福岡市営地下鉄 ~ 福岡空港国際線ターミナル延伸構想・後編! [2017年10月31日07:00更新]

それではどこからこういった話が浮上し、一人歩きし始めたのか。前編はコチラから。

今年9月15日、国土交通省は、「福岡空港民営化に向けた運営事業者選定で3企業連合が1次審査を通過した」と発表した。

これを報道した新聞記事のなかで、「福岡空港は国内線と国際線の乗り継ぎや、国際線の路線拡充などが課題とされており、企業連合には海外で実績がある空港運営会社や投資会社が参加していた。」とあったことから、地下鉄延伸の期待が大きく膨らんだようだ。

ところが、検証してみるとかなり厳しい。

地下鉄空港線の東比恵駅から国際線ターミナルまでは、直線距離で約1.5キロメートルだから、七隈線博多駅延伸距離とほぼ同じ。

だが、地下鉄空港線と七隈線は、乗ってみればわかる通り、規格がまったく異なる。

七隈線博多駅延伸工事は約450億円の総工費だが、空港線を国際線ターミナルまで延伸するとしたら、倍近くになるかもしれない。



ましてや、博多駅から筑紫通りの下をもぐり、山王公園経由で国際線ターミナルまで、という路線は、仮に安い七隈線規格でも、距離が約3キロメートルだから1000億円近い投資が必要であり、論外。

福岡空港の運営事業者は、少なくとも総事業費が2000億円を越える投資額であるため、旅客数を増やし、空港運営収入を増やそうと、交通の利便性を高めようとは思うだろうが、運営事業者が多くの資金を投資して、福岡市に地下鉄運行を委託するということはありえない。

10月13日の記事と同じように、結論として「延伸計画は無理!」ということだ。前編はコチラから。