副市長と教育長不在、どうする健ちゃん

「市民と共に発展を!未来につなぐ全力発信」のキャッチフレーズで初当選を果たし現在2期目の福田健次市長であるが、未来につながらないマスコミ報道が発信されている。

弊社記事「早くもレームダック(2022年9月24日)」で報じた通り、議会は過半数を反市長派が占め、昨年9月議会から 市長が提案する条例案の否決や予算案の修正が続いているが、12月議会では 市長提案の副市長 及び 教育長の人事案が否決されてしまった。
市の主要ポストの副市長と教育長が不在というのはあまり聞いたことがない。
特に教育長の不在は 予定している学校再編のスケジュールに影響を及ぼすのは必至だ。

一般的に、やろうとする事が ことごとく否定されたら 精神的なダメージは大きい。
任期は 残り2年半、人事案まで否決されるとなると 途中辞任という選択も出てきてもおかしくはない。

ポイントは来年4月の県議選、市長の後援会長を務めた片岡誠二県議にとって3期目の選挙、現在 市議会多数派が推す 靏林大我(つるばやしたいが)氏(27)が立候補を表明している。
選挙結果次第では リコールの機運が高まっていくことも十分考えられる。



 

県議選に27歳新人が名乗り・中間市

10月4日、中間市役所で記者会見が行われ、来年4月の県議会議員選挙 中間選挙区に、靏林大我(つるばやしたいが)氏(27)が出馬する意向を表明した。
平成7年 中間市で生まれ、東筑高から筑波大を経て教員となる。
元市議会議長の堀田英雄氏は祖父にあたる。
中間市では学校再編が進められようとしているが、市側が説明責任を果たしていないことに疑問を感じていたところ、政治の道に誘われ 思い立ったという。

この日は同時に、地域政党「なかま未来の会」の結党報告、及び「つるばやし大我後援会」の発足報告もあった。
「なかま未来の会」代表には、政府の行政改革推進本部専門調査会 元委員の 岡部謙治氏が就任、副代表には靏林氏、この他市議らが設立メンバーに加わった。
都市部以外で地域政党というのはあまり聞かないが、政治信条に多少の違いはあっても「現市政を変え未来を創る」という共通の目的を持つ有志が結集した。

現職は片岡誠二県議(自民・2期)、選挙まで半年以上ある中でこれだけの万全の体制が整っているのは 脅威となるだろう。
今後は 片岡県議が レームダックの福田健次市長と引き続き共闘するかに注目が集まりそうだ。

早くもレームダック・市長屋ケンちゃん

中間市の福田健次市長がレームダック状態に陥っている。

1期目の公約、「小中学校給食費の完全無償化」、「警察署の誘致」、「老朽化した市立病院の早期建て替え」は実現しないどころか市立病院はあっさり廃止、更に中央公民館なども廃止で 市民の反発があったが、昨年6月の2期目の選挙では、後援会長の片岡誠二県議の支援もあり僅差で勝利した。



ところが、議会は過半数を反市長派が占めており、昨年9月議会から 市長が提案する条例案の否決や予算案の修正が続いている。
そのこと自体 屈辱的だが、市長提案の人事案件を議会が拒否することが想定されるため 今年1月からは副市長不在という異例の事態、更に直近の議会では 、これまでの財政運営の杜撰さを改める議員提案の「財政運営基本条例」が可決した。

一方、頼みの片岡県議の事務所から福田市長の立て看板が密かに撤去されたとの話も漏れ伝わってきた。

残りの任期を3年弱残しているが 大丈夫?
市長屋ケンちゃん。

ケンちゃんの秘策

「ケンちゃん」と聞いて 真っ先に出てくるのは 志村けんさんだろうか。
筆者の場合、ケーキ屋ケンちゃんなどケンちゃんシリーズで知られる宮脇康之さんを思い起こす。

だが、中間市民にとって、ケンちゃんと言えば 福田ケンちゃんだろう。
昨年6月、2期目の選挙を勝ち抜いた福田健次市長であるが、タレント時代に培った 反射的に聴衆を笑わせようとする「軽口」が抜けない様だ。

それは「秘策」という言葉だ。
一番最初に使ったのは一昨年の5月、地元テレビ局で放送された 番組で、「中間市の財政を超V字回復させる秘策を考え出した」と述べ、最新技術である亜臨海水処理施設を導入し、ゴミを資源化するシステムを構築するという 具体的なプランを熱く語った。

ところが、直後の6月議会の一般質問で秘策について問われた際、「秘策はあくまでも秘策でありまして、現時点ではお話しすることを控えさせていただきます」と答弁、個人的な案ということで説明はなかった。
昨年の市長選挙の折は、秘策に触れることなく 僅差で勝利を収め、そして今回、2期目における初めての予算案を提案するも、財政再建につながる秘策らしき事業が含まれていないことから、ベテラン議員から秘策の中身について質問を受けることになった。

これに対し、市長は「秘策はあくまで秘策なので、具体的に何かをお話しすることは控えさせてもらいます」と 過去の答弁を繰り返したのである。
もしかしたら 議場が爆笑に包まれることを想像しての発言だったかもしれないが、さすがに「公の場で実態のない表現は安易に使うべきではない」と 議員から厳しく叱責されてしまった。

中間市の未来は市長にかかっている。
同じ言葉でも、市長とタレントでは受け取る側の捉え方が全く違うことを理解するべきだろう。

タレント市長の評価・中間市 ④ ■ 「V字回復の秘策」を待つ市民

6月6日の 中間市長選挙告示まで2週間を切った。
今年3月までに福田市政に異を唱える立候補予定者が相次ぎ、市議会副議長の梅沢恭徳氏(33)、社会福祉法人理事の俵邦子氏(67)、元市消防署長の嶋津淳一氏(67)、市議の植本種実氏(72)の4名が名乗りを上げていた。

