博多駅にワンヘルス啓発自動販売機

福岡県は人獣共通感染症や薬剤耐性菌など、様々な分野にまたがる問題に対応するため、「人の健康」「動物の健康」「環境の健全性」を1つの健康として 一体的に守っていく「ワンヘルス」の取り組みを推進している。

動物由来とされる新型コロナウイルス感染症が猛威を振るったことで、感染症対策の重要性があらためて見直され、福岡県の多岐にわたる取り組みは 内閣からも高い評価を得ている。

昨年10月には、ワンヘルスの理解促進を目的に一般社団法人ワンヘルスライフ協会(理事長 永江靜加氏)が設立された。
そして、その趣旨に賛同したコカ・コーラボトラーズジャパン㈱の協力の下、キャッチフレーズやロゴがデザインされた「ワンヘルス活動応援自動販売機」の設置を進めており、このたびJR博多駅博多口に設置されることとなった。

27日の除幕式には、全国初となる「ワンヘルス推進基本条例」を制定した服部誠太郎福岡県知事も参加し、本取り組みへの期待の言葉を述べた。
ワンヘルスライフ協会は、今後も自動販売機を県内各地への設置を進め、ワンヘルス の普及啓発を行っていくとしている。


左より、鐘ヶ江理恵 博多駅長 、古宮洋二 JR九州代表取締役社長、藏内勇夫 アジア獣医師会連合会長、服部誠太郎 福岡県知事、香原勝司 福岡県議会議長、池田和隆 コカ・コーラボトラーズジャパン ベンディングエリア営業本部長、永江靜加 ワンヘルスライフ協会理事長

藏内氏接戦を制す・筑後市県議選

9日、福岡県議選と福岡市議選の投開票が行われ、注目の筑後市選挙区(定数1)では、現職の藏内勇夫氏(69)が新人で元副市長の北島一雄氏(66)を僅差で退け10期目の当選を果たした。

蔵内 勇夫 自現 9,889 (当選)
北島 一雄 無新 8,237

北島氏には、西田市長や元議長の原口英喜氏、公明党の支援に加え、表では藏内氏を応援しながら藤丸敏衆院議員が動いているとの話も聞かれた。
県議選に挑戦するため、任期途中の今年1月10日付で副市長を辞職しているが、この時点ではかなりの勝算があった様だ。

アジア獣医師会連合会長、自民党県議団相談役等を務め、県政トップと言われる藏内氏だが、令和3年11月の市長選挙で藏内氏が推す新人候補が現職の西田正治市長に敗れた経緯があり、かなりの危機感を持って臨んでいた。
過去4回が無投票、本格的な選挙は20年ぶりということで、後援会を固め直すところからスタート、小まめに集会を開催し対話を重ねていった。

厳しい戦いが予想される中、流れが藏内氏に傾いたポイントは 3月19日に行われた公開討論会ではなかろうか。
経験に勝る藏内氏がこれまでの実績に加え 今後のビジョンと個別政策を詳細に説明したのに対し、北島氏は具体性に乏しく役者の違いを印象づける内容だった。
出席者約300人のほか、動画配信で2000人以上が視聴しており、浮動票への影響は少なからずあったと思われる。

怪文書拡散の元副市長立候補?

元副市長が立候補を表明

4月に行われる統一地方選で筑後市選挙区(定数1)が注目されている。
同選挙区は自民党県連相談役で現在9期目の藏内勇夫県議(69)の牙城で、直近4回は無投票だった。

その藏内氏に対抗して立候補の意向を示しているのが、先月10日付で副市長を辞した北島一雄氏(66)で、勝利を確信している様だ。
理由として、(1)令和3年11月の市長選において2期目を目指す西田正治市長が 藏内県議らが支援する新人候補を退けたこと、(2)副市長として知名度がアップしたこと、(3)原口英喜前議長や公明党議員など市議会の半数を押さえていることなどが挙げられるだろう。

 

出回った怪文書

しかし、北島氏について気になることがある。
市議選に落選し浪人中だった令和2年の秋、「全農パールライスが日清製粉工場跡地を、業者が買った価格の3倍で取得(3億3千万円 → 9億5千万円)、これは背任行為で地元大物議員が関わっている」という趣旨の文書が市内に出回った。
配布元は「農業の自立を考える会」としか記載されていない怪文書、読む人に藏内県議の関与を想像させるもので、全部で5回ほど配布された。

その後、同団体の代表者が地元で知られた農業従事者の下川氏で、JA組合員を同団体に勧誘していることが判った。
北島氏も個人ブログでその怪文書の画像を添付して拡散、11月2日には「全農パールライス背任行為、説明を求める仲間を募集します。入会の御案内、ある人が立ち上がりました。私も入会して活動をしっかり応援していきます。」と入会を呼び掛けた。

こうした中、同年12月議会の最終日、北島氏を副市長に選任する議案が提出された。
一部議員が、「事実関係を確認もせず、藏内県議を意図的に犯人に仕立て上げようとする団体の関係者は副市長として相応しくない」として反対したが、「賛成9・反対7」の僅差で可決、北島氏は副市長に就任する。

続く令和3年3月議会において、弥吉治一郎議員から「農業の自立を考える会の会員になったことはあるか、関わりがあるのか」と尋ねられ、北島副市長(当時)は 「副市長に就任する前に違法行為を働いていたならば資質を問われるかもしれないが、そのようなことはないので答弁しない」と明確に答えなかった。
つまり、「怪文書拡散に関わっていても違法行為ではないので、副市長としての資質に問題なし」ということになる。

 

政争の具に使われたJA組合員

それから2年経つが、そもそも疑惑には根拠がなく、当時勧誘されて集まったJA組合員は「考える会」を離れ、活動は停止している様だ。
また、土地取引の売買価格については、当事者と不動産仲介業者以外では市役所内部しか知り得ない情報で、何者かが不正にその情報を入手し、JA組合員に流し疑念を抱かせるよう誘導した可能性がある。

西田市長は議会で、「内部調査の結果、市から漏洩していない」と答弁しており真相は闇の中だが、土地の価格が3倍になったという情報を最初に掴んでいたのは 原口前議長ということが判明している
結局、JA組合員は政争の具に利用されただけではなかろうか。

こうした経緯があっての北島氏の立候補表明、藏内県議を追い落とす怪文書を拡散させた張本人だけに市民から疑問の声が出始めている。