イメージ低下が心配されるアライアンス

昨日、田川市で南国殖産が定められたルールを守らず発電所の建設工事を進めていることを書いた。
開発行為において事業者と住民がトラブルになることは珍しくないが、同じようなことが 福岡都市圏のマンション建設でも起こっている。

福岡市を中心にマンション開発を手掛け、Alic Styleや Mismoシリーズで知られる㈱アライアンスが、那珂川市五郎丸地区に地上13階建(40m)、36戸の分譲マンション建設を計画しているが、その過程で那珂川市が定める「開発行為整備要綱」を守っていなかったとして近隣住民が反発を強めている。

建設予定地は、中高層住居専用地域で高さ制限がなく 法的な問題はないが、これまでは施主が地元関係者で、隣接する低層住居専用地域への配慮から最高7階建までに止められてきた。
地元関係者が所有していた同予定地は、平成27年に春日市在住の元病院経営者が取得、その後 本年2月にアライアンスが購入したもので、近隣への配慮よりビジネス優先となるのは仕方がないだろう。

市の要綱では、県に建築確認申請をする前に 住民説明を行い「開発行為概要」「近隣住民への事前説明報告書兼誓約書」「区長からの意見書」を提出し 市と事前協議を行うこととされている。
しかし、アライアンスは 申請前に市が定める上記の手続きを行わず、7月25日に申請を行い、8月8日に検査済証を入手していた。

各市町村には開発行為に関する要綱があり、同様の定めがあることはマンション開発業者なら当然把握していたはずだ。
業界に詳しい人物は「要綱に罰則も法的拘束力もないことから、先に確認申請を済ませ、既成事実を作ってから近隣住民への対策は行う考えだったのでは」と話す。


那珂川市は 「業者が手順を守らなかったことは残念だが、法的に認められた以上 建築は止められない」としているが、要綱無視が罷り通るなら これからも同じ手法を使う業者は後を絶たないだろう。

一方、周辺住民らは建設反対の看板を上げるとしており、販売に影響が出る可能性もありそうだ。
ほんの少しのコンプライアンス違反でも 企業のブランドイメージが低下する時代、関係者からはアライアンスの今後を心配する声が出始めている。