噂に時効なし

年が明けて久留米市や糸島市の市長選挙が行われ、これから行橋市長選挙、宮若市長選挙、宮若市議会議員選挙が控えている。

県内には指定暴力団、五代目工藤会、道仁会、太州会、四代目福博会、浪川会の5団体が存在するが、過去にはその人脈が かなり首長や地方議員に複雑に浸透し、裏での集票活動も目が離せない時期もあった。

一昔前までは政治家や支援者の中に、フロント企業への関わりや 汚点の処理を暴力団を利用し解決したという過去を持つ者も少なくない。
だが、噂に時効はなく、世間には記憶力が優れている人がいて、一度口に出すとあっと言う間に広がり、長年に亘って築き上げた地位が崩れることもある。

上昇志向が強い人ほど周囲が見えなくなる傾向があるが もう時代は変わった。
一度過去を振り返って、おとなしく静かに暮らすことだ。

元暴力団の地方議員

福岡県宮若市の国道沿いにひときわ目を引く店舗がある。
龍にサイコロの絵、それにTATOO STUDIO、刺青師などの文字が書かれている。
それを見て先輩から聞いた話を思い出した。

昔の市町村議会、特に県の北東部には 元暴力団で背中に彫り物を背負っている議員も珍しくなかったという。
議員はある意味 調整役、行政と有権者が土地の問題などで揉めた時などに、上手に話をまとめていた側面もある様だ。

上は議員そのものが元暴力団というケースだが、現職議員が指定暴力団のフロント企業の役員だったという例もある。
県警の活躍で議員は逮捕、数年後 20億円以上の負債を抱え企業は倒産に追い込まれたが、今のご時勢、政治家と暴力団の関係が1ミリでもあったらアウトだ。



 

 

どうなる、北九州市

8月24日、工藤会トップ総裁 野村悟総裁(74)に対し、福岡地裁 足立勉裁判長は死刑判決を下した。

市民を襲撃した4つの事件の直接関与が争点であったが、88人の証人尋問や間接的な証拠の積み上げで、組織犯罪の首謀者として認めた判決内容だったが、被告側は到底納得しておらず、今後も高裁・最高裁まで裁判は続くと思われる。

工藤会は最盛時には 組員800人と言われたこともあったが、現在は 200人前後にまで減少した。
それを補っているのが 組織に属さない 元暴や 反グレと呼ばれる者たちで、直接的な関係は結ばず、案件ごとにアウトソーシングの形態をとっており、県警も詳細にはそれらの実態を把握しきれていないという。

これまで裏社会の秩序は、暴力団よって保たれてきたと言えるが、今後は 表社会から はみ出した人達が 合法・非合法を含め 様々な形で 生業を得ていくことが考えられる。
工藤会の姿が見えなくなったとしても、企業はもちろん 個人においても十分用心することだ。

噂が噂を呼ぶ

福岡県警は、一般人を巻き込んだ事件を起こした北九州市の工藤会に照準を絞り壊滅作戦を行い、トップ5の逮捕をはじめ、象徴であった本部事務所を解体し売却、作戦はほぼ成功したと言って良いだろう。

昨秋から暴力団を取り締まる県警四課は、久留米、朝倉、浮羽地区の土木建設業界から内偵を始めていたが、地元業者を業法違反の微罪でもって逮捕し、糧道を断ち兵糧攻め作戦で道仁会本体を、真綿で首を絞めるようにじわじわと攻めている。

当面の目標になっているのが、久留米市に本社を置く業者だが、最近は力の四課に二課知能犯の精鋭を投入し、暴力団を利用し陰に隠れ暴利を得ている設計事務所の一味を逮捕すべく、東京まで網を広げ内偵を続けている情報も漏れ聞こえてくる。

