議会承認ありきの新規事業告知

北九州市議会の6月定例会が1日に召集されたが、直前の5月29日に 北九州市が公式ウェブサイトで公表した告知に市議会が反発を強めている。
それは「(仮称)北九州市“新ビジョン”策定支援業務委託 公募型プロポーザル方式の実施」という事業者募集の告知、独自カラーを打ち出したい武内和久市長が 北九州市の基本構想・基本計画に代わる新しいビジョンを策定するのは分かるが、その進め方が良ろしくない。

この業務は 今後の北九州市政の最上位の計画を策定する新規事業となり、外部に丸投げになっていないか、タイミングとして適当か、予算として十分かなど、6月議会で審議が尽くされ、承認が得られてから はじめて執行されるものだ。
業務内容の説明の中に、「なお、本件は令和5年度の本予算の成立をもって実施となるため、市議会での議決によっては、変更や中止を行う場合がある」と注釈があるので、執行部もそのことを分かった上で告知をしている。

しかしである。
鼻から「議会承認ありき」で告知をすれば、国会ではもちろん、どこの地方議会でも「議会軽視も甚だしい」と議員の怒りを買い 執行部は謝罪に追い込まれることになる。
ましてや 北九州市議会はオール野党状態、「否決できるもんなら否決してみろ」と喧嘩を売っているに等しい。

会期中、委員会や一般質問で、告知に至った経緯等について 各会派から追求があると見られている。
武内市長は官僚出身なので こうした手続きの大切さについては百も承知のはずだが、なぜ議会承認されるまで待たなかったのか、その真意について明らかにしてほしい。