北九州市議のS議員である。
2018(平成30)年3月、まだ済生会が開発許可申請を出す前のことである。
S議員から 移転に反対している 病院長N氏に電話が入った。

S議員は、「自分(S市議)が、移転候補地についてのリストを 済生会の北村院長に渡したが、それを渡す前に T市議より『則松(現在の移転地付近)もリストに入れてくれ』と言われリストに加えた。自分は他の場所がいいと思うが、北村院長は則松をとても気に入ったようだ」と話したという。

つまり、北村院長が S議員から渡されたリストの中から選んだ移転地は、T議員がリストに加えてくれと言った則松地区の地図で探した場所で、その中にたまたまT議員が所有する土地が含まれていたことになる。
もちろんT議員は、地域医療に貢献するために 大切な土地を やむを得ず提供したものと思われる。



 

■ 開発計画に現職市議の土地

下図は、済生会が開発審査会に提出した開発計画の平面図である。
病院用地ほか、駐車場、公園・広場、道路・歩道等の配置等がわかる。



この計画図を航空写真に当てはめてみると下記のようになるが、あくまで大雑把で道路の部分などは正確とは言えないかもしれないので ご容赦願いたい。
このうち、黄色の部分について 済生会は2020年3月24日付で、本部理事長名で福岡県知事宛に土地収用法事業認定の申請をし、5月15日付で認可を受けている。

水はけの悪かった農地だったが宅地並みの価格になり、2020年8月から9月にかけて、全ての地権者との売買契約が結ばれている。
済生会が取得したのは黄色の部分、その他、オレンジ色の駐車場部分と緑の公園部分は、50年間の定期借地権契約になるという。



そして、病院用地の中、及び定期借地権契約予定の土地の中にT市議所有の土地があったという事実もあるが、これ以上のコメントは差し控えておく。



 

■ ハザードマップの危険区域

さて、本題の ハザードマップ浸水想定区域についてである。
耐震構造に問題のある済生会が移転を急ぐ理由は十分理解ができる。
また、ここまで時間をかけて 開発許可、土地の売買契約等を進めており、今さら引き返すことはできないというのも分かる。
しかし、昨今の自然災害の凄まじさを見るにつけ、済生会も後悔しているのではなかろうかと考える。

まず、北九州市が作成した則松地区のハザードマップをご覧いただきたい。



このマップの中央、ピンクになっているところは、今までにない氾濫の際、想定浸水深が最大3.0mという地域である。
そして、済生会の開発計画区域と重ねてみたのが下の図で、病院予定地と駐車場予定地が見事に重なる。



済生会の開発計画では、病院用地は標高 1m、そこに 2mの擁壁でかさ上げをし、地下に階は設けない設計で、最大浸水深 3.0 m に対応するということだ。
当初から浸水することを想定しているというのも 不思議だ。

病院は 2mかさ上げしても、では駐車場(約800台)用地はどうするのか。
周囲の標高は 標高 0~2mとなっており、 3.0mの浸水深だと 車は水没してしまい、救急車は近づけない。
昼間 河川が氾濫して 急に浸水すれば 医療従事者の車は水没し身動き取れなくなる。
夜間であれば、翌朝出勤してきても 病院に近づけず、入院患者は孤立するだろう。

 

■ 考慮されていなかった高潮の危険

更に、国の関係各機関が作成した防災情報をまとめて閲覧できるハザードマップポータルサイトというのがある。
下の図は、同サイトで確認した則松地区の高潮浸水想定区域(福岡県作成)であるが、台風による高潮によって想定される浸水深が、3.0~5.0mとされており、大変驚いた。

ハザードマップポータルサイト(八幡西区則松付近)はこちら

高潮の被害について調べてみると、興味深い論文を見つけた。
1999(平成11)年9月に山口県宇部市を襲った台風18号は高潮を発生させ、宇部港で最高潮位 5.6mを記録、二級河川の真締川河口から1.5km、氾濫した水が 平均標高 2.5mの 山口大学医学部付属病院敷地にも侵入し、床上1.2mに達したという。
その記録は下記サイトで読むことができるので参考にしてほしい。

台風9918号による大学病院の高潮浸水被害と緊急対応の検討

現在の宇部市の高潮ハザードマップを見ると、浸水深が 4.0~5.0mとされており、 再び高潮が来ると心しておくべきだろう。

さて、済生会の移転地、高潮時の「浸水深3.0~5.0m」についてである。
宇部市の例を見ても、ハザードマップで示した通りに浸水すると考えるべきで、則松地区においても 5.0mは覚悟しておくべき浸水深であるということが言える。

知ればしるほど 危険箇所ということが分かるが、福岡県、北九州市に その認識について尋ねてみた。

現在の宇部市の高潮ハザードマップ


■ 危険区域についての議論なし

高潮ハザードマップで 3.0~5.0mという危険区域に済生会が移転しようとしているが、なぜ誰も止めないのだろうか。

昨年6月、都市再生特別措置法等の改正が行われ、近年頻発・激甚化する自然災害に対応するため、災害ハザードエリアにおける開発を抑制することが決まったが、施行は2022(令和4)年4月1日、それ以前に遡及しない。
前述の通り、済生会移転の開発許可は昨年3月に下りており ギリギリ滑り込んだ格好だ。

まず、災害危険箇所の則松地区に移転を希望しているのは済生会である。
済生会が対策として上げているのは、2mのかさ上げと地下階を造らないということだが、高潮時には 3.0~5.0m で対応できていないということが分かっている。

だとすれば、行政から待ったが掛かってもよいのではなかろうか。
この病院移転に関わった行政の部署は下記の通りである。



上記以外で、最も関わったのは 北九州市 開発審査会である。
驚いたことに、多くの役所の部署が関わっているが、危険区域への移転についての是非は一度も協議されていない。
あるとすれば、市街化調整区域への移転を審査する開発審査会かもしれないが、現行の法律に危険箇所への移転を制限する規定がないため、テーブルに上がっていない。
移転を申請する者がいたとしたら、どんな危険箇所だろうと 法律に則って審査し、問題なければ許可するということ、いわゆる申請者の自己責任である。

一方で、災害対策を所管する 北九州市危機管理課、及び 福岡県防災企画課に この状況を尋ねてみたところ、「危険箇所への移転は望ましくないが、自分の課では いいとか悪いとかは言えない」と いずれも同じ回答だった。
つまり、ブレーキを掛ける部署は どこにも存在しないということだ。

Click → 来年4月施行の都市計画法改正の解説

 

■ 済生会本部はご存知か

開発許可、用地買収、地盤改良など、様々な工程で 費用も手間も掛けて計画は進んで来ており、行政も済生会自身も後戻りできないのは理解できる。

だが、少し待ってほしい。
例えば、土砂災害や鉄砲水、津波等の被害を受けやすい危険箇所に移転しようとする病院や社会福祉施設があった場合、行政が止めないというのはおかしくないか。
浸水が本当に起こった時、被害に遭うのは患者であり、医療従事者、災害対応や復旧作業で財政出動も出てくる。

済生会の第2期中期事業計画(2018~2022年度)には、「近年の大規模災害の発生状況をみると、激甚災害の発生が頻発しており、本会は、大規模災害に対応すべく、広域災害を想定した複数病院間で連携した災害医療訓練の実施、災害救援活動体制の整備を進める」とある。

その拠点となるべき新病院が、災害危険区域に移転しようとしていることは、総裁であられる 秋篠宮皇嗣殿下、炭谷茂理事長ほか 本部の理事会や評議会のメンバーの方は ご存知ないと想像する。

済生会におかれては、原点に帰り 危険箇所への移転計画の見直しを検討するべきではないか。

北九州市議会では、地元住民から「済生会移転の中止を求める意見書」が提出されたと聞く。
土地選定の経緯を見ると、市議がリストに加えてくれと依頼した土地が、結果的に病院用地となり、市が「移転が望ましい」という趣旨の副申を開発審査会に提出しているなど疑問点も多く、議会での審査も注目したい。

(了)

七社会 子会社に行政処分?

