北九州の社福で大量退職 [2024年4月26日09:27更新]

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北九州市を中心に介護事業を展開する社会福祉法人で、半年間のうちに40人以上の職員が退職したという。
待遇面が改善されないことや管理職によるハラスメントなどが原因で退職に至った様だ。

退職した方から興味深い話を聞いた。
昨年末、高齢男性の施設利用者に30代の女性介護士が養子縁組を持ち掛け、利用者にその介護士名義で車を購入させる事件があったという。
介護士は養子になるため配偶者と既に離婚していたという信じ難い話で、事実なら財産目当てで事件性もある。

幸い利用者の親族がこれに気づき、車代の一部は返金され介護士は退職したとのことだが、社福が警察に被害届けを出した形跡はなく、不祥事が表面化するのを避けた様だ。
この問題の責任者でもあり職員大量退職の原因をつくった管理職が一度降格するも、1ヵ月で管理職に復帰するという人事が行われ、職員の間で不満が高まっている。

この法人の実質オーナーも、例によって異業種の会社を経営し地元では知られた存在である。
令和の時代、職員の待遇面の悪さや不祥事を隠蔽すると思わぬしっぺ返しがある。

平成9年、高齢者を社会全体で支え合っていく仕組みづくりを目的に介護保険法が成立したが、そこで大挙して参入してきたのが政治家や異業種の経営者だ。
政治家の親戚や建設業のオーナーが社会福祉法人を設立し、介護事業をスタートさせた。

誰が運営しても利用者と従業員の満足度が高ければ構わないが、営利優先でサービスが悪いケースや、稀に入所者への暴力や虐待などガバナンスが利いていない社福もあるので要注意だ。
営利優先で介護に対する思いが希薄な経営者らは意識を変える必要があるが、できるかどうかはオーナー次第である。