維新参戦で三つ巴

解散風が吹く中、日本維新の会が衆議院福岡5区に元県議会議員(春日市選挙区)の松尾嘉三氏(54)を擁立する方針と報じられた。
松尾氏は 4月の統一地方選で県議4選を目指すも惜敗、その後 自民党を離党し維新から国政挑戦を決めた。

前回 第49回(2021年)は自民 現職 原田義昭元環境相と立憲 新人 堤かなめ氏の一騎打ちだったが、選考段階の保守分裂が影響し原田氏への支持が広がらず堤氏が競り勝った。
今回 まだ候補者が出揃ったわけではないが、自民・立憲・維新の3つ巴戦として予想してみる。

自民党は 元県議会議長の栗原渉氏(57)が準備を進めている。
これまで11万票を下回ることはなかったが、前回の保守分裂のしこりが残っている上に、4月の統一地方選では軒並み自民が票を減らしており、油断すると10万票を切ることも考えられる。

民主系(希望・立憲)は、その時々で票の振れ幅が大きく、今回は維新が浮動票の受け皿になるため 堤氏にとって前回より厳しい選挙になるだろう。
減らすにしてもどの辺で食い止めるかであるが、10万票台なら勝ち負け、8万票まで減らすと比例復活も難しい。

維新の得票数については第46回(2012年)の選挙が参考になる。
橋下ブームに乗り、維新新人で落下傘候補の吉田俊之氏が 4万6416票を獲得、目下の維新の勢いは当時を思い起こさせる。
選挙区で勝利するまでにはいかないが、松尾氏が5万票前後を獲得すれば 比例復活する可能性はじゅうぶんにあるだろう。


 

一夜明けて

10月15日の夕刻、福岡5区の公認が原田義昭代議士に決まった。
明けて16日には、出馬を辞退した栗原渉氏の地元朝倉市で、原田氏が集会を開催するも、参加者は 100名前後だったとの報告が寄せられた。
マスコミが行った支持率調査の全てで、3番手だった原田氏だけに当然と言えよう。

全国数ヵ所において、公認問題で揺れた選挙区があった。
地元の意向と事前の支持率調査の結果「勝てる候補」ということで決定したかと思われたが、福岡5区に関しては 共通項がないダブルスタンダードだった。

5区の支援者から地方議員に寄せられた声は、栗原氏に対する同情の声と 党本部の批判が圧倒的だったという。
さて、これがどう投票行動につながるか。

早くも立憲民主党の堤かなめ氏の当選が囁かれており、前回 小選挙区全 11区で勝利した自民党に黄色信号が点滅している。

河村建夫元官房長官の英断

自民党甘利幹事長から 出馬見送りを打診されていた 山口3区の河村建夫元官房長官(78)が、それを受け入れ 引退する意向を固めたという。

さすが、元官房長官だけあって英断を下されたと思う。
エゴを貫いて 足元から反発されるようでは、何のために政治を行っているのか分からない。
おかげで同区では 保守分裂を回避できた。

そして 同様に 公認が保留になっている福岡5区は、明日15日までに 決定するという。
現職の原田義昭元環境相(77)も全く同じ状況だ。

昨日、共産党の立候補予定者が出馬を取り止め、立憲民主党の堤かなめ氏(60)の支援に回ることを発表した。
このまま保守分裂で選挙に突入すれば、共倒れの可能性は高い。

元官房長官と年齢も近い 元環境大臣にも 英断があるかに注目が集まっている。

福岡5区の公認問題

衆議院選告示まであと11日と迫っているが、自民党福岡県連は4・5・6区の公認候補について党本部に対応を委ねるとしている。
各区の支部から異論が出ていたり、そもそも協議の場が設けられていないことが原因だ。

党本部一任となると現職公認になる可能性が高いが、選挙区によってそれぞれ事情が異なっている。
自民が行った事前の支持率調査では、4区と6区は現職の支持率が高く、他にライバルとなる者もいないので、党本部はすんなり現職公認を決めるだろう。

問題は5区だ。
先の総裁選で、現職の原田義昭氏は敗れた河野氏を支持したが、仲良しの甘利氏が幹事長に就任し安堵した模様で、発注したポスターにも「自民党公認」と記載しているという。

しかし同調査では、現職の原田氏が約20ポイント、対する県議の栗原渉氏は34ポイントとリードしている上、支援する団体数や地方議員の数でも栗原氏が圧倒している。
支える地方議員が一致協力していない選挙となると、野党にもチャンスが出てくる。立憲民主党の堤かなめ氏は、同調査で24ポイントだったが、直前に共産党候補が下りると見られており、そうなれば野党共闘で 逆転勝利することも考えられる。

