頼母子講にご用心 [2023年10月17日10:22更新]

タグで検索→ |

頼母子講をご存じだろうか。
その歴史は古く 参加者が決められたルールでお金を出し合う互助会のようなものだ。

3年程前、頼母子講を行っている経営者のグループがあった。
会員は12人、毎月1回集まって 1人10万円の掛金を支払うので120万円集まる。
まとまった金が必要な者が札を入れ、最安で落とした者が総取りできる。
但し 権利は1年間に1度だけ。
120万円と落札金額の差額は、権利を行使していない会員に均等分配する仕組みだったという。

世間の金利の高い頃は流行ったと言われている頼母子講、傍目には面白そうだが 思わぬ落とし穴が…。

旧知の仲間に誘われて そのグループに参加した建設会社経営のAさん、飲食店経営のメンバーの1人がヤクザの組長とは知らず続けていたが、ある時その組長が逮捕された。
その後、組長の資金の流れの捜査の過程で、頼母子講のグループLINEにAさんがいたことから 任意で事情聴取を受けることになった。

Aさんは「組長とは知らなかった」と主張したが 状況証拠等から密接な関係があったと県警が認定、その後、公共事業からの排除措置通報がされ、各公共機関で入札が指名停止とされたばかりか、銀行口座を凍結され 瞬く間に倒産に追い込まれた。
Aさんは現在、取調べのやり方に違法性があったとして裁判で争っているが、倒産した会社は元には戻らない。

ちょっとした興味本位で参加した遊び、そのせいで 築き上げてきた地位を失い、多くの社員とその家族の生活も一瞬にして変わってしまった。
悔やんでも悔やみきれなかっただろう。

現代の頼母子講は、警察の目には「堅気の遊び」には映らない様だ。
皆さんも ご用心を。