福岡の経済を牽引する七社会、そのメンバーの子会社に 近く行政処分が下されるという噂が飛び交っている。

現在、監督官庁の福岡県が調査を進めているとのことで、時期と期間は未定だが 数日間の営業停止処分となる模様。

この件については、後日 特集を組んで詳細にお伝えする予定だ。

原田義昭氏にエール ~ジェイコスメ被害者の救済を~

公認争いで注目された福岡5区、事前の世論調査で不利ということが分かっていた 原田義昭氏が最後まで譲らず、その結果 立憲民主党の堤かなめ氏に漁夫の利を与えることになった。
党本部が1年以上に亘り問題を先送りし、曖昧な対応を続けてきたことが主因だが、置かれている戦況を原田氏自身が見誤ったことも大きな原因で、大将としては失格である。
早い段階で 栗原渉氏に道を譲っていれば、自民が議席を失うことはなかったし 支持者からは労いの言葉と盛大な拍手で 見送られたことは言うまでもない。


原田氏は、任期直前に永年在職25年で表彰され、国会の席で代表して「政治、行政に関わる立場の人間の真価が問われている」と謝辞の中で述べた。
そう言えば、最近出版した著書のタイトルも、「政治こそ最高の道徳たれ!」だ。

そう、原田氏におかれては、 残りの人生、人間の真価、最高の道徳の範を示して頂けるものと確信している。

原田氏にはまずもって、マルチ商法のジェイコスメの被害者救済に取り組んで頂きたい。
マルチ被害を所管する衆議院消費者問題特別委員会の委員長という要職にありながら、同社の顧問弁護士を務め、同社代表の菅原氏とは懇意にしパーティ等に頻繁に出席するなど、広告塔に利用されたことは紛れもない事実だ。

老後の為に貯えた なけなしの金をつぎ込んで泣いている、数多くの高齢者がいる。
文句が言いたくてもどこに言えばいいか分からない、訴えたくてもお金がない、どうしたらいいか分からない、そのような方が殆どである。

また、こうした詐欺被害の集団訴訟を呼びかける弁護士法人は存在するも、訴訟手数料でひと儲けを企む輩も多く、真に被害者の身になって戦ってくれるか不明だ。


ここは是非 原田氏に、全国の被害者の声を受け止め、同社の資産を差し押さえて、1円でも多く 依頼者にお金が戻るように動いて頂きたい。

選挙前、筑紫野市の原田氏の事務所に 福岡市内に住むジェイコスメの被害女性が 救済を求めて陳情に行ったという話を聞いた。
その時、原田氏は真摯に応対し、「よし分かった」と二つ返事で解決に向けて協力する約束を交わし、その女性は非常に感銘を受けたという。

原田氏には、こうした被害者の救済をライフワークとしてご尽力頂けると信じ、エールを贈りたい。
政治を引退し 今後ポスターを目にしなくなることは寂しい限りであるが、人間の真価、最高の道徳の範を示す国際弁護士として、巨悪をぶった切るようなご活躍を心より願っている。

暴走する山崎せんせい

84歳にして 尚もご盛んな山崎拓元自民党副総裁は10日、都内の料亭で 二階元幹事長、小泉元首相、武部元幹事長らと会食、そこに武田良太前総務相まで現れたということで、ニュースになった。
山崎せんせいの行くところに 不思議とマスコミが待ち伏せしているのは、取材するよう ご自身で連絡しているという噂だ。

衆院選で大阪10区、立憲民主党の辻元清美氏を応援したことについては、「友情だ、立憲の応援ではなく個人の応援」という言い訳を放ち、悪びれた様子もない。
選挙期間中は福岡2区の自民鬼木誠氏の選対本部長という肩書、あってはならない愚行だ。
お陰で 鬼木陣営の事務所は 抗議の電話が鳴り止まず大迷惑を被ったという。
鬼木氏が票を減らしたのは間違いない。

その恩恵を受けたのが 一騎打ちの対抗馬、立憲の稲富修二氏だ。
深夜 九州比例ブロックで立憲が獲得した4枠の4位にギリギリ滑り込んだ。
ちなみに5位の沖縄3区屋良朝博氏とはわずか 0.8ポイント差、鬼木氏の得票があと100票多かったら逆転していた数字である。

稲富陣営にとって神的な存在となった 山崎せんせいだが、大阪の自民党にとっては疫病神、のこのこテレビに出て 火に油を注ぐだけだ。

「せんせい。もうゆっくりなさったらいかがですか?」

「広報ちくご」は私的メディアか

市長選挙が始まった筑後市役所の関係者から、「広報紙の表紙を見て下さい」という連絡を頂いた。

広報紙を発行する自治体は、住民に興味を持って 読んでもらうために いろいろと工夫をするものだ。
特に表紙は重要で、季節ごとの行事に参加した一般市民、特に子どもたちの笑顔の写真が採用されることが多い。
数ある情報のうちどれを掲載するか、どの写真を使うかなど、編集担当職員がアイデアを出し合い、ゲラが出来上がると 管理職、そして最終責任者の首長が決裁するという流れである。

さて、広報ちくご11月号の表紙(下写真)は、建設中の保育園で 子どもたちと市長が写っている写真で、「新しい園舎で何したい?」というタイトルが付いている。
役所の広報では、建物が完成してからお知らせするのが一般的だ。
建設現場に現地視察に来た市長のところに わざわざ園児を呼び出し(ヘルメットも着用せず)
記念撮影をする意味がどこにあるのだろうか。
次ページには、「市への移住・定住のきっかけになる施設となることを期待しています」との市長の言葉まで掲載している。




さらに、ページをめくり 見開きの「ちくご日和 ~まちの話題~」というコーナーには、7つの記事全てに 市長が収まる写真が掲載されている。
福岡市にも 市政だよりがあるが、あの高島市長ですら このようにページを独占しているのは見たことがない。



市長の写真を多用する編集は年間通してなのか、念のため 過去の広報紙を全て確認してみたところ、ここまで市長の写真が多用された例はなかった。
平成29年11月号(下写真)では、表紙が運動会の写真、子どもたちの綱引きに当然市長は写っておらず、また「ちくご日和」は 半ページで、市長が写る写真は1枚だけだ。

