ある銀行幹部の「不正乗車」 [2008年9月8日09:00更新]

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子ども用の切符で地下鉄の改札を通り抜けようとした女子高生が、東京交通局の若い職員に呼び止められ、そのまま休憩室に連れ込まれ暴行を受けるという事件が起きた。女子高生は抵抗して逃げ、職員はその場で暴行未遂で逮捕されたのだが、駅員への信頼を逆手に取り、不正乗車の弱みに付け込んで乱暴を働くとは、常識では考えられないことである。



この事件を聞いて、某銀行の元常務による不正乗車の1件を思い出した。北九州勤務時代、福岡本店で行われる会議などに出席するために、福岡から通勤している部下の定期券を借りて使い、銀行には通常の交通費を請求していたのである。

定期券を貸した部下が事実を知って周囲にしゃべったために、当時銀行内では女子行員にいたるまで噂になった。だが、不正乗車の事実は不問に伏せられ事件にはならず、常務は融資先の民間企業へ副社長の肩書きで出向。さらに今度はめでたく地元老舗の印刷会社社長に就任すると言われている。

この印刷会社は福岡におけるタウン誌発行の草分け的な存在だけに、時代の先端を行く若者集団の企業に銀行OBの年老いた社長が就任して、社員の反乱が起こらなければいいが-と危惧している。

 

福岡の経済界には地元主要企業によって構成される「七社会」という任意団体があり、当然この銀行も参加している。幸いにJR九州は新幹線を運行していないので、この銀行幹部による不正乗車によって被害は発生しておらず、事なきを得て今日に至っている模様である。

某銀行では、役員の不祥事不始末を合併の際に「パンドラの箱」に入れ、開けられないように処分している。だが、中堅行員の不満は内部に蓄積されているのが現実で、マグマのように爆発・噴火するのは時間の問題と言われている。

(J)