知事選の候補者選定 自民は白紙状態に!? [2010年12月3日14:35更新]

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麻生渡知事の5選出場断念で注目が集まっている来春の知事選候補者選定。先月末、自民党の有力候補として朝日新聞がいち早く小川洋氏の名前を報じた。

西日本新聞も時を同じくして同氏擁立を報じたが、朝日の1面掲載を知った西日本があわてて記事にしたような感じも紙面から読み取れた。いずれにしても、大手紙が相次いで報じたことで、自民の候補者はすでに決定済みと思っている方も多いだろう。



ところが2紙が小川氏の名前を報じた直後から、自民福岡県連内部で不協和音が流れ始め、ここへ来て候補者選定は白紙状態になった-との声が漏れ聞こえて来たから面白い。

新聞社に情報を流したとされる「有力国会議員A氏事務所のメンツは丸潰れの状況に追い込まれた」「優秀な人材の芽を摘んだ、実に惜しい」などといった関係者の声も聞かれる始末だ。

 

福岡市長選の最中から、関係者の間で同氏の名前は取り沙汰されていたのは確かだ。 ところが、事前の根回しもなく頭越しの新聞報道に多くの県連幹部が驚いたのが現実という。今回の小川氏擁立工作に関わったとされる、北九州市選出の某県議の動きに対して他の国会議員や県議が強く反発、小川氏に決まる可能性は極めて低くなった。

麻生知事が現在行なっている事業の継続を願い、後輩の官僚である小川氏を担ごうと一部国会議員や県議と水面下で話を進めたようだ。院政を引きたい気持ちも理解できるが、一方で、政治の世界は筋や順序を尊重する習慣が残っており、新聞を使って既定路線化を狙った行為が、逆に凶と出たと言っていいだろう。

 

競馬の世界に「やせ馬の先走り」と言う言葉があるが、まさに今回は自民・民主両党の候補者選定に当てはまる。自民の小川氏、民主の古賀一成衆院議員ともに早い段階での表面化、あるいは出馬宣言が、結果的に失敗へとつながってしてしまった。

「両党とも、知事選候補決定までにはまだまだ波乱が起きるのは間違いない状況」と多くの関係者が語っている。