筑豊の高齢女性、接種2時間後に死亡

11月8日の地元紙スポーツ面に、モデルナが目立つようにカラー広告を掲載した。
「特に 高齢の方 基礎疾患のある方 免疫機能が低下している方 新型コロナワクチン接種はお早めに」と接種を促すものだ。

弊社記事「福岡県内の死亡による申請 41件!(2023年10月10日)」では、福岡県内で ワクチン接種が原因で死亡したとして 健康被害救済申請をしている人が 9月11日現在で41人、既に死亡認定が出た人が5人、また 41人のうち年齢と性別が判っているのが33人、そのうち25人は高齢者であることなどを報じた。

現在、最後の無料接種が行われているが、接種会場で配布されているチラシには、「副反応リスク」について書かれてはいるものの、「死亡リスク」があることについてまでは一切触れていない。
国・自治体、医療機関、ワクチンメーカー、そして大手マスコミが、死亡リスクがあるのになぜ伝えないのか、高齢者の死亡者が出ているのに なぜ 高齢者に接種勧奨をするか疑問が尽きない。

今月に入り、弊社の記事を読んだ筑豊地方の自治体にお住まいのAさんから、前述の33人の中に 自身の母親が含まれているという連絡を頂いた。
健康被害救済制度については、制度そのものを知らない方、知っていても書類作成で申請に至っていない方、それ以外に 申請までに 様々なハードルがあり、十分機能しているとは言えない状況にある。
取材したAさんも、その問題点が浮き彫りとなったケースである。



亡くなったAさんの母親は79歳、アルツハイマー型認知症で Aさんの介助により在宅生活を続けていたが、昨年7月26日、かかりつけの病院で4回目のワクチンを接種した直後、2時間50分後に死亡が確認された。
その経過は 下表の通りである。



接種後約2時間、突然の母親の死が受け入れられなかったAさんは、ワクチン接種との関係を疑った。
その当日に 警察に届け出て 司法解剖を依頼したこと、そして、かかりつけ医が翌日PMDAに「予防接種後副反応疑い報告書」を提出していたことが、後の予防接種健康被害救済制度の申請に生きたという。

ただし 申請まで 全てが順調という訳ではなかった。

Note: 医師等は予防接種法の規定に基づき、接種を受けた者に副反応疑いの症状が起こった場合、診療した医療機関から(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)に「副反応疑い報告」を提出することが義務付けられている。

かかりつけ医がPMDAに提出した「予防接種後副反応疑い報告書」

 

Aさんが 司法解剖を希望したのは、当時の担当警察官からの助言があったからだ。
母親死亡当日の7月26日、同警察官が死体調査結果の報告をAさんに伝えた際、Aさんに今後のために解剖をすることを勧めてくれた。
母親の遺体は、翌27日に某大学病院に移送され解剖されている。

Aさんは担当警察官から、解剖結果が出るまで2~3ヵ月程掛かると聞かされていたが、10月になっても連絡がなかったので警察署に問い合わせたところ、助言をした警察官は移動になっていた。

ところが、後任の警察官からは 「解剖結果の検査書は出したことがない、出せない」と言われたという。
埒が明かなかったため、Aさんは県警に出向き 現状を訴え、10月12日に「死体調査等結果書」が ようやくAさんに手渡された。
対応が担当者によって異なることが露呈した格好だが、Aさんが県警に訴えなければ それで終わっていただろう。

ワクチンとの因果関係を検証する上で、司法解剖をしたのと していないのでは 大きく異なる。
突然家族が亡くなって 混乱している遺族が、司法解剖という発想に辿りつかないかもしれない。



問題はそれだけではなかった。
司法解剖を担当した医師の所見は、次のような内容だ。

鑑定結果は、死亡の原因を「左右気管支を含む気道、食道内に食物残渣(パンケーキ)を比較的多量認めることから、直接死因は食物誤嚥により気道が閉塞されたことによる窒息の可能性が高い」、「解剖所見及び検査結果からは食物誤嚥の原因は判然としない」としながら、ワクチン接種2時間後に亡くなっていることについて、「断定はできないものの、死亡とワクチン接種の因果関係についてはほとんど無いものと考えられる」と さらりと触れただけで、その根拠については言及されていなかった。

納得がいかなかったAさんであったが、その後11月19日に北九州市黒崎で ワクチン被害者の声を伝える自主制作映画の上映・講演会が行われることを知る。
Aさんはこの催しに出向き、講演者にこれまでの経過や解剖結果について説明した。
その講演者から、Aさんは 某国立大学のワクチン研究で著名な B氏を紹介された。

B氏は、解剖結果の所見にワクチン接種との因果関係が無い根拠が示されていなかったことから、11月25日に福岡まで 飛んできて解剖を行った医師と面談を行った。
その面談結果と厚労省等が公表している資料を元に、「接種後の副反応で嚥下機能が低下し、嘔吐物が気管支内に流れ込み窒息死に至った可能性が高い」と判断、救済申請書に添付する意見書を書いてくれたのである。
意見書があるのとないのでは 大きな違いだ。

黒崎の映画上映・講演会に行ってなかったら…。
B氏が意見書を書いてくれなかったら…。
Aさんはこれらの偶然が重なって、予防接種救済に申請に解剖の検査結果書と、その内容を補う専門家の意見書を添付することができた。

冒頭で述べた通り、健康被害救済制度については、制度そのものを知らない方、知っていても書類作成で申請に至っていない方、それ以外に 申請までに 様々なハードルが存在する。
行政には 救済制度の更なる周知と、申請を支援する仕組みづくり、更には ワクチン行政に関わる全ての職員や医師らに ワクチン副反応について理解を深めてもらう必要があるだろう。