広報ちくごは、総務部総務広報課が編集とされているが、自身の写真を多用するよう指示をしたのか してないのかはともかく、発行責任者は市長、広報の私物化と指摘されても仕方がないだろう。

また、選挙管理委員会は 今回の広報11月号の表紙を問題視していないというが、選挙管理委員会の事務局は総務広報課が兼任しているというから驚きだ。

福岡都市圏のある自治体の選挙管理員会の委員は、「公正公平な選挙が行われるよう監督指導すべき選管事務局が、市長選挙のある月の広報紙に現職市長の写真を多用することを 事前に知り得ていたなら、当然 ストップをかけます。福岡都市圏では考えられません。」と話す。

市長直属の総務広報課が選管事務局を兼ねているのは 殆どの地方自治体で同じだが、だからこそ 選挙近くに 広報紙には 公平性を疑われるような内容を掲載しないよう細心の注意を払うものである。

田舎の役所だから何でもありという時代でもない。
選挙は 公平公正に行われるべきで、選挙月に現職市長の写真を多用する広報紙を 平気で発行する市役所を、市民が信用するはずがない。
「法に触れないからいい」ということはなく、市民を分断するようなやり方を 市役所が行うべきではない。

最終責任者は市長だが、編集の決裁をした管理職にも責任がある。
最近の公務員はコンプライアンス意識も高く、今回の広報紙の公平性に疑問を持つ市職員は少なくない。
日々 市民と向き合い 真面目に業務に励んでいる 部下が見ていることを 忘れてはいけない。



 

日本再建の前に政党再建

野党共闘の結果、立憲と国民に明暗

選挙前、立憲民主党が貼り出したポスターには 「日本再建」と書かれていた。
選挙が終わり、議席を減らしたことで 枝野代表と福山幹事長が辞任の意向を示し、新たな代表が選ばれる予定だ。
党内に様々な問題を抱える立憲は、まずは「政党再建」から着手しなければならない。


共産党の妥協で野党統一が実現したことで、選挙区の立憲民主党の候補者が 自民候補と接戦となり、福岡では 5区と10区では勝利した。

しかし、比例票が伸びず 結果的に立憲民主党は議席を減らすことになった。
比例九州ブロックでは、前回7議席(旧立憲3+希望の党4)あった議席が、改選後 立憲は4議席にとどまった。

ただ、立憲に合流しなかった国民民主党が 1議席を獲得、選挙前の政党支持率が1%に満たなかったのに、得票率が4.4%もあったのには 驚かされた。
理由として、(1)連合票が 立憲に向かわず 国民に行ったこと、(2)投票時の立憲と国民の党名略称が同じ「民主党」で案分されたこと、(3)政策が現実的で若い世代に受け入れられたこと などが挙げられる。

ちなみに、選挙ドットコムというウェブサイトに、投票マッチングというコーナーがある。
https://shugiin.go2senkyo.com/votematches/
20の質問に答えれば、最も自分に近い政党を判定してくれるのだが、これまでの集計結果で最も多いのが 国民民主党29%だった。


共産党に対する非礼

野党共闘をワンマンで進めた立憲枝野代表が 責任を取って代表を辞任するのはいい。
だが、その恩恵に預かった者が多数いる。
彼らに「共産党と組むのは止めた方がいい」と言えるだろうか。

選挙前、共産党事務所に出向いて 共産候補を取り下げる様に頭を下げた者もいる。
自民に勝つという大義の下、譲歩している共産へのメリットは少ない。
立憲にとっては 選挙区で共産票をまるごと頂ける。
そのくせ選挙が始まると、共産とは距離を置き 一線を画した風に振る舞う。
中には、党本部が決めたことで 頼んだ覚えはないと、涼しい顔をしている候補者も。

少なくとも、自民党の候補者や街宣車は 「比例は公明へ!」と叫んでいたが、「比例は共産へ!」と 呼びかけた立憲の街宣車はいない。
共産党の街宣車が、「選挙区は ○○候補(立憲)を、比例は 共産に!」と連呼しているのを迷惑がる 立憲陣営もあった。
非礼も甚だしい。
内心穏やかでないと思われるが、気にする素振りも見せず 野党共闘を叫ぶ共産陣営のひたむきさには感心した。

立憲の新執行部では、野党共闘を見直す動きになるかもしれないが、それぞれが今回 受けた恩に対しては 丁寧に対応した上で、次のステージに進んでほしい。


理想は新党結成

今回 立憲と共産は議席を減らしたが、維新は4倍増、野党共闘に加わらなかった国民民主も微増となった。
維新は大阪で、候補者を立てた15区全てで勝利し自民を圧倒、ここに 立憲の進むべき道のヒントがあると言えよう。

平成以降、自民党政治に嫌気がさした国民は、日本新党、民主党、日本維新の会、希望の党と 基本的に保守政党に期待した。
いずれも 自民の議員、或いは政治信条が右の議員らが主導している。


4年前、希望の党から排除された議員が集った立憲は、どうしても左に寄らざるを得なかった。
一方の希望の党は 小池都知事と決別し国民民主に名前を変えたが支持率は低迷、選挙基盤の弱い殆どの議員は 左寄りと分かっていながら 昨年9月、立憲に合流した。
数は増えたが政治信条がバラバラ、根っこが違っていては上手くいくはずがない。
だから、今度党首が代わっても何も変わらないだろう。

選挙が終わったばかりで恐縮だが、敢えて理想を言うなら、政治信条を同じにする者で 新党を結成することだ。
そうすれば、次の選挙前には 国民民主との合流や、関西以外で下部組織のない維新と協力する選択肢も出て来よう。

自民に変わる政権政党の登場を待つ国民は多い。
立憲の党首が変わってそうなれるかどうかだが、期待しないでウォッチしていきたい 。

衆院選・福岡の結果

短期決戦となった衆院選が終わった。
戦前の予想通り、福岡1・3・4・6・7・8・11区は自民候補が無難に勝利したが、注目を集めた2・5・9・10の接戦区は深夜までもつれる結果となった。

2区は自民鬼木誠氏が立憲稲富修二氏の追撃を振り切り、稲富氏も前回に引き続き 比例復活枠に滑り込んだ。
5区は立憲新人の堤かなめ氏が勝利、原田義昭氏が 新人に公認を譲らなかったことが結果的に自民党にとって裏目に出た。
今回、他にも 地方の声を無視して公認候補が敗れた選挙区があり、党本部も 公認の決め方について見直す必要があるだろう。

9区は無所属の緒方林太郎氏が自民三原朝彦氏を破った。
民進党元職だが 連合の支援も受けず、共産候補もいる中での勝利は見事だった。
10区は野党共闘の立憲城井崇氏が接戦で自民重鎮の山本幸三氏をかわした。
北九州市の自民現職2人が敗れたことで、地元支持者からは中央へのパイプが絶たれたとして落胆の声が聞こえてきた。