現状では栗原氏優勢だが、野党共闘で 栗原氏・原田氏共倒れもある。
いずれにしても、原田氏にとっては 公認が出ても 厳しい選挙となりそうだ。

5区に限って言えば、自民にとって最善の策は、「原田氏を単独比例に回して、栗原氏公認」、そうすれば 5区から2人の議員を出せるのだが…。
さて、党本部がこの状況をどう判断するのか注目したい。

ホラふき大臣

次期総選挙に向けて、各地で自民党の公認争いが続いているが、長崎4区は 福岡5区と 全く同じ構図となっている。

長崎4区では、現職の北村誠吾衆院議員(74)について、複数の支部から交代を求める声が上がり、瀬川光之県議(59)が自民党長崎県連に同区の新たな支部長として選任するよう求めている。

失言で有名な北村氏、2020年9月17日の地方創生大臣引き継ぎ式で、自身の47都道府県の視察達成に触れ、「47回って相当ほら吹いてきましたから。後の始末をよろしくお願いします」と述べた時は 誰もがぶっ飛んだ。
その後、地元で十分な説明をしないまま、総選挙前の8月になって 支援者に陳謝し選挙への協力を求めるなど、対応の悪さが際立っている。

一方の福岡5区、北村氏は失言だけで済んでいるが、マルチ商法の顧問弁護士を務めた上に400万円の寄付を受けている原田義昭前環境大臣の場合は、数多くの消費者に実害が出ているだけに深刻だ。(詳細は下記の特集記事に記載)

北村氏74歳、原田氏は10月1日で77歳、大臣も経験し そろそろ後進に譲ってはという声が多いが、ご本人たちに聞こえているのだろうか。

【 特集記事 】
原田義昭代議士とマルチの密接な関係(8月5日~26日)



 

 

 

福岡5区立憲、堤かなめ氏

福岡5区 立憲民主党の立候補予定者は、これまで2人続けて辞退しているが、3人目の堤かなめ氏に期待が集まっている。

2019年12月、大分県出身の女性(36)が総支部長に就任していたが、コロナ禍で配偶者の事業が厳しくなるという理由で 2020年6月に辞退、その翌月の 7月に、カナダと日本で薬局を経営しているエリート男性(41)が総支部長に就任したが、2021年2月、スキャンダルが表面化する前に 僅か半年で辞退することとなった。

二人は5区に縁もゆかりもない 「落下傘」で、地域に思い入れがないことも大きな要因で、党本部の人選の在り方にも問題があったと思われる。

その後、2ヵ月程空席が続いたが、4月になって 福岡県議会議員 3期目の 堤かなめ氏(博多区選出)が 総支部長に就任することとなった。
「2度あることは3度ある」という諺があるが、今度こそ大丈夫な様だ。
堤氏は、幼少時代を太宰府市~大野城市で過ごした筑紫っ子だ。

女性議員の比率を増やしたい 枝野幸男代表も、4月17日の堤氏の出馬会見に同席した上、7月18日の事務所開きにも出席するほどの力の入れ様だ。
5区は保守分裂が濃厚になり、共産党との野党共闘が実現すれば 最低でも比例復活が見えてくる。

立憲民主党の今後を占う選挙区として、興味を持って見守って行きたい。


立憲民主党 ホームページより

原田氏への期待は低く・福岡5区

最近 福岡5区内で 原田義昭前環境相のポスターが増え、本番前にアクセルを踏んでいる様子が窺える。
7月16日の原田氏のFacebookでは、林裕二朝倉市長、田頭喜久己筑前町長及び福岡県農林関係者の 農水大臣への陳情に同行したことを報告、「地元の課題、要請を如何に政府の政策に現実に反映させるか(現場対応)が絶対的に必要となる。地元のためにも必ずやお役に立てるものと確信しています。」と綴った。

地元首長と連携している点を強調したかったと思われるが、当の首長らは原田氏に対しての期待は非常に低くなっている様だ。
翌17日には、栗原渉氏の 朝倉地区事務所開きが開催され、帰福した 林市長、田頭町長、それに渋谷博昭東峰村長が駆け付け、林氏が挨拶に立ち栗原氏を激励した。

8期も務めた国会議員、今さら「お役に立てるものと確信」はないだろう。
それなら何故 地元5区内の県農政連はじめ農林水産関連の団体、ほか各種団体の支持が得られなかったのか…。

原田氏については、全国で被害が広がっているマルチ商法の広告塔として大活躍したことが分かっており、東京から記者が来福し取材中という話だ。



 

栗原渉氏を支援する団体と地方議員(福岡5区)

