JV構成に批判集まる

先月、嘉麻市の「国道322号嘉麻バイパス大隈トンネル」の工事現場で起工式が行われたというニュースが報じられた。
ひときわ目を引いたのが、東急建設㈱・㈱サカヒラ・九特興業㈱JVという施工業者である。

県のホームページによると、入札は昨年4月、予定価格27億3813万円で行われ JV3者が参加、東急JVが 25億1908万円(落札率92.0%)で落札している。
他の2者は、奥村組・新井組・才田組JVと青木あすなろ・森本・岡本土木JV、たまたま両者とも書類不備で無効となった。
奥村組や青木あすなろほどの企業が、書類不備というミスを犯すはずもなく、自ら辞退したとも考えられる。

それよりも地元業者が批判しているのが、東急とのJVに 「サカヒラ」と「九特興業」が入っている点である。
なぜなら、九特興業の全株式をサカヒラのオーナー一族が所有し、両社の住所も同じで実質同一企業と見られているからだ。
仕様書ではJVの資本比率は5:3:2とされていたがこのケースでは5:5、つまり 25億円の半分を同一オーナーが手に入れることになる。

県の入札要綱では、株主まで調査をすることになっていないため 規定上は何ら問題はない。
しかし、今回のケースでは 関わる地場業者が限られ、二次三次の下請けを含めた業者の育成が広がらず、行政がJVを5:3:2にした目的に沿わないとの指摘がある。
こうした制度の盲点を突いた技を使う業者はごく稀だが、まかり通ると模倣する業者も出てくるので、国や県は防止策を講じた方がよいのでは。

また、中堅ゼネコンにおいては、最近若者向けのテレビCMでイメージアップを図っているが、なりふり構わない地場企業と組むことを続けていては、その努力も水の泡になることを認識すべきだろう。