推薦巡り自民と民主系、共にねじれ

任期満了に伴う筑紫野市長選挙(1月15日告示・22日投開票)、これまで現職で4期目を目指す藤田陽三市長(80)と 11月に県議を辞職した平井一三氏(68)が名乗りを挙げているが、「推薦」を巡り 与野党共にねじれが起きている。

まずは自民党、10月23日に 筑紫野市支部が平井氏を推薦を決めたにも拘わらず、11月6日に県連が藤田市長の推薦を決定したことを 地元紙が報じた。
これは党組織の在り方の問題、我々の関知するところではないが、現在も支部では県連の決定に納得しておらず、今後 更に亀裂が深まりそうだ。

民主党系もねじれている。
藤田市長は野党からも推薦を取り付ける目的で 10月半ばに自民党を離党、国民民主と立憲に推薦願を提出し、国民民主は早々と推薦を出した。
しかし、立憲は一般市民から市長に関する苦情が多数寄せられていたことや、市役所内の空気が最悪で痛ましい事故が起こったことなどの事情を考慮し推薦は出さない方針、自民党を離党した藤田市長としては思惑が外れた格好だ。

選挙において政党推薦は大きな意味を成すが 「ねじれ」るようであれば逆効果、市民から見たら とんだドタバタ劇だ。

自民・元県連会長が離党?

来年1月の筑紫野市長選まであと3ヵ月となった。
藤田陽三市長(80)が このほど自民党を離党し、無所属で立憲民主党に推薦願を出したという話だが、立憲内部からは 反発の声が上がっている様だ

ある党関係者は、「自民党元県連会長の藤田市長は、4年前も自民党を離党して国民民主党から推薦を得ていますが、その後自民に復党していたと思われます。というより、本当に離党していたかどうかすら疑わしい」と語る。

一般的に、「離党届」を支部や県連に提出しただけでは 離党にはならず、あくまで党本部が受理したら正式な離党となる。
初めから離党するつもりはなく、形式的にいったん離党届を県連に預け、他党から推薦が出たら離党届を取り下げた可能性があるというのだ。

いずれにしても、推薦を得るために 離党・復党を繰り返すというのが事実なら、立憲も随分舐められたものである。
今回 推薦にあたっては、離党届が受理されたかの確認が必要となるだろう。

また、弊社記事「再出馬表明に呆れ声(2022年8月10日)」で報じた通り、市長の恐怖支配が進み 職員たちが疲弊しているという中で、あろうことか立憲県連の幹部の中に強引に推薦を出そうという動きもある様だ。
政党の存在意義を考えれば 自ずと答えは見えてくるはずだ。

同時に、自民党筑紫野支部においても、自民党籍の立候補予定者と無所属の立候補予定者の両方から推薦願が出された場合、どちらに推薦を出すのかにも注目したい。

それぞれの組織が何を大切にし優先するのか、また、スジを通すのか否か、多くの関係者が見ていることをお忘れなく。



 

比例の結果からみる各党の今後

比例の結果を見ての感想。
相変わらず 各党、歌手・芸人、スポーツ選手のオンパレードで人気競争、恥を知りなさい。
それでもしっかり仕事をしてくれれば良し、巨泉氏や田嶋氏みたいにすぐ辞めないで下さい。

自民は 得票率では前回衆院選と殆ど変わらない(34%)が8議席増、1人区で野党が統一候補を立てられず 自滅したのが勝因。
立憲と国民、旧民主という括りで 得票率が 5.7ポイント減、議員 8名を減らした。
スター気取りの支援団体の会長が 自民に擦り寄るなど引っ掻き回したのも一因だが、野党共闘なしでは生き残れないことを 所属議員らは改めて認識したのでは。
崖っぷちの泉代表。

公明は比例で1議席減、得票数は 618万票と 前回衆院選より 約93万票の大幅減。
共産は比例で2議席減、得票数が361万票と 前回衆院選から 約55万票減らしている。
いずれも実働部隊の高齢化という問題があり、共に危機感を募らせる。