九州比例ブロックでは、予想に反して 公明党が1議席伸ばして4議席に、国民民主が1議席を獲得、維新は獲得した2枠に4区阿部弘樹氏と1区山本剛正氏が入り、また 比例単独に回った共産現職(10区)田村貴昭氏も 当選した



 

建設土木業者の反乱・飯塚市

建設・土木業者の請願が可決

9月27日の飯塚市議会最終日、市内のSランク建設・土木業者22社のうち 17社が連名で提出した請願書が、14対12の賛成多数で可決された。
この請願は、平成30年度より試行的に導入された、1億5000万円以上の市発注工事に導入した入札制度「総合評価落札方式」の廃止を求めるものだ。

22業者のうち17業者というのは ただごとではない。

飯塚市に限らず、国や地方自治体、それに準じる公共工事の発注者は、これまで公平公正で最適な発注ができるよう試行錯誤を繰り返してきた。
原資は税金、発注銀額は安ければ安いほどいいのだが、出来上がった工事の品質が「安かろう悪かろう」ではよくない。

一般的に業者といっても 技術力はピンキリ、中には素行の悪い業者や 管理能力のない 要注意の業者が存在するのも事実である。
行政はこうした要注意業者が落札した場合、後々 苦労するため 頭を悩ますことになる。


それを避けるために 最近主流となってきたのが総合評価落札方式だ。
「価格」のみで決める従来の落札方式と異なり、「価格以外」の技術提案性能などの項目を評価・加点して落札者を決定する落札方式で、国や県も推奨している。

ではなぜ、飯塚市で いったん導入した総合評価落札方式の廃止を求める請願が提出され、可決されるという事態になったのだろうか。


総合評価落札方式導入で増した不公平感

総合評価落札方式が飯塚市で受け入れられなかった背景には、一部業者の圧倒的な受注額があることが分かった。

同市ではこれまで、一般競争入札において 低入札調査基準価格を事前公表してきた。
公共工事の発注数に対して業者過多、最近の入札は、低入札基準価格で業者が横並びになり、最後はくじ引きで決定する傾向にあった。

業者にとってみれば くじ引きで公平、役所にとっても 最も安い金額で発注できるというメリットはある。
その一方で、前述のようなデメリットもある。
ここに 国・県が推奨する総合評価落札方式を導入すると、こうしたデメリットを克服することが可能になる。

ただ、議会の一部議員からは、同方式では 総合評価ポイントの高い業者のみが落札するという指摘が出ていた。

導入して3年、結果はどうだったか。
平成30年度以降、これまで市発注の1億5000万円以上の工事は7件、合計約49億5000万円の一般競争入札が行われ、市外業者2社、市内の異なる業者5社が代表企業として受注しており、総合評価ポイントの高い業者に集中したとは言いきれない。



しかし、市内業者Sランクの受注額で比較してみると、総合評価ポイント3位の K社が受注1件約17億円で 全体の 57.7%を占めていた。
金額が大きい理由は、令和2年5月に飯塚市新体育館建設工事(約34.8億万円、追加工事費約7億円を含む)を、市外ゼネコンとのJV(JV比率 51:49)で受注したことによるものだ。
また、K社のグループ企業で 総合評価ポイント 1位の S社が 1件約3.3億円で受注しており、グループ合計で約20.4億円、全体の 69.1%を占めている。

そうは言っても、受注全7件中、 K社とS社の受注件数は 1件ずつに過ぎず、むしろ 総合評価ポイント 4位のD社が 2件で計約4億円受注しており、不満が出るまでには至らないと思われる。

取材を進めていくと、不満の要因は まだ他にもあることが分かった。


市発注の工事以外でも

市発注の一般競争入札以外に目を向けると、不公平感が増した理由が見えてきた。

それは、平成30年8月にプロポーザル方式で公募された筑豊ハイツ建て替え工事、そして、令和元年に組合立消防署が行った庁舎及び車庫建設工事の一般競争入札である。

市営の公共施設、筑豊ハイツ建て替え工事は 「設計、施工、運営」をセットにした発注で 、プロポーザルに参加したのは1JVのみだった。
審査の結果、提案は適正ということで K社提案価格 約12.6億円(落札率99.73.%)で受注している。
当時、他業者からは、「条件が複雑な割に公募期間が短か過ぎる」、「もっと安くできたのでは」など疑問の声も上がっていた。

令和元年7月に組合立の消防署が発注した庁舎建設工事は、総合評価落札方式の一般競争入札で、S社が 総合評価ポイント2位のA社とJVを組み、約11.1億万円で受注した。
更に同年9月、同消防署の車庫建設工事は、同じく総合評価落札方式の一般競争入札で、K社が 約2.2億万円で受注している。
ちなみに、この2つの入札いずれも、応札した6社が低入札調査基準価格で横並びになっていた。

この3年間、市発注の一般競争入札に プロポーザル方式と組合立の工事まで含めると、市内Sランクの業者が受注した工事金額の合計は10件約56億円、そのうち K社が約32億円、S社が約11億円、グループで合計43億円、全体の約77%を占めたことになる。

こうした状況を見る限り、他の業者の間で不満が溜まっていったことは頷ける。
今回僅差で請願は可決となったが、多数の業者が連名で S社・K社の王国に真っ向勝負を挑んだとして 注目が集まっている。

自治体を悩ます入札制度

総合評価落札方式そのものに欠点があるわけではなく、S社は福岡県下でも有名な 定評のある業者、発注者側に安心感はあるかもしれない。
ただ公共工事が限られる中、地元の一部業者の独占状態となると バランスを欠き、軋轢が生じるのは仕方がないことだ。
何でもやり過ぎはよくない。程度というものがある。

今回請願に Sランク22社中 17社が署名し議会で可決したが、中には地元新聞社にも取り上げられ、ここまで大ごとになると思わなかったと 後悔している業者もいるという。
請願で要望されている総合評価落札方式を中止しても、問題が解決するとは思えないが、それぞれの立場で 多少 動きが変わってくるだろう。
飯塚市としても請願内容を受け止め、より適した入札の在り方を工夫していくことが求められている。



 

政経懇話会 ~ 広げよう!「ワンヘルス」~

衆院選が終盤を迎える中、また 市長選(11月7日告示)を目前にした筑後市で 27日、自民党政経懇話会が開催され、3名の講師が 「ワンヘルス」をテーマに講演を行った。
入口に 自民党筑後支部が推薦する候補者と立候補予定者のポスターが掲示された会場には約700人が集い、 講演会とは思えぬほど熱気に包まれていた。

ワンヘルスとは、「人と全ての動物の健康と環境の健全性を一体的に守る活動」を指し、人々の生活様式を一変させた新型コロナウイルス感染症が 動物由来ということで、その意義に注目が集まっている。
ちなみに 福岡県は昨年12月、全国初となる「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を制定し、具体的な行動計画策定に取り組んでいるところだ。
→ 福岡県ホームページ「ワンヘルス」

講師のトップバッターは福岡県議会議長で医師の秋田章二氏、欧州の先進的な感染症対策やワンヘルスの取り組みを紹介、また 医師としての実体験から感染症対策の重要性を訴えた。

