怪しげな高額手形・再び~今度は50億円の手形!!

平成28年12月13日、「怪しげな高額手形と、その裏書人たち」と題して、額面7億8500万円の偽造手形の件を報告した。
ところが、今度はそれをはるかに上回る高額手形が現れ、その支払いを巡って裁判がはじまった。(前回の記事はコチラから)

手形額面は、なんと50億円ちょうど。
登場人物はほぼ同じ。

振出人は異なるが、受取人を含む裏書人9名の中で6名が重なっている。
前回の手形同様、受取人である第1裏書人から第7裏書人まで、登場人物は全員、既に亡くなられておられる。
最終裏書人の1枠前の裏書人は、前回と同じ様に、博多駅近くにあった建設関連企業だったが、既に所在不明。
そして最終裏書人が前回と同じ個人企業。

前回の手形と今回の手形の違いを列記すると下記の通り。
●前回
手形額面 7億8500万円
振出銀行 福岡銀行西新支店
貼付印紙 1000円
振出日付 平成22年12月5日
支払期日 平成28年7月25日
●今回
手形額面 50億円
振出銀行 熊本信用金庫詫麻支店
貼付印紙 なし
振出日付 平成23年2月15日
支払期日 平成28年9月20日

前回の手形同様、どこからどう見ても、偽造手形そのもの。
しかし、1つだけ違ったのが、最終裏書人が裁判所に訴えたということだ。

最終裏書人の本気度を示しているのが、訴状とともに1100万円余りの経費を支出しているということ。
1102万円分の収入印紙が貼付されているという。

福岡地裁で先週、第1回目の公判が行なわれた。
そこで早速訴状を入手し、次回さらに詳しく報告いたします。

ご期待下さい。

怪しげな高額手形と、その裏書人たち

かつて信用調査といえば、手形割引業者との情報交換は欠かせなかったが、近年は手形そのものの発行数が激減しているため、商売にならないとして廃業する割引業者が増えており、問い合わせも少なくなった。

そうした中、久しぶりに高額手形の問い合わせがあった。
額面7億8500万円の手形で裏書人が10名。
この10名の裏書人の大部分は、どう考えてもこうした訳のわからない手形に、裏書するような人物や企業ではなく、おまけに貼ってあったのが僅か1000円の印紙だったこと。
手形振出日は平成22年12月5日で、支払期日が平成28年7月25日。
どこからどう見ても、偽造手形そのもの、という雰囲気。

ところで裏書人10名は、福岡市内に多くの不動産を所有する会社や、北九州を代表する600億円の売上規模を誇るスーパー、同じく北九州の飲食チェーン店創業者、また東京本社の上場飲食チェーン店、南九州の漁協理事長などで誰もが知っている企業。
おまけに第八裏書人までは、皆さん既に亡くなられておられる方々ばかり。
最後の第十裏書人の住所を確認したが、地図上には無かった。

また、手形振出人を確認するため住所を尋ねたが、表示されている住所そのものが無い。
当然だが、電話は不通。

おそらく、この手形は流通していなかっただろう。
何らかの「見せ手形」だったのだろうと推察されるが、どういう使われ方をしたのか今のところ不明。

追加取材の真っ最中ですので、判明次第、順次報告してまいります。


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