暴力団の嗅覚は素晴らしく鋭敏だけに、内偵情報をいち早く察知しており、東京赤坂の会員制クラブは最近店の看板が変わったとの噂も聞く。



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暴力団に狙われるホテル

福岡県警は指定暴力団壊滅を掲げ、北九州市に本拠を置く工藤会に焦点を絞り、昨年末までに本部の売却解体にまで追い込んだ。

同じ県警でも、人口の多い政令市の福岡市や北九州市、中核市の久留米市と違い、地方の警察署は暴力団への対応は比較的緩いようだ。

そこに着目したのが企業舎弟を自認する福岡在住の税理士。

暴力団が持つ独特の嗅覚を活かし、バブル期にオープンした、とある市のリゾートホテルの買収を目論んでいるという情報が関係者から届く。

福岡県暴力団壊滅作戦

総力を挙げ暴力団壊滅作戦に乗り出した県警が、北九州に本拠を置く工藤会に照準を合わせた結果、当初の想像以上の効果が見られているところであるが、県警指導の下、象徴とされていた本部事務所が売却され解体作業が始められた。

県警は次なる照準を、久留米市に本拠を構え2012年に指定を受けた道仁会に合わせたようだ。

筑後地区の土木建設業者を主体に、内偵班が廻っているという情報が届けられた。



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福岡中洲の暴力団勢力図

日本の近代化を担った北九州工業地帯も、重厚長大の基幹産業が華やかりし頃は、エネルギー源としての石炭が貢献していたが、エネルギー革命によって石油に代わり、筑豊や大牟田の炭鉱産業と共に暴力団も大きく変わった。
かつて福岡県の暴力団の資金源は福岡市に集中し、山口組傘下の伊豆組が、繁華街である中洲を縄張りにしていた。
何時しか北九州、筑豊、筑後の暴力団組織も、福岡に進出してきたが、中洲は豊富な資金源でもあったため、共存共栄のシステムが構築され、大きなトラブルも無く、今日に至っていたと言っていいだろう。
しかし北九州を本拠地とする工藤会に対して、福岡県警は強硬な壊滅作戦を行い、組織幹部の大半を逮捕したために、組織から組員の離脱もあって、勢力は往年の勢いを失っている。
2年前に京都で起きた餃子の王将社長殺害事件で、京都府警から捜査員が福岡に来ており、状況証拠でかなり絞り込んではいるが決定打に欠け、犯人逮捕には至っていないのが現状だ。
福岡県警には新しい本部長が赴任、壊滅作戦をさらに進めるためにも、王将社長殺害の犯人逮捕に踏み切るとの情報が流れており、マスコミも仕切り直しで取材を再開し始めた情報も聞く。
7月の暴力事件が原因で伊豆組組員の姿が中洲から消え、代わりに筑後の暴力団が夜な夜な中洲を徘徊している噂も聞かれ、勢力図が塗り替えられ始めたのか、それとも別な要因が発生する前触れなのか、福岡県警も情報を集めに苦労しているようだ。


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狙われたゼネコン幹部

~暴力団の仕業か?~
 福岡県は福岡県警を中心に官民一体となって、暴力団の壊滅作戦を展開しているが、組員が関与していると思われる発砲事件や、放火事件が後を絶たない。
2月12日午前2時頃にスーパーゼネコン、鹿島建設九州支店の副支店長自宅敷地内の、駐車していた乗用車に液体がかけられ、2人組によって火をつけられた事件が起こった。
過去に福岡県内において、放火や発砲事件が起きたケースは枚挙にいとまはないが、いずれも犯人が逮捕された例は極めて少なく、大半の事件は未だに解決されていない。
今回被害者となった副支店長は土木担当と言われ、鹿島建設が受注している土木の大型工事は、那珂川町で建設中の五ケ山ダムが思い出される。
工事は鹿島を筆頭にした建設共同体が受注し進捗しているものの、受注が噂されていた建設会社が外され、関係者を巻き込んだ事件が起きたことを思い出した。
だがこの工事に北九州の暴力団が関与している噂は聞かれず、またこれだけ暴力団取り締まりが厳しい時期だけに、手口は北九州に似てはいるものの、少し違うのではなかろうかという気がする。
自宅への放火ではなく、駐車していた個人の乗用車を燃やしたのは、何らかのトラブルが決着しておらず、解決を早める為の脅しのように思え、担当者が何らかの結論を出さない限り、事件は再発する可能性は高いだろう。 続きを読む