市民不在の行橋市議会 ① ~予算否決、副市長も不在に~ [2023年3月23日07:55更新]

「弱いものいじめはダメ」、学校では当たり前の言葉だが、自治会・職場・サークル・団体、仕事の取り引き、政党、民族、国家、力の強い者が弱い者を虐める構図はどこにでも存在する。
良い子の皆さんにはあまり知ってほしくないが、世の中そんなもんだ。

さて、昨年2月に三つ巴戦を制した行橋市の工藤政宏市長に市議会が攻勢を強め、市民不在のまま大荒れとなっている。
過去に少数派の支援を受けた候補者が首長に当選するケースはあったが、多数派の議会が当初予算案に加え副市長人事案まで否決した例は聞いたことがない。

工藤市長は就任以来、東九州道「今川PA交流拠点整備事業(概算約45億円)」の中止や、国際公募彫刻展「ゆくはしビエンナーレ」も今年度限りでの打ち切りなど、前市長が進めてきた施策の見直しを進めてきた。
一方で、反市長派が過半数を占める市議会では、昨年4月の臨時議会で「教育委員会委員の選任」案が否決されたのを皮切りに、市長提案議案の否決が始まった。

6月議会では「市職員駐車場を確保するための条例改正」案が否決され、9月議会では「企業誘致に関する条例改正」案など3議案が否決、空席だった「副市長の選任」案は事前の会派代表者会議の説明で批判が相次いだため提出も見送られた。
続く12月議会では「機構改革」案が否決となり、その後は 市長を照準にした「市採用試験受験者に関する個人情報漏えい問題を調査する特別委員会(百条委員会)」が設置されるに至った。(同委員会については次回説明)

そして、今月20日に閉会した3月議会では更に厳しいことに。
当初予算案の反対討論に立った井上倫太郎市議は、「口先だけの予算を続けさせるわけにはいかない。市民の皆様の生活に迷惑をかける可能性があることを理解しているが、自らの失職も覚悟し、近い未来に行動を起こすことを誓い、反対する」と述べ、採決の結果、賛成少数で否決となった。
新年度からの予算執行が出来ないため、市長は予算の組み直しを余儀なくされる。

また、昨年9月に見送った「副市長の選任」案が改めて提出されたが、賛成少数で不同意となり、現在定数2の副市長を1に戻す条例改正案も否決、3月末に現副市長が退任予定のため4月からは副市長2人が不在となる異常事態だ。
この他にも、昨年の9月定例会で否決された議案なども否決されている。

とにかく、工藤市長がカラーを出そうとする議案については全て否決、徹底して市長を引きずり下ろそうとする意図が窺える。

ー 続 く ー