大東亜戦争のどこが悪い

陸上自衛隊第32普通科連隊が、SNSで「大東亜戦争」という言葉を使って投稿したことが問題視されている。
同連隊は批判を受けてSNSから削除した。

問題視と言っても、一部のマスコミが咎めているだけだ。
4月7日の大手新聞に掲載された記事には、
「同隊は5日、硫黄島で日米合同で開催された戦没者の追悼式に参加したことをXの公式アカウントで紹介。『大東亜戦争 最大の激戦地硫黄島』『祖国のために尊い命を捧げた日米双方の英霊のご冥福をお祈りします』などと投稿した。」
とある。

記事は「日本は1940年、欧米からアジアを解放し『大東亜共栄圏の確立を図る』との外交方針を掲げ、41年12月の開戦直後に『大東亜戦争』と呼ぶことを閣議決定した。戦後、占領軍の命令で『大東亜戦争』の呼称は禁止された。」で結ばれている。

確かに、GHQの命令で強制的に「大東亜戦争」の呼称は禁止された時期はあるが、現在は占領されていないのだから何ら問題はないはずだ。




過去には、国会においてこの呼称に関する質問がされ、政府が公式見解を出している。

平成19年1月26日付で、鈴木宗男衆院議員が「大東亜戦争の定義等に関する質問主意書」を政府に提出し、
一 大東亜戦争の定義如何。
二 太平洋戦争の定義如何。
三 大東亜戦争と太平洋戦争は同一の戦争か。
と尋ねている。

それに対する政府の答えは、
一について、昭和16年12月12日当時、閣議決定において「今次ノ対米英戦争及今後情勢ノ推移ニ伴ヒ生起スルコトアルヘキ戦争ハ支那事変ヲモ含メ大東亜戦争ト呼称ス」
二について、「太平洋戦争」という用語は、政府として定義して用いている用語ではない。
三について、「太平洋戦争」という用語は政府として定義して用いている用語でもなく、お尋ねについてお答えすることは困難である。
であった。




つまり、「太平洋戦争」は政府として定義して用いている用語ではなく、政府が「太平洋戦争」という呼称を使用しなければならない、或いは「大東亜戦争」を使用してはいけないということではない。

なぜ、こうした重箱の隅を突つき、最前線で奮闘努力をしている自衛隊員の士気を下げるような指摘がされるのか、本当に理解に苦しむ。