赤坂のもつ鍋・七山 [2016年4月11日04:00更新]

昭和50年頃までは一般の市民やサラリーマンが、食べたり飲んだりしことはなかったように思う。
二階堂酒造の下町のナポレオン「いいちこ」が焼酎ブームの先駆者だったように記憶しているが、その後は人吉の「六調子」や、ゴマを原料にした久留米の「紅乙女」などが、ホテルのバーなどに並べても、ウイスキーやブランデーなどに見劣りしない、高級感溢れるボトル詰で、清酒から焼酎に替わる火付け役になった。
それに比べて「もつ鍋」は、庶民の食べ物として広がったため、立派な作りの店はあっても、高級感あふれる専門店は少ない。
薬院大通り近くのビルで営業していた「七山」が、2年前に中央区赤坂に向かう一方通行の道路に面し、店の前に小さな庭があるビルの1階に移転した。
カウンター席とテーブル席のみの、こじんまりした作りだが、小粋で高級感にあふれ、大事な客を接待できる店としてお勧めしたい。
ただし、余り大きくないので予約しておくのが無難である。
もつ鍋を食べられない人には豚しゃぶもあり、博多雑煮に使われる焼きあごが鍋の中に1匹入っていて、レタスのシャキシャキ感も良く、最後の締めはちゃんぽん玉以外に、注文を受けてから茹でる「そうめん」がある。
これがまた絶品で、女性が喜ぶ店としてインプットしておくのが、男性のたしなみではなかろうか。