大川の駅構想

「家具のまち」として知られる大川市、近年は量販店の勢いに押され、人口も毎年約500人ずつ減少(3月末で3万1450人)するなど衰退傾向は否めない状況だ。
こうした中、有明沿岸道路を活用し、近隣から人を呼び込む拠点づくりとなる「大川の駅」構想が、今年度ようやく事業化に漕ぎ着けた。

大野島IC北側約5haに、飲食や産直・物販、木工クラフト振興、環有明海の魅力発信、眺望・アクセスといった機能を兼ね備えた施設を造る計画で、「道の駅」と「川の駅」の機能を併せ持つ。



事業費は約60億円、市の負担は6割程度となるが、好調なふるさと納税等の基金で賄える額とされる。
今年度に地盤改良及び盛土の工事に取り掛かり、並行して12月までにDBO方式で業者選考を行い、令和10年3月中の開業を目指している。



一方で、計画に反対する団体が署名活動を始めている。
配布されている文書(下図)には 【大川市の将来を考える会】とあり、有志として56名の氏名が書かれ、元県議や現職の市議4人の名前が含まれている。
「大野島に開業予定の100億を大幅に超える『大川の駅』(道の駅・川の駅)計画の見直し・撤回を求め」とあり、署名を求める内容となっている。

市によると、100億円に根拠はなく令和2年に市民参加で整備推進協議会が設立されて以降プロセスはHPで公表されているほか、市議会でも手続きを踏んで進められており、批判は当たらないという。

同文書は発行元が不明で怪文書の類に当たるとの指摘や、名前の記載がある人から「賛同していないのに無断で名前を使われた」という苦情が寄せられており、関与していると思われる現職市議の責任を問う声も上がっている。
地元関係者の間では、「大川の駅」構想が政争の具に使われているに過ぎないとの見方が多い様だ。