全国数カ所で、次期衆議院選挙に向けての公認争いが勃発する一方で、中には潔く後進に道を譲るベテラン議員もおられる。

福岡5区では、現職の原田義昭議員(76)には 公認を譲る気持ちはなさそうだが、選挙区内の 団体や地方議員らの支援はどれだけあるのだろう。

反対に 立候補を予定している栗原渉県議には続々と支援の輪が広がっている様だ。
6月現在の推薦団体と、支援する地方議員の名前が分かる資料が手元に届いたが、あまりの数の多さに驚いてしまった。

原田議員に関しては、マルチ商法で全国に被害が広がり 複数の裁判沙汰になっている ジェイコスメ(菅原淳司氏)との関係が取り沙汰されており、週刊誌が動き出している様だ。



潔い男の引き際・富山2区

5月25日、富山県の自民党県議の上田英俊氏(56歳、6期目)が、次期衆院選富山2区から出馬する意向を表明、激震が走った。
前日には、現職で元1億総活躍兼沖縄北方担当相の宮腰光寛氏(70歳、8期目)が 9選出馬を目指して 結束を確認したばかりだった。

保守分裂選挙となるかと思いきや、その後の対応が早かった。
翌26日、宮腰氏が記者会見し、次期衆院選には出馬せず政界を引退することを発表したのだ。

「今回は出馬し、次回は世代交代を考えていた」ところまでは 福岡5区の原田義昭氏と同じだが、分裂選挙は避けなければならないということを優先し、上田氏が立候補を表明したことで、「決断を下すのであれば、いつまでもぐずぐずしている訳にはいかない」と述べたという。

即断・即決・即実行、潔い男の引き際として、地元関係者は歓迎している様だ。

公認を決めるのは地方から・自民党

組織というものは、敵が強い時は一つにまとまるが、弱いと脆くなると言われる。
体たらくの野党を尻目に、自民党の地方組織が各地で揺れている。

徳島では、1区現職の後藤田正純氏を公認しないよう、県連が党本部に申し入れた。
また、高知県連は、前回衆院選で比例復活した山本有二氏ではなく、前高知県知事の尾﨑正直氏を擁立する方針を党本部に伝えている。

そして、福岡5区では 現職の原田義昭氏が出馬予定だが、自民県連や農政連など 多くの団体が 次期衆院選で 県議の栗原渉氏支持を表明している。

本来、小選挙区の代表は 地域のために働く人物になってほしいというのが 地域有権者の願いだ。
ある国会議員の場合、地域行事には小まめに顔は出すが、地元自治体の将来展望についての話は一度も聞いたことがない と地元県議が話す。

自民党の国会議員は現職優先、党本部が決めるとされている。
組織の規律を保つための一つの手法だろうが、「国会に行く代表者は 選挙ごとに 地方組織で決める」というのも 自然な考えだ。
地方組織が これまでの実績等で審査して、基準に満たない場合は公認願いを出さないという仕組みがあってもいいのでは。

自民党のことだが、日本の将来がかかっているので ついつい ボヤいてしまった。



 

立憲から有力女性候補・福岡5区

保守分裂で注目されている福岡5区だが、4月6日の立憲民主党 常任幹事会において、堤かなめ県議(博多区選出)の衆院小選挙区総支部長が承認された。
1年で2人の新人候補が辞退した5区、党本部としては ベテランの現職県議擁立で3度めの正直としたいところだ。
これで福岡5区の立候補予定者は 立憲の堤氏、自民現職の原田義昭氏、自民で前県議会議長の栗原渉氏、共産で前筑紫野市議の古賀新悟氏の4人となった。

保守分裂のまま解散総選挙となった場合、前回 希望の党の楠田大蔵氏が 96675票を獲得しており、堤氏にも十分勝機はある。
女性候補というのも追い風だ。
但し、5区では知名度が低いため、勝利を引き寄せるには 共産との野党共闘が絶対条件となるだろう。


第48回衆議院議員総選挙 福岡県第5区
(投票日:平成29年10月22日)

一方の自民、支持拡大中の栗原氏は、区内7支部のうち福岡市南区、那珂川市、春日市、大野城市、甘木朝倉の5支部から、そして 170団体40企業から推薦を得ており、3月26日には福岡県農政連から推薦状が交付され、近く県医師会からも出されるという。
更に、大野城市長や那珂川市長からも「為書き」が贈られていたが、支部推薦が出ていない筑紫野市の藤田陽三市長からも届けられ、足場を固めている。



現職の原田氏は、最近 小泉環境大臣との2連ポスターを貼り出した。
支持者には、「自民党の公認は自分に出る」と支持者に電話掛けを行い、県農政連の推薦が栗原氏に出たことについては、「推薦決定の手続きが非民主的で透明性もない」という文書を配布しているという。
党本部が「次期衆院選は原田氏公認、原田氏の後継に栗原氏」という調停案を出したのが昨年12月、しかし 栗原陣営の勢いは継続しており、原田氏にとって「公認」だけは何としても死守したいところだ。

