管理会社が逃げ出したタワマン(前編) [2024年4月5日08:33更新]

昨年11月の弊社記事で、福岡市中央区の高級タワーマンションを管理していた会社が、管理組合の理事長・副理事長による嫌がらせ、いわゆるカスハラに耐えかねて撤退したと報じた。

嫌がらせで管理会社が撤退(2023年11月6日)

そして今度は、東区にあるタワーマンションの管理会社が撤退したという情報が寄せられた。
2019年竣工の同マンションは 地場上場会社が主となって販売、管理はグループ会社が行っていたが、昨年2月末に同社が撤退し、現在はマンションの管理組合が自主管理しているという。

上場会社グループが販売管理をするマンションから、管理会社が撤退すればイメージが低下し 今後のマンション販売にも響くので、通常は考えられない。
そこで、直近の総会資料を入手し 事実関係を確認した。

資料の報告事項に、「管理会社が外注した業者が仕事をせず、退勤時刻を誤魔化すなど悪質極まりないものだったため、業務不履行として返金を求めたが、外注業者について詳細な調査も行わず一切応じなかった。管理会社は外注業者を守りマンション管理組合に非があるとして、管理委託契約を一方的に解除してきた。理事会から住民説明会開催を再三求めたにも拘わらず、一切応じなかった」とある。

また、同じく総会資料に、管理組合の元理事長で現在は 顧問の肩書の A氏(女性)についての記述が興味深い。
以下要約。

・現在顧問契約を交わしているA様と、顧問料月額25万5000円で契約更新した。
・当マンションは様々な課題に直面していたが、管理会社はこの規模の管理が未経験で状態が悪化、さらに不正行為もあって金銭的運営的に損害を被った。
・こうした問題解決には専門的な知識とスピーディな対応が必要だったが、管理組合と理事会の力では解決が困難だった。
・こうした経緯を踏まえ「理事会」で検討した結果、様々な問題に無償で、無休 24時間体制で取り組んで下さっていた当時の理事長のA様が顧問として適任と判断され、顧問契約を交わした。
<実績>
A様は、外壁塗装問題の折衝、違法改装の解決、管理会社の業務引き渡し、共有設備の管理会社と折衝、コンシェルジュ・用務員・清掃員・夜間警備員の配置と指示、違法な不動産取り引きの停止、共有部分の改善、管理費の削減、理事会への助言など、多岐にわたる問題等に対して積極的に取り組み、住人に対しては掲示物による周知を行うなど顕著な成果を上げた。




以上の資料から、管理組合の理事長だったA氏と 管理会社が対立し、管理会社がやむを得ず撤退、現在は管理組合が自主管理するに至ったことが分かった。

ー 続 く ー