維新は改選議席を倍増させたのはいいが、関西以外に地方組織が育たないのが課題。
ここにきて代表が辞任、副代表の吉村市長も代表戦には出ないとしており、発信力が低下する可能性がある。

共産が減らしたリベラル票の受け皿となった れいわ、山本太郎氏が選挙区で勝ち国政復帰したことで 再び勢いが出るか。
N党と参政はYoutubeを効果的に使った戦略で1議席ずつ獲得。
特に参政は反グローバルを明確に打ち出している唯一の政党、展開次第では伸びる可能性がある。



 

公示直前、親戚に逮捕者

公示直前になって福岡選挙区で立候補予定者の親戚が、暴力行為法違反の疑いで筑後署に逮捕された。
報道によると、父親と息子、息子の知人2人で 娘の元交際相手の男子高校生を呼び出し、「お前横着かね」「殺すぞ」などと脅迫、本人も容疑を認めているという。

かわいい娘が酷い仕打ちを受けたため、止むに止まれず犯行におよんだと勝手に想像するが、複数人で脅かしたとなれば同情の余地はない。
昭和の時代なら あるある話、だが今はスマホで録音や位置情報が分かる時代、証拠と共に通報されれば言い逃れはできない。

地元では既に 立候補予定者との関係が話題になっており、最悪のタイミングに 関係者の悲鳴が聞こえてきそうだ。

立憲から有力女性候補・福岡5区

保守分裂で注目されている福岡5区だが、4月6日の立憲民主党 常任幹事会において、堤かなめ県議(博多区選出)の衆院小選挙区総支部長が承認された。
1年で2人の新人候補が辞退した5区、党本部としては ベテランの現職県議擁立で3度めの正直としたいところだ。
これで福岡5区の立候補予定者は 立憲の堤氏、自民現職の原田義昭氏、自民で前県議会議長の栗原渉氏、共産で前筑紫野市議の古賀新悟氏の4人となった。

保守分裂のまま解散総選挙となった場合、前回 希望の党の楠田大蔵氏が 96675票を獲得しており、堤氏にも十分勝機はある。
女性候補というのも追い風だ。
但し、5区では知名度が低いため、勝利を引き寄せるには 共産との野党共闘が絶対条件となるだろう。


第48回衆議院議員総選挙 福岡県第5区
(投票日:平成29年10月22日)

一方の自民、支持拡大中の栗原氏は、区内7支部のうち福岡市南区、那珂川市、春日市、大野城市、甘木朝倉の5支部から、そして 170団体40企業から推薦を得ており、3月26日には福岡県農政連から推薦状が交付され、近く県医師会からも出されるという。
更に、大野城市長や那珂川市長からも「為書き」が贈られていたが、支部推薦が出ていない筑紫野市の藤田陽三市長からも届けられ、足場を固めている。



現職の原田氏は、最近 小泉環境大臣との2連ポスターを貼り出した。
支持者には、「自民党の公認は自分に出る」と支持者に電話掛けを行い、県農政連の推薦が栗原氏に出たことについては、「推薦決定の手続きが非民主的で透明性もない」という文書を配布しているという。
党本部が「次期衆院選は原田氏公認、原田氏の後継に栗原氏」という調停案を出したのが昨年12月、しかし 栗原陣営の勢いは継続しており、原田氏にとって「公認」だけは何としても死守したいところだ。

4月4日には、山口泰明自由民主党選挙対策委員長が来福し、県連幹部から現況の説明を受け、党本部に持ち帰った。
4ヶ月前とは地図が全く塗り替わっているのも事実、9割近くの保守系の地方議員や団体が栗原氏支援を表明する中、現職を公認し保守分裂で共倒れになることも考えられ、党本部としても判断に悩むところだろう。

最短で4月末に解散、5月11日公示、23日投開票という週刊誌報道もある。
コロナ第4波で先行き不透明だが、両陣営は本番さながらの戦闘モードに入ってきた。