4月4日には、山口泰明自由民主党選挙対策委員長が来福し、県連幹部から現況の説明を受け、党本部に持ち帰った。
4ヶ月前とは地図が全く塗り替わっているのも事実、9割近くの保守系の地方議員や団体が栗原氏支援を表明する中、現職を公認し保守分裂で共倒れになることも考えられ、党本部としても判断に悩むところだろう。

最短で4月末に解散、5月11日公示、23日投開票という週刊誌報道もある。
コロナ第4波で先行き不透明だが、両陣営は本番さながらの戦闘モードに入ってきた。

栗原氏支持が定数の過半数超え・福岡5区

3月13日、春日市のクローバープラザにおいて、次期衆院選に福岡5区で出馬の意向を示している、栗原渉前県議会議長を支援する「くりはら渉さんを支援する議員団の会」が開催された。

自民党所属の議員を中心に、公明党所属や保守系議員らが参加、議員団の会の会長に就いた加地邦雄県議(南区選出)は、あと1期で引退を表明した現職を「鞘を捨てた小次郎」に例え、一致団結して栗原氏を支えていく決意を述べた。

現職との関係が近い市議らが多い筑紫野市・太宰府市を除き、栗原氏の地盤の朝倉市・筑前町・東峰村をはじめ、大野城市・春日市・那珂川市の保守系議員は全員が参加、福岡市南区の市議は5区(4小学校区)を地盤にしている議員で、いつ選挙があっても戦える体制づくりが着実に進んでいる様だ。

これで、5区内で栗原氏支援を明確にした市町村議員数は 82名となり、議員定数の過半数を超えたことになる。



くりはら渉 筑紫後援会発足式

12月19日午後、大野城市まどかぴあで前県議会議長、栗原渉県議の後援会発足式が開催された。
既に甘木・朝倉後援会は組織されているが、栗原氏の国政挑戦表明を受けて、票田となる有権者45万人の筑紫地区(筑紫野市・太宰府市・大野城市・春日市・那珂川市)における戦う体制づくりのため、新たに立ち上がった。
後援会会長にはナガノ電気㈱(本社 福岡市博多区)代表の長野正治氏が、副会長には筑紫地区から4名がそれぞれ就任した。

発起人代表の井上順吾県議(大野城市選出)の挨拶の後、自民党県連常任相談役の蔵内勇夫県議が登壇し、「党本部は一つの見解を出し、ボールをこちらに投げたが、これからも県連として一本化できるよう努めていく」「栗原氏を自民党の国会議員として押し上げていきたい」と述べた。

また、筑紫地区市長会の代表として、武末茂喜那珂川市長が登壇し、「自身の後援会を挙げて、栗原氏を応援していきたい」と、かなり踏み込んだ応援のメッセージを送った。

その後、栗原氏が登壇し、「課題は現場にある。現場を知り課題解決と地域経済の発展に取り組み、しっかりした社会を創って次の世代に残していきたい。」と力強く決意を述べた。

現職の原田義昭氏が、次の次は栗原氏を後継にすると明言した様だが、既に5区内の保守系の市町村議員88名が栗原氏支持を表明しており、流れは栗原氏に傾きつつあるようだ。


地方議員によるガンバローコール

朝倉市・朝倉郡の県議選挙

定数2議席の朝倉市、朝倉郡を選挙区は、現職、新人を合わせて5人が立候補しており、中でも現職の栗原渉氏は自民党の公認を得て、圧倒的な強さでリードし当選が確実視されて、選挙事務所はのんびりと茶飲み友達が集う場所になっている。

残り1議席を新人4人が争う形になっているが、2番手には自民党の推薦が出ている二又隆幸氏の模様で、現在は朝倉市長となった林裕二氏の県議時代に秘書を長く務めていた経歴が功を奏している。

しかし福岡5区選出で自民党衆議院議員原田義明氏の秘書であった古賀三春氏も、相応の支持が広がっており、2議席目を狙って追い上げているようだ。

また侮れないのが、杷木町の町長経験を持つ中島玲子氏で、
「朝倉に新しい動きを!」をキャッチ・フレーズに、65歳で立候補を決意した精神には脱帽で、台風の目になる可能性もあったが、もう少し決断が早ければ、更に有利な戦いが出来たと思われるが、今は前進有るのみで頑張って欲しい。

候補者の中で残る1人は御年68歳の、元市議会議員の経験者である熊本米秋氏だが、運動員も高齢者が多い為に、運動に伸びが見受けられないのが残念だ。



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