田川バイオマスに新事実、政治不信は県議会でも [2024年2月20日09:10更新]

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政治とカネの問題、岸田総理の生ぬるい対応に政治不信は増すばかりだが、それは自民党の国会議員に限ったことではない。
福岡県議会副議長で立憲民主党所属の佐々木允県議に関する「政治とカネ」の問題を、弊社やネットメディアが報じてきたが、その後説明責任を果たす気配は全くない。

参考記事 → 県議が県道用地取得に担保提供 (2023年11月21日)

ところで、バイオマス発電所の火災のニュースが続いており近隣住民の不安は増しているが、田川市に建設中のバイオマス発電所について、計画当初から佐々木ファミリーが関与していたことが窺える新事実が出てきた。

 

計画前から県に問い合わせ

これまで 佐々木氏は SNS上で「あくまでも民間の工事であり、田川市役所や私自身を含め関係ありません」と自身の関与を否定していたが、バイオマスの計画当初から事業者の南国殖産の代わりに県の出先機関「飯塚市農林事務所」に問い合わせを行っていたことが判った。

平成30年12月13日には 発電所建設予定地の農振除外の進捗について、また、同31年4月23日には 追加用地確保のため隣接地を農振除外するにはどうしたらよいか、佐々木氏から直接電話で問い合わせがあったという。
南国殖産が田川市に「木質バイオマス発電所設置事業計画」を提出したのが、平成31年1月25日なので 佐々木氏の電話はそれよりも前、計画段階から関与していたということである。

つまり、南国殖産は 田川市に計画書を提出する前に、糒地区に建設地を決めて 農振除外の手続きを開始していた。
佐々木氏は 平成30年12月時点で既にそのことを知り 業者のために行動していたことになる。

 

父親が排熱利用を目的に農地購入

ただ、佐々木氏は業者のためだけに動いた訳ではなさそうだ。
というのも、バイオマスの排熱を利用する計画に、佐々木氏の父親の名前が出てくるからだ。

前述の「田川木質バイオマス発電基本計画」の中に、熱利用基本計画という項目がある。
南国殖産と加賀デバイス㈱が主体企業となり、(仮称)田川ほしい農業㈱を設立し地元営農者(法人含む)が出資、発電所周辺の農地4ヘクタール7ブロックにハウスを32棟建設し、排熱を送りミニトマト、ベビーリーフ、ハーブなどの野菜を栽培することが記されていた。

驚いたのは、その後の調べで当該農地の区画のうち、同年3月25日付でバイオマス発電所の北側計 1606平米を 佐々木氏の父親が購入していたことだ。
当初から熱利用が予定されている場所で営農するつもりだったと想像される。





また、計画ではバイオマス発電所の稼働は当初 平成33年2月予定とされていた。
平成33年は令和3年のこと、現在佐々木氏の母親が理事長を務める社会福祉法人の事業として、介護施設の近くのハウスで「あまおう」を栽培中だが、始めたのは令和3年度(4月~)なので、バイオマスの稼働時期と符合する。

バイオマス発電所建設の手続きの遅れや想定外のコロナ禍で計画の日程が狂ったが、佐々木ファミリーは 令和3年度から 佐々木氏の父親が取得した土地でバイオマスの排熱を利用し「あまおう」栽培をする予定だったのではと 関係者は見ている。

バイオマス発電所誘致に前のめりだった佐々木氏が 建設のデメリットを考慮せず、また地域住民の意向も聞かず、身内に優先して利益が入るように動いたとすれば問題ではなかろうか。



バイオマス発電所の火災のニュースが続いており近隣住民の不安は増している。
「あの誠実な佐々木さんがそのようなことをするはずがない」という支持者もいる。
「清潔な県議会議員」を標榜するからには、弊社や 他のメディアが指摘している点も含め、バイオマスへの関与についても住民に説明を尽くし、疑念を払拭する必要があるだろう。

福岡11区でただ一人の 立憲民主党の県議会議員が、疑惑に対し沈黙を続けたままで 県政全体への信頼が揺らいでいる。
立憲県連の城井代表の対応にも注目が集まっている。