少し前までは、公民館活動や年中行事などで 大人と子どもたちが触れ合う場面は当たり前にあったが、新型コロナウイルスの影響により途切れてしまった。
5類になって1年が経とうとしているが、一度中断した活動が完全に元通りになるのは難しいようだ。
普段から地域の子どもたちと顔を合わせていれば、自然と挨拶もしてくれるようになるが、最近はお互いの顔も分からなくなり、下手に声を掛けたら「知らないおじちゃんから『こんにちは』と言われた」と通報されそうで恐ろしい。
コロナ後遺症は 地域コミュニティにも出ている。
ところで、先日 妻の代打で小学生の下校時の見守り当番に行った。
信号のない小さな交差点、横断歩道に立って子どもたちが安全に道路を渡れるように旗を振る係だ。
子どもたちの姿を見るのを楽しみにしていたが、いきなり驚かされた。
一番に走ってきた男の子は、こちらが旗で遮っていたにも拘わらず、左右も見ずに走り抜けていった。
車が来なかったから良かったものの、運が悪ければ 大事故になったかもしれないと考えると背筋が寒くなった。
その後も、こちらを避けてわざと横断歩道のない方を渡る子ども、トラックが来てるのに車道側にはみ出して歩く子ども、注意しても 全く耳を貸す素振りも見せない。
無論、知らないおじさんに言われたところで聞くはずもない。
ボランティアとは言え命に関わる仕事、事故があったら責任はどうなる?
子どもたちと信頼関係がない中で、簡単に引き受けていいものか考えさせられた。
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旗振係で背筋が寒くなった話
町内会あるある「暴走会長」
福岡市3月議会に、「共創による地域コミュニティ活性化条例」案が上程されている。
昨年3月に亡くなった山崎広太郎氏が、市長だった平成16年度に自治協議会制度を創設以来、市民は手探りで 地域コミュニティづくりに努めてきた。
しかし、自治会・町内会等の役員の高齢化や固定化、加入者の減少などが表面化してきており、今後コミュニティを維持していけるかが課題となっている。
今回の条例案は、基本理念や市民・自治会・町内会・自治協議会・学校・企業などの役割と市の責務等が規定され、今後の地域コミュニティづくりの取組みを進めていくとしている。
自治会・町内会活動の成功は、会長のリーダーシップによるところが大きく、人望の厚い方がその職務に就いていることが多い。
だが、稀に「暴走会長」が君臨する例がある。
地域の住民はボランティアで、防犯や交通安全、美化活動、年間行事等の役員・委員になって協力している。
「暴走会長」は、長年務めるうちに 町内会を我が城、会員を我が家来と勘違いしてしまう。
そのうち、独断で委員を選任・解任したり、偏った内容の町内会報を配布したりする。
たいていの場合、資産家で、元公務員だったり 会社の元役員だったりで、法律に少し詳しく 声が大きい人物が多い。
トラブルを好まない周りの人間は、見て見ぬふりをするのでますます助長し、手をつけられない。
こういう町内会だから ますます加入者が減る。
今回の条例案には、町内会等の役割として、「民主的で透明性のある運営に努めるとともに、町内会等の区域における市民がその運営及び活動に参加しやすい環境づくりに努める」と明記されている。
この条例ができても「暴走会長」に 付ける薬には ならないだろうが、あるに越したことはない。
より良い町内会づくりのきっかけになればいいと思う。