一方の福田健次市長は、選挙の半年前に議会で再挑戦を表明するのが一般的だが、3月25日になってやっと2期目への挑戦を表明、3ヵ月前というあまりにも遅いタイミングである。
市民の反発が続き市長職に嫌気がさしていたが、それでもその後 候補者が増え、現職有利になったことで勝算ありと踏んだのでは、と関係者の間では憶測を呼んでいた。

ところが5月12日になって、梅沢氏と俵氏が立候補の取り止めを発表、植本氏と政策協定を結び 支援することを発表、福田氏にとっては 候補者が減る予想外の展開になった。
現時点で、福田氏、植本氏、嶋津氏、3人の争いとなりそうだ。

福田氏の頼みの綱は、後援会長の片岡誠二県議(自民党)と、不動産や医療・介護まで幅広く手掛ける地場有力企業グループだが、自民党中間支部も一枚岩ではなく県連の推薦を取り付けるまでには至らなかった様だ。

福岡のアイドルグループと市の広報活動で業務提携する等、見せ方は上手い福田市長だけに 若者票や浮動票を相当数 獲得すると思われるが、昔から中間市に愛着を持つ人々は、福田氏が「V字回復の秘策」について語るのを首を長くして待っている。

(了)

タレント市長の評価・中間市 ③ ■ 際立つ発言の軽さ

中間市の人口は 現在約4万人、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、2045年までに 2万8248人に減少し、高齢化が進むとされている。
福岡県下では 福岡都市圏以外 殆どの自治体の共通の悩みである。

そういった事態を打開するため各自治体は頭を悩ましているのだが、過去には佐賀県武雄市のように発信力のある市長がいる自治体が注目を集め、新たに企業が進出した例もあった。

4年前、福田市長に期待されたのはその発信力だったが、発言の軽さが際立った。
特に、昨年5月に地元テレビ局で放送された 番組での発言だ。
福田市長は「中間市を超V字回復させる秘策を考え出した」と述べ、「オンリーワン、オリジナルの産業を創ること」として、最新技術である亜臨海水処理施設を導入し、ゴミを資源化するシステムを構築するという 具体的なプランを熱く語った。

しかし直後の6月議会の一般質問で、秘策について問われた福田市長は、「秘策はあくまでも秘策でありまして、現時点ではお話しすることを控えさせていただきます」と答弁、個人的な実施案だとした。
テレビで話した内容を 議会で説明できないという あまりのお粗末ぶりである。

テレビ出演から1年経つが、V字回復に繋がる秘策とやらは 以前として議会で説明されないままだ。

ー 続 く ー



 

 

タレント市長の評価・中間市 ② ■ 公立病院建て替えから廃止へ

築40年経ち 老朽化が進む 市立中間病院であったが、福田市長は1期目の選挙で早期建て替えを公約に掲げた。
しかし、今年3月末で廃止、公約違反の象徴となったが、廃止までの経過に関し不透明な点が多く、議会や市民からは福田市長のリーダーシップに疑問の声が上がる結果となった。

令和元年5月、市長は 近隣の病院の院長らで構成する「中間市立病院あり方検討委員会」に諮問し、同年10月に「独立行政法人に移行が望ましいが、かなわない場合は民間移譲」という答申を受けた。

しかし、令和2年3月末の 市議会全員協議会で、市長が「独立行政法人では市の財政負担が今後も続いていくことから、庁議(市役所内の最高意思決定会議)で民間移譲とすることに決定した」と報告、そして 同年6月に 中間市最大の病院、 医療法人 秋桜会 新中間病院との間で 民間移譲する覚書を交わしたことが明らかにされた。

実は、同病院が 4年前の選挙で 福田市長を支援した地場企業のグループというのは、地元では有名な話、通常であれば 公共施設を民間に移譲する場合は公募という手続きをかけるところだが、随意での交渉に疑念が湧く格好となり市議会は反発を強めた。

市民にとって 百歩譲って 民間移譲で病院が存続するならまだ良かったが、話が急転、 11月になって 覚書を破棄する事態となったのである。
病院の建て替え費等の話で条件が合わなかったという。

このため、民間移譲の道も閉ざされ 廃止せざるを得ない状況になった。
病院の建て替えが 独立行政法人化、その後民間移譲となり相手先を独断で決定、終いには廃止と 目まぐるしく決定していったが、病院関係者や利用していた市民らの福田市長に対する不信感は増幅していった様だ。

ー 続 く ー



 

タレント市長の評価・中間市 ① ■ 公約と実績のギャップ

任期満了に伴う中間市長選(6月6日告示、13日投開票)には、現在までに 現職市長の福田健次氏(60)、元市消防署長で新人の嶋津淳一氏(67)、植本種実氏(72)が立候補を表明している。

地元テレビ番組の司会でお馴染みの福田氏が 初当選を果たしたのが 4年前の2017年6月、中間市出身ではない福田氏は 地元県議や地場グループ企業の支援を受けて 三つ巴となった選挙を制した。



タレント市長には相応の期待があったと思われるが、市民からはあまりいい評判が聞こえてこない。
それは、1期目に掲げた公約と実績のギャップにあるようだ。
公約の目玉だったのが、「小中学校給食費の完全無償化」、「警察署の誘致」、「老朽化した市立病院の早期建て替え」であったが、残念ながら実現できたものは1つもない。

給食費無償化は市財政が回復するまで延期、警察署の誘致については 要望は上げたものの、県は対応する気配は微塵もなく、見通しの甘さが露呈した格好だ。

そして、更に 市民を失望させたのが「市立病院の早期の建て替え」である。

ー 続 く ー