2人目は 有明海漁連元専務理事の宇野晶氏、市長選立候補予定者だ。
環境保護や自然との共生もワンヘルスの理念、38年間 有明海の自然を相手に働いた中で、大規模な赤潮の被害を受けた有明海再生の取り組みについて紹介した。

最後に登壇したのが 日本獣医師会会長で 県議会議員の藏内勇夫氏、ワンヘルスについて分かりやすく解説した後、新型コロナのような感染症が再び起こる可能性を指摘、感染症センターを誘致する構想についても語った。

講演終了後の参加者の評判は上々で、コロナ禍が続いたこともあって 健康への関心の高さが窺われた。

福岡5区

選挙直前で与野党の候補者が一本化された福岡5区は、マスコミ各社の世論調査では互角の戦いとなっている。

自民党 原田義昭氏は、演説会場に栗原渉氏も参加させ一枚岩をアピール、しかし、原田氏は5区内の県議2名を刑事告訴し、わざわざ記者会見まで開きマスコミに説明、こうした後始末をしないままの選挙戦突入で 栗原氏を支持した地方議員との溝は相当深い。
期日前投票で、投票用紙に「栗原渉」「原田義昭ガンバレ」(いずれも無効票)と書いた議員もいる様だ。

一方、立憲民主党 堤かなめ氏は勢い付いているものの、「ジェンダー平等はいいが、5区の市町村のために何をしてくれるかが伝わらない」という有権者も多い。
応援に辻本清美氏や蓮舫氏など知名度のある女性議員が入っているが、栗原氏の保守票を取り込もうと思ったら逆効果と心配する声も聞く。

残り5日間、互いに負けられない闘い、必死のラストスパートとなる。

コーナンPROが城南区に進出

コロナ禍により自宅で過ごす時間が長くなり、DIYや家庭菜園なども人気で ホームセンターなどの売上は順調に推移している。

福大トンネル東口、旧フタバ図書跡地に、ホームセンターの「コーナンPRO城南片江店(2015㎡)」が進出する予定。
大規模小売店舗立地法に基づく地元説明会が、11月2・3日に片江公民館で開催される。

開店予定日は令和4年5月10日。

コーナンPRO ホームページはこちら

自民党の落選危機リスト

前回の衆院選では福岡県全11区で自民現職が当選した。

最近、落選危機にある与党候補者21名のリストが出回っているが、そのうち3分の1の7名が九州の候補者、福岡県ではなんと3名の名前が記載されている。
引き際が大事という言葉通り、今回の衆院選前には 多くの高齢議員が自ら身を引いたが、県内では当落線上ぎりぎりで挑戦する73歳以上の現職議員がその対象となっている。

「菅総理では戦えない」との声から岸田総裁が誕生したものの、安倍元総理の時代から使われ始めた「忖度」の二文字が未だ受け継がれ、最近の岸田総理は 周囲の圧力に弱く「朝令暮改内閣」と呼ばれている。
更に 野党共闘も進んだことで陰りが見られる今日この頃だ。

こうした中、比例の重複立候補ができない73歳以上の候補者は、落選すれば事実上引退となる。
引き際を間違えて 後悔先に立たずとならないよう、戦って頂きたい。

一夜明けて

10月15日の夕刻、福岡5区の公認が原田義昭代議士に決まった。
明けて16日には、出馬を辞退した栗原渉氏の地元朝倉市で、原田氏が集会を開催するも、参加者は 100名前後だったとの報告が寄せられた。
マスコミが行った支持率調査の全てで、3番手だった原田氏だけに当然と言えよう。

全国数ヵ所において、公認問題で揺れた選挙区があった。
地元の意向と事前の支持率調査の結果「勝てる候補」ということで決定したかと思われたが、福岡5区に関しては 共通項がないダブルスタンダードだった。

5区の支援者から地方議員に寄せられた声は、栗原氏に対する同情の声と 党本部の批判が圧倒的だったという。
さて、これがどう投票行動につながるか。

早くも立憲民主党の堤かなめ氏の当選が囁かれており、前回 小選挙区全 11区で勝利した自民党に黄色信号が点滅している。

河村建夫元官房長官の英断

自民党甘利幹事長から 出馬見送りを打診されていた 山口3区の河村建夫元官房長官(78)が、それを受け入れ 引退する意向を固めたという。

さすが、元官房長官だけあって英断を下されたと思う。
エゴを貫いて 足元から反発されるようでは、何のために政治を行っているのか分からない。
おかげで同区では 保守分裂を回避できた。

そして 同様に 公認が保留になっている福岡5区は、明日15日までに 決定するという。
現職の原田義昭元環境相(77)も全く同じ状況だ。

昨日、共産党の立候補予定者が出馬を取り止め、立憲民主党の堤かなめ氏(60)の支援に回ることを発表した。
このまま保守分裂で選挙に突入すれば、共倒れの可能性は高い。

元官房長官と年齢も近い 元環境大臣にも 英断があるかに注目が集まっている。

福岡6区の立候補予定者

立憲民主党は 福岡6区に新人を擁立すると発表した。

立候補を予定しているのは 元オペラ歌手の 田辺徹氏(60)、2019年の参議院議員選挙では、石川県選挙区から国民民主党公認で立候補したが 落選している。
横浜市出身、経歴を見るとなかなか興味深い人物だ。
告示直前の落下傘での挑戦となるが、自民現職の鳩山二郎氏(42)の牙城にどこまで食い込めるか。

この他に、共産党人身の河野一弘氏(49)、NHKと裁判してる党弁護士法72条違反での新人熊丸英治氏(52)、無所属新人で会社社長の組坂喜昭氏(74)が立候補を予定している。


2019年参議院選の際の田辺氏のチラシ

福岡5区の公認問題

衆議院選告示まであと11日と迫っているが、自民党福岡県連は4・5・6区の公認候補について党本部に対応を委ねるとしている。
各区の支部から異論が出ていたり、そもそも協議の場が設けられていないことが原因だ。

党本部一任となると現職公認になる可能性が高いが、選挙区によってそれぞれ事情が異なっている。
自民が行った事前の支持率調査では、4区と6区は現職の支持率が高く、他にライバルとなる者もいないので、党本部はすんなり現職公認を決めるだろう。

問題は5区だ。
先の総裁選で、現職の原田義昭氏は敗れた河野氏を支持したが、仲良しの甘利氏が幹事長に就任し安堵した模様で、発注したポスターにも「自民党公認」と記載しているという。

しかし同調査では、現職の原田氏が約20ポイント、対する県議の栗原渉氏は34ポイントとリードしている上、支援する団体数や地方議員の数でも栗原氏が圧倒している。
支える地方議員が一致協力していない選挙となると、野党にもチャンスが出てくる。立憲民主党の堤かなめ氏は、同調査で24ポイントだったが、直前に共産党候補が下りると見られており、そうなれば野党共闘で 逆転勝利することも考えられる。

