田川地域の異常な事態を知って

3日午後、田川郡東部施設組合議会が告発するとした4人の市議が福岡県庁で記者会見を開き、田川地域で起こっている異常な事態を知ってほしいと訴えた。

4人のうち3人の市議が出席して情報公開の勉強会を開催したのが昨年4月26日、それに対して7月11日に組合から抗議文が3人に送付されている。
その後組合事務局からは一度問い合わせがあったくらいだったが、突然今年2月24日の組合議会が開催され、百条委員会を設置する条例が可決、選挙告示日まで2ヵ月を切ったタイミングである。

そもそも百条委員会設置目的の対象は行政事務であり、議員個人がどこで何を発言したかその真意を問う調査など論外である。
出頭要請を受けた4人の市議は、出頭すると委員会を認めたことになるとして拒否、そして、3月31日の組合議会では、不出頭を理由に4人を告発する議案が全員賛成で可決された。

田川市では今月16日に市長選と市議選が告示されるが、直前での百条委員会設置と告発は選挙妨害そのもの、これに組合に参加する8市町村の議員が加担している(せざるを得ない)状況は、確かに異常と言えるだろう。

記者会見の内容について RKB NEWSで視聴できるので、田川地区の住民の皆さまには是非ご覧頂きたい。

Click → RKB毎日放送NEWS

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RKB毎日放送NEWSより

選挙に百条委員会を悪用する狡猾な輩

田川地区(1市6町1村)の衛生処理施設の整備を進めている田川郡東部施設組合(組合長:永原譲二大任町長)で、市長選・市議選(4月16日告示)直前に百条委員会を悪用した権力の暴走が起きている。

3月31日の地元紙朝刊に、筑豊地区の3つの地方自治体の百条委員会についての記事が掲載され、そのうち飯塚市議会と田川郡東部施設組合では不出頭の市議を告発することが報じられた。
飯塚市議会の百条委員会については、弊社既報の通り 確かな証拠や証言など裏付けがあり官製談合の疑いが濃いことから、証人の不出頭による告発は妥当なものと言える。

新体育館移動式観覧席の入札に係る官製談合等調査特別委員会

しかし、田川郡東部施設組合議会の百条委員会で4人の市議が出頭しなかったのには正当な理由があり、告発は明らかな権力の濫用、同列に取り扱う内容ではない。
出頭拒否を念頭に委員会に呼び出し、その結果をマスコミに報道させることで、選挙前のこのタイミングで立候補予定者に悪印象を与える目的と見られている。

弊社記事「選挙妨害に加担する議員たち(2023年2月27日)」



この百条委員会設置目的は、「7月11日付で組合から3人の市議に発出した文書に対し、『言論弾圧・不当な圧力・脅迫そのもの・脅かしの政治』などとメディア等を通じ主張した真意の究明」が目的という。



しかし、4人に届いた出頭要請通知には、「令和4年7月11日付で3人の市議に出した文書に行政上の瑕疵はなかったかを調査する」と記載されており、このように書けば、出頭せざるを得なくなるような表現にすり替えている。
これは、永原組合長の判断が正しかったどうかを問うという意味になり、田川の常識ではあり得ない話である。
考えつくのはただ1人、実に巧妙で改めてその狡賢さが分かる。



今回、百条委員会に出頭しなかったとして告発された4人の市議のうち、香月隆一議員・小林義憲議員・村上卓哉議員は3人の連名で弁護士を通じ、「調査対象が『主張の真意』というのは、憲法が保障する思想信条の自由(19条)を侵害すること」、「調査の設置目的と出頭要請通知の内容が異なること」が、出頭を拒否する正当な理由に当たるとして回答を送った。

また、佐藤俊一議員は、「百条調査の目的が、地方公共団体の事務にかかわる範囲で起こ った不祥事案等に対して行なうもので、調査の対象外」「3人の思想信条を侵害することによって基本的人権の侵害となる憲法違反」という考えを理由に、出頭を拒否している。

結局、同委員会では「正当な理由とは認められない」として告発するに至った。
関わっているのが各市町村の議員というから世も末だ。
田川の権力の暴走は止まらない。

選挙妨害に加担する議員たち

政治倫理の欠如が大任町から田川地区全域に拡大している。
8市町村で構成される田川郡東部環境衛生施設組合(組合長:永原譲二大任町長)の組合議会(各市町村から各4名、32名で構成)が24日開催され、百条委員会(調査特別委員会)を設置する議案が賛成多数で可決された。

調査の対象とされているのは、田川市議で4月の市長選挙に出馬を表明している村上卓哉市議、同じく市議選を控えている小林義憲議長、香月隆一市議の3人で、「7月に組合から発出した文書に対し、『言論弾圧・不当な圧力・脅迫そのもの・脅かしの政治』などとメディア等を通じ主張している真意の究明」が目的という。

参考:TBSニュース
「ごみ処理施設」の議論はタブー?
福岡・大任町長の不可解 議題にした田川市議「議員バッジ外せ、とどう喝された」

まずもって対象が市議というのが無理筋、百条委員会は「自治体の事務」に不正や疑惑があるときに議会が調査するために設置するもので、このような例は聞いたことがない。
また、憲法で保障された言論の自由を奪う可能性も指摘されている。

それらを承知で、選挙まで2ヵ月を切ったこのタイミングで強引に設置したもので、悪意が感じられる。
百条委員会の対象者ということでイメージを低下させ、選挙を有利に進めようとする意図が透けて見え、公的機関を私物化した妨害工作と言えるだろう。

委員会設置を提案した16人の市町村議員の中には、永原町長が怖くて逆らえなかった者もいるだろうが、田川市議会の今村寿人市議は市議選のライバルを貶めようとする確信犯だ。
問題だらけの委員会設置議案を提案した議員(下記)、それに賛成した議員は恥を知るべきだ。

【添田町議会】緒方裕子・中嶋浩二・合戸精一・畠田勝廣
【大任町議会】毛利英文・松下太・坂本年行
【香春町議会】小松新一・永田太一・川野藤則・森田憲治
【赤村議会】浦野良一・春本敏典・春本雪夫・大場信司
【田川市議会】今村寿人