世襲の是非を問う町長選 [2023年3月1日10:51更新]

任期満了に伴う新宮町の町長選挙(4月18日告示、23日投開票)は、現在までに長﨑琢也氏(52)と桐島光昭氏(59)の2名が名乗りを上げている。

長﨑氏は3期務めた長﨑武利町長(81)の長男、家業の酒類販売会社役員を経て、平成28年から昨年12月末まで宮内秀樹衆院議員の秘書を務めた。
一方の桐島氏は、同町職員として健康福祉課課長、都市整備課長、政策経営課課長などを歴任した。

新宮町はこれまで、都市基盤整備を計画的に進め、大型商業店舗を誘致するなど利便性が向上したことで、子育て世代が移住し成長を遂げている。
そのため両者共に現町長の路線を継承する方向性は同じで、争点は世襲の是非になりそうだ。



国会議員や県議会議員の世襲はよく聞くが、地方自治体の首長の世襲はあまり馴染みがない。
現職の世襲首長としては、青森県むつ市の宮下宗一郎市長(2期目)、大分県姫島村の藤村昭夫村長(10期目)の例がある。

一方、平成30年6月の青森県五所川原市の市長選と同31年4月の大阪府池田市の市長選において、いずれも現職市長の長男が出馬したが一騎打ちで敗れている。
地盤・看板・かばんを兼ね備えていても必ず勝つとも言い切れない様だ。

最近は岸田総理が政務秘書官に起用した長男・翔太郎氏の「公用車で土産」問題や、前述の岸前防衛相の長男・信千世氏が公式サイトに「家系図」掲載など、国民感情を逆撫でする報道が続き世襲への風当たりは強くなるばかり。

8年ぶりとなる町長選挙、新住民も含め有権者が世襲の是非をどう判断するか注目だ。