現状では栗原氏優勢だが、野党共闘で 栗原氏・原田氏共倒れもある。
いずれにしても、原田氏にとっては 公認が出ても 厳しい選挙となりそうだ。

5区に限って言えば、自民にとって最善の策は、「原田氏を単独比例に回して、栗原氏公認」、そうすれば 5区から2人の議員を出せるのだが…。
さて、党本部がこの状況をどう判断するのか注目したい。

維新の立候補予定者

衆議院総選挙の投開票まで あと1ヵ月と少し。
自民党の総裁選が連日テレビで放映され、新総理誕生によるご祝儀相場が予想される。
一方の野党は埋没しないよう必死になっており、立候補予定者は早朝辻立ち、昼間は街宣と支援者回りに汗をかく毎日だ。

今回日本維新の会は、九州では福岡1区、2区、4区、10区、及び 宮崎1区に公認候補を擁立する予定だ。
2012年に結党された国政政党でありながら、九州の選挙区の立候補者がわずか5名というのは 寂しいというか、少しお粗末な気もする。

事前の世論調査では、維新の各候補が選挙区で勝利するにはハードルが高いが、宮崎1区では自民の分裂選挙となり 維新候補にもチャンスはありそうだ。

また、比例九州ブロックでは、維新は最低1~2枠の獲得が見込まれ、枠をめぐって候補者同士で惜敗率の争いとなる。
5人の中では、宮崎1区の外山氏が頭一つ抜けており、福岡の4人は今一つ伸び悩み、横一線で並んでいるという。
ちなみに 山川やすひろ氏は比例のみの挑戦で、名簿順位は最下位ということだ。

総裁選、開票始まる

自民党の総裁選挙の開票作業が始まっが、福岡県は党員数 31,952人のうち、投票率が約65%という情報が入った。
これだけマスコミで騒がれているにも拘わらず、35%の党員が投票していないというのも不思議だ。

自民党所属の国会議員には、「党員1千人獲得」のノルマが課せられており、達成できなかった場合は罰則があるという。
その不名誉から免れるため、有権者名簿から本人の了解を得ないで名前を借りて党員登録をしている代議士も少なくない様だ。

今回の総裁選の投票が始まってから、「党員になった覚えがないのに投票用紙が送られてきた」という苦情が多かったそうで、最も多かったのが 河野候補を支持しているご高齢の某議員という話を聞いた。

事情があるかと思うが、さすがにそれは拙いだろう。

原田義昭代議士とマルチの密接な関係

8月5日から8回に分けて、「原田義昭代議士とマルチの密接な関係」という記事を掲載しました。まとめて読みたいというご要望にお応えして、その後の続編を加えて再掲致します。

 

■ 年利23%の現金還元

小泉純一郎元総理が、融資詐欺で代表らが逮捕された㈱テクノシステムの広告塔だったとの報道があったが、詐欺師が政治家や芸能人に近づき利用する例は枚挙に暇がない。
知らずに協力してしまい、被害が大きくなってから気がついて 後悔しても後の祭り。
芸能人はギャラが出て呼ばれるのだから仕方がないとしても、政治家の場合は余程慎重に行動しないと、道義的責任を問われることになる。

福岡5区の自民党現職で 前環境大臣の原田義昭氏(76)であるが、詐欺的なマルチ商法で全国に被害が広がっている化粧品会社と密接な関係だったことから、批判の声が上がっている。

平成26年設立の ㈱ジェイコスメ・ジャパン(東京都 代表者 菅原淳司氏)は、化粧品販売のマルチ商法で急成長した会社だ。



会員は、1口10万8000円で化粧品を購入すると、1pt=1円換算で、入金日の翌々月から毎月 4000pt を10か月間 付与され、10ヶ月目に 10万pt が付与される。
貯まったポイントは商品と交換することができるが、最大の特徴は 3%~5% の手数料を支払えば ポイントを現金化(返戻金と称している)が可能ということである。(但し、契約書等には表記していない。)
年利換算すると 厳密には約23%であるが、「1年で利回り4割、銀行預金より有利」と評判になり 瞬く間に広がった。

また、香港に本社を置くグループ会社 JCOSME HOLDINGS LIMITED.H.Kが発行するJGBコインという仮想通貨を 会員向けに販売するなどして売上を急伸させ、報道によると これまで会員数5万人、化粧品で300億円、仮想通貨で400億円以上を集めたという。

代表の菅原氏は、芸能人を使った派手なパーティを開催するなど、会員を増やすための宣伝費は惜しみなく使う戦略の中で、原田義昭代議士に近づいていった様だ。

㈱ジェイコスメ・ジャパン 菅原淳司代表


■ ジェイコスメ・ジャパンとは

ジェイコスメ代表の菅原淳司氏は、昭和42年生まれ、北海道 旭川東高校から早稲田大学法学部に進学、ノエビア化粧品会社で基礎を学び、マルチ商法の外資系化粧品会社でノウハウを習得、平成23年に化粧品販売を目的にジェイ・シックスの屋号で創業、同25年から香港・タイ・台湾・シンガポールに現地法人を設立した。
今回問題になっている 「ジェイコスメ・ジャパン」はグループ会社として同26年2月に設立している。

菅原氏は、新製品の発表、事業計画の発表、成績優秀者の表彰等を行うワールドコンベンションや、パーティ、懇親会、国内外の旅行など お金に糸目を付けない豪華な催しで富裕層の心を掴むのに成功してきた。
1年に1回 東京品川のホテルで開催されるコンベンションには、辺見マリ、山本リンダ、酒井法子、千葉真一、錦野旦などが出演し 場を盛り上げたという。

平成28年には、東京のホテルにおいて、フランス大使館後援で フランス人デザイナー、エイメリック フランソワのファッションショーを開催、同29年には 韓国で ミス・コリア本選のメインスポンサー、同年 空手の最大派閥である 新極真会の全国大会のメインスポンサーを務めている。

そして、同年(2017年)6月4日に品川で開催されたコンベンションに登場し、来賓挨拶をしたのが 福岡5区選出の原田義昭代議士だった。

来賓挨拶をする原田義昭代議士


■ 1人 最高2億円の被害

10万8000円で商品を購入して 1年後に金利が約23%付いて現金が戻ってくる仕組みは、冷静に考えれば おかしいと思いそうだ。
しかし、いざ自分が当事者で、周りの友人知人が実際に利益を得ているのを見て、しかも現職大臣が太鼓判を押し、熱気の中で言葉巧みに勧誘されたと想像すると、入会していたかもしれない。

ジェイコスメが右肩上がりで会員数を増やしていた平成29年(2017年)頃までは、会員が美味しい思いをしていたのも事実だ。
当初は半信半疑で始めるも 実際に利益が出たことで、次回は 家中の現金を集め、家族も説得して、数倍の額の商品を購入した会員が多い。

しかし、平成30年(2018年) を境に ジェイコスメの資金繰りが悪化し始め、翌令和元年(2019年)には返戻金の支払いが滞り始め、9月になると完全にストップしたという。

詐欺に詳しい専門家は、ジェイコスメの返戻金のカラクリは、「高配当」を謳い文句にお金を集める「ポンジスキーム」と呼ばれる手法と指摘する。
返戻金の原資は運用益ではなく、会員が再び商品を購入する代金によるもので まさに​自転車操業、会員が急増している間は支払いができるが、いずれ行き詰ることは明らかだ。

被害額は人によって様々だが、取材した中で多かったのが 50万~ 2000万円、最も多い方で 約2億円というご婦人がおられた。

現在も ジェイコスメからの支払いは完全にストップしたままだ。
しかし、会社は閉鎖しておらず FAXのみで顧客対応を続けているように装っている。

そして昨年から、損害賠償を求める集団訴訟が全国各地で起こされていることが判った。


原田義昭代議士の事務所で語り合う 菅原代表と原田氏


■ ジェイコスメを訴えた裁判

現在 全国でジェイコスメ(菅原淳司氏)を相手取って30件を超える裁判が行われているという。
そのうち4件の裁判の詳細が判った。

1つは令和2年(2020年)6月、個人が1億0130万円の貸金の返還を求めたものだ。
年40%の運用益があるという虚偽の説明によりジェイコスメの商品代金として同額を支払うも、運用益及び元金も返還されなかったことから、菅原氏と令和2年2月末までに支払う金銭貸借契約を締結したが、期限までに返済されなかった。

あとの3件は 集団訴訟で いずれも同月に提訴されている。
訴額(原告人数)はそれぞれ、約1億5000万円(22名)、3600万円(3名)、2000万円(12名)で、いずれも元金の返還を求めたものである。

原告の弁護士はそれぞれ異なるが、被告 ジェイコスメ側の弁護士は 同一の弁護士が担当している。
被告側の 主張は次の通りだ。

・当初は 1ポイント=1円 としていたが、その額は 経済の状況などで変動することがあると 契約書に書かれている。
・今回、経済の状況、ポイントを巡る規制の強化、会社の債務の増加、他社への会員移動に伴う会員数の減少による経営状況の悪化により、1ポイント=0円とし、返戻制度(ポイントの現金化)を停止した。
・返戻制度、会員サービスとして ポイントを買い取っていたが、サービスなので中止しても問題はない。

確かに、出資法違反に抵触しないように契約書類等には 「現金化」ができることは一切書かれていないが、 勧誘の際に口頭で説明され 公然の秘密だった。
菅原氏はマルチ商法の会社を渡り歩いて 経験を重ねただけあって、訴訟リスクを避けるための法的知識を身につけていた様だ。

各裁判でジェイコスメが和解案を提示しているが、とても妥協できる条件ではない。
判決が出るまでまだ時間がかかりそうだが、各裁判所がどのような判決を下すか注視していきたい。


平成31年1月13日、ジェイコスメ新年会で 環境大臣として来賓挨拶


■ 消費者問題に関する委員長

さて、本題の原田義昭代議士とジェイコスメの密接な関係についてである。

原田氏と菅原氏の関係がいつからかははっきりしないが、平成29年(2017年)1月16日の 原田氏のブログには、菅原淳司氏のことを「友人」と紹介していることから、少なくともその前の年、平成28年(2016年)には 知り合ったものと思われる。

大阪で開催されたその日のパーティに出席するため、雪が降る中 福岡から新幹線「のぞみ」で往復したと書かれており、親密ぶりが窺える。

被害者の一人は、「ジェイコスメと言えば原田代議士、毎回参加していた。環境大臣の時は、福島の原発の視察に行った後 作業服で会場に駆けつけた。パフォーマンスもいいところ、福島の人に失礼ですよ。その後 キムタクのお母さんらと一緒にダンスを踊っていました。」と話す。

原田氏のブログ

実は、原田氏は 平成28年(2016年) 9月26日に 、マルチ商法被害など消費者問題を所管する 衆議院「消費者問題に関する特別委員​会」の 委員長に就任、衆議院が解散する 同29年(2017年)9月28日まで約1年間務めている。
その頃は ジェイコスメの売上が拡大し、被害者予備軍が急増している時期、菅原氏が消費者問題を所管する委員長に 便宜を図ってもらうために近づいていったということは容易に想像できる。

詐欺師が政治家を利用しようと近づくのは世の常、政治家の方がしっかりと見極めをしていかなければならない。
消費者の利益を擁護するはずの特別委員会、その委員長であれば 尚の事、相手がどのような商売をやっているかどうか、事前に調査した上で パーティに出席するべきだったと思われる。


衆議院ホームページ 会議録より


■ ジェイコスメの顧問弁護士

「消費者問題に関する特別委員会」の原田義昭委員長のジェイコスメ応援はまだ続く。

雑誌「財界にっぽん」の平成29年(2017年)6月号に、菅原淳司氏との対談記事が掲載される。
原田氏は 台湾の李登輝氏の「我是不是我的我(私は私のためにあるのではない。公のために働くように生まれてきた)」という言葉を紹介し、「私も公徳心を大切にしていきたい」と述べ、菅原氏も「ビジネスにおいても、社長は会社のためじゃなくて『公』、つまりお客様をどう満足させるかを考えてビジネスをするということに尽きと思う」と応じている。

お金を払って政治家との対談記事を掲載することで、信頼の度合いを高める思惑があったことは明らかだ。

そして極めつけは、あろうことか 原田氏が ジェイコスメの顧問弁護士を務めていたというのである。
このことは昨年2月、週刊誌が特集記事で、「ジェイコスメから月々50万円の顧問料が支払われている」と報じていた。
平成29年(2017年)9月24日に品川で開催された コンベンションでは、ジェイコスメの今後の事業計画のプレゼンが行われているが、その中で 原田氏は顧問弁護士、衆議院消費者問題に関する特別委員長として紹介されている。

原田氏が、同30年12月1日まで顧問弁護士を務めていたことが ある裁判の中で確認されており、マルチ商法被害を所管する特別委員会の委員長が、マルチ被害を広げた会社の顧問弁護士とあっては 世も末である。


ジェイコスメのコンベンションで示された資料


■ 選挙時に400万円の寄附

前述のように、平成29年(2017年)当時、原田氏は マルチ被害を所管する 衆議院消費者問題に関する特別委員会の委員長を務めていたが、9月28日に衆議院が解散され 10月10日公示で総選挙に突入した。

驚くべきは、平成29年(2017年)分の政治資金収支報告である。
10月11日付で ジェイコスメ・ジャパンから 400万円を 自民党福岡5区の支部で寄附を受けていた。

400万円、寄附として 決して小さい金額ではない。
被害に苦しんでいる多くの会員から集めた金が原資、前述の週刊誌は「詐欺の上前を撥ねた格好の原田前環境大臣」と表現している。

今回 損害賠償を求める裁判を起こしている原告の男性は
「2017年9月、品川であったコンベンションで 原田氏が挨拶をしたのを覚えています。消費者問題の委員長ということで、自民党のお墨付きみたいな印象を受けました。」と語った。

また、地元福岡に住む原告の女性は 「令和元年(2019年)6月に 品川のパーティに行った時、原田環境大臣が挨拶で『ジェイコスメはいい会社です。宜しくお願いします。』と言った。それで信用した。直接会って金返せと言いたい。」と述べた。

平成29年分 政治資金収支報告書


自身の言葉で被害者に説明を

原田氏は、結果としてジェイコスメの広告塔として いいように利用されたが、それは無償というわけではない。

平成28年(2016年)9月、衆議院消費者問題に関する特別委員会の委員長に就任、ジェイコスメの顧問弁護士を務め 月々50万円の顧問料を得ていたという。

同29年(2017年)には 同委員長と顧問弁護士の 肩書で ジェイコスメのパーティやコンベンションに来賓として挨拶、乾杯の音頭を取ったり、経営者向け雑誌で菅原氏と対談記事が掲載されるなどして、ジェイコスメの信用度アップに貢献した。

同年の解散総選挙に合わせて ジェイコスメ菅原氏から400万円の寄附を受けている。
その後、同30年(2018年)9月に環境大臣に就任後も 同社のパーティやコンベンションに来賓として毎回出席を続け、令和元年(2019年)6月のパーティに出席したことが確認されている。

その僅か3カ月後の9月には、 ジェイコスメから会員への支払いが完全にストップ、経営破たんが表面化している。

一連の流れを見ると、法的な責任はともかくも、政治家として道義的責任は免れようもない。
詐欺まがいのマルチ商法の弁護士としての顧問料や政治献金を得て、結果的に被害者を増やすことに加担してしまったことは事実である。

原田氏におかれては、被害者に対し 自身の言葉で事の経緯とその責任について説明し、謝罪する必要があるだろう。
国民を守る政治家として、原田氏がどのような対応をするか注視していきたい。


■ フライデーに抗議の原田氏

原田義昭代議士が 8月13日、自身のFacebookで 「週刊誌の『誹謗中傷と選挙妨害』に厳しく抗議する」という記事を書いている。

原田義昭氏のFacebook記事はこちら

フライデー(講談社)が  8/20・27号で 「原田義昭衆議院議員に”投資詐欺”被害者の怒りが爆発」と報じた内容に対してだ。

現在、その記事は フライデーデジタルでも読むことができる。
集めたカネは400億円超…麻生派現役議員に被害者が怒りの告発!

Facebook で原田氏は、ジェイコスメが破綻したこと、複数の出資者との間で債務不履行・損害の発生等の事件を引き起こしていること、自身が同社と親交を持ち顧問弁護士を務めていたことを認めている。
この点については、「およそ政治家、議員たるもの、企業などの招きのあった会合、催しには喜んで出かけて、その企業への祝辞などを述べることは極く普通であって、私は同社を含めて東京、福岡を中心に何十の企業と関わりを持つ。」と説明している。

また、「それら企業がその後に起こす刑事民事の法的問題に対して、『宣伝塔』になったとして責任を問われることは絶対にない、何らの因果関係がないからである。」と述べている。
更に、記事の内容が「原田氏がジェイコスメの『宣伝塔』となり出資の際の動機となったとして賠償責任があるかの印象づけをしている。選挙妨害のニュアンスが色濃い。」として批判し、法的措置も辞さないとしている。

残念なのは、その文面から 老後資金を失った方、友人関係や親子関係がずたずたになった多くの人々への配慮が微塵も感じられないことだ。
法律の専門家の立場から、「因果関係がないから『宣伝塔』になっても責任がない」と言われるならその通りかもしれない。

だが 取材の中で、福岡県在住の方が「原田大臣がパーティでジェイコスメを良く言ってたので信用した」という証言があったのも事実である。
自身が顧問弁護士を務めていた企業が原因で、生きる希望を失った人たちがいる。
原田氏にとってそれは、取るに足らない出来事なのだろうか。

政治信条より勝ち馬に乗ること

衆院選を控える中の総裁選挙、それぞれの政治家の先生方が何をもって総裁を選ぶのかが注目されている。
福岡5区の原田義昭先生は河野太郎氏の支持を表明しており、これまで原田氏を評価してきた保守層、特に日本会議系から批判の声が上がっている様だ。

原田先生は、自身のFacebookで 河野氏を支持する理由を述べてはいるが、苦しい言い訳にしか聞こえない。

原田先生 Facebook 

普段は「反中共」「尖閣列島防御」など威勢の良い言説で 保守層から評価されてきたが、河野氏とは政治信条が全く異なっている。
確かに同じ麻生派所属ではあるが、今回は派閥の拘束はなく、自身が目指す日本の姿に最も近い総裁を選ぶチャンス、原田先生にとってみれば 今回の4候補の中で 最も近いのは 高市早苗氏だろう。

櫻井よしこ氏は、「河野支持に3回生以下の衆院議員が群がっている。自身の政治基盤に自信が持てず、党の顔に人気者を据えて自らの足らざるところを補ってもらおうとの思惑が透けてみえる。」と河野氏を支持している若手議員を厳しく批判している。

原田先生は7回生の大ベテランだが3回生らと変わらない。
党公認を確実にするために 勝ち馬に乗ろうとしていると思われても仕方がないだろう。



 

マスコミも呆れる原田先生

空気を読めないというはこういうことか。

福岡5区の自民現職、原田義昭議員が、10日午後に記者会見を行うとの連絡が、地元テレビ局及び新聞各社に入った。
折しも中央では同じ麻生派所属の河野太郎大臣が、総裁選出馬会見を行おうとする直前、何らかの政局に関する発言、或いは自身の進退かと各社が関心を持ったのは言うまでもない。

そこで原田氏は2点について 報告したという。

1点目は、5区内の自民党県議が4月、「自民党福岡県連5区支部」という実在しない組織名の肩書を用いて文書を配布したとして、二人を福岡地検に刑事告訴しているというもの。
しかし、文書の内容に誤りは無かったということで、記載ミスとして片付けられる程度の話の様だ。
それ以前に、同じ支部内の県議を訴えるという醜態を晒し、支部長の資質を問われるものだ。

2点目は、原田氏の名誉を棄損し 選挙妨害に当たる出所不明の怪文書が出回っているため、刑事告訴したというもの。

「女性の会」という団体が、マルチ商法で全国に被害者を出しているジェイコスメと原田氏について、昨年2月の週刊誌が報じた記事をコピーして、「反社会的詐欺師の片棒を担ぐ原田氏は国会議員に相応しくない」とした内容である。

しかし、記者から「週刊誌に書かれている顧問弁護士を務めていた事と 400万円の寄付を受けたのは事実か」という質問があり、原田氏は「事実だがそれと告訴は別の議論」と答えた。
また、「道義的責任があるのでは」と問われ、「私が広告塔として損害を与えたということは認めないし、責任はない」と ジェイコスメ被害者が聞いたら怒り出すような回答をしている。

約40分間の独演会に 出席者はほとほと呆れ、翌日ニュースにしたマスコミは無かったという。
10月1日に喜寿を迎える原田先生だが、周囲にアドバイスをしてくれる人はいないのだろうか。
何だか可